消費者態度指数から消費者マインドを考える
本日、内閣府から4月の消費動向調査の結果が発表されています。ヘッドラインとなる消費者態度指数は季節調整済みの系列で見て40.0と3月の40.3から▲0.3ポイント低下しました。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
4月の消費者態度指数、1年ぶり悪化 雇用の持ち直し一服で
内閣府が15日発表した4月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の40.0だった。悪化は1年ぶり。雇用の持ち直し一服が消費者マインドの改善に水を差した。
指数を構成する「暮らし向き」など4項目のうち3つで悪化した。有効求人倍率は上昇しているものの、雇用者数の減少や非労働力人口の減少を背景に「雇用環境」が11カ月ぶりに低下した。高水準を維持する自動車販売の増加に一服感が出てきたことも「耐久消費財の買い時判断」の低下につながった。
しかし、所得環境は悪くない。3月の現金給与総額が増えたことや春闘の結果が昨年並みだったことを受けて、「収入の増え方」は前月から上昇し、マインド悪化に歯止めをかけた形となった。
内閣府は、消費者心理の基調判断に関して「持ち直しの動きが続いている」から「持ち直し傾向にある」へと表現を変更。「単月のマイナス幅は小さく、ゴールデンウイークの消費動向が良かったことから景気の基調が変わったとはみていない」(内閣府)といい、判断は据え置いた。
1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた割合は68.1%と前月(65.9%)から増加し、「低下する」や「変わらない」と答えた割合はともに減少した。食料品やガソリン価格の高止まりが、消費者の懸念につながっている。
調査は全国6720世帯が対象。調査基準日は4月15日で、有効回答数は5034世帯(回答率74.9%)だった。
次に消費者態度指数のグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列をプロットしており、影を付けた部分は景気後退期です。

統計作成官庁である内閣府では、4月の消費者マインドの基調判断について「持ち直し傾向にある」と、前月の「持ち直しの動きが続いている」から据え置きました。消費者態度指数を構成する4つのコンポーネントのうち、「収入の増え方」は前月と比べて上昇したものの、「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」は低下しています。私は先月のエントリーで公務員給与の引下げが何らかの影響を及ぼす可能性を指摘しましたが、「収入の増え方」がプラスに動いたんですから、公務員給与引下げの影響を指摘した私の予想は外れたことになります。しかし、引用した記事にもある通り、雇用の改善が足踏みすれば消費者マインドの改善にも響くことは明らかです。
また、季節調整していないブロック別の原系列指数の動きを見ると、北海道・東北と東海と九州・沖縄が上昇し、関東と近畿で横ばい、北陸・甲信越と中国・四国で低下となっています。季節調整の処理のベースが異なりますから単純に当てはめるわけにはいきませんが、大雑把に、3月から4月にかけての消費者マインドの動向は東高西低と私は受け止めています。
4月10日付けのエントリーで取り上げた景気ウォッチャーでも4月の足元の判断はやや弱含んでいましたが、先行きは決して悪くありません。輸出や復興需要にけん引された現在の景気回復が雇用の拡大や賃金の上昇から内需主導の景気拡大につながるかどうかを注視したいと思います。
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