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2012年5月24日 (木)

採用が減っても給与が下がっても公務員はオススメ就職先のひとつか?

1990年代初頭のバブル経済崩壊以降、何度かの就職氷河期を経て、大学生や大学院生の間の就職先としての公務員人気はかなり高まった一方で。最近の採用する側の政府の動向は厳しくなっています。地方公務員ではなく、私のような国家公務員が勤務する政府の省庁では、採用人数を大幅に削減したり、今年4月から2年間の給与を削減したりしています。いくつかのメディアでも取り上げられていましたが、一昨日5月22日に、レジェンダ・コーポレーションから来年2013年新卒生に対する「就職活動の意識/動向調査」結果が発表され、大学生・大学院生の就活生2人に1人が公務員になりたいと思ったことがあるとのアンケート調査結果を明らかにされています。いまだに公務員に人気があるのは不思議な気がします。

公務員になりたいと思ったことはありますか?

まず、上のグラフは「公務員になりたいと思ったことはありますか?」という問いに対する回答です。「思ったことがある」が過半数を占めています。私が地方国立大学の経済学部で日本経済論を教えていた数年前の経験からすれば、実際に公務員になる大学生は1割もいなかったでしょうから、かなりの高率と言えます。

公務員として働くメリット

ただし、志望動機となるとかなり怪しくなります。上のグラフは「公務員として働くメリットはどういうことが考えられますか?」という問いに対する回答なんですが、「国・地域に貢献できる」という公務に対する情熱を示す回答は3位に後退し、「長く勤められる」や「リストラされない」といった身分保障に関する優位点が上位に来ます。
グラフは引用しませんが、いくつか特徴的な点として、勤務先としては、私のような国家公務員の官公庁は3位にとどまり、市役所・区役所がトップ、都道府県庁が2番目、教育が4番目、警察が5番目となっています。また、「公務員になりたいと思ったことがある」うち、公務員を就職先として勧められたことがある大学生・大学院生は67パーセントに上り、3人に2人が公務員を勧められています。勧めたのは圧倒的に両親で72パーセントを超えています。逆から見れば、3人に1人は勧められなくても公務員になりたいと思った、ということになります。

私自身は上級職の国家公務員試験に合格しただけでなく、人事院に併任されてⅠ種経済職の試験委員も務めたことがあり、こういった経験は大学の教員をしていたころに学生にアピールするひとつの売り物だったんですが、今くらい公務員の採用や勤務条件が悪くなれば、必ずしも学生諸君には勧めなかった可能性もあります。それでも公務員を目指す学生・院生はいるんでしょうね。

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