米国雇用統計のグラフィックス
当然ながら、我が国のゴールデンウィークとは何の関係もなく、昨日、米国労働省から米国雇用統計が発表されています。いずれも季節調整済の統計で見て、ヘッドラインとなる失業率は8.1%と前月から0.1%ポイント低下したものの、非農業部門雇用者数は前月からわずかに115千人しか増加せず、米国の景気回復ペースに疑問を投げかける内容でした。ゴールデンウィークのど真ん中ながら、我が国経済への影響も含めて重要な統計ですので、簡単に取り上げます。まず、Wall Street Journal のサイトから記事の最初の4パラを引用すると以下の通りです。
Jobs Engine Sputters Again in April
U.S. job growth slowed in April, spooking markets and giving President Barack Obama a tougher sell as he tries to convince voters that the economy is on the mend.
The disappointing jobs report raised concerns that the economy, which appeared to be accelerating late last year and early this year, is bogging down again. The labor force shrank again last month, indicating more workers are throwing in the towel.
Employers added a seasonally adjusted 115,000 jobs in April, the smallest increase since October, the Labor Department said. Private employers added 130,000 jobs while governments cut their payrolls by 15,000.
The unemployment rate, derived from a separate survey, ticked down to 8.1%, the lowest rate since January 2009. But the drop wasn't good news: The rate fell mostly because 342,000 people left the labor force.
次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減、下は失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。
失業率が低下したものの、雇用者数の伸びが物足りない上に、賃金上昇率も鈍り始めています。下のグラフの通りです。ややトリッキーですが、季節調整済みの時間当たり賃金の前年同月比上昇率の推移をプロットしています。私は基本的には底入れしたと受け止めていますが、このまま2%を割り込んで下がり続ければ、あるいは、 の懸念が生じる可能性が排除できません。
最後に、景気循環のピークをベースにした雇用の増減は上のグラフの通りです。2011年のいわゆるITバブル崩壊後の景気後退期も Jobless Recovery と呼ばれましたが、約4年の47か月で雇用は回復しました。しかし、今回は50か月を過ぎても一向に景気後退前の水準に達する見通しが立ちません。
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