世界報道写真展2012を見に行く
世界報道写真展2012を見に行きました。恵比寿にある東京都写真美術館の地階で開催されています。今年の世界報道写真大賞2012はスペイン人であるサムエル・アランダが受賞しました。ニューヨークタイムズの特派員だそうです。受賞作品は上のポスターにある通り、イエメンのサレフ大統領に対する抗議の最中に負傷した息子を抱きかかえる女性の写真です。
主として、昨年の報道写真ですから、いうまでもなく国内的には東北の震災や津波が中心になり、世界的にはアラブの春が主たる被写体です。私のこのブログの昨年12月16日付けのエントリーで取り上げましたが、昨年の Time 誌の Person of the Year は The Protester でした。余りにも生々しく、広場で縛り首にあった人々、銃口を頭に突き付けられる男性など、平和な日本では想像も出来ない過酷な世界の実態を記録した写真がいっぱいでした。我が国の国内の写真では、とても有名になった宮城県名取市のがれきの中で座り込んで泣く女性の写真もありました、朝日新聞の恒成利幸の作品です。ほかに私の目に留まったのは、Damir Sagolj の北朝鮮の街中を撮った写真で、薄暗い集合住宅が立ち並ぶ中、金日成の大きな肖像画にスポットライトが当たっている様子を切り取っています。また、スポーツ写真では、アイルランドAリーグのラグビーの試合で、雨が降って泥だらけになりながらラックからボールを出すスクラムハーフの一瞬の表情を捉えた Ray McManus の作品が印象的でした。
昨年よりもやや作品数が減った印象があり、700円の入場料はやや割高に感じないでもないんですが、写真好きであれば見ておく値打ちはあると思います。
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