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2012年6月27日 (水)

最近読んだマイクロ経済学の本から

私は「官庁エコノミスト」を自称しているんですが、エコノミストの専門分野にもいろいろあって、私はマクロ経済、すなわち、景気とか、成長とか、財政金融とか、物価とかの分野を専門にするエコノミストです。市場を全体として分析します。それに対して、ミクロ経済、あるいは、マイクロ経済を対象にするエコノミストもいます。個別も含めて産業とか、労働とかが専門分野だったりします。市場参加者の行動を分析します。大学の経済学部でもマクロ経済学とミクロ経済学に分かれていたりします。

『ひたすら読むエコノミクス』と『夫婦仲の経済学』

今夜取り上げる2冊は、この分類からいえばマイクロ経済学に属します。上の画像の通り、一橋大学の伊藤教授の『ひたすら読むエコノミクス』と米国の女性ジャーナリスト2人の共著になる『夫婦仲の経済学』です。前者は何度も本文中に繰り返されている通り、決して「ミクロ経済学の教科書ではない」んですが、かなり幅広くマイクロ経済学のトピックを拾っています。後者は、夫婦仲は決して市場ではないんですが、何らかのインセンティブに反応する経済学的な視点を夫婦間の問題に導入しようと試みています。当然ながら、私のこのブログで取り上げるんですから、決して「トンデモ経済学」ではなく、いずれもオーソドックスな経済分析を下敷きに展開しています。
『ひたすら読むエコノミクス』で感銘したのは、その昔と違って、市場参加者がかなり少数で協調の可能性がある、すなわち、ゲーム論的な市場から入って、市場参加者が多数の競争市場となる方向へ論が進められていることで、そもそもゲーム論が決して主流ではなかった私の学生時代と大きな変化を感じました。もちろん、オークションの理論なども盛り込まれています。タイトルから理解される通り、グラフを使わず、数式も可能な限り用いずにマイクロ経済学の理論を展開しています。モラル・ハザードくらいまではともかく、商学部の先生らしく、「マーケット・デザイン」という第8章のタイトルで、メカニズム・デザインも取り入れられています。恥ずかしながら、私は2007年にハーヴィッツ教授らがノーベル経済学賞を受賞するまでよく知りませんでした。
『夫婦仲の経済学』はマイクロ経済学的な市場参加者の行動規範を夫婦仲に導入すれば、どのような夫婦間の問題解決の方法があり得るかを思考実験しています。私の想像では、おそらく、ジャーナリストの著者がインタビューした実例から理論的な純粋形を抜き出して、インセンティブに反応する市場参加者と同じ行動原理を当てはめることにより、夫婦間に実際に起こり得る諸問題をマイクロ経済学的な視点で解決する方法を示唆しています。私が理解した範囲で、かなり理論的な解決が志向されており、逆に言えば、実験経済学的に不合理な個人の行動はスコープから外れているような気がします。

少し前まで、経済書を読むのは仕事のうちと考えて、このブログで取り上げることはしなかったんですが、今では経済書もほとんど買わずに図書館で借りて読むようになってしまいました。手元に本が残らないので、可能な範囲でブログに記録を留めたいと思います。ただし、すべて取り上げると数が多くなり過ぎて怖い気がします。一応、読書感想文ではなく経済評論の日記に分類しておきます。

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