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2012年6月28日 (木)

商業販売統計に見る消費の動向やいかに?

本日、経済産業省から5月の商業販売統計が発表されました。ヘッドラインとなる小売販売の前年同月比は+3.6%増の11兆3060億円で6か月連続の増加となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の小売業販売額、6カ月連続増加 自動車販売増がけん引
経済産業省が28日発表した5月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は11兆3060億円と前年同月比3.6%増加した。増加は6カ月連続。東日本大震災で消費が落ち込んだ前年の反動に加え、好調な自動車販売が消費をけん引した。
エコカー補助金などの政策効果で自動車小売業は47.3%増と、8カ月連続のプラスになった。生鮮食品高に加え、総菜などの売れ行きが良く、飲食料品小売業は0.8%増だった。また石油製品の高止まりを主因に燃料小売業は2.2%増となったが、「4月より燃料高の影響は落ち着いてきている」(経産省)という。
一方、薄型テレビの販売不振は続き、機械器具小売業は24.1%減と10カ月連続のマイナスだった。自動車販売に支えられている小売業全体の先行きについて、経産省は「エコカー補助金の効果がいつ終息するかについては注意していかなければならない」と警戒する。
百貨店やスーパーを含む大型小売店は0.2%減の1兆5746億円だった。既存店ベースでも0.9%減と2カ月連続のマイナスだった。3月は天候が悪かったほか、前年と比べて土日や祝日の日数が少なかったため、全般的に売れ行きは低調。百貨店は既存店ベースで0.9%減に落ち込み、スーパーは0.8%減だった。
ファストフードなどの売り上げが伸び、コンビニエンスストアは6.0%増の7920億円、既存店ベースでも1.7%増だった。

次に、いつものグラフは以下の通りです。いずれも卸売販売と小売販売の推移なんですが、上のパネルは季節調整していない原系列の前年同月比を、下は2005年=100となる季節調整指数を、それぞれプロットしています。

商業販売統計の推移

先行きの消費を占う上で注意すべきポイントは2点あると私は考えています。第1に、今年の1-3月期に一時的なピークを越えた可能性があるものの、まだまだ水準は高く消費は底堅いということです。上のグラフから明らかな通り、季節調整していない原系列の小売販売の前年同月比は3月に+10.3%増の伸び率のピークをつけた後、4月+5.7%増、5月+3.6%増とプラスながら伸び率は鈍化していますし、季節調整指数の直近のピークは3月でした。もちろん、引用した記事にもある通り、天候要因や休日要因もありますが、足元でピークを過ぎたことはかなり確実です。でも、季節調整指数は今年に入って5か月連続で100を超えており、消費は底堅いと受け止めています。第2に、しかしながら、消費の底堅さを裏付けているのはエコカー減税・補助金によって水膨れした自動車販売であり、政策効果が発現しているといえば聞こえはいいんですが、報道によれば来月にも財源が底をつく可能性があり、その後は反動減が始まってしまうと覚悟すべきです。小売販売の前年同月比+3.6%増に対して、自動車小売の寄与度は+4%超あり、自動車を除く小売販売は実は前年同月でマイナスに陥っていることを認識すべきです。何度もこのブログで主張した通り、特定の財に特定の期間だけインセンティブをつけて市場を歪める政策の限界であると私は受け止めています。民主党政権も自公政権と同じような政策を採用したわけですから、ホテリング的なアイスクリーム・ベンダー問題に帰着するのかもしれません。

消費はピークを越えたものの水準が高くて底堅い、というのは評価の難しいところです。1-3月期の2次QEを取り上げた6月8日付けのエントリーで、消費は "Half Full, Half Empty." と書きましたが、夏季ボーナスを含む所得動向とも併せて注視する必要があるような気がします。

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