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2012年7月28日 (土)

この夏休みのオススメ経済書は何か?

来週からいよいよ8月に入り、本格的に夏休みを取るサラリーマンも増えそうです。テーマパークやリゾートなどもいいんですが、我が家では子供達も大きくなり一家で出かけることもなく、のんびりと過ごす夏休みになりそうです。ということで、ご同様に、のんびり過ごす夏休みに向けて、今年上半期くらいのオススメ経済書を紹介したいと思います。前々からやってみたかったんですが、ややエラそうな気がしないでもなかったですし、そもそも読書量にさほど自信があるわけでもなく、加えて、大学の教員だったころは私が勧める本は大学生が読むには少し難しい気もして、ついつい、いままで経済書の読書案内は取り上げたことがありませんでした。でも、思い切って、5冊ほど紹介したいと思います。なお、ズボラなことながら買ってあってもまだ読んでいない本もあったりします。悪しからず。まず、一覧は以下の通りです。

深尾京司『「失われた20年」と日本経済』(日本経済新聞)

深尾京司『「失われた20年」と日本経済』(日本経済新聞) はすでに7月12日付けのエントリーで軽く触れましたが、我が国経済の長期低迷に関して、生産性分析の大家が取り組んでいます。リアル・ビジネス・サイクル(RBC)的な議論のひとつであり、金融はまったく議論の外に置かれており、生産性停滞や資本収益率低迷の下で、大幅な金融緩和による投資促進策を取れば、無駄な投資を生み出して「バブル経済」を再来させる危険が高く、持続性に欠ける、といった旨を繰り返し主張しています。

祝迫得夫『家計・企業の金融行動と日本経済』(日本経済新聞)

祝迫得夫『家計・企業の金融行動と日本経済』(日本経済新聞) は深尾教授の分析に対して、同じマイクロな経済主体の家計と企業の金融行動から日本経済を分析しています。なお、この本の前書きによれば、深尾教授と祝迫教授は同じ建物の同じフロアに研究室があるらしいです。この本のテーマは家計の貯蓄率低下と企業の貯蓄率上昇、特に、p.111 にある通り、バブル崩壊後の「失われた20年」における一つの特徴は、企業が負債返済を含めて貯蓄率を上昇させた際、労働分配率を大きく引き下げたことにより、非正規雇用がとてつもなく広がり格差が拡大した点であり、この雇用面への影響が無視されるべきではありません。深尾教授の本も、祝迫教授の本も、フォーマルな定量分析を基調としており、参考文献も豊富です。私が大学教員をしていれば大学院のテキストにしたかもしれないと感じました。

サックス『世界を救う処方箋』(早川書房)

サックス『世界を救う処方箋』(早川書房) もすでに7月5日付けのエントリーで取り上げています。詳細はソチラで取り上げましたので、ごく簡単に済ませると、リバタリアン的な市場原理主義を排して、市場における適切な政府の役割を認め、効率性、公平性、持続性の3点を経済の基本に据えて論を進めています。特に、長期的な生産性や所得の向上の観点から教育に力点を置いているのはひとつの見識であると受け止めています。

クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』(早川書房)

クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』(早川書房) はまだ読中で読み終わっていないんですが、有名なケインズ卿の言葉「長期には我々はみんな死んでいる」"In the long run we are all dead," を引いて短期に議論を集中し、金融政策が流動性の罠にあって無効となった際には財政出動が経済政策の主体になるとし、失業などの遊休資源を生じるムダを排除することに経済政策の主眼を置いています。少し前までの私と同じで財政赤字には極めて楽観的であり、市場金利が上昇していない限り財政のサステイナビリティに心配はないとの態度を取っています。まだすべて読み終えたわけではありませんが、私の従来からの主張にかなり近いと受け止めています。ただし、英語の原書は見ていませんが、少なくとも日本語訳には参考文献がありません。webサイトで探しましたが、私の探し方が悪いのか見つかりませんでした。画竜点睛を欠いていると感じざるを得ません。

スティグリッツ『世界の99%を貧困にする経済』(徳間書店)

最後のスティグリッツ『世界の99%を貧困にする経済』(徳間書店) はオススメ経済書に取り上げておきながら、実はまだ読んでいません。さすがに、一応、買ってあります。上の本の画像に見られる通り、英語の原題は The Price of Inequality であり、ウォールストリート占拠のデモなどで示された不平等の問題を取り上げているものと認識しています。意図したわけではありませんが、ここで取り上げた経済書のうち、我が国のエコノミストの本はやや保守的な傾向がある一方で、米国のエコノミストの本は3冊とも非常にリベラルな観点を提供しています。日米の世論動向を反映しているのかもしれません。

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