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2012年7月14日 (土)

日本は経済の見方が悲観的で市場経済に否定的な国か?

米国時間一昨日の7月12日に Pew Research Center から世界経済に関する世論調査結果 Pervasive Gloom About the World Economy が発表されています。日米欧をはじめとして、中国・インドや中南米や中東のアラブ諸国なども対象になっています。我が日本が従来から悲観的な経済情勢判断と市場経済に対する不信感を持っている国民が多そうな気がしなくもありませんので、簡単に見ておきたいと思います。

Economic Situation

まず、上のグラフは先行き12か月先の経済と5年前の経済と、それぞれ現在を比較したらどうなのかを聞いています。日本はとても現状維持バイアスが強くて、5年前からも12か月先も「現在と同じ」という回答が半数近くを占めますが、「悪化」と「改善」を比較すると圧倒的に前者が多くなっています。特に、先行きで日本よりも「悪化」の回答比率が高いのはギリシアくらいのものだったりします。

Economic Perceptions Match Reality

ただ、経済の見方が暗いのは、当然ながら、実際に成長率が低いからであって、2011年の成長率を横軸に、経済を「よい」と回答した比率を縦軸に取ると、正の相関が見られます。エコノミストがこういったグラフを書く場合、関数型 y=f(x) と同じで、横軸の変数が縦軸を決めると暗黙のうちに前提しているような気がします。上のグラフもそうかもしれません。

Hard Work and Free Market Economy

最後に、経済システムに関する信頼感や市場経済の評価について、日本は極めて低くなっています。上のグラフは上のパネルが努力と成功の関係、下が市場経済の評価を尋ねています。我が日本では努力が報われないと悲観的に受け止め、市場経済が生活水準の向上に役立っていないと不信感を持つ比率が世界の中でもかなり高くなっていることが見て取れます。

基本的には、subjective な opinion poll なんですが、真ん中のグラフに示した通り、国内経済の客観的な実情が国民の意識に反映されている面もあります。いつもながら、Pew Research の調査結果はとても興味深いと私は受け止めています。一応、「経済評論の日記」に分類しておきます。

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