区立図書館はどうして登録に制限を設けるのか?
この春休みに引っ越してから我が家が一段と狭くなり、本は厳選して買っていて図書館の利用が以前に比較してグンと増えています。週末には自転車に乗って1日で50キロくらいを往復して図書館に行くこともめずらしくありません。DVDなどは、特に旧作でレンタル料金が安い場合は、近くのTSUTAYAで借りてしまうことも少なくないんですが、何といっても無料で2-3週間も本を貸してくれるんですから、私のような薄給の公務員には公立の図書館という存在は有り難い限りです。しかし、区立の図書館もすべてがすべて私に本を貸してくれるわけではありません。すなわち、当該区や隣接区の住民しか登録させてくれない場合があります。登録者の要件は以下の表の通りです。なお、出典は東京都立図書館のサイトからリンクを張られている各区立図書館のサイトです。
区名 | 対象者 |
足立区 | 利用者カードの登録資格は原則として、区内在住・在勤・在学の方(緑色の利用者カード)、その他当区が認めている近隣地区(23区、草加市、八潮市、川口市)に居住されている方(黄色の利用者カード)です。 |
荒川区 | 利用申込書に記入し、住所を確認できるもの(健康保険証・免許証など)と一緒にカウンターに提出してください。 |
板橋区 | 板橋区にお住まいのかた・通勤または通学されているかた、板橋区に隣接する区市(豊島区・北区・練馬区・和光市・戸田市)にお住まいのかたなら、どなたでも図書館資料を借りることができます。 |
江戸川区 | 登録できるのは、江戸川区に在住、在勤、在学されている方です。 隣接自治体(葛飾区・江東区・墨田区・市川市・浦安市)および足立区に住んでいる方も登録時に住所の確認ができれば登録できます。 |
大田区 | 大田区に住んでいる方または大田区に通勤・通学先のある方なら、どなたでも利用できます。 |
葛飾区 | 葛飾区にお住まいの方 葛飾区に在勤・在学している方 江東5区にお住まいの方(足立・江戸川・墨田・江東区) 葛飾区に隣接している市(三郷・八潮・松戸・市川)にお住まいの方 |
北区 | 利用カードを発行しますので、健康保険証、運転免許証、学生証など、住所を確認できるものをお持ちいただき、図書館カウンターで利用登録申請をお願いします。利用カードはどなたでもお作りいただけます。 |
江東区 | 利用登録できるのは、江東区在住・在勤または中央・港・墨田・葛飾・足立・江戸川の各区に在住の方です。 |
品川区 | 品川区立図書館では、区内在住・在勤(在学)に関係なく、どなたでもカードを作る事ができます。 |
渋谷区 | (登録要件) 東京都内に在住・在勤・在学の方 |
新宿区 | 登録できるのは、次のいずれかの方です。 現住所が東京都内の方 東京都外の方で新宿区内に在勤・在学している方 |
杉並区 | 本人(氏名・生年月日・現住所)が確認できる証明書(写真付きの住民基本台帳カード・杉並区民証・運転免許証・健康保険証・学生証・パスポート等)が必要です。 |
墨田区 | 登録できる方 墨田区に在住・在勤・在学の方 墨田区に隣接する自治体(足立区・荒川区・江戸川区・葛飾区・江東区・台東区・中央区)にお住まいの方 |
世田谷区 | 共通利用カードの登録の際は、氏名・住所が確認できるものが必要になります。 |
台東区 | 利用登録にあたっては、現住所等により、制限がございますので、電話やカウンターでご確認下さい。 |
中央区 | 中央区以外にお住いの方も登録できます |
千代田区 | 千代田区内在住・在勤を問わず、どなたでも利用できます。 |
豊島区 | 利用登録は区外にお住まいの方も可能です。ただし、旅行・出張等短期滞在の方、貸出期間内に再来館できない方は除きます。 |
中野区 | 登録できる方 中野区または隣接区(新宿区・渋谷区・杉並区・豊島区・練馬区)にお住まいの方 中野区に在勤・在学されている方 |
練馬区 | 登録できる方 練馬区に在住・在勤・在学の方 練馬区の隣接区、市(板橋区、豊島区、中野区、杉並区、武蔵野市、西東京市、和光市、新座市、朝霞市)に在住の方 |
文京区 | どなたでも登録できます。 |
港区 | 東京23区内に在住の方、または通勤・通学されている方は利用者登録ができます。 |
目黒区 | 目黒区以外にお住いの方も登録できます。 |
左側のカラムの区名は各区立図書館にリンクを張ってあります。また、調べたのが今年初めの引っ越し前で、まだ港区民のころでしたので、港区民が図書カードの登録が出来ない図書館は影をつけてあります。23区のうち9区の図書館で港区民は登録できません。もっとも最近時点で私が登録した図書館のひとつである豊島区立図書館で、「関東近県などの在住で返却に来られると判断すれば登録できます」と、実にもっともな回答を得ましたが、単純に当該区のみや隣接区の住民までとの制限を設けている区立図書館も少なくありません。もちろん、それぞれの地方自治の裁量の範囲内の運用なんでしょうが、負担している地方税との関係でいえば、区民に限定している大田区以外の隣接区住民というのは、買い物などに来ている可能性が高いということなんだろうという気がするものの、恣意性の残る判断のようにも見えます。もちろん、無制限の登録は考えられませんし、紛失や盗難などの事故があればもっとも大きな損害をこうむるのは区民なんでしょうから、豊島区立図書館のような広い心を望むのはムリなのかもしれませんが、こういった公立の組織ですから、性善説に立つのか、性悪説を援用するのか、難しいところだと思います。
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