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2012年9月 1日 (土)

英エコノミスト編集部編『2050年の世界』(文藝春秋) を読む

英エコノミスト編集部編『2050年の世界』(文藝春秋)

英エコノミスト編集部編『2050年の世界』(文藝春秋) を読みました。なかなか面白かったです。エコノミスト誌の編集者や記者が各章を分担して執筆しています。まず、出版社のサイトの「担当編集者から一言」を引用すると以下の通りです。

担当編集者から一言
英国の『エコノミスト』誌は、1962年に「驚くべき日本」と題して、日本が世界の経済大国へのしあがっていくとの長期予測を発表し、的中させた実績があります。シンクタンク機能を持ったこの雑誌が、2050年までの世界を20の分野で大胆に予測します。「2050年の日本のGNPは韓国の半分になる」「2050年の日本の平均年齢は52.7歳。アメリカのそれは40歳」。人口動態、戦争の未来、次なる科学と技術、環境、生活などなど。あなたの未来も見えてきます。

次に、全5部20章の構成は以下の通りです。

第1部
人間とその相互関係
第1章
人口の配当を受ける成長地域はここだ
第2章
人間と病気の将来
第3章
経済成長がもたらす女性の機会
第4章
ソーシャル・ネットワークの可能性
第5章
言語と文化の未来
第2部
環境、信仰、政府
第6章
宗教はゆっくりと後退する
第7章
地球は本当に温暖化するか
第8章
弱者が強者となる戦争の未来
第9章
おぼつかない自由の足取り
第10章
高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
第3部
経済とビジネス
第11章
新興市場の時代
第12章
グローバリゼーションとアジアの世紀
第13章
貧富の格差は収斂していく
第14章
現実となるシュンペーターの理論
第15章
バブルと景気循環のサイクル
第4部
知識と科学
第16章
次なる科学
第17章
苦難を越え宇宙に進路を
第18章
情報技術はどこまで進歩するか
第19章
距離は死に、位置が重要になる
第20章
予言はなぜ当たらないのか

将来予測については、日本人がパニック好きだからというわけではありませんが、悲観的な趣に流れる場合が多いんですが、この『2050年の世界』はかなり楽観的な方向を示している印象があります。英エコノミスト誌が伝統的にそうなんだろうと私は受け止めています。例えば、一昨年2011年1月29日のエントリーで紹介した『繁栄』の著者であるマット・リドリーが最終章を担当していたりします。
人間、どうしても詳しい分野とそうでない分野がありますから、全20章を同じベースラインから読めるわけではなく、知らない分野については目から鱗が落ちまくったりします。私については、例えば、以下のようなものです。イスラム教の隆盛については、決して改宗によるものではなく、イスラム教徒の出生率や人口増加率が高いことから、世界でイスラム教徒の比重が高まっていることに起因するとか、次なる科学は生物学であり、大規模な加速装置を建設している物理学などは収穫逓減の法則が働きつつあるとか、などなどです。逆に、それなりに詳しい分野については、従来からの認識を強化するのにも役立ちます。例えば、中国経済は近くピークを迎え、高齢化の進展とともに成長率は低下するとか、年金は賦課方式よりも積立方式のほうが高齢化に伴う財政のダメージは少ないとか、などなどです。もちろん、やや疑問に感じる項目も少なくありません。最も大きな疑問は第13章のタイトルにもなっている「貧富の格差は収斂していく」かどうかです。なお、どうでもいいことですが、最後の解説を書いている朝日新聞の前の主筆だった船橋氏はこれを完全に読み違えているように見受けられます。それから、地球温暖化の進行に対するこの本の疑問も理解は出来ますが、同意する人がどれだけいるかは私は分かりかねます。

私も区立の図書館で借りましたし、かなり多くの公立図書館に所蔵されているのではないかと想像しています。とても興味深い本ですので、多くの方が手に取って読むよう期待しています。

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