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2012年9月30日 (日)

下の子の運動会を見に行く

台風が日本列島を縦断して東京に近づく不穏な天気の中、下の子が通う中学校・高校の運動会が開催されました。中学校や高校では「体育祭」と呼び習わすんだと思っていたんですが、下の子の学校の場合、あくまで運動会だそうです。なお、おにいちゃんは今年から高校に上がったので、体育祭はないそうです。おにいちゃんの学校では、体育祭は中学校だけの行事のようです。しかし、下の子の学校では高校生まで運動会に参加するらしいです。いずれにせよ、私の子が体育が得意なハズもなく、それなりに理解しやすい学校行事ということで、子供達の成長を記録する目的で私も行って来ました。
写真は上から「輪廻転生」、「中学騎馬戦」、「ぼーぼー」の各競技です。肉弾相撃つ騎馬戦になると何がなんだか分かりません。私によく似て、我が家の下の子は集団でもよく目立つんですが、騎馬戦だけは動きも激しく我が子がどこにいるかは判然としませんでした。なお、これだけ遠目で写していますので、特に画像処理はしていません。悪しからず。

輪廻転生

中学騎馬戦

ぼーぼー

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2012年9月29日 (土)

月見バーガーを食べる

月見バーガー

まったくどうでもいいことながら、ようやく今日になって月見バーガーをいただきました。月見チーズバーガーでも大月見バーガーでもなく、スタンダードの月見バーガーです。相変わらず絶品です。ビッグマックとともにサウザンアイランドの味付けが私好みだったりします。

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最近話題の短編集を読む

舞城王太郎『短篇五芒星』(講談社) とイーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』(河出書房新社)

内外で話題の短編集を2冊読みました。上の通り、舞城王太郎『短篇五芒星』(講談社) とイーユン・リー『黄金の少年、エメラルドの少女』(河出書房新社) です。
私は舞城王太郎の作品は初めて読んだんですが、芥川賞の候補作品ということで、それなりに力量は感じました。この作品も純文学作品、ミステリっぽい短篇、まるでSFのようなファンタジーと、バラエティにとんだ作品を収録していて興味深いものがありました。私の知り合いに従えば、舞城作品としてはややおとなしめ、という評価もあるらしいんですが、そのあたりは私には不明です。各作品を通じて全体を見通すと、とてもシュールなパントマイムを見ているようです。何となく分かるような、分からないような、捉えどころのない不思議な作品ばかりです。でも、とても読みやすく、一気読みが出来ます。文句なく芥川賞かといえばそうでもなく、私も今後とも新しい作品が出るごとに読むかといえばそうでもなく、ものすごく感動したということでもないような気がします。そのあたりは、まだまだ、我が国を代表する売れっ子作家である東野圭吾、伊坂幸太郎、宮部みゆきなどの諸先生とは差があるのかもしれません。他方、作品ごとに細かくフォントを変更したりして、文学作品をトータルに仕上げようとする姿勢は、昨今の電子書籍の普及などのデジタル化が進む世界ですから評価できます。
初めて読んだ舞城作品と違って、イーユン・リー作品はデビュー作の『千年の祈り』を読んだことがあります。やっぱり、短編集です。中国は北京生まれのネイティブの中国人で米国在住、英語で作品を書いています。翻訳はデビュー作も本作も篠森ゆりこです。なお、タイトルの『黄金の少年、エメラルドの少女』は中国語で理想の男女を意味する「金童玉女」に由来しているそうです。ドメスティックな中国を舞台にした物語とともに、作者の人生体験からか米国に移住した中国人を主人公にする短編も含まれていますが、すべて中国を向いた作品ばかりです。日本人などからすれば風変りな風習や考え方も少なくありません。でも、そういった舞台や主人公や背景にかかわらず、すべての人々に共通する喜怒哀楽をきわめて巧みに表現しています。原文は英語かもしれませんが、英語のネイティブよりも漢字を理解する日本人の方が作品をよりよく理解できそうな気もします。しかし、誠に残念ながら、この『黄金の少年、エメラルドの少女』はデビュー作の『千年の祈り』よりかなり落ちます。この作者をよりよく理解しようとすれば、この作品ではなく『千年の祈り』を読むべきです。

イーユン・リーには『さすらう者たち』という長編作品があり、やっぱり、篠森ゆりこの翻訳です。さらに、訳出されていない作品もいくつかあるようです。今後の活躍が楽しみな作家のひとりです。

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2012年9月28日 (金)

政府統計の集中発表日に景気動向を考える!

今日は月末最後の営業日で閣議日でしたので、多数の政府統計が発表されています。すべて8月の統計で、このブログで取り上げる順に、経済産業省から鉱工業生産指数、総務省統計局から失業率、厚生労働省から有効求人倍率などの雇用統計、経済産業省から商業販売統計、総務省統計局から消費者物価などです。まず、とても長くなってしまうんですが、日経新聞のサイトから各統計について報じた記事を引用すると以下の通りです。

企業生産、中国減速で鈍る 景気回復遅れ懸念も 鉱工業生産指数8月1.3%低下
経済産業省が28日発表した8月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)は90.5と前月比1.3%低下した。中国経済の減速を背景に部品や素材などの生産が鈍った。日中関係の悪化も重荷で、主要業界は9月以降も低調で推移すると見込む。経産省は基調判断を「弱含み傾向」と下方修正した。景気が回復基調に戻る時期が遅れるとの懸念が出ている。
経産省が基調判断を引き下げるのは2カ月ぶりで「弱含み」の表現は2010年11月以来。前月は「横ばい」だった。生産指数の悪化は2カ月連続。下げ幅はエコノミスト予想(0.4%)を上回った。下げをけん引したのは電子部品・デバイスだ。8月は改善を見込んでいたが、中国で生産する携帯電話向けの液晶素子や集積回路を中心に5.2%減と2カ月連続で悪化した。
日本の輸出に占める中国向けの割合は2割で、米国を上回って最大の輸出先だ。中国の工場に部品や素材を送り、そこで組み立てた製品を世界に輸出している。だが中国は欧州向け輸出の減少を受けて生産が減速しており、日本製部品に対する需要が低下している。
情報通信機械(6.4%減)や化学工業(2.2%減)のほか、輸送機械工業も輸出の減少とエコカー補助金の終了をにらんだ減産が響いて0.4%減となった。生産指数は16業種のうち11業種で低下した。
鉱工業全体の出荷指数は0.4%上昇と4カ月ぶりのプラス。電子部品・デバイスも出荷は5.0%増と2カ月ぶりに増えた。だが先月までに在庫が積み上がっており、生産増にはつながっていない。全体の在庫指数は1.6%低下した。
経産省は主要業界の生産計画をまとめた製造工業生産予測調査も発表した。9月の生産は2.9%減と8月より落ち込み、10月も9月から横ばいのまま回復しない。輸送機械工業が9月も引き続き減産し、中国を含むアジア向け輸出が落ち込んでいる鉄鋼も減産を余儀なくされる。
中国で広がった反日デモの影響が長期化すれば、生産活動に大きな影響を与えるのは必至だ。トヨタ自動車など自動車各社は一斉に現地工場の減産に踏み切った。これが長引けば、日本からの部品供給をさらに押し下げる。中国では日本製品の不買運動もくすぶり、影響が自動車以外に広がる可能性もある。
失業率4.2%に改善 8月、雇用情勢なお厳しく
総務省が28日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント改善し、4.2%となった。2カ月ぶりの改善だが、職探しをあきらめた失業者の増加が主因とみられ、雇用環境が回復したとは言い難い。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率(同)は0.83倍で前月と同水準だった。
完全失業者(季節調整値)は272万人で、前月に比べ10万人減少した。一方で職探しをしていない非労働力人口は4563万人と20万人増えた。総務省は「労働市場から退出する動きがあったようだ」と分析する。
製造業の就業者数(実数)は1012万人で29万人減り、減少幅は前月よりも拡大した。大手電機メーカーが人員削減計画を発表しており、厚労省は「雇用情勢は持ち直しているが、依然厳しい」との判断を維持した。
厚労省の職業紹介状況によると、雇用の先行指標となる新規求人数は前月比0.1%減の74万人だった。電子部品メーカーなどの生産抑制を背景に製造業で減少傾向が続いている。新たに仕事を探し始める新規求職者数が減った影響で、新規求人倍率は0.02ポイント上昇し、1.33倍となった。
8月の小売販売額、2カ月ぶりプラス 自動車販売が押し上げ
経済産業省が28日発表した8月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は11兆1410億円と前年同月に比べて1.8%増えた。プラスは2カ月ぶり。エコカー補助金の効果で自動車小売業が19.6%増え、全体を押し上げた。加えて、猛暑で衣料やビール類、清涼飲料水など夏物商材の販売も好調で、下支え要因に働いた。
百貨店やスーパーを含む大型小売店は0.1%減の1兆5565億円だった。既存店ベースは0.9%減と5カ月連続のマイナスになった。このうち百貨店は0.8%減。夏物衣料は伸びた一方、時計など高額商品の販売が減った。スーパーは0.9%減。野菜価格の下落やサンマやウナギの不漁などが影響した。
コンビニエンスストアは3.1%増の8672億円だったが、既存店ベースは1.4%減と3カ月連続のマイナスだった。イベントチケット販売などのサービス売上高が減った。
消費者物価、4カ月連続下落 テレビ・冷蔵庫下がる
総務省が28日発表した8月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きが激しい生鮮食品を除いたベースで99.6となり、前年同月比0.3%下落した。下落は4カ月連続。薄型テレビや冷蔵庫などの落ち込みが続いた。
テレビが7.1%下落したほか、冷蔵庫も29.6%下がった。ガソリン価格は前月比でみると1.4%上昇したが、前年同月比では6.0%下落した。航空料金にかかる燃油サーチャージの引き下げで外国パック旅行価格が8.5%下がった。宿泊料は昨年夏が震災の影響で下落していた反動で7.7%上昇した。
先行指標となる東京都区部の9月のCPI(中間速報値)は、生鮮食品を除く総合指数が99.3と前年同月比0.4%下がった。下落は41カ月連続。東京電力の電気料金引き上げで電気代が14.7%上昇したが、民営家賃やエアコン、テレビなどが下落した。

次に、いつもの鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。上のパネルは2005年=100となる指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財です。いずれも季節調整済の系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

鉱工業生産の推移

前月比で▲0.4-0.5%との市場の事前コンセンサスを超えて、生産は▲1.3%減と▲1.0%減を記録した7月に続いて、8月もかなり大きな減産となりました。引用した記事では、日中関係の悪化に伴う中国向けの輸出の鈍化が減産の主因として上げられています。部品や素材を中心に減産が続いていますので、中国に起因することはかなり確度が高いと私も受け止めています。さらに、製造工業生産予測指数では、前月比で見て9月▲2.9%減、10月0.0%と、引き続き、生産は弱い動きが続くと予想されています。国内要因ではエコカー補助金の終了、海外要因では欧州のソブリン危機と中国の停滞に加えて米国の「財政の崖」がマイナスに作用し、プラスに働くのは復興需要だけです。しかし、我が国でも赤字国債法案成立の見通しが立たず、米国と同様の「財政の崖」に直面する可能性もあります。このまま景気後退局面に入るとは私は想定していませんが、先行きは必ずしも明るくなく、日本経済は踊り場に入ると覚悟すべきです。

雇用統計の推移

次に、雇用統計は上から順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数が上から3パネルで、一番下のパネルはかなり長期で見た就業率、すなわち、就業者数が労働力人口と非労働力人口の合計に占める比率です。いずれも季節調整済の系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。8月の統計を見ると、遅行指標の失業率は改善したものの、就労を諦めたことによる労働市場からの退出が主因であり、決して前向きの失業率低下とはいえません。さらに、一致指標の有効求人倍率は横ばいとなり、先行指標の新規求人数はグラフを見る限りではすでに反転している可能性すらうかがえます。雇用統計も生産と同じで景気動向の改善を示しているとはとても考えられません。加えて、雇用については量が改善しても、非正規雇用が増加するという意味で、質の改善が伴っていない可能性が指摘されています。量とともに質も改善しないと所得を通じて消費の拡大につながらない可能性が残ります。

商業販売統計の推移

消費についても、決してサステイナブルではないエコカー補助金による政策効果と猛暑効果で増加を示しているに過ぎません。季節調整していない原系列の小売販売額は8月の統計で前年同月比+1.8%増を示しましたが、うち、自動車販売が+1.96%の寄与を示しており、エコカー補助金が9月21日に終了したことから、生産の方でも自動車は減産を見込んでおり、消費でも今後はエコカー補助金によって増加した反動が出て、自動車販売はマイナスに寄与し始めることが予想されます。従って、8月統計の小売販売の増加はあくまで一時的な現象と評価すべきです。

消費者物価上昇率の推移

最後に、消費者物価は相変わらずデフレが続いています。ここ数か月の間、エネルギー価格からのインフレ圧力がかなり和らいでいたんですが、8月は少しエネルギーの寄与度が大きくなりました。しかし、中国経済の減速などを反映して、国際商品市況は早くも下がり気味となっており、物価を押し上げる圧力はかなり弱まっています。国内需要がインフレ圧力を増すことは考えられないことから、デフレ基調で、かつ、商品価格に左右される物価が続くものと私は考えています。

目先、年内から場合によっては来年1-3月期くらいまで、日本経済は明るい展望をひらけず、踊り場が続く可能性が高いと私は考えています。そのまま景気後退局面に入るとは想定していませんが、海外要因、特に中国と米国の景気動向次第で可能性はゼロではありません。日本の「財政の崖」も懸念されるところです。

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2012年9月27日 (木)

深尾光洋『財政破綻は回避できるか』(日本経済新聞社) を読む

深尾光洋『財政破綻は回避できるか』(日本経済新聞社)

深尾光洋『財政破綻は回避できるか』(日本経済新聞社) を読みました。当然ながら、表題の問いに対して財政破たんは回避できるとも、回避できないとも結論していませんが、何となく興味ひかれるタイトルです。まず、出版社のサイトから本書の紹介を引用すると以下の通りです。

財政破綻は回避できるか
財政危機に陥ったギリシャより、はるかに高い水準にある日本の借金。どのくらい厳しい状態なのか、破綻すると何が起こるのか、回避できるのかといった論点から、日本経済が直面している現実と課題を浮き彫りにする。

次に本書の章別構成は以下の通りです。

はじめに
 
第1章
財政破綻は回避できるか
第2章
欧州財政危機の教訓
第3章
財政再建と経済成長を両立できるか
補論
ゼロ金利下における金融政策の有効性

実は、日本経済研究センターのセミナーが9月19日に開催され、この本の著者を講師に招いて、タイトルと同じテーマを取り上げています。セミナーバックナンバーがあるんですが、日本経済研究センターの会員でないと配布資料がダウンロードできません。誠に残念。
最初に、我が国財政の概況を定量的に示すとともに、欧州PIIGS諸国のソブリン危機の解明を試み、最終的には日本の財政破綻の可能性を考えたり、実際にあり得る財政破綻のシナリオを示しています。私自身は財政破綻の可能性は低いと楽観しているんですが、この本では日本とPIIGS諸国の違いについて、財政のグロスの債務水準は日本の方が大きいものの、対外純資産は日本の方が圧倒的に大きく、インフレ率を反映した金利水準が低いなど、いくつか考慮すべき差を列挙しています。その上で、あり得る財政破綻のシナリオを示しています。すなわち、引き金は国債から外貨資産を含む他の資産への資金シフトと指摘し、貯蓄投資バランスに起因して経常収支が赤字化することに伴う円安と株高からバブル的な景気が出現し、インフレ上昇が生じるとすればタイミングよく増税することにより財政破綻が避けられる可能性があるものの、インフレ上昇に伴う金利水準の上昇から国債価格の暴落と国債を保有する銀行破綻に至る、と指摘しています。私が従来から疑問に感じているサドンデスか真綿で首を絞めるような緩慢な進行かは明記されていません。この財政破綻を防止するため、炭素税の導入とその財源を利用した法人税減税による成長促進、ハイレベルの知的移民の受入れなどが取り上げられています。なお、いくつか財政の先行き試算が示されていますが、かなりナイーブな仮定計算のレベルを超えるものではなく、「シミュレーション」と呼ぶには少しためらいが残るような気がします。

日本経済新聞社からこの本とともに、鈴木亘『年金問題は解決できる!』などがソフトカバーでシリーズのような形で出版されています。他は読んでいないのでよく分かりませんが、この『財政破綻は回避できるか』については内容的にも分量的にも新書相当の印象があり、お値段が少し高いと受け止めています。だからというわけでもないですが、私は図書館で借りました。

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2012年9月26日 (水)

米国大統領選挙の争点はやっぱり経済か?

一昨日の24日、米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターから「有権者にはやっぱり経済」 For Voters It's Still the Economy と題して、米国大統領選挙に関する世論調査結果が発表されています。4年前に比べてエネルギー、テロ、移民などの重要性が低下したと伝えています。長くなりますが、まず、ピュー・リサーチ・センターのサイトから調査の概要を引用すると以下の通りです。

Overview
As Barack Obama and Mitt Romney prepare for their first debate on Oct. 3, the issues at the top of the voters' agenda have changed little since 2008. Fully 87% of registered voters say that the economy will be very important to their vote, while 83% say jobs will be very important to their vote.
Four years ago, the economy also was the top priority for voters. In August 2008, an identical 87% said the economy was very important to their vote, and in October 2008, 80% rated jobs as very important.
However, the latest national survey by the Pew Research Center for the People & the Press, conducted Sept. 12-16 among 3,019 adults, including 2,424 registered voters, finds that several other issues have declined in importance since 2008. Most notably, energy policy rated among the most important electoral issues in 2008 - 77% said it was very important to their vote. Today it ranks near the bottom of the voting priorities list at 55%.
Terrorism also has declined as a voting priority. Currently, 60% of voters say the issue of terrorism will be very important to their vote, down from 72% in August 2008.
Immigration is also less of a focus in 2012. In the new survey, 41% view the issue of immigration as very important - the lowest of 12 issues tested - compared with 52% in August 2008.
The survey also finds that far more voters continue to favor a smaller government with fewer services than a bigger government that provides more services. Currently, 56% say they would rather have a smaller government providing fewer services; 35% prefer a bigger government. These opinions have changed little over the course of Obama's presidency. In October 2008, however, opinion was more evenly divided (46% smaller government vs. 40% bigger government).
In addition, while the budget deficit remains a very important issue for most voters, there continues to be broad agreement that the best way to reduce the budget deficit is with a combination of tax increases and cuts in major programs. In the new survey, fully 69% of registered voters say the best way to reduce the federal budget deficit is with a combination of tax increases and spending cuts; just 16% say the focus should be mostly on cutting major programs and just 6% say the deficit should be reduced mostly by increasing taxes.

上の Overview は長いながら、よくまとまっています。広く報じられている通り、10月3日に両大統領候補者による最初のテレビ討論会が予定されていて、それに向けた世論調査なんですが、今夜のブログでは、主として有権者の政策のプライオリティ、政府の規模と財政赤字の削減方策、民主党と共和党の支持者の間で差のある優先順位などについて、図表を引用しつつ簡単に取り上げたいと思います。

Voters' Priorities

Voters' Priorities のグラフは上の通りです。やっぱり、4年前の大統領選挙と同じように有権者の優先事項は経済や雇用が上位を占める一方で、エネルギーやテロや移民といったトピックは優先順位が低下しています。4年前の2008年の大統領選挙時と比較して、経済は87%で変わりないんですが、雇用は+3%ポイント増加している一方で、エネルギーは▲22%ポイント、テロは▲12%ポイント、移民は▲11%ポイント、それぞれ優先順位を低下させています。オバマ大統領とロムニー候補のどちらがどの分野に強いと受け止められているかは、後ほど取り上げます。

Voters' Preference for Smaller Government Persists

政府活動については、小さな政府と大きな政府で、米国のことですから相変わらず小さな政府が選好されています。上のグラフの通りです。特に注目すべきポイントは、4年前の大統領選挙の直前は小さな政府が選好されつつも、大きな政府との差がかなり縮小していて10%ポイントもなかったんですが、最近時点では差が20%ポイントを超えている点です。ただし、直近ではその差が縮小していたりもします。評価の難しいところかもしれません。

Best Way to Reduce the Budget Deficit

続いて、政府セクターの活動の結果として米国でも財政赤字が累増しており、財政再建が我が国を含めて多くの先進国の課題となっている中、財政赤字の削減策として増税か歳出削減かを問うた結果が上のグラフの通りです。もちろん、圧倒的多数は増税と歳出削減の両方なんですが、あえて、どちらか単独という見方をすれば、米国らしくやや歳出削減に力点を置く回答が多くなっています。ただし、これも最近時点の今年9月では「両方」の比率が高まっています。財政赤字の深刻度に対する認識が深まっていることが背景にあるのかもしれません。

Romney, Obama Voters' Differing Agendas

最後に最大の関心は、米国の有権者のプライオリティが現職のオバマ大統領の支持者とロムニー候補の支持者のいずれにより重視されているか、の結果は上の表の通りです。ロムニー支持者の間では経済、雇用、財政赤字などが重視されていて、特に財政赤字ではロムニー支持者の方がオバマ支持者よりも圧倒的に重視されているとの結果が示されています。4年前に比べてプライオリティを下げたテロや移民などはロムニー支持者には重視されているものの、オバマ支持者のプライオリティとの差が10%ポイントを超えて大きくなっています。他方、オバマ支持者の間では経済や雇用は重視されているものの、ロムニー支持者との大きな差は教育や医療により大きなプライオリティを置いている点である、といえます。

この世論調査結果は大統領選挙の当選確率めいたものを問うているわけではありませんが、米国有権者のプライオリティが候補者の支持別に明確に分析されており、とても興味深いと受け止めています。10月3日の第1回テレビ討論会を経て、大統領選挙の結果はどうなるんでしょうか。

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2012年9月25日 (火)

来週発表の日銀短観9月調査結果は企業マインドの悪化を確認する内容か?

来週月曜日10月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから9月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIを取りまとめると下の表の通りです。当然ながら、設備投資計画は2012年度今年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。今回は今年度下半期以降の先行きに関する見通しを可能な範囲で取りました。第一生命経済研を別にすれば、各機関とも何らかの先行きに関する言及がありました。ただし、長くなりそうな場合はこの統計のヘッドラインとなる大企業製造業だけにした場合もあります。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
6月調査▲1
+8
<+6.2>
n.a.
日本総研▲6
+5
<+6.0>
先行き(12月)は、大企業・製造業で▲8%ポイントとさらに悪化する見込み。海外景気の先行き不透明感が強まっていることを受け、輸出依存度の高い業種を中心にマイナス幅が拡大する見込み。非製造業でも+4%ポイントと悪化する見込み。エコカー補助金の払底による自動車販売の反動減により、小売業で悪化すると予想。
大和総研▲3
+7
<+6.9>
先行きに関しては、海外経済減速により雇用所得環境の悪化リスクが高まっていることから、総じて悪化すると予想する。消費増税もマインドの押し下げ要因となる見込みだが、建設業等では駆け込み需要に対する期待が高まっており、一部業種においては先行きの改善要因になるとみられる。
みずほ総研▲4
+7
<+6.6>
先行きについては、エコカー補助金終了後に自動車販売の一段の減少が見込まれることから、小売業の見通しは悪化するとみられる。もっとも、復興事業の拡大やスマートフォン普及に伴う通信・情報サービス需要の増加に対するする期待などが支えとなり、全体としては改善の見通しとなるだろう。
ニッセイ基礎研▲4
+6
<+5.3>
先行きについても総じて低迷しそうだ。世界経済の先行きについては見方が分かれそうで、大企業については製造業・非製造業ともに横ばいに。環境変化に対する抵抗力の点などから先行きへの悲観が高まりやすい中小企業では、製造業・非製造業ともに今回も先行きにかけての景況感悪化が示されそうだ。
伊藤忠商事経済研▲3
+5
<+5.2>
濃霧のように立ち込める不透明感を反映し、先行きについても、景況感の悪化を見込む規模・業種が多数と考えられる。
第一生命経済研▲5
+5
<+4.7>
世界 経済の鈍化が進み 、自動車・電気機械がこれまで の業況改善 の流れから悪化に転じる
三菱総研▲4
+6
<n.a.>
先行きについては、復興需要の本格化に加え、年末頃から新興国経済が持ち直しの動きをみせ、外需が緩やかに回復していくことが期待されるが、現時点ではまだ不確実性が高く、また領土問題の経済活動への影響も懸念材料である。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲4
+9
<+5.8>
先行きの業況判断DIは、世界経済の先行き不透明感が一段と強まっているため企業マインドはより後退するとみられ、下げ幅が拡大すると見込まれる。
みずほ証券リサーチ&コンサルティング▲4
+6
<+5.0>
①上記のように、足元にかけて日本経済の減速感が強まっており、②欧州債務問題や中国経済の減速など、外部環境の不透明感が依然として高い状況にあること―などから、「先行き」についても慎重な姿勢が示されると想定した。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの大企業非製造業の予測など、一部に例外はなくはないものの、大企業製造業・非製造業ともに9月調査の日銀短観では足元の企業マインドが悪化する結果となり、先行きはさらに慎重姿勢が示されると予想する向きがほとんどとなっています。私も従来からこのブログで主張している通り、先行きの景気動向は復興需要などの内需のプラスと外需のマイナスの綱引きになるんですが、後者が優勢になると見込まれています。なお、今年度の設備投資計画についても下方修正されるという見方が多い一方で、伸び率としてはまだまだ大きなプラスであり、設備投資計画は堅調と見えますが、先行指標の機械受注とは整合性が欠けていると私は受け止めています。この先、さらに設備投資は計画よりも圧縮される可能性が十分あると考えるべきです。

日経平均株価とサラリーマンの平均お小遣い額の推移

日銀短観から話題を転じて、昨日、新生銀行から「2012年 サラリーマンのお小遣い調査」と題するリポートが公表されています。リポートの p.8 から引用している上のグラフの通りです。平均お小遣いは月額39,600円と、昨年比3,100円アップで5年振りに増加したものの、名目で30年以上も前の1980年と同じ水準であり、サラリーマンの苦しいふところ事情がうかがえます。

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2012年9月24日 (月)

今年のノーベル経済学賞は誰の手に?

Nobel Medal

やや旧聞に属する話題ですが、先週9月19日にトムソン・ロイターから「トムソン・ロイター引用栄誉賞」という形で、今年の科学部門におけるノーベル賞有力候補者が発表されています。あくまで科学分野ですから、私が村上春樹さんへの授賞を大いに期待している文学賞や平和賞を含まず、経済学賞を含むスコープです。ということで、今夜のブログでは今年のノーベル経済学賞について考えたいと思います。まず、トムソン・ロイターのサイトから経済学分野における「トムソン・ロイター引用栄誉賞」 Thomson Reuters Citation Laureates とそのトピックは以下の通りです。

  • Arbitrage Pricing Theory
    • Stephen A. Ross (Massachusetts Institute of Technology)
  • Income and Outcomes
    • Sir Anthony B. Atkinson (Nuffield College)
    • Angus S. Deaton (Princeton University)
  • Understanding Market Volatility
    • Robert J. Shiller (Yale University)

ノーベル経済学賞の受賞者に擬せられるほどの超大物エコノミストですから、研究分野は極めて多岐に渡るんですが、ムリを承知の上であえて一言で専門分野をお示しすると、ロス教授は裁定価格の決定に関する研究、アトキンソン教授は不平等や貧困に関する研究、ディートン教授は消費や幸福度に関する研究、シラー教授は金融資産の価格決定や金融市場の安定性に関する研究、とまとめられます。一応、私はロス教授を除いて各先生方の論文は何本か読んだことがあります。特に、アトキンソン教授とシラー教授の論文は印象に残っていたりします。
昨年の私の大胆かつ無責任な予想は開発経済学のフランケル教授とサックス教授だったんですが、まったく外してしまいました。でも、ここ数年、支持し続けてきた時系列分析のシムズ教授に授賞されましたのでよしとして、今年については、サブプライム危機からいく年かを経てそろそろ金融経済に関する研究者ではないかという気がしています。トムソン・ロイターのご意見も参考にして、シラー教授とティロル教授ということで予想しておきたいと思います。ティロル教授はフランス人で、トゥールーズ経済大学やフランスの産業経済研究所(IDEI)などの所属ということになると思います。

最後に、文学賞候補の村上春樹さんは別にして、「トムソン・ロイター引用栄誉賞」の医学・生理学賞と化学賞で併せて3名の日本人が受賞しています。医学・生理学賞では理化学研究所の竹市雅俊教授、化学賞の東京大学・東京理科大学の藤嶋昭教授、首都大学東京の春田正毅教授です。専門外なので詳細をブログで伝える能力はありません

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2012年9月23日 (日)

上原ひろみの最新アルバム Move を聞く

上原ひろみ Move

上原ひろみ Move を聞きました。ザ・トリオ・プロジェクトの最新アルバムです。まったく同じベーシストとドラマーを従えた Voice がリリースされたのが2011年3月でしたから、ザ・トリオ・プロジェクトとしては1年半振りのアルバムです。私が買ったのは Voice と同じように初回限定版でDVDがカップリングされているCDです。以下の9曲が収録されています。すべて上原ひろみのオリジナルです。

  1. MOVE
  2. Brand New Day
  3. Endeavor
  4. Rainmaker
  5. Suite Escapism: Reality
  6. Suite Escapism: Fantasy
  7. Suite Escapism: In Between
  8. Margarita!
  9. 11:49PM

私はほぼジャズのアルバムばかりを聞いており、クラシックも聞かないというわけではありませんが、いわゆるポピュラー・ミュージック、特に歌詞のある曲はほとんど聞きません。シングルCDなんぞは手に取ろうとも思いません。上原ひろみのザ・トリオ・プロジェクトの前作 Voice やこの Move のように買い求める場合が多いんですが、レンタル店や図書館で借りることも少なくありません。しかし、このアルバムは定価で買っても値打ちがあると感じました。どうでもいいことですが、酒井順子さんのエッセイか何かで「値打ち」は京都の人間がよく使うというのがあったと記憶していますが、このアルバムはホントに値打ちがあります。まだDVDの方を見ずに、CDだけ聞いてそう思っています。
先週取り上げた小曽根の最新アルバムと同じでジャズ・ピアノのメインストリーム、ど真ん中の直球をケレン味なく投げ込んで来ています。私は全身で受け止めたいと思います。さらに、小曽根の場合はスローなバラードも取り上げているんですが、上原ひろみの場合はひたすらにパワフルです。特に、エスカピズム組曲のあたり、5曲目と7曲目なんかはそう感じます。ギンギンと称することも、ノリノリと表現することも出来そうです。それから、このアルバムの収録曲を中心にツアーが始まるらしく、上原ひろみ自身は30代半ばで体力的にはまだまだOKなんでしょうが、ややお年を召したベースとドラムスのおふたりは、このノリで大丈夫なんでしょうか。ステージごとに体重が2-3キロ落ちるのは確実で、それくらいならまだしも、体調を崩したりしないもんなんでしょうか。やや心配になったりします。
最後は、レコード会社がYouTubeにアップしている動画です。迫力満点です。

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2012年9月22日 (土)

夏川草介『神様のカルテ 3』(小学館) を読む

夏川草介『神様のカルテ 3』(小学館)

かなり新刊書を買い込んで少しずつ読んでいますが、やや遅れ気味な気もします。話題の『光圀伝』や『ソロモンの偽証 第2部』なんかも買いましたが、期限のある図書館から借りた本があって、買った本を読むのは少し先になりそうです。ということで、シリーズ3冊目で第1部の完結編となった夏川草介『神様のカルテ 3』(小学館) を読みました。読み終えて下の倅のところに回しています。まず、出版社のサイトから書籍の内容を引用すると以下の通りです。

自己満足で患者の傍にいるなんて偽善者よ。
栗原一止は、信州にある「24時間365日対応」の本庄病院で働く内科医である。医師不足による激務で忙殺される日々は、妻・ハルの支えなくしては成り立たない。昨年度末、信濃大学医局からの誘いを断り、本庄病院残留を決めた一止だったが、初夏には恩師である古狐先生をガンで失ってしまう。夏、新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、経験も腕も確かで研究熱心。一止も学ぶべき点の多い医師だ。
しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、急患であっても受診しないのだった。抗議する一止に、小幡先生は「あの板垣先生が一目置いているっていうから、どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」と言い放つ。彼女の医師としての覚悟を知った一止は、自分の医師としての姿に疑問を持ち始める。そして、より良い医者となるために、新たな決意をするのだった。

全5話から成る構成は以下の通りです。第1話を除いて書下ろしです。

第1話
夏祭り
第2話
秋時雨
第3話
冬銀河
第4話
大晦日
第5話

病院の医師を主人公にする物語ながら、このシリーズ3冊目にして初めてだと思うんですが、誰も死にません。前作では本庄病院の内科副部長の古狐先生が亡くなって、やや私はショックを受け、こんなプロットで先が続くのかと心配しましたが、さすがに作者か編集者か、どちらかお考えになったようです。少なくとも前作よりは出来がよくなっています。すなわち、第1作より第2作、第2作より第3作がよくなっていると私は受け止めています。
人は死にませんが、いわば、人事異動はあります。これは第2作でも進藤医師が本庄病院に加わっていますから、決して初めてではありません。ネタバレなんですが、出版社のサイトから引用した内容紹介の最後は、栗原一止自身が本庄病院を離れて大学病院に戻ることを意味しています。どうしてかといえば、新任の先輩内科医である小幡先生から医師にとって最新の知識と情報を持っておく必要性について、あるいはその哲学について大きな影響を受けたからです。私の専門である経済学を含めて、科学というのは常に最新の知識と情報を必要とするものですが、特に人命を預かる医学には高い専門性と先進性が必要とされます。そして、小幡医師は患者にも同時に生命を大切にする態度を求めます。そのあたりの病院内部での角逐を見事に表現しています。前作までの単に心暖まる医療現場という印象だけでなく、厳しい面を見せつけてなおかつ人が死なないという難しい綱渡りを見事に描き切ったと受け止めています。

最後に、どうでもいいことですが、いまだに芥川賞受賞作品である鹿島田真希「冥土めぐり」を読んでいません。いろいろと事情はありますが、「文藝春秋」の9月号は手元にありますので、なるべく早めに読みたいと思っています。

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2012年9月21日 (金)

秋といえば何をイメージするか?

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、さすがの猛暑も彼岸に入った今週から少しずつ気温が下がり始めているように実感しています。ということで、ネオマーケティングから「秋の味覚と風物詩に関する調査」リポートが9月19日に公表されています。まず、リポートの結果概要を引用すると以下の通りです。

【調査結果概要】
【1】 秋の食べ物といえば 1位「サンマ」 2位「栗」 3位「梨」
【2】 秋の行楽シーズンは、「国内旅」が一番人気
【3】 秋を漢字一文で例えると 1位「紅」 2位「栗」 3位「月」

秋で思い出すのはいくつかあって、「食欲の秋」、「読書の秋」、「芸術の秋」、「スポーツの秋」などなど、ことしの夏も猛暑でしたが、気温が下がって過ごしやすくなるとともに、秋の夜長で時間も取れることから、さまざまな余暇活動が活発になります。今夜のブログで取り上げるリポートは、やや「食欲の秋」の食べ物とお出かけの行楽に絞り込んだアンケートを展開しています。まず、下のグラフは「秋の食べ物」に対する回答です。

秋の食べ物

最初に引用した通り、「サンマ」、「栗」、「梨」が1-3位を占めていますが、4位には「松茸」が入っています。我が家の大黒柱は当然ながら私であり、薄給の公務員として、特に今年は4月から給料が大幅に引き下げられ、とうとう7月の土用の丑の日にはうなぎが出なくなりましたし、松茸なんぞは長らく我が家の食卓には出たことがありません。それから、「月見団子」や「おはぎ」というのは選択肢になかったんでしょうか。それとも、反則なんでしょうか。実は、後段に画像が見えているかもしれませんが、私はまったく別の食べ物を思い出します。

秋の行楽

続いて、行楽の行き先に対する回答が上のグラフの通りです。ジャカルタから帰国して以来、子供達が学校に通っていますから、我が家は秋に旅行をしたことがないんでよく分かりませんが、「国内旅行」がトップとなっています。順位はかなり低いですが、「東京スカイツリー (ソラマチ)」が入ったのは今年らしい特徴といえそうな気がします。来年以降に順位を上げるかどうかに着目している人がいそうな気がします。それはそうと、「スポーツ観戦」は選択肢になかったんでしょうか?

月見バーガー

秋の食べ物に無理やりに話題を戻すと、こういったアンケートでは「反則」なんでしょうが、私は月見バーガーをイメージします。今週から始まっています。期間限定ですから、そのうちに食べに行きたいと思います。

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2012年9月20日 (木)

輸出の先行きをどう見るか?

本日、財務省から8月の貿易統計が発表されました。ヘッドラインとなる輸出は前年同月比▲5.8%減の5兆458億円、輸入も▲5.4%減の5兆7999億円、差引き貿易収支は▲7541億円の赤字となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月貿易収支、2カ月連続赤字 欧州向けが最大
財務省が20日発表した8月の貿易統計速報(通関ベース)は輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が7541億円の赤字となった。赤字は2カ月連続。中国や韓国向けに鉄鋼などの輸出が落ち込んだほか、政府債務危機に揺れる欧州連合(EU)との貿易赤字が過去最大に膨らんだ。海外経済の減速を背景に赤字基調が続いている。
赤字額は8月としては昨年についで過去2番目の大きさで、事前の市場予測(約8200億円)より小さかった。
輸出は前年同月比5.8%減の5兆458億円。3カ月連続で減少した。EU向けが自動車や船舶を中心に22.9%減ったほか、中国向けも鉄鋼や自動車用エンジンなどの減少が響いて9.9%減と3カ月連続で減った。米国向けは自動車部品や原動機が引き続き伸びて10.3%増だった。
輸入は5.4%減の5兆7999億円。サウジアラビアなどからの原油が8.5%減った。輸入数量は微増したが、原油価格が前年比で下落したのが主因。液化天然ガスは昨年3月以来、初めて輸入数量が減少し、金額の伸びも6.2%増と前月までの2桁増から大幅に縮小した。
地域別の収支をみるとEUとの貿易赤字は962億円と過去最大になった。輸出減に加え、ユーロ安を背景にドイツからの自動車輸入が増えている。アジアとの貿易黒字は18カ月連続で減少しており、そのうち中国とは6カ月連続で貿易赤字が続いている。
みずほ総合研究所の山本康雄シニアエコノミストは「中国の内需刺激策もあって素材や機械類を中心に輸出は年末にかけて持ち直す」と予想している。ただ、燃料輸入は引き続き高水準で、貿易収支が黒字になるには時間がかかるとみている。

次に、いつもの貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフでプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

貿易統計の推移

7月に続いて8月も輸出の不振から貿易赤字を記録しています。季節調整済みの系列で見て、輸入の増勢にはそろそろブレーキがかかりつつありますが、輸出は弱含んだままで推移しており、一向に反転増加に転じる気配はありません。もっとも、輸入の方も価格による影響が大きくて、金額ベースでは高い水準で推移すると覚悟せねばならないと受け止めています。また、引用した記事にある通り、中国のいわゆる「1兆元景気対策」への期待は高まるものの、現時点での反日感情やラグなどを考えると、年末年始に明確な効果が実感できるかどうかは疑わしく、さらに、我が国から中国への輸出全般が増加するというより土木や建設の分野の機械類に偏る可能性も残されていると考えるべきです。

輸出の推移

上のグラフは金額ベースの輸出について2種類の要因分解を示しています。上のパネルは価格と数量により、下は地域により寄与度分解しています。見れば明らかですが、輸出金額の不振は数量に起因している一方で、地域的には北米が下支えしつつも中国をはじめとするアジアと欧州が下げ要因となっています。輸出の先行きを考えると、中国の景気対策には期待できるものの、欧州の先行きは何ら明るい展望はなく、米国については量的緩和第3弾QE3へのポジティブな期待よりも、「財政の崖」に対するネガティブな懸念の方が大きいと私は受け止めています。すなわち、総合的に見て我が国の輸出拡大に寄与する要因はそれほど大きくなく、足元から年内くらいの先行きを考えると輸出は弱含みで推移すると予想され、外需が我が国景気のけん引役を担えると期待できそうにありません。貿易収支と経常収支がほぼ同じ方向に動くと大胆に仮定すれば、7-9月期の外需は明らかに我が国の成長にとってマイナス要因となります。

私は少し前まで年内くらいに貿易黒字を復活できるものと予想していましたが、世界経済の減速ないし停滞のため、我が国の貿易収支は年内から年明けくらいまでは赤字を続ける可能性が大きくなったと受け止めています。今後とも為替の動向に注目したいと思います。

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2012年9月19日 (水)

米国民は中国をどう見ているか?

昨日、米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターから「米国民と専門家の中国に関する異なる見方」 U.S. Public, Experts Differ on China Policies と題する世論調査結果のリポートが公表されています。我が国政府による尖閣諸島の国有化に対して、中国国内で大きな反発が生まれて昨日までデモが猛威をふるっていたところ、中国に関する米国世論について知っておくのも参考となるように思いますので、簡単に取り上げることとします。特に、リポートではいくつかの論点では国民一般と専門家で見方が異なる点に注目しています。まず、リポートの構成は Overview を別にして、以下の4章立てとなっています。

Chapter 1
How Americans View China
Chapter 2
Threats and Concerns
Chapter 3
U.S. Policy Toward China
Chapter 4
U.S. Leadership and the Global Balance of Power

まず、グラフや表は引用せずに結果の数字だけですが、米中関係は Good が65%を占め、Bad の29%を圧倒しています。ただし、その関係は Partner でも Enemy でもなく、Competitor であると大多数の一般国民及び専門家が見なしています。そして、米国民や専門家から見て信用の置ける国として日本は英国に次いで2番目を占めている結果が示されています。以下の表の通りです。"Trust" や "Trustworthy" という英語を使っていますが、どこやらの国の総理大臣がオバマ米国大統領に "Trust me." なんぞといいながら、結局は辞職してしまったのを思い出します。

Most in U.S. Trust Britain, Japan, France, Israel; Few Trust Pakistan, Saudi Arabia, China

ただし、中国を信頼が置ける Trustworthy と見なしているのは30歳以上よりも30歳未満の若い年齢層でより比率が高くなっています。また、共和党支持者よりも民主党支持者の間でより中国への信頼感が高い結果が示されています。そして、中国の何に着目するかといえば、当然ながら、軍事面よりも圧倒的に経済面に関心が高いとの結果が示されています。下のグラフの通りです。

Public More Concerned with China's Economic Strength

ですから、米国に対する脅威として捉えた場合、中国の台頭はイランの核問題やイスラム原理主義グループの動向、北朝鮮の核問題などより深刻度が低く、経済問題としても国際金融の不安定よりも驚異のリストとしては下に位置すると見なされています。そして、中国との経済問題として一般国民からもっとも深刻視されているのは米国債の保有だったりしますが、専門家には大きな問題とはみなされていません。また、米国でかつて関心の高かった人権問題などはかなり後景に退いています。下の表の通りです。

General Public More Concerned about Economic Issues with China

最後に、G2時代ともいわれる世界秩序について、世界のリーダーシップは米国1国単独で執るべきか、米中2国でシェアすべきかの質問は圧倒的に米中2国で世界のリーダーシップをシェアとの結果が出ています。専門家グループのうち退役軍人でやや米国の単独リーダーシップの比率が高くなっていますが、それでも無視できるほどです。現実的な対応が中心となっており、経済大国だけでなく覇権国としての立場が垣間見える気がします。

Most Want the U.S. to Share Leadership

最後に、この世論調査結果を離れて、昨日から開催されていた日銀金融政策決定会合において、景気判断を下方修正するとともに、資産買入れ基金の総額を10兆円増やして80兆円としたり、買入れの終了時期も2013年6月から12月に延長したりと、一定の追加緩和措置が決定されました。米国の連邦準備制度理事会、欧州中央銀行の追加金融緩和に追随した形になっています。為替の動向に注目したいと私は考えています。

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2012年9月18日 (火)

ニーアル・ファーガソン『文明』(勁草書房) を読む

ニーアル・ファーガソン『文明』(勁草書房)

ニーアル・ファーガソン『文明』(勁草書房) を読みました。作者は英国生まれで、現在はハーヴァード大学の歴史学部およびビジネススクールの教授であり、前作の『マネーの進化史』はそこそこ話題になった記憶があります。この本は副題が上の画像に見えるように「西洋が覇権をとれた6つの真因」とされています。テレビの特集番組を基にした出版です。副題の通り、1500年から2000年までのスコープで西洋が覇権を取れた真因、本の中では「キラーアプリケーション」と呼ばれていますが、この6つの要因を明らかにしています。実は、以下の本書の6つの章立ての通りです。

第1章
競争
第2章
科学
第3章
所有権
第4章
医学
第5章
消費
第6章
労働

第1章では中国と西洋を比較して政治制度の面から競争について論じ、第2章ではトルコを欧州と比べてさまざまな科学技術を論じ、第3章では北米と南米を対比して土地をはじめとする所有権を論じています。なお、ファーガソン教授がハーヴァード大学の同僚に中南米は西洋かどうか疑わしいという会話を交わしたエピソードも見えます。第4章ではフランスと米国を引合いに出して医学を論じ、第5章では生産技術に目が行きがちな産業革命について、爆発的な生産拡大を裏打ちしていた需要の増加を論じ、第6章ではヴェーバーの「プオテスタンティズムの精神」を基に勤労の精神を説いています。
基本的には、いかにも西欧中心主義的な観念論なんですが、私は西洋の覇権については第6章の勤労がもっとも重要な役割を果たした可能性があると受け止めています。また、第5章ではリーバイスのジーンズを引合いに出して、西洋が世界に対して魅力的な商品を提供した点をファーガソン教授は強調していますが、私はそれよりも新大陸の発見に伴う貴金属の流入に起因した購買力の向上の方がより重要ではないかと捉えています。そして、何よりも、スコープを2000年以降に延ばした時の本書における中国の扱いが少し疑問に残ります。でも、私は見ていませんが、テレビ番組なんかでハーヴァード大学教授からビジュアルにプレゼンされれば、かなり説得力ある説ではないか、という気も同時にしています。
どうでもいいことかもしれませんが、私はこの本の中で紹介されているトマス・コールの「帝国の推移」という連作の絵画に興味を持ちました。上に画像を示した日本語版の装丁に使われています。かなり方向性は違いますが、禅宗の世界に「十牛図」というのがあります。一部ながら、西洋と東洋の違いを表しているような気がしないでもありません。どちらも検索すればネットに画像がありそうな気がします。見比べてみると西洋と東洋のエッセンスが得られるかもしれません。しかし、西洋でも東洋でもない世界、典型的にはアフリカであり、ひょっとしたら、中南米もそうかもしれない世界はどう分類されるのか、という興味もあります。でも、歴史と地理は違うんでしょう。

私の専門分野ではありませんが、いわゆるリベラル・アーツを扱った書籍です。多くの図書館に所蔵されているようですので、興味ある方が手に取ることを期待しています。元がテレビ番組ですので、かなり万人受けするような気もします。

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2012年9月17日 (月)

最終回に福原投手がつかまって引分け!

  HE
D e N A300000001 492
阪  神100000300 492

ラッキーセブンの鳥谷遊撃手の満塁走者一掃のスリーベースで逆転したものの、最終回に福原投手がつかまって引分けでした。私はそれほど熱心にテレビ中継を見ていたわけではありませんが、時間のムダのような試合だった気がしないでもありません。私は9回に同点に追いつかれた時点でお風呂に入ってしまいました。今シーズンの阪神の試合はその程度の位置づけです。

明日は、
がんばれタイガース!

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小曽根真の最新アルバムを聞く

小曽根真 My Witch's Blue と Pure Pleasure for the Piano

8月22日に Verve から発売されたばかりの小曽根真の最新アルバムを聞きました。上の2枚なんですが、収録曲は以下の通りです。

  • My Witch's Blue
    1. Bouncing in My New Shoes
    2. My Witch's Blue
    3. Gotta Get It!!
    4. Long for the Past
    5. So Good!!
    6. Take the Tain Train
    7. Time We Spent Together
    8. Nova Alvorada
    9. Solo Improvisation "Continuum"
    10. Satin Doll
  • Pure Pleasure for the Piano
    1. Confusing Blues
    2. Do You Know What It Means to Miss New Orleans?
    3. Sweet Georgia Brown
    4. A Moment Alone
    5. Emily
    6. Longing for the Past
    7. What Is This Thing Called Love
    8. Struttin' with Some Barbecue

上の My Witch's Blue がピアノ・トリオ、下の Pure Pleasure for the Piano がピアノのデュエットです。いずれも8月22日に発売されています。トリオはクラレンス・ペンなどが参加した小曽根の「ザ・トリオ」ではなく、デュオのお相手はブランフォードとウィントンのマルサリス兄弟の父親で、ピアノの演奏家と言うよりは音楽教育者として著名なエリス・マルサリスです。なお、2枚目にのアルバムにはエリスの長男ブランフォードも最後の8曲目に参加しています。それから何らご参考までなんですが、アルバム・ジャケットは、いずれも鬼才・篠山紀信がレコーディング地であるニューヨークとニューオーリンズに同行し、激写したそうです。
前回の音楽鑑賞の日記で9月2日に取り上げた山中千尋とロマンティック・ジャズ・トリオのアルバムがいずれもポピュラー・ミュージックをカバーしていたので、特に強く感じるのかもしれませんが、小曽根のこの2枚のアルバムは、まさに、ジャズのメインストリーム、ど真ん中の直球です。演奏は文句ナシです。選曲についても、1枚目のトリオのアルバムは最後の曲がエリントン楽団の有名な曲である以外は、すべて小曽根のオリジナルですし、2枚目のピアノ・デュオもジャズ発祥の地であるニュー・オーリンズに由来する曲が選ばれていたり、ライナー・ノートの綴りにハリケーン・カトリーナで被害を受けたニュー・オーリンズの写真が用いられていたりと、心憎いばかりの手の込みようです。東日本大震災とカトリーナからの復興支援を願いつつ、古きよき時代の香りのするピアノ・デュオ・アルバムです。トリオの演奏とともに、我が国を代表する傑出したジャズ・ピアニストの最新アルバムですし、ジャズ・ファンは聞いておくべきだという気がします。

9月5日には山中千尋と双璧をなす我が国の女性ジャズ・ピアニストの上原ひろみがトリオのアルバム Move をリリースしています。やや遅れ気味ではありますが、すでに入手していたりしますので徐々に取り上げたいと思います。

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2012年9月16日 (日)

下の子と映画「バイオハザード V リトリビューション」を見に行く

映画「バイオハザードV リトリビューション」ポスター

今日は、おにいちゃんは昨日に続いて高校の文化祭ですので、私は午後から下の子と映画を見に行きました。「バイオハザード V リトリビューション」です。7月から8月にかけて、「バイオハザード」のシリーズは角川ホラー文庫で出版されている限りの「バイオハザード III」まで読み、映画化されている「バイオハザード IV アフターライフ」までDVDを借りて見ましたので、最新の「バイオハザード V リトリビューション」は映画館に見に行くことになりました。2D字幕版、3D字幕版、3D吹替版と3バージョンあって、最後の3D吹替版を見ました。
広く知られていることと思いますが、もともとの「バイオハザード」といえば、カプコムのゲームであり、それがミラ・ジョヴォヴィッチ主演で映画化され、さらに、映画がノベライズされて角川ホラー文庫に収録されています。最初はホラー調だったんですが、途中からアクション調に変化し、角川ではホラー文庫で出版しなくなったのか、それともこれから出るのか、私はよく知りません。

前売り券特典のアンブレラ社IDカード入れ

下の子と映画を見に行こうという話になったのは、映画もさることながら、上の写真の前売り券に付いて来る特典もお目当てでした。見れば分かると思いますが、アンブレラ社のIDカード入れです。しょせんはオマケですから原価は安いものなんでしょうが、ある程度の希少価値はあります。いくつか前売り券を販売している映画館を回りましたが、私が回った範囲で特典の用意があるのはマリオンだけでした。ほかの映画館は早々に品切れになったのか、そもそも特典の配給を受けていなかったのか、いずれにせよ、この特典のIDカードはそれなりの希少価値だと私も下の子も受け止めています。

この映画のシリーズは次の「VI」が最終回というか、主人公のアリスが死んで最終章という形で一応の区切りがつくんではないか、とネット上ではウワサされています。今日は見終わって、私と下の子は次回作も見ようということで意見が一致しました。

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2012年9月15日 (土)

9月も半ばになって東京ドーム初勝利!

  HE
阪  神000100001 290
読  売000000000 070

文字通り、鳥谷遊撃手と新井兄選手のソロホームラン2本の得点を能見投手と藤川投手の完封リレーで守り切り今シーズン東京ドーム初勝利でした。今さらというタイミングではありますが、一時は調子を落としていた能見投手がエース復活の投球を見せてくれ頼もしい限りです。引退表明した金本選手を代打に使う、使わない以外は、特に見るべき采配はありませんでした。昨年の真弓監督の時もそうだったんですが、今年も監督の出番が少ない試合ほど勝率がいいような気がしてなりません。

それでも明日は、
がんばれタイガース!

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おにいちゃんの高校の文化祭に行く

今日から3連休のサラリーマンも少なくないと思いますが、お天気にも恵まれ、私は我が家のおにいちゃんの通う高校の文化祭に行きました。事前に今朝の10時から正午くらいの午前中に訪れるとアナウンスしておき、おにいちゃんは私と顔を合わせないように避難していたらしいです。
ということで、いの一番におにいちゃんが属している模型部を襲います。出品していた作品は以下の4体です。上から順に、ドラッツェ、ブラックエンド、プロヴィデンスガンダム、ウォーカーマシンです。2番めのブラックエンドがウルトラマン・レオの最終回に登場する怪獣である以外はガンダムです。ですから、いわゆるガンプラです。自動車の模型くらいはいいんですが、我が家は私の方針で戦艦や戦車や戦闘機などの戦争に用いられる武器のたぐいはご法度です。実は、ギリギリいうと、ガンダムも武器・兵器のたぐいなんですが、現実世界の武器・兵器とアニメの世界は違いますので、ガンプラは許容しています。

ドラッツェ

ブラックエンド

プロヴィデンスガンダム

ウォーカーマシン

もちろん、模型部以外にもいくつか訪れました。理科室なんかがある建物では、1階が化学部、2階が物理部、3階が生物部なんてのもありました。化学部は人気で入場待ち行列ができていたので私は諦めました。生物部では金魚すくいがあったりしました。

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2012年9月14日 (金)

定番のスクイズ失敗からまっ逆さまに転落して逆転負け!

  HE
阪  神200000000 260
読  売00000030x 3101

1回表の2点は見ていないんですが、7回表のタイガースの攻撃は新井選手の二塁打からしっかり見ました。スクイズ失敗から絵に描いたような転落劇でした。スリーランを食らった坂本選手への攻め方にしても、変化球に対してクルクル回っていたところに、ウラをかいたつもりでどまん中の直球ですから、配球もどうかという気がしますが、それ以上に試合の流れが阪神から離れていたようにも見えました。スクイズという難しい作戦を取った指揮官が悪いのか、指揮官の作戦を遂行できなかった選手が悪いのか、私にはよく分かりませんが、積極的な作戦も消極的な作戦もいずれも裏目に出るのが今シーズンの阪神なのでしょう。今年は東京ドームでは勝てないかもしれないと思わせるに足る一戦でした。

それでも明日は、
がんばれタイガース!

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宮部みゆき『ソロモンの偽証 第1部 事件』(新潮社) を読む

宮部みゆき『ソロモンの偽証 第1部 事件』(新潮社)

宮部みゆき『ソロモンの偽証 第1部 事件』(新潮社) を読みました。我が国読書界の最大の売れっ子作家のひとりの最新長編です。5年振りの現代ミステリだそうです。8月下旬に『第1部 事件』が、9月に『第2部 決意』が、10月に『第3部 法廷』がそれぞれ刊行されます。まず、出版社の特設サイトから作品紹介を引用すると以下の通りです。

その法廷は十四歳の死で始まり偽証で完結した。五年ぶりの現代ミステリー巨編!
クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した十四歳。その死は校舎に眠っていた悪意を揺り醒ました。目撃者を名乗る匿名の告発状が、やがて主役に躍り出る。新たな殺人計画、マスコミの過剰報道、そして犠牲者が一人、また一人。気づけば中学校は死を賭けたゲームの盤上にあった。死体は何を仕掛けたのか。真意を知っているのは誰!?

次に、同じく出版社の特設サイトから、『第1部 事件』発生直後の人物相関図を引用すると以下の通りです。よく知られた通り、宮部作品は登場人物が多くて人間関係が入り組んでいるため、私も読み始めたころはこの人物相関図を頼りにしていたりしました。もっとも、小説の一番最初に登場する商店街のおじいさんはこの図には含まれていません。

『ソロモンの偽証』人物相関図

さすがの宮部作品で、読み始めた途端にグイグイと小説の世界に引き込まれます。ものすごい迫力です。700ページ余りのぶ厚い本ですから、さすがに一気読みは難しい気もしますが、ものすごく短期間に読み切ってしまう読書子が多そうです。私もこれだけ一気に読んだのはハリー・ポッターの最終巻『死の秘宝』以来だという気がします。しかし、宮部作品はスティーヴン・キングの作品などとともに、世界の文学作品の中でも極めて精緻な構成となっていますので、コア部分だけでなく周辺情報も頭に入れておかねば読書の楽しみが半減してしまいます。
中学生が校舎から転落して死亡するというショッキングな事故/事件を中心に物語が進みます。いわゆる「いじめ」の問題も含んでおり、『英雄の書』と一部に通ずるところもあります。北朝鮮並みに閉鎖的かつ隠蔽体質で平気で嘘をつき事なかれ主義の教育現場、死亡した生徒の両親の自殺との見立てで捜査が及び腰になる警察、匿名の告発状を入手して正義感を振りかざして取材するメディアの記者、そして、何よりも城東三中の生徒とその保護者の揺れ動く心、これらを余すところなく描き切っています。ある意味で、フィクションなんですからリアリティを求めるのは筋違いですが、昨今のいじめによる中学生の自殺などの報道を目にして、あり得る話だとも考えられます。もちろん、全3部まで読まないと全貌は明らかになりませんが、期待を裏切らないものと予想しています。
作品紹介の出版社の特設サイトから推測する限り、この『第1部 事件』は1990年12月のクリスマスのころから、明けて1991年6月ころまで、『第2部 決意』が承前の1991年6月から8月まで、最後の『第3部 法廷』が1991年8月15日からの5日間、という構成になっているようで、単位時間当たりのページ数で測ると物語のスピードは落ちることになりますが、おそらく、実際に読み進むとスピード感は上がって行くんだろうと思います。『第3部 法廷』の内容紹介の最後は「驚天動地の完結編!」となっています。

『第1部』を読み終えた時点で疑問が残るのが、第1に、タイトルの「ソロモン」な何なのか、第2に、どうして1990-91年のバブル経済最末期を舞台にしているのか、の2点です。宮部みゆきやよしもとばなななどは確かにバブル期にデビューした女性作家ではありますが、物語の中で時代背景が何らかの必然性を発揮するんだろうと思います。それから、「ソロモン」と来れば私のような想像力貧困な人間は「指輪」なんですが、ユダヤの王であるソロモンに何の意味があるのか、全3分を読み通せば明らかになるんだろうと思います。

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今日は私の誕生日!

先日の日曜日にすでに一家そろって誕生日祝いのランチには行きましたが、今日が私の誕生日です。下の子とともにおとめ座だったりします。とてもしつこいんですが、我が家の恒例によりジャンボくす玉を置いておきます。

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2012年9月13日 (木)

何とかヤクルトに一矢を報いる!

  HE
ヤクルト001000000 1101
阪  神10000102x 4100

何はともあれ、ヤクルトに一矢を報い、3タテは免れました。スタンリッジ投手はよく投げましたが、まだまだリリーフ陣は不安定な部分があります。打撃陣も、1点目と2点目は冴えない得点でしたが、8回のダメ押し点は代打金本選手の押出しもあって、期待された選手が期待通りの得点をもたらしてくれました。

東京ドームのジャイアンツ戦は、
がんばれタイガース!

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年休を取ってマウリッツハイス美術館展を見に行く

いろいろと考えた末に、今日は年休を取ってマウリッツハイス美術館展を見に上野に出かけました。ネットで9時30分開館を確認した上で、どうしても少し遅刻するのが私のデフォルトですので、9時40分に東京都立美術館に着いた段階で入館まで20分待ちでした。大雑把に10時に入館して、順路に沿って以下の各展示を見て回りました。第3章までがロビーフロア、第4章がひとつ上階の1階、第5-6章が2階に展示されています。

第1章
美術館の歴史
第2章
風景画
第3章
歴史画 (物語画)
第4章
肖像画と「トローニー」
第5章
風俗画
第6章
静物画

軽く想像される通り、話題のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」は1階の第4章に展示されています。展示の第4章は肖像画とともに「トローニー」を展示しており、「真珠の耳飾りの少女」は特定のモデルが実在する肖像画ではなく、特定のモデルを使わずに自分の理想、あるいは手の動くままに描く人物画である「トローニー」であると言われています。この「真珠の耳飾りの少女」の前で列が分かれて2列になるんですが、歩きながらなれど最前列で見る列とその後ろからなれど早く見られる列に分かれます。私は前者の間近に見られる列に並び、15分ほど並んでから目前で鑑賞することが出来ました。最前列の待ち行列が長くて並ぶ気がしなかったので、その後ろからしか見られなかったと言っていた役所の同僚もいましたが、さすがに平日に行くと待ち行列は短かったです。
比較的手軽にデジタル・コピーを作成できる音楽や文学と異なり、美術の分野は精密な複製が難しいと受け止められています。例えば、単なる2次元のデジタル・コピーでは、私のようなシロートにも見分けられる髪の毛やひげなどの絵の具の質感なども再現できないと言われています。少し前に話題になった阿修羅像のような3次元の彫刻などは2次元にデジタル・コピー出来ないのは言うまでもありません。それだけに、絵画や彫刻などの美術作品はホンモノを見るに限るんですが、今年1月21日に行った北京故宮博物院200選展の「清明上河図」でも大いに感じたのと同じで、これだけ待ち行列が長いと、美術品の鑑賞は私のような平日の昼間に仕事のあるサラリーマンには不向きです。一線を退いてからの道楽と考えるしかないのかもしれません。
最後に写真を2枚ほどアップしておきます。不忍池から望んだ東京スカイツリーとマウリッツハイス美術館展のポスターです。

不忍池から東京スカイツリーを望む

マウリッツハイス美術館展ポスター

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2012年9月12日 (水)

金本選手の引退表明の日に絵に描いたような逆転負け!

  HE
ヤクルト000000110 2120
阪  神100000000 150

何はともあれ、引退を表明した金本選手を労い、長年に渡る阪神タイガースへの貢献に感謝したいと思います。
ゲームの方は絵に描いたような逆転負けでした。館山投手に5安打1点に抑え込まれ、疲れの見えた久保投手には逆転を食らうまでリリーフも送らず、相変わらず、攻守とも漫然とした試合運びでした。特に作戦らしい作戦もなく、別の表現をすれば、何ら見るべきところのない、しょうもない試合でした。今シーズンはこんな試合が多い気がするのは私だけでしょうか?

明日こそ、
がんばれタイガース!

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7月の機械受注統計は設備投資の回復を示唆するのか?

本日、内閣府から7月の機械受注統計が発表されました。民間設備投資の先行指標である船舶と電力を除く民需の受注額は季節調整済みで7421億円、前月比+4.6%増となりました。振れの大きい統計ですが、2か月連続の増加となります。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の機械受注、4.6%増 製造業がけん引
内閣府が12日発表した7月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需(季節調整値)」は前月比4.6%増の7421億円となり、2カ月連続で増えた。特に製造業からの受注が幅広い業種で増えて全体をけん引した。
7月の実績はエコノミストの予想(1.6%増)を上回ったが、鉄鋼業から大型案件が入るなど特殊要因も影響している。内閣府は機械受注の基調判断を「一進一退で推移している」と前月から据え置いた。
製造業は12.0%増と3カ月ぶりに増えた。伸び幅は2009年12月以来の大きさ。15業種のうちプラスが11業種と幅広く増えた。鉄鋼業から入った金属加工機械の受注や、航空機関連での100億円を超える大型案件が全体を押し上げた。近くエコカー補助金が終了する自動車からの受注は5.4%減と2カ月連続でマイナスだった。
一方、非製造業は船舶・電力を除いて2.1%減と2カ月ぶりのマイナス。金融業・保険業や情報サービス業からの受注が弱い。民需以外では、官公庁からの受注が13.5%減と2カ月ぶりのマイナスで、全体の受注総額を押し下げた。外需は3.0%増と2カ月ぶりのプラスだった。
内閣府が8月に公表した7-9月期予測は前期比1.2%減。7月の実績が大幅に上ぶれたことで、8-9月は前月比3%程度のマイナスでも予測値を達成できる。みずほ証券の上野泰也氏は7月の機械受注について「期初の強気な投資計画が着実に実行されているとまでは言えない水準だ」と指摘する。中国や米国の経済が持ち直せば今年度の後半から徐々に改善基調をたどるとみている。

次に、機械受注のいつものグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整済みのコア機械受注、すなわち、電力と船舶を除く民需とその後方6か月移動平均をプロットしており、下のパネルは需要者別の機械受注です。色分けは凡例の通りです。いずれも影をつけた部分は景気後退期です。

機械受注の推移

+1.5-2.0%増くらいの小幅プラスを予想していた市場の事前コンセンサスを上回る+4.6%増を記録した今回の統計について、考えるべきポイントは2つあって、第1に、年度当初に予定されていた設備投資計画が着々と実行されるようになったかどうかなんですが、引用した報道にもある通り、多くのエコノミストは望み薄だと考えています。控え目にいっても、かなり弱含んでいる設備投資が年度当初の強気に戻ったと考えるべき根拠は見当たりません。第2に、前月比プラスの製造業とマイナスの非製造業の解釈として、停滞している内需と好調な外需を想定するのは観察された事実に反します。一昨日のGDP統計2次QEを取り上げた際にも書きましたが、今後の経済の先行きは復興需要のプラスと欧州のソブリン危機に代表される外需のマイナスの綱引きになります。以上の2点を考え合わせた結論として、今回の機械受注は何らかの特殊要因で市場コンセンサスを上回るプラスになったのではないかと考えるのが自然だと私は受け止めています。前月比で大幅なプラスを記録した鉄鋼や非鉄金属に何かあるのかもしれません。ですから、統計作成官庁の内閣府では基調判断を「一進一退」で据え置きましたし、一時的な特殊要因と考えると、工作機械工業会の8月受注速報とも整合的です。上のグラフの最初のパネルでも、6か月後方移動平均のトレンドはまだ上向いていないのが読み取れます。

企業物価の推移

最後に機械受注を離れて、本日、日銀から公表された企業物価の上昇率は上のグラフの通りです。7月の公表時から2010年基準に変更されました。国内物価上昇率はエネルギー価格に引きずられてジワジワとマイナス幅を拡大しています。

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2012年9月11日 (火)

東野圭吾『虚像の道化師 ガリレオ7』(文芸春秋) を読む

東野圭吾『虚像の道化師 ガリレオ7』(文芸春秋)

東野圭吾『虚像の道化師 ガリレオ7』(文芸春秋) を読みました。タイトルの通り、ガリレオのシリーズ第7作です。最近2作は『聖女の救済』、『真夏の方程式』と長編が続きましたが、この『虚像の道化師』は短編集で以下の4作品が収録されています。

第1章
幻惑す (まどわす)
第2章
心聴る (きこえる)
第3章
偽装う (よそおう)
第4章
演技る (えんじる)

第1章では、最新科学で宗教的な奇跡っぽいインチキを起こして金もうけに走る新興宗教を取り上げます。このシリーズにいつかは出るだろうと思っていました。警察に逮捕された後になってもなお教祖さまがインチキなしでやり直そうとする姿勢は、宮部みゆき『魔術はささやく』で恋人商法の被害者になって自殺した研究者の考え方と通ずるものがあります。第2章では、特殊な装置で幻聴を引き起こし、自殺や粗暴な行動に走らせる犯罪を暴きます。同時に警視庁の草薙と同期ながら、まだ所轄にいて本庁に取り立てられない刑事が「聞く耳を持たない」点を湯川が皮肉って指摘します。第3章では、相続が影響を受けることから、無理心中した夫婦の死ぬ順番を偽装した女性を湯川が助け船を出します。第4章では、劇団主宰者が刺殺された事件で湯川が凶器のトリックを解明します。ついでに、花火写真の謎も明らかにします。4話とも物理学的、あるいは数学的なトピックは十分理解できなかったかもしれませんが、キャラの立った登場人物の心と体の動きがとても面白かったです。湯川の一風変わった活躍もいつも通りです。

第1章
猛射つ
第2章
念波る
第3章
曲球る
第4章
透視す

なお、出版社の特設サイトでも明らかにされているように、来月10月にはシリーズ8作目となる『禁断の魔術』が出版される予定です。この『虚像の道化師』と同じ4章立ての短編集です。上の通りです。各章の読み方がクイズになっています。我が家の倅たちと私は次のガリレオ作品も大いに楽しみにしていたりします。

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2012年9月10日 (月)

下方修正された4-6月期GDP統計2次QEはこのまま景気後退に入るサインか?

本日、内閣府から4-6月期のGDP統計速報の改定値、すなわち、2次QEが発表されました。ヘッドラインとなる季節調整済みの前期比実質成長率は+0.2%、前期比年率で+0.7%と1次QEからやや下方修正されました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

GDP0.7%増に下方修正 4-6月実質年率
内閣府が10日発表した4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.2%増、年率換算で0.7%増となった。8月に公表した速報値(0.3%、年率1.4%)を下方修正した。在庫投資の減少が主因だ。外需が伸び悩むなか、復興需要を追い風とした内需が景気をけん引する構図は変わっていない。
8月の速報値公表後に明らかになった法人企業統計などのデータを使って推計し直した。改定値は市場予測(年率1.0%)を下回った。下方修正の要因になったのは、主に原材料の在庫投資。「海外経済の減速懸念が強まり、企業が在庫の積み増しに慎重になった」(みずほ総合研究所の山本康雄シニアエコノミスト)との見方がある。
GDPは家庭の消費や企業の投資を積み上げて算出する。在庫の増加は企業の投資が活発だったとしてGDPを押し上げる要因になるが、今回の改定値は速報値で想定していたよりも在庫が増えなかったことを意味する。企業の設備投資は速報段階の1.5%増から1.4%増に下方修正された。公共投資は復興需要の盛り上がりを受けて1.7%増から1.8%増に上方修正された。
経済成長にどれだけ貢献したかを示す寄与度の内訳をみると、内需の合計は5四半期連続でプラスとなった一方、外需は2四半期ぶりにマイナスとなった。生活実感に近い名目の成長率はマイナス0.3%(年率はマイナス1.0%)。速報値のマイナス0.1%(年率マイナス0.6%)から下方修正された。
政府が8月に示した2012年度の実質成長率の予想は2.2%程度。これを実現するには、7-9月期以降の3四半期ごとに0.4%程度の成長を続ける必要があると内閣府は試算している。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、アスタリスクを付した民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。なお、計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンクからお願いします。

需要項目2011/
4-6
2011/
7-9
2011/
10-12
2012/
1-3
2012/4-6
1次QE2次QE
国内総生産(GDP)▲0.3+1.7+0.1+1.3+0.3+0.2
民間消費+0.6+1.1+0.7+1.2+0.1+0.1
民間住宅▲3.0+4.8+0.1▲1.6+0.8+0.9
民間設備▲0.9+0.3+5.5▲1.6+1.5+1.4
民間在庫 *+0.0+0.2▲0.4+0.3▲0.0▲0.2
公的需要+1.9+0.0+0.1+1.5+0.6+0.5
内需寄与度 *+0.6+1.0+0.8+1.1+0.4+0.2
外需寄与度 *▲0.9+0.7▲0.7+0.1▲0.1▲0.1
輸出▲5.8+7.8▲3.6+3.4+1.2+1.2
輸入+0.0+3.4+1.0+2.2+1.6+1.6
国内総所得(GDI)▲0.7+1.5+0.0+1.1+0.3+0.2
名目GDP▲1.3+1.6▲0.3+1.3▲0.1▲0.3
雇用者報酬+0.1▲0.4+0.6▲0.3▲0.0+0.0
GDPデフレータ▲2.4▲2.1▲1.8▲1.3▲1.1▲0.9
内需デフレータ▲1.1▲0.7▲0.5▲0.4▲0.7▲0.6

さらに、テーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの系列の前期比成長率に対する寄与度で、左軸の単位はパーセントです。棒グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された4-6月期2次QEの最新データでは、前期比成長率が1-3月期から大きく縮小するとともに、灰色の在庫と黒の外需がマイナスの寄与を示しているのが見て取れます。

GDP需要項目別寄与度の推移

2次QEですから、1次QEと傾向はほぼ変わりありません。その意味で、1か月経過して「過去の数字」の程度が増し、むしろ、先行きが気にかかるところです。一般的なエコノミストの回答とすれば、先行きは上げ要因の復興需要と下げ要因の海外要因の綱引きになります。どうも、後者に分がありそうです。すなわち、7月18日付けのエントリー「最近読んだ新書版の経済書から」で取り上げた原田泰『震災復興欺瞞の構図』(新潮新書) で示されているように、震災復興予算はかなり大きな水増しがなされていて、予算消化も進んでおらず、実際の事業量は予定されている額を下回る可能性が強い一方で、欧州経済はこの先本格的な景気後退期に入る可能性が否定できません。さらに、米国経済も雇用統計を見る限りでは力強い回復とはいえそうにありません。為替レートも一向に円高是正が進みそうに見えません。米国で量的緩和第3弾 QE3 が始まったりしたら、さらに円高が進む可能性すらあり、加えて、政府と日銀は金融政策ではなく非常に原始的な為替介入で円高に対応しようとしていて、政策当局の政策割当てに不安を感じます。

財別消費の伸び率の推移

国内経済も復興需要はまだしも、消費の先行きには少し不安が残ります。上のグラフはGDPベースの財別実質消費の前期比伸び率をプロットしていますが、震災を経て、ここ4四半期は耐久財が消費を牽引していることが読み取れます。すなわち、家電エコポイントは早々に終わったにしても、エコカー補助金による自動車が一定の役割を果たし、その意味では政策効果があったといえますが、このエコカー補助金もこのところ完全に息切れし、今年度後半からは自動車にもテレビと似通った需要の先食いの反動が生じる可能性があります。テレビを主軸とする家電業界の状況は、シャープなどの報道で広く知られたところですが、これに自動車業界が同じような落ち込みを示すようになれば、企業部門から景気後退に陥りかねません。特定の財に補助金をつける政策の限界ですから、安定的な雇用を広く増やして消費を喚起する政策を模索すべきであることは言うまでもありません。
ただし、足元から目先の今年後半くらい、我が国経済はやや弱含みで推移するとしても、私を含めた多くのエコノミストは一時的な踊り場であって、可能性はゼロではないものの、我が国経済がそのまま景気後退に陥るとは考えていません。消費をはじめとして国内需要は底堅くてまだ高い水準にありますし、欧州はともかく米国や中国なども遅かれ早かれ回復に向かうと見られることから、やや他力本願ながら日本経済も輸出を起点に再び回復ピッチを速める可能性が十分あると受け止めています。繰返しになりますが、消費喚起のためにも安定した雇用の増加が必要です。

景気ウォッチャーと消費者態度指数の推移

2次QEを離れて、今日の午後には、同じく内閣府から8月の消費者態度指数景気ウォッチャーも公表されています。マインドを代表する指標ですが、需要サイドの消費者態度指数が前月比で改善したのに対して、供給サイドの景気ウォッチャーは悪化しました。ただし、どちらも雇用関連は改善しています。今後に期待しています。

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2012年9月 9日 (日)

あっぱれ高卒2年目の岩本投手が6回を2安打無失点で初勝利!

  HE
阪  神102010030 7130
中  日000000000 031

先日の歳内投手に続き若手投手がまたまた初登板初先発で好成績を上げました。高卒2年目の岩本投手が6回を2安打無失点で初勝利を上げ、ナゴヤドームの呪いを完全に打ち砕きました。野手陣も1-2番の上本二塁手と大和外野手のコンビが素晴らしい活躍で先取点や中押し点で得点を重ねました。8回にはブラゼル一塁手のダメ押しホームランの後、大和選手のダメのダメを押した長打で中日に大勝でした。
それにしても、歳内投手は広島戦に好投した後、すぐに1軍登録を抹消されてしまいましたが、これだけの実績を残しながらベテラン重視の和田監督は岩本投手も歳内投手と同じようにすぐに2軍に戻すんでしょうか。

甲子園のヤクルト戦も、
がんばれタイガース!

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おとうさんのお誕生日祝いでバイキングのランチに行く

おとうさんの誕生祝い

私の誕生日は9月14日なんですが、もういい歳ですので誤差範囲ということで、今日、誕生日を祝って一家でバイキングのランチに出かけました。もう、子供達が身長で私に追いつきつつあります。恒例により、ジャンボくす玉を置いておきます。

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2012年9月 8日 (土)

米国大統領候補者の一言イメージ

午前中に米国雇用統計を取り上げたついでに、今日のブログは米国のトピックを続けることとします。すなわち、私が時折参照するピュー・リサーチ・センターから民主党と共和党のそれぞれの大統領・副大統領候補の一言イメージの調査結果が発表されています。とても興味深いので、画像だけ以下のサイトから引用しておきます。

米国大統領選挙候補者の一言イメージ

"conservative" が neutral な灰色で表示される一方で、"socialist" は negative なオレンジで表されています。欧州などとは少し基準が異なるのかもしれません。なお、バイデン副大統領の "idiot" というのは、その昔の2000年の大統領選挙で当時のブッシュ候補も、このように評価されていたように記憶しています。"idiot but honest" かその逆かは忘れました。

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米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国労働省から8月の米国雇用統計が発表されました。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は前月から+96千人増にとどまった一方で、失業率は0.2%ポイント改善して8.1%まで低下しました。いずれも季節調整値です。まず、Wall Street Journal のサイトから記事の最初の3パラだけ引用すると以下の通りです。

Jobs Data Weigh on Obama, Fed
America's employers added jobs at a tepid pace in August, posing a re-election challenge for President Barack Obama and raising the likelihood the Federal Reserve will step in to spur growth when it meets in the coming week.
The Labor Department employment report, which draws more than its usual scrutiny as elections approach, said the U.S. added a seasonally adjusted 96,000 jobs last month. That is down from the 141,000 added in July and too few to make headway in putting the nation's 12.5 million unemployed workers back on the job.
The unemployment rate ticked down to 8.1%, from 8.3% in July, but for the wrong reasons. The jobless rate, based on a separate survey from the main job tally, fell as people gave up searching and left the workforce, not because they found positions.

次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。

米国雇用統計の推移

市場の事前コンセンサスは非農業部門雇用者数の増加が+125千人で、失業率は前月と同じ水準の8.3%となっていました。失業率の低下は、引用した記事にも "people gave up searching and left the workforce, not because they found positions" とあるように、職を見つけられない失業者が労働市場から退出した結果による失業率低下であると受け止められています。望ましくない失業率の低下といえます。なお、雇用者は7月の統計も下方修正されており、米国の雇用の回復はさらに緩慢になったと考えるべきです。米国連邦準備制度理事会 (FED) が量的緩和第3弾 QE3 に踏み込む可能性がやや高まったと考えるエコノミストが多くなりそうです。これだけ雇用の回復が思わしくないと、11月の米国大統領選挙にも何らかの影響を及ぼす可能性もありそうです。

米国雇用・人口比率の推移

続いて、先月から登場したマンキュー教授のブログのマネをした雇用・人口比率のグラフは上の通りです。かなり長期のデータをプロットしています。最初のグラフと同じで、影をつけた部分は景気後退期です。サブプライム危機後の現在の景気回復局面では、この雇用人口比率がまったく上向いていないのが見て取れます。

米国時間当たり賃金上昇率の推移

最後に、デフレとの関係で私が気にしている時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。底ばいから少し低下の方向に向かっているような気がしなくもありませんが、日本のようにゼロやマイナスをつけることはなさそうです。

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2012年9月 7日 (金)

ナゴヤドームで打てない打線にスタンリッジ投手が一発に泣く!

  HE
阪  神000000000 140
中  日00001000x 132

ナゴヤドームで4安打完封負けでした。スタンリッジ投手は8回まで投げ切ったんですが、5回の森野選手の一発に泣きました。やっぱり、こうして中日のように勝っているチームを見ると、選手の育成と世代交代が進んでいることを実感します。いつまでも、「昔の名前で出ています」じゃあね。やや消極的ながら9回の攻撃が明日につながることを期待します。

明日は、
がんばれタイガース!

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景気動向指数に見る景気の現状は弱いと考えるべきか?

本日、内閣府から7月の景気動向指数が発表されました。CI先行指数は前月より1.4ポイント下降し、一致指数も同じく1.3ポイント下降し、どちらも4か月連続の下降となりました。統計作成官庁である内閣府ではCI一致指数の基調判断を「足踏み」で据え置いています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の景気一致指数、4カ月連続低下 世界経済減速で生産停滞
内閣府が7日発表した7月の景気動向指数(CI、2005年=100)速報値によると、景気の現状を示す一致指数は前月比1.3ポイント低下の92.8だった。低下は4カ月連続。世界経済の減速のあおりを受けて、生産活動に弱さが目立ってきた。
一致指数について、速報段階で判明している10の指標のうち、9つで悪化した。世界的な景気の不透明感から輸出が伸び悩み、半導体など電子部品・デバイスを中心に生産や出荷が減少した。
エコカー補助金によって高水準を維持してきた自動車の出荷や販売の伸びにも一服感が出て、指数の押し下げ要因となった。また製造業を中心に所定外労働時間や大口電力の使用量が低下するなど、生産面での悪影響は経済の裾野にも広がりつつある。
数カ月後の先行きを示す先行指数は1.4ポイント低下の91.8と4カ月連続で悪化した。出荷が伸び悩んでいることを受けて、生産財に加え液晶テレビなど耐久財の在庫が増えた。消費者態度指数や中小企業の売り上げ見通しなどマインドの悪化も先行きの不透明感につながった。
内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏み」で据え置く一方で、今後も「世界的な景気の状況がどうなるかが大きなファクターになる」(内閣府)と指摘。先行きに対して警戒感を強めた。
景気に数カ月遅れる遅行指数は0.3ポイント低下の86.3と3カ月ぶりに低下した。家計では自動車の購入費や維持費への支出が抑えられているほか、完全失業率の改善が止まったことも影響した。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数が20.0%、先行指数が33.3%だった。

次に、いつものCI一致指数と先行指数、DI一致指数のグラフは以下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数です。いずれも影をつけた部分は景気後退期です。

景気動向指数の推移

上のグラフでプロットしたCI一致指数と先行指数、DI一致指数の3指標はいずれも今年3月を直近のピークに、統計の最新月である7月まで4か月連続で下降しています。CI一致指数と先行指数の動きを直近まで少し詳しく見ると、2009年3月の景気の谷から大雑把に1年くらい、すなわち、2010年3-4月くらいまでは、いわゆるV字回復の時期といえます。そして、2010年3-4月くらいから景気動向指数のグラフの傾きもかなり緩やかになり、いわゆる巡航速度に入りつつありましたが、2011年3月の震災により一時的な景気のかく乱は経験したものの、今年2012年3月ころまではこの巡航速度による緩やかな回復過程が続いていたように見えます。しかし、ここ4か月ほどは下降トレンドに入った可能性すらあります。特に、この3-4か月における景気動向指数の下降は生産と出荷動向に基づくものであり、例えば、CI一致指数の7月速報で寄与度が大きかった系列は所定外労働時間と鉱工業出荷です。明らかに、外需が変調を来たした輸出に起因しています。上に引用した日経新聞の記事のタイトル通りです。
これまた、引用した記事にある通り、景気動向指数の基調判断は「CIによる景気の基調判断」の基準に従って機械的に求められ、「足踏み」で据え置かれました。この「足踏み」の次は「局面変化」であり、判断基準は「7ヶ月後方移動平均の符号が変化し、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。」ということになります。すなわち、景気転換点ですから、私はそこまで景気は悪化していないと楽観していますが、もう少し景気の推移を見守る必要があるものの、欧州経済の動向次第では日米欧が同時に景気後退期入りする可能性はゼロではないと覚悟すべきです。

労働者過不足判断DIの推移

最後に、景気動向指数を離れて、昨日、厚生労働省から「労働経済動向調査」が発表されています。上のグラフは、この調査の中でも私が注目している労働者過不足判断DIなんですが、正社員・パートタイムともに改善がやや足踏みしているのが見て取れます。それにしても、正社員DIが「不足」で推移しているのはやや信じがたい気はします。

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2012年9月 6日 (木)

首位ジャイアンツと互角の勝負で引分け!

  HE
読  売0000001000 1122
阪  神0100000000 161

昨夜はまぐれの快勝だと思ってたんですが、ロースコアで投手陣が持ちこたえられれば、まだまだタイガースもジャイアンツと互角の試合が出来るんだと改めて実感しました。マジックのでた首位と最下位の可能性すらある5位のゲームなんですから、互角に戦え負けなかった事実で十分とします。

ナゴヤドームの中日戦も、
がんばれタイガース!

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来週月曜日9月10日に発表される2次QEはわずかに下方修正か?

来週月曜日9月10日に2012年4-6月期期GDP速報1次QEが内閣府より発表されます。先週発表された法人企業統計をはじめ、必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で先行きについて言及した部分を中心に取っているつもりですが、影をつけたみずほ総研と伊藤忠経済研しかありませんでした。ほかはすべて2次QEですからアッサリしたリポートでした。法人企業統計のついでに2次QEを予測しているリポートも少なくなかったです。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE+0.3%
(+1.4%)
n.a.
日本総研+0.3%
(+1.3%)
1次QE(前期比年率+1.4%、前期比+0.3%)から小幅下方修正となる見込み。
みずほ総研+0.3%
(+1.0%)
7-9月期は国内需要の回復ペースが引き続き緩やかである中、輸出の減少によりほぼゼロ成長となる見込み。8月以降の輸出がさらに下振れ、マイナス成長となるリスクも。
大和総研+0.2%
(+0.9%)
実質GDP成長率は前期比+0.2%(1次速報では同+0.3%)、年率+0.9%(1次速報では同+1.4%)になると予想する。
ニッセイ基礎研+0.3%
(+1.0%)
GDP成長率が前期比0.3%(前期比年率1.0%)となり、1次速報(前期比0.3%、年率1.4%)から下方修正されると予想する。
第一生命経済研+0.2%
(+0.8%)
2012年4-6月期実質GDP(2次速報)は前期比年率+0.8%(前期比+0.2%)と、1次速報段階の前期比年率+1.4%(前期比+0.3%)から下方修正されると予想する。
伊藤忠経済研+0.3%
(+1.1%)
7-9月期に入り、輸出や生産の弱含みが鮮明となっており、マイナス成長転落のリスクが急速に高まっている。ただ、輸出や生産が弱含む一方で、復興投資を受けて公共投資は増勢を維持し、個人消費も力強さは欠くが、大きく落ち込んでいる訳ではない。そのため、公共投資と個人消費で、輸出等の弱含みを吸収できるか否かが、7-9月期の成長率を考える上での鍵を握る。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.3%
(+1.2%)
2012年4-6月期の実質GDP成長率(2次速報値)は前期比+0.3%(年率+1.2%)と、1次速報値の同+0.3%(年率+1.4%)からほとんど変化がないと見込まれる。
三菱総研+0.3%
(+1.2%)
2012年4-6月期の実質GDP成長率は、季調済前期比+0.3%(年率+1.2%)と、1次速報値からは▲0.0%ポイント(年率▲0.2%ポイント)の小幅な下方修正を予測する。

私を含めた多くのエコノミストのコンセンサスとして、4-6月期の2次QEは1次QEからわずかに下方修正されるものの、年率1%程度のプラス成長は維持する見込みであるのに対して、7-9月期はほぼゼロ成長、外需次第ではマイナス成長と予測されています。さらに、米国の「財政の崖」 Fiscal Cliff ではありませんが、蓋然性は決して大きくないものの、我が国でも赤字公債法案が国会で成立せず、短期間であったとしても政府支出が一時的にストップする可能性が排除できません。そのショックは私のような平凡なエコノミストには想像も出来ません。

競争力ランキング

最後に、2次QE予測を離れて、一昨日、ダボス会議を主催している世界経済フォーラムから「国際競争力リポート 2012–2013」 The Global Competitiveness Report 2012–2013 が公表されています。上のランキングは日本語サマリーから引用しています。日本は10位くらいが定位置になったのかもしれません。

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2012年9月 5日 (水)

メッセンジャー投手が完封し投打がかみ合って巨人に大勝!

  HE
読  売000000000 042
阪  神00420000x 691

昨夜とは見違えるような効率的な攻撃で、私がよく知らないジャイアンツの投手から、昨夜と同じ9安打ながら6点を取って巨人に快勝でした。投げる方は先発のメッセンジャー投手が完封4安打に抑え込みました。今シーズンはもう巨人には勝てないんではないかと心配していただけに、明日の試合も楽しみになって来ました。まあ、まぐれだとは思いますが…

明日も、
がんばれタイガース!

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大江健三郎『定義集』(朝日新聞出版) を読む

大江健三郎『定義集』(朝日新聞出版)

大江健三郎『定義集』(朝日新聞出版) を読みました。2006年4月から今年2012年3月までに、毎月1回朝日新聞朝刊の文化面に連載されたコラム「定義集」が加筆修正されてエッセイとして単行本化されています。まず、かなり愛想なしなんですが、出版社のサイトからこの本の概要を引用すると以下の通りです。

定義集
ノーベル賞作家の評論的エッセイの到達点。源氏物語、ドストエフスキー、レヴィ=ストロース、井上ひさしなど、人生のさまざまな場面で出合った忘れがたい言葉を、書き写し、もう一度読み直す。朝日新聞好評連載の単行本化。

出版社の紹介文に出て来ない有名人が1人います。伊丹十三さんです。大江健三郎先生の義理の兄に当たります。すなわち、大江先生は伊丹さんの妹と結婚しています。といったようなことはさて置いて、戦争や沖縄、広島や原爆、そして原発問題と、専門の仏文学もさることながら、文化人としての、というか、左翼文化人としての大江先生の本領発揮です。憲法9条を守ること、核兵器を廃絶すること、そして、脱原発を進めること、私のような京都大学出身の人間には共感できる部分が多いんですが、もちろん、そうでないという人も多そうな気がします。
ノーベル賞受賞作家にふさわしく、名著の紹介も注目されます。東大の恩師筋に当たる渡辺一夫教授の翻訳をはじめ、エドワード・サイードと井上ひさしが頻出しますし、私には馴染みの少ない仏文学もたくさん紹介されています。仏文学ではありませんが、一昨年のノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス・リョサについて、池上彰さんをやや皮肉っている部分も興味深く読みました。私は南米での大使館勤務の経験がありますから、専門分野が違っても何となく耳に残っていたりするんですが、やっぱり、フランスに比べて南米は日本人には知られていない部分がまだまだ残されていると実感しました。

私は朝日新聞連載中のコラムはほとんど読んだ記憶がなく、この本で新鮮に読見ましたすでに。コラムで熟読している人にはどのように映るのか分かりませんが、我が国を代表する文化人のエッセイです。多くの図書館に所蔵されているでしょうし、読んでおいて損はないと思います。

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2012年9月 4日 (火)

リリーフ投手が9回ボロクソに打たれてエラーもあり巨人に大敗!

  HE
読  売210000004 7100
阪  神021000000 392

9回表のジャイアンツの攻撃で勝ち越された段階で、私は諦めよくお風呂に入ってしまいました。お陰で、9回表をほとんど見ずに済みました。9回に榎田投手と福原投手がボロボロと打ち込まれ、エラーもあって終盤に大量失点で大敗し、ジャイアンツのマジック減らしに貢献してしまいました。榎田投手はラミレス選手にホームランを打たれたあたりから少しおかしくなっているのかもしれません。もっとも、リリーフ陣は疲れの出るころなんだという気もします。打者の方はジャイアンツの10安打に対して、タイガースは9安打ですから、ベンチも含めて工夫が足りないというか、勝負どころに弱いというか、要するに、今シーズンの今までの戦い振りそのままだという気がします。

明日は、
がんばれタイガース!

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毎月勤労統計に見る賃金はいかにして上昇するか?

本日、厚生労働省から7月の毎月勤労統計が発表されました。景気に敏感な残業時間が減少し、同時に賃金もボーナスを含んだ総額ではやや弱含んでいます。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

残業時間11カ月ぶり減少 7月勤労統計
現金給与総額は3カ月連続減少

厚生労働省が4日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報)によると、残業時間などの所定外労働時間(事業所規模5人以上)は前年同月比0.8%減と、11カ月ぶりに減少に転じた。運輸・郵便(8.5%減)や教育・学習支援(9.7%減)で大きく落ち込んだ。
足元の景気動向を示すとされる従業員30人以上の製造業の所定外労働時間(季節調整値)も前月比で4.5%減り、東日本大震災直後の2011年4月(7.7%減)以来の落ち込みとなった。
中国をはじめとする新興国経済の減速などを背景に、最近の鉱工業生産はやや停滞している。厚労省は「節電の影響はあるが、企業の生産活動が弱含んでいる可能性もある」とみている。
基本給や家族手当を含む労働者1人当たりの所定内給与は前年同月と同じ24万3729円だった。現金給与総額は36万1928円で1.2%減り、3カ月連続の減少となった。ボーナス額の減少を反映して「特別に支払われた給与」は4.3%減。残業代を含む所定外給与は0.3%増え、10カ月連続のプラスとなった。

次に、いつもの所定外労働時間と賃金のグラフは以下の通りです。上のパネルは2005年=100となる所定外労働時間指数の季節調整値をプロットしています。影をつけた部分は景気後退期です。下は季節調整していない原系列の現金給与総額指数とそのうちの所定内賃金指数のそれぞれの前年同月比上昇率をプロットしています。

毎月勤労統計の推移

景気に敏感な残業時間は足元の6-7月でかなり減少を示しています。ただし、この時期の残業時間が素直に景気動向だけを反映しているのか、夏場の節電に合わせて残業時間を削減しているのか、微妙に不明な点が残ります。おそらく、どちらもなんだろうと思います。もっといえば、下向きのグラフはすべてが景気動向に従っているわけではなく、グラフと同程度の景気悪化を読み取るのはやり過ぎなんだろうと思います。賃金上昇率については、残業代を含んだ現金給与総額はここ2-3か月でやや弱含んでいますが、所定内賃金は決して悪くないと受け止めています。

賃金上昇率と失業率の推移

上は、私の知り合いのエコノミストから送ってもらったニューズレターにあったグラフをマネッコして作成してみました。見れば分かると思いますが、所定内賃金上昇率と逆目盛の失業率をプロットしています。とてもフィットがいいとまで主張するつもりはありませんが、それなりの連動性は認められると思います。理論的な因果関係は労働需給のひっ迫による失業率の低下が原因になって、賃金上昇という結果をもたらしているんだろうと理解すべきです。フィリップス曲線の議論とともに、雇用を改善することが物価にも、所得や賃金を通じて消費にも、とても重要であることを示唆していると受け止めています。

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2012年9月 3日 (月)

法人企業統計に見る我が国企業の業績はやや鈍化の兆しか?

本日、財務省から4-6月期の法人企業統計が発表されました。季節調整済みの系列で足元を見ると、売上高、経常利益、設備投資などの企業業績はやや鈍化しつつあります。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4-6月期設備投資7.7%増 法人企業統計 金属製品など伸び
財務省が3日発表した4-6月期の法人企業統計によると、金融機関を除く全産業の設備投資は前年同期比7.7%増の8兆3092億円となり、3四半期連続で増えた。東日本大震災後に落ち込んだ前年の反動があり、自動車用の金属製品などの投資が伸びた。全産業の経常利益は2四半期連続で増加。エコカー補助金の効果があった自動車がけん引した。
資本金1000万円以上の企業の状況をまとめた。財務省は企業部門の動向について「欧州の政府債務危機を巡る不確実性が依然高いなか、世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動が、日本の景気を下押しするリスクとなっていることには留意する必要がある」としている。
産業別の投資動向では、製造業のうち、金属製品が自動車向け金型などへの投資を増やした。製薬工場の新設があった化学も伸びた。一方、鉄鋼は新興国経済の減速に伴い、先行きの需要が不透明とみて投資を減らした。非製造業ではスマートフォン関連の投資が拡大している情報通信の増加が目立った。
ソフトウエアを除く全産業の設備投資額の季節調整値は前期比0.5%減だった。結果は内閣府が10日に発表する4-6月期の国内総生産(GDP)改定値に反映する。
全産業の売上高は313兆3008億円で前年同期比1.0%減。資源価格の下落を背景に商社が全体を押し下げた。経常利益は12兆6461億円で11.5%増。自動車の増益が目立った。生産力の回復にエコカー補助金の効果が重なったほか、北米向けが好調だった。
財務省が併せて発表した2011年度の法人企業統計によると、企業の設備投資は金融業と保険業を除く全産業で前年度比0.7%増の33兆3165億円だった。設備投資の増加は2年ぶり。売上高は全産業で0.3%減と2年ぶりの減収だった一方、経常利益は3.5%増で2年連続の増益だった。
年度ベースは280万社が対象で、四半期ベース(107万社対象)よりもカバー範囲が広い。

次に、法人企業統計のヘッドラインとなる売上高と経常利益、設備投資のグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列をプロットしており、影をつけた部分は景気後退期です。上に引用した日経新聞の記事は季節調整していない原系列の統計に基づいていますので、少し印象が異なるかもしれません。

法人企業統計の推移

法人企業統計のヘッドラインを季節調整していない系列の前年同期比と季節調整済みの系列の前期比で並べると、売上高が前年同期比▲1.0%減、前期比▲2.5%減、経常利益が前年同期比+11.5%増に対して前期比▲2.5%減、さらに、ソフトウェアを除く設備投資は前年同期比+6.6%増に対して前期比で▲0.5%減と、震災の影響の残る昨年4-6月期と比較すれば伸びているように見えるものの、足元の前期比では軒並みマイナスを記録し、減収減益となっています。足元で明らかに企業業績は鈍化しつつあると考えるべきです。特に、設備投資は水準から見ても低い状態が続いており、統計的に確認できるわけではありませんが、国内投資よりも海外投資が進んでいる可能性を否定できません。もちろん、国内投資が振るわない大きな原因は為替の円高が進んでいることです。また、海外経済動向を見る限り、企業業績の減速は今後も続くと覚悟すべきです。

労働分配率と損益分岐点の推移

さらに、上のグラフは季節調整していない原系列の統計から擬似的に労働分配率と損益分岐点比率を算出しています。労働分配率は後方4四半期移動平均で傾向を見ると、昨年2011年1-3月期を底に年内いっぱいは上昇しましたが、今年2012年の1-3月期から4-6月期にかけて低下を示しており、この労働分配率の低下は雇用環境改善の下地が出来つつあることを示唆していると私は受け止めています。企業業績はかなり減速しつつあるものの、雇用が改善して消費に結びつけば、さらに息の長い景気拡大につながる可能性が高まります。

最後に、この法人企業統計などを受けて、来週月曜日の9月10日に4-6月期の2次QEが公表されます。法人企業統計だけを見る限り、やや下方修正されると私は予想しています。

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2012年9月 2日 (日)

あっぱれ高卒ルーキー歳内投手、日本のエース前田健投手と互角に投げ合う!

 十一 HE
広  島01000000000 170
阪  神00001000002x 360

もちろん、勝利を決めたのは4番新井良太選手のサヨナラ2ランですが、初回から大いに注目した歳内投手のピッチングも勝因のひとつに上げたいと思います。あっぱれな投球でした。確かに、同点タイムリーは金本選手かもしれませんが、シーズン当初にはベンチにすらいなかった若手選手の活躍で勝利をもぎ取ったといえるでしょう。

次のジャイアンツ戦も、
がんばれタイガース!

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ポピュラーソングをカバーしたジャズピアノのアルバムを聞く

「マイケル・イン・ジャズ」と「ビコーズ」

今日は、朝からお天気が冴えないため外出を諦めて室内競技を志向し音楽を聞いております。
ということで、上のジャケットはいずれも今年になってリリースされたアルバムで、共通点はジャズのピアノ・トリオがポピュラーソングをカバーしていることです。上のジャケットがロマンティック・ジャズ・トリオの「マイケル・イン・ジャズ」でマイケル・ジャクソンを取り上げており、下が山中千尋の「ビコーズ」でビートルズをカバーしています。アルバムのラインナップは以下の通りです。

  • The Michael in Jazz by John Di Martino's Romantic Jazz Trio
    1. Beat It
    2. Billie Jean
    3. You Are Not Alone
    4. Ben
    5. Gone Too Soon
    6. Human Nature
    7. I Can't Help It
    8. I'll Be There
    9. The Lady in My Life
    10. Never Can Say Goodbye
    11. She's Out of My Life
    12. The Girl Is Mine
    13. The Way You Make Me Fee
    14. I Wanna Be Where You Are
  • Because by 山中千尋
    1. Because
    2. Yesterday
    3. For No One
    4. Insight Foresight
    5. Here, There and Everywhere
    6. The Inprints / Drive My Car / The Word
    7. It Was a Beautiful 8 Minutes of My Life
    8. Your Mother Should Know
    9. Honey Pie
    10. Michelle
    11. Yesterday (alternate take)

ロマンティック・ジャズ・トリオが取り上げたマイケル・ジャクソンの曲は妙にスローバラード調に仕上げていて、私の持っているようなラジカセではなく、重低音が響き渡る再生装置なら、ひょっとしたら、もっとビートが利いているのかもしれませんが、別の曲のように聞こえながら、かなりアドリブを抑えているので原曲の聞き慣れたメロディーが耳につき、少し違和感を感じます。好き嫌いの評価が分かれそうな気がします。私自身は高い評価は与えられません。もっとも、このトリオはこのアルバムの後、マドンナやレディ・ガガもカバーしているので、そのあたりも含めて評価すべきなのかもしれません。ということで、しばらくペンディングにしておきたいと思います。
山中千尋の昨年のアルバム「レミニッセンス」については、昨年11月13日付けのエントリーで取り上げ、「何となく物足りないと感じる」と評価しました。この「ビコーズ」は「レミニッセンス」よりも上ではないかと感じていますが、大きな難点があります。すなわち、6曲目のメドレーを別にして前10曲のうち、4曲目と7曲目が山中千尋のオリジナルで、あと8曲はビートルズ、というか、レノン/マッカートニーの曲なんですが、アルバムの中で一番出来のいい演奏が4曲目の「Insight Foresight」であることは、かなり誰の耳にも明らかではないかと思います。ビートルズを取り上げているのがアルバムのウリなんでしょうが、オリジナル曲が一番という意味でやや齟齬を来しているような気がします。なお、2曲目と11曲目は当然ながら同じ曲であるにもかかわらず全く異なるアレンジが施されており、聞き比べる楽しみがあります。全体的に出来のいいアドリブだと思います。アラビアンな雰囲気のアドリブが多いような気がします。

今週9月5日には山中千尋と双璧をなす我が国の女性ジャズ・ピアニストの上原ひろみがトリオのアルバム「ムーブ」をリリースします。しかしながら、8月22日にリリースされた小曽根真の「マイ・ウィッチズ・ブルー」もまだ聞いていません。ぼちぼちチャッチアップしたいと思います。

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2012年9月 1日 (土)

初回の攻撃が明暗を分け9月は4安打完封負けで始まる!

  HE
広  島100000000 131
阪  神000000000 040

昨夜も11安打の3点でやや不満が残る攻撃だったんですが、今夜は初回と最終回くらいしかチャンスらしいチャンスもなく、広島の今井投手に4安打完封されて9月が明けました。初回の失点も、レフトにヒットが飛んだ瞬間に広島のサードコーチが腕をグルグル回していて、外野守備の弱さが露呈しました。打棒に期待しての起用なんでしょうが、最終回は同点のチャンスにライトのファールフライに倒れています。違う外野手はいないんでしょうか?

明日は、
がんばれタイガース!

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英エコノミスト編集部編『2050年の世界』(文藝春秋) を読む

英エコノミスト編集部編『2050年の世界』(文藝春秋)

英エコノミスト編集部編『2050年の世界』(文藝春秋) を読みました。なかなか面白かったです。エコノミスト誌の編集者や記者が各章を分担して執筆しています。まず、出版社のサイトの「担当編集者から一言」を引用すると以下の通りです。

担当編集者から一言
英国の『エコノミスト』誌は、1962年に「驚くべき日本」と題して、日本が世界の経済大国へのしあがっていくとの長期予測を発表し、的中させた実績があります。シンクタンク機能を持ったこの雑誌が、2050年までの世界を20の分野で大胆に予測します。「2050年の日本のGNPは韓国の半分になる」「2050年の日本の平均年齢は52.7歳。アメリカのそれは40歳」。人口動態、戦争の未来、次なる科学と技術、環境、生活などなど。あなたの未来も見えてきます。

次に、全5部20章の構成は以下の通りです。

第1部
人間とその相互関係
第1章
人口の配当を受ける成長地域はここだ
第2章
人間と病気の将来
第3章
経済成長がもたらす女性の機会
第4章
ソーシャル・ネットワークの可能性
第5章
言語と文化の未来
第2部
環境、信仰、政府
第6章
宗教はゆっくりと後退する
第7章
地球は本当に温暖化するか
第8章
弱者が強者となる戦争の未来
第9章
おぼつかない自由の足取り
第10章
高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
第3部
経済とビジネス
第11章
新興市場の時代
第12章
グローバリゼーションとアジアの世紀
第13章
貧富の格差は収斂していく
第14章
現実となるシュンペーターの理論
第15章
バブルと景気循環のサイクル
第4部
知識と科学
第16章
次なる科学
第17章
苦難を越え宇宙に進路を
第18章
情報技術はどこまで進歩するか
第19章
距離は死に、位置が重要になる
第20章
予言はなぜ当たらないのか

将来予測については、日本人がパニック好きだからというわけではありませんが、悲観的な趣に流れる場合が多いんですが、この『2050年の世界』はかなり楽観的な方向を示している印象があります。英エコノミスト誌が伝統的にそうなんだろうと私は受け止めています。例えば、一昨年2011年1月29日のエントリーで紹介した『繁栄』の著者であるマット・リドリーが最終章を担当していたりします。
人間、どうしても詳しい分野とそうでない分野がありますから、全20章を同じベースラインから読めるわけではなく、知らない分野については目から鱗が落ちまくったりします。私については、例えば、以下のようなものです。イスラム教の隆盛については、決して改宗によるものではなく、イスラム教徒の出生率や人口増加率が高いことから、世界でイスラム教徒の比重が高まっていることに起因するとか、次なる科学は生物学であり、大規模な加速装置を建設している物理学などは収穫逓減の法則が働きつつあるとか、などなどです。逆に、それなりに詳しい分野については、従来からの認識を強化するのにも役立ちます。例えば、中国経済は近くピークを迎え、高齢化の進展とともに成長率は低下するとか、年金は賦課方式よりも積立方式のほうが高齢化に伴う財政のダメージは少ないとか、などなどです。もちろん、やや疑問に感じる項目も少なくありません。最も大きな疑問は第13章のタイトルにもなっている「貧富の格差は収斂していく」かどうかです。なお、どうでもいいことですが、最後の解説を書いている朝日新聞の前の主筆だった船橋氏はこれを完全に読み違えているように見受けられます。それから、地球温暖化の進行に対するこの本の疑問も理解は出来ますが、同意する人がどれだけいるかは私は分かりかねます。

私も区立の図書館で借りましたし、かなり多くの公立図書館に所蔵されているのではないかと想像しています。とても興味深い本ですので、多くの方が手に取って読むよう期待しています。

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