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2012年9月26日 (水)

米国大統領選挙の争点はやっぱり経済か?

一昨日の24日、米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターから「有権者にはやっぱり経済」 For Voters It's Still the Economy と題して、米国大統領選挙に関する世論調査結果が発表されています。4年前に比べてエネルギー、テロ、移民などの重要性が低下したと伝えています。長くなりますが、まず、ピュー・リサーチ・センターのサイトから調査の概要を引用すると以下の通りです。

Overview
As Barack Obama and Mitt Romney prepare for their first debate on Oct. 3, the issues at the top of the voters' agenda have changed little since 2008. Fully 87% of registered voters say that the economy will be very important to their vote, while 83% say jobs will be very important to their vote.
Four years ago, the economy also was the top priority for voters. In August 2008, an identical 87% said the economy was very important to their vote, and in October 2008, 80% rated jobs as very important.
However, the latest national survey by the Pew Research Center for the People & the Press, conducted Sept. 12-16 among 3,019 adults, including 2,424 registered voters, finds that several other issues have declined in importance since 2008. Most notably, energy policy rated among the most important electoral issues in 2008 - 77% said it was very important to their vote. Today it ranks near the bottom of the voting priorities list at 55%.
Terrorism also has declined as a voting priority. Currently, 60% of voters say the issue of terrorism will be very important to their vote, down from 72% in August 2008.
Immigration is also less of a focus in 2012. In the new survey, 41% view the issue of immigration as very important - the lowest of 12 issues tested - compared with 52% in August 2008.
The survey also finds that far more voters continue to favor a smaller government with fewer services than a bigger government that provides more services. Currently, 56% say they would rather have a smaller government providing fewer services; 35% prefer a bigger government. These opinions have changed little over the course of Obama's presidency. In October 2008, however, opinion was more evenly divided (46% smaller government vs. 40% bigger government).
In addition, while the budget deficit remains a very important issue for most voters, there continues to be broad agreement that the best way to reduce the budget deficit is with a combination of tax increases and cuts in major programs. In the new survey, fully 69% of registered voters say the best way to reduce the federal budget deficit is with a combination of tax increases and spending cuts; just 16% say the focus should be mostly on cutting major programs and just 6% say the deficit should be reduced mostly by increasing taxes.

上の Overview は長いながら、よくまとまっています。広く報じられている通り、10月3日に両大統領候補者による最初のテレビ討論会が予定されていて、それに向けた世論調査なんですが、今夜のブログでは、主として有権者の政策のプライオリティ、政府の規模と財政赤字の削減方策、民主党と共和党の支持者の間で差のある優先順位などについて、図表を引用しつつ簡単に取り上げたいと思います。

Voters' Priorities

Voters' Priorities のグラフは上の通りです。やっぱり、4年前の大統領選挙と同じように有権者の優先事項は経済や雇用が上位を占める一方で、エネルギーやテロや移民といったトピックは優先順位が低下しています。4年前の2008年の大統領選挙時と比較して、経済は87%で変わりないんですが、雇用は+3%ポイント増加している一方で、エネルギーは▲22%ポイント、テロは▲12%ポイント、移民は▲11%ポイント、それぞれ優先順位を低下させています。オバマ大統領とロムニー候補のどちらがどの分野に強いと受け止められているかは、後ほど取り上げます。

Voters' Preference for Smaller Government Persists

政府活動については、小さな政府と大きな政府で、米国のことですから相変わらず小さな政府が選好されています。上のグラフの通りです。特に注目すべきポイントは、4年前の大統領選挙の直前は小さな政府が選好されつつも、大きな政府との差がかなり縮小していて10%ポイントもなかったんですが、最近時点では差が20%ポイントを超えている点です。ただし、直近ではその差が縮小していたりもします。評価の難しいところかもしれません。

Best Way to Reduce the Budget Deficit

続いて、政府セクターの活動の結果として米国でも財政赤字が累増しており、財政再建が我が国を含めて多くの先進国の課題となっている中、財政赤字の削減策として増税か歳出削減かを問うた結果が上のグラフの通りです。もちろん、圧倒的多数は増税と歳出削減の両方なんですが、あえて、どちらか単独という見方をすれば、米国らしくやや歳出削減に力点を置く回答が多くなっています。ただし、これも最近時点の今年9月では「両方」の比率が高まっています。財政赤字の深刻度に対する認識が深まっていることが背景にあるのかもしれません。

Romney, Obama Voters' Differing Agendas

最後に最大の関心は、米国の有権者のプライオリティが現職のオバマ大統領の支持者とロムニー候補の支持者のいずれにより重視されているか、の結果は上の表の通りです。ロムニー支持者の間では経済、雇用、財政赤字などが重視されていて、特に財政赤字ではロムニー支持者の方がオバマ支持者よりも圧倒的に重視されているとの結果が示されています。4年前に比べてプライオリティを下げたテロや移民などはロムニー支持者には重視されているものの、オバマ支持者のプライオリティとの差が10%ポイントを超えて大きくなっています。他方、オバマ支持者の間では経済や雇用は重視されているものの、ロムニー支持者との大きな差は教育や医療により大きなプライオリティを置いている点である、といえます。

この世論調査結果は大統領選挙の当選確率めいたものを問うているわけではありませんが、米国有権者のプライオリティが候補者の支持別に明確に分析されており、とても興味深いと受け止めています。10月3日の第1回テレビ討論会を経て、大統領選挙の結果はどうなるんでしょうか。

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