小曽根真の最新アルバムを聞く
![小曽根真 My Witch's Blue と Pure Pleasure for the Piano 小曽根真 My Witch's Blue と Pure Pleasure for the Piano](http://economist.cocolog-nifty.com/dummy.gif)
8月22日に Verve から発売されたばかりの小曽根真の最新アルバムを聞きました。上の2枚なんですが、収録曲は以下の通りです。
- My Witch's Blue
- Bouncing in My New Shoes
- My Witch's Blue
- Gotta Get It!!
- Long for the Past
- So Good!!
- Take the Tain Train
- Time We Spent Together
- Nova Alvorada
- Solo Improvisation "Continuum"
- Satin Doll
- Pure Pleasure for the Piano
- Confusing Blues
- Do You Know What It Means to Miss New Orleans?
- Sweet Georgia Brown
- A Moment Alone
- Emily
- Longing for the Past
- What Is This Thing Called Love
- Struttin' with Some Barbecue
上の My Witch's Blue がピアノ・トリオ、下の Pure Pleasure for the Piano がピアノのデュエットです。いずれも8月22日に発売されています。トリオはクラレンス・ペンなどが参加した小曽根の「ザ・トリオ」ではなく、デュオのお相手はブランフォードとウィントンのマルサリス兄弟の父親で、ピアノの演奏家と言うよりは音楽教育者として著名なエリス・マルサリスです。なお、2枚目にのアルバムにはエリスの長男ブランフォードも最後の8曲目に参加しています。それから何らご参考までなんですが、アルバム・ジャケットは、いずれも鬼才・篠山紀信がレコーディング地であるニューヨークとニューオーリンズに同行し、激写したそうです。
前回の音楽鑑賞の日記で9月2日に取り上げた山中千尋とロマンティック・ジャズ・トリオのアルバムがいずれもポピュラー・ミュージックをカバーしていたので、特に強く感じるのかもしれませんが、小曽根のこの2枚のアルバムは、まさに、ジャズのメインストリーム、ど真ん中の直球です。演奏は文句ナシです。選曲についても、1枚目のトリオのアルバムは最後の曲がエリントン楽団の有名な曲である以外は、すべて小曽根のオリジナルですし、2枚目のピアノ・デュオもジャズ発祥の地であるニュー・オーリンズに由来する曲が選ばれていたり、ライナー・ノートの綴りにハリケーン・カトリーナで被害を受けたニュー・オーリンズの写真が用いられていたりと、心憎いばかりの手の込みようです。東日本大震災とカトリーナからの復興支援を願いつつ、古きよき時代の香りのするピアノ・デュオ・アルバムです。トリオの演奏とともに、我が国を代表する傑出したジャズ・ピアニストの最新アルバムですし、ジャズ・ファンは聞いておくべきだという気がします。
9月5日には山中千尋と双璧をなす我が国の女性ジャズ・ピアニストの上原ひろみがトリオのアルバム Move をリリースしています。やや遅れ気味ではありますが、すでに入手していたりしますので徐々に取り上げたいと思います。
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