今年のノーベル経済学賞は誰の手に?
やや旧聞に属する話題ですが、先週9月19日にトムソン・ロイターから「トムソン・ロイター引用栄誉賞」という形で、今年の科学部門におけるノーベル賞有力候補者が発表されています。あくまで科学分野ですから、私が村上春樹さんへの授賞を大いに期待している文学賞や平和賞を含まず、経済学賞を含むスコープです。ということで、今夜のブログでは今年のノーベル経済学賞について考えたいと思います。まず、トムソン・ロイターのサイトから経済学分野における「トムソン・ロイター引用栄誉賞」 Thomson Reuters Citation Laureates とそのトピックは以下の通りです。
- Arbitrage Pricing Theory
- Stephen A. Ross (Massachusetts Institute of Technology)
- Income and Outcomes
- Sir Anthony B. Atkinson (Nuffield College)
- Angus S. Deaton (Princeton University)
- Understanding Market Volatility
- Robert J. Shiller (Yale University)
ノーベル経済学賞の受賞者に擬せられるほどの超大物エコノミストですから、研究分野は極めて多岐に渡るんですが、ムリを承知の上であえて一言で専門分野をお示しすると、ロス教授は裁定価格の決定に関する研究、アトキンソン教授は不平等や貧困に関する研究、ディートン教授は消費や幸福度に関する研究、シラー教授は金融資産の価格決定や金融市場の安定性に関する研究、とまとめられます。一応、私はロス教授を除いて各先生方の論文は何本か読んだことがあります。特に、アトキンソン教授とシラー教授の論文は印象に残っていたりします。
昨年の私の大胆かつ無責任な予想は開発経済学のフランケル教授とサックス教授だったんですが、まったく外してしまいました。でも、ここ数年、支持し続けてきた時系列分析のシムズ教授に授賞されましたのでよしとして、今年については、サブプライム危機からいく年かを経てそろそろ金融経済に関する研究者ではないかという気がしています。トムソン・ロイターのご意見も参考にして、シラー教授とティロル教授ということで予想しておきたいと思います。ティロル教授はフランス人で、トゥールーズ経済大学やフランスの産業経済研究所(IDEI)などの所属ということになると思います。
最後に、文学賞候補の村上春樹さんは別にして、「トムソン・ロイター引用栄誉賞」の医学・生理学賞と化学賞で併せて3名の日本人が受賞しています。医学・生理学賞では理化学研究所の竹市雅俊教授、化学賞の東京大学・東京理科大学の藤嶋昭教授、首都大学東京の春田正毅教授です。専門外なので詳細をブログで伝える能力はありません
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