Bill Evans Live at Art D'Lugoff's Top of the Gate を聞く
Bill Evans Live at Art D'Lugoff's Top of the Gate を聞きました。私が聞いたのはCD2枚組ですが、レコード3枚組やCD2枚とレコード3枚を組み合わせたボックスなども発売されているようです。まずは、パーソネルと曲の構成は以下の通りです。
- Bill Evans (p)
- Eddie Gomez (b)
- Marty Morell (ds)
- Disc-1
- Emily
- Witchcraft
- Yesterdays
- Round Midnight
- My Funny Valentine
- California Here I Come
- Gone with the Wind
- Alfie
- Turn out the Stars
- Disc-2
- Yesterdays (alternate version)
- Emily (alternate version)
- In a Sentimental Mood
- Round Midnight (alternate version)
- Autumn Leaves
- Someday My Prince Will Come
- Mother of Earl
- Here's That Rainy Day
収録はすべて未発表曲で、録音日時は1968年10月23日、場所はニューヨークのビレッジ・ゲイトの2階です。2セッションまるごと、そのままの曲順でCDに収録しています。2枚とも40分ほどの収録時間で、音質は悪くないと思います。ビル・エバンスは今を去ること32年前の1980年9月に亡くなっていますが、ジャズ・ピアニストとして今でもトップの人気を誇っているうちの1人だと思います。死後数年で発表された Consecration が死の直前のレコーディングで、私もいくつかのバージョンをすべて聞いたと自負していますし、最後の音源と考えられていましたが、ここまで良質な録音が演奏から50年近くを経てまだ残っていたとは想像も出来ませんでした。上の曲目を見れば一目瞭然で、別テイクがあるのは3曲だけで重複感はそれほどありません。
日本人だけではないと思いますが、ビル・エバンスのトリオの演奏では、ベーシストにスコット・ラファロが入っているのが珍重されるんですが、1961年に亡くなっていて、このトリオではもっとも長くエバンスとコンビを組んだエディ・ゴメスのサポートを受けています。ドラムスは可もなく不可もなくですが、一部の曲でやややかましく感じないでもありません。曲の並びとして、私はジッターバグ・ワルツが欲しいと感じましたが、選曲はかなりいいんではないでしょうか。もっとも、いかにもエバンス的なスローでリリカルなバラードは少なく、1枚目の最後の曲なんかはスローに演奏することもあるんですが、かなり早めのアップテンポでアレンジしてある気もします。演奏はもとより、音質、選曲ともかなりレベルのいい録音です。ビル・エバンスの演奏が好きなら当然、自分をジャズ・ファンと考えているのであれば聞いておくべきアルバムです。
演奏の本筋とは関係ないところで、ビル・エバンスのライブにしては、とても拍手が少ないと感じました。エディ・ゴメスのソロからエバンスが弾き始めても2-3人しか拍手がありませんし、演奏後もパラパラといった感じです。演奏者や演奏のレベルに比べて拍手が少ないということは、お客さんが余りいなかったんでしょうか。
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