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2012年11月 6日 (火)

景気動向指数から足元の景気と景気転換点を考える!

本日、内閣府から9月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなるCI一致指数は前月から▲2.3ポイント低下して91.2となりました。CI先行指数も低下しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気、すでに後退局面か 9月の一致指数低下
6カ月連続でマイナスに 自動車関連落ち込む

内閣府が6日発表した9月の景気動向指数(CI、2005年=100)速報値によると、景気の現状を示す一致指数は前月比2.3ポイント低下の91.2だった。マイナスは6カ月連続。内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏み」から下方修正し、東日本大震災直後の昨年5月以来となる「下方への局面変化」と表現した。
「下方への局面変化」は「景気の山が、それ以前の数カ月前にあった可能性が高いことを示す」と定義され、「既に景気後退局面に入った可能性が高いことを暫定的に示している」と位置付けられている。一方、内閣府は政府による景気後退の判断は「月例経済報告で示される」と述べるにとどめた。
一致指数を下押ししたのは自動車関連の出荷や生産の落ち込みだ。海外景気の減速で輸出が停滞するなか、エコカー補助金終了によって国内の自動車販売額も減少し、出荷や生産が停滞した。生産の落ち込みは、製造業を中心に所定外労働時間の減少につながるなど雇用にも波及している。
数カ月後の先行きを示す先行指数は1.5ポイント低下の91.7と2カ月ぶりに低下した。国内の生産活動が停滞していることを受けて、最終財や鉱工業生産財の在庫が増えたことが主因。製造業での新規求人数が減少していることも指数を押し下げた。内閣府は先行きについて「世界経済のさらなる下振れや輸出の減少を注視していく必要がある」と警戒した。
雇用指数の悪化などを受けて、景気に数カ月遅れる遅行指数は0.6ポイント低下の86.7と2カ月ぶりに低下した。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数は10.0%、先行指数が33.3%だった。

次に、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期です。

景気動向指数の推移

統計作成官庁である内閣府による景気動向指数の基調判断については、上で引用した記事がとても的確に取りまとめていますので、私から繰返すことはしませんが、時折、同業者と意見交換するエコノミストの実感として、時々刻々とまでは言わないものの、週が明けるごとに月が替わるごとに「すでに日本経済は春ころを山として景気後退局面に入っている」という意見が増えているような気がします。10月10日に発表された9月調査の「ESPフォーキャスト」では「景気転換点(山)は過ぎた」が12名、「過ぎていない」が28名だったんですが、明後日発表の10月調査では多数派が逆転して、すでに景気後退に入っていると考えるエコノミストが過半を占めている可能性が大きいような気がします。「過ぎた」か「過ぎていない」かについて、私も半々から少し前までは「回復派」だったんですが、今日の景気動向指数を見て「景気後退派」に傾きつつあります。景気動向指数のCI一致指数を見ても、鉱工業生産指数を見ても、景気の山は2012年3月のようですが、4月の両指数も3月と大きな差はありません。もしも、景気転換点を過ぎていると仮定すれば、基本的に3月が景気の山だったように見えますが、他の指標も総合的に見て4月が山と判定される可能性も残されていると私は受け止めています。もはや、「景気後退派」の発言のように聞こえるのは気のせいでしょうか。なお、ついでながら、来週の月曜日11月12日には7-9月期のGDP速報、エコノミストの業界でいうところの1次QEが発表されます。景気後退期入りを確認する内容になっているかもしれません。

本日、米国大統領選挙の投票が始まっています。我が国の景気にも大きな影響を及ぼす可能性があり、多くのエコノミストも注目していることと思います。

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