金融政策の追加緩和よりも1月の金融政策決定会合に注目!
昨日から開催されていた日銀金融政策決定会合が本日終了し、政策金利は0-0.1%程度で据え置いたものの、資産買入れ等基金を10兆円、長期国債と短期国債にそれぞれ5兆円ずつ増額すると追加緩和を決定しました。インフレ目標については、「めど」を「目標」にするとか、1%を2%に引き上げるとか、いろいろと報じられましたが、1月の金融政策決定会合で改めて話し合われることになりました。
中央銀行の政府からの独立については、いろいろと報じられていますが、ポイントは2つだと私は考えています。第1に、中央銀行は政府から独立だとしても、国民の意志からも独立なのかどうか、総選挙で示された主権者たる国民の意志に対して中央銀行はどのように金融政策で対応すべきか、第2に、独立して金融政策を決定・運営するのであれば、中央銀行の結果責任をどのように取るのか、の2点です。国民の生活向上が最終的な中央銀行の政策目標ですから、主権者たる国民からの独立はあり得ないと私は考えていますし、総選挙で示された国民の意志に基づく金融政策運営が求められるんではないでしょうか。責任論としては、政府による中央銀行総裁解任権はあんまりだとしても、何の責任も取らずに金融政策運営をするのは、ガバナンスの面から是認されるべきかどうか、私は疑問を感じざるを得ません。この2点は正面切って議論されるべき話題だと私は常々考えているんですが、メディアも含めていまだに誰も取り上げてくれません。
いずれにせよ、資産買入れ等基金の増額は特にサプライズもなく、むしろ、日銀当座預金の超過準備への付利を廃止するというか、ゼロにする議案が提案されたのはややサプライズでしたが、提案ご本人以外は賛成がなく否決されました。来週の新政権発足後の最初の会合となる1月の日銀金融政策決定会合での議論が注目です。
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