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2012年12月10日 (月)

本格的な忘年会シーズンに入って2次QEほかの経済指標が発表される

本日、内閣府から7-9月期のGDP速報2次QEが発表されました。実質成長率は1次QEの前期比▲0.9%から変わらず、前期比年率でも▲3.5%と変わりありませんでした。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7-9月実質GDP改定値、年率3.5%減
速報値と変わらず

内閣府が10日に発表した7-9月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%減となった。年率換算では3.5%減でいずれも速報値と同じだった。季節要因を除く際の計算で4-6月期のGDPが前期比で減少に転じたため、マイナス成長は2四半期連続となる。弱含んでいる景気の基調を改めて示す結果になった。
2四半期連続のマイナス成長は欧州などで「技術的な景気後退(テクニカル・リセッション)」と呼ばれ、景気後退の目安にされることが多い。日本経済が景気後退局面に入っているかどうかは政府が来夏ごろに判断するが、今回の結果は今年4月ごろから景気後退に入っているとみる専門家の見方と整合的といえそうだ。
直近では東日本大震災の影響などにより、2010年10-12月期から11年4-6月期まで3四半期連続のマイナス成長だった。
改定値は速報値の公表後に出される法人企業統計などのデータを使ってGDPを推計し直した数値。民間調査機関は0.8%減(年率3.3%減)への上方修正を予想していた。4-6月期は年率で速報段階の0.3%増が0.1%減になった。生活実感に近い名目GDPは7-9月期の改定値が0.9%減(年率3.6%減)で速報値と同じだった。
7-9月期の実質GDP改定値の内訳をみると、個人消費が0.4%減で、速報値の0.5%減から上方修正された。自動車やテレビなど耐久消費財がマイナス幅を縮めたためだ。設備投資も3.2%減から3.0%減への上方修正だ。公共投資は9月実績を加えて計算し直した結果、4.0%増から1.5%増に伸びが縮まった。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、アスタリスクを付した民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。なお、計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンクからお願いします。

需要項目2011/
7-9
2011/
10-12
2012/
1-3
2012/
4-6
2012/7-9
1次QE2次QE
国内総生産(GDP)+2.5+0.1+1.4▲0.0▲0.9▲0.9
民間消費+1.4+0.5+1.1+0.1▲0.5▲0.4
民間住宅+4.2▲0.1▲1.1+1.5+0.9+0.9
民間設備+2.2+7.3▲2.4+0.1▲3.2▲3.0
民間在庫 *+0.5▲0.5+0.3▲0.3+0.2+0.3
公的需要▲0.2+0.1+2.5+1.4+1.1+0.8
内需寄与度 *+1.7+0.8+1.3+0.1▲0.2▲0.2
外需寄与度 *+0.8▲0.7+0.1▲0.2▲0.7▲0.7
輸出+8.8▲3.8+3.3+0.8▲5.0▲5.1
輸入+3.5+1.0+2.4+1.8▲0.3▲0.4
国内総所得(GDI)+2.3▲0.0+1.3+0.1▲0.5▲0.6
名目GDP+2.3▲0.3+1.5▲0.5▲0.9▲0.9
雇用者報酬▲0.4+0.5+0.1▲0.2+0.4+0.6
GDPデフレータ▲1.9▲1.6▲1.1▲1.0▲0.7▲0.8
内需デフレータ▲0.5▲0.3▲0.2▲0.7▲0.8▲0.9

さらに、テーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの系列の前期比成長率に対する寄与度で、左軸の単位はパーセントです。棒グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された7-9月期の最新データでは、前期比成長率がマイナスであるとともに、それに寄与しているのが黒の外需と赤の消費と水色の設備投資であり、逆にプラスで経済を下支えしているのが黄色の公的需要であるのが見て取れます。

GDP前期比成長率と需要項目別寄与度の推移

7-9月期については1次QEから2次QEに大きな変更はありません。ただし、引用した記事にもある通り、4-6月期が遡及改定されてマイナス成長に転じましたので、4-6月期と7-9月期を合わせて2四半期連続、ほぼマイナス成長が確実視されている10-12月期まで含めれば3四半期連続のマイナス成長ですので、景気後退局面入りはほぼ確実といえます。それから、今夜は発表指標が多いのでグラフは示しませんが、これも引用した記事の最後のセンテンスにある通り、公的資本経済の実質値、平たく言えば、公共投資の伸びから見て、いわゆる復興需要はピークを越えたと私は受け止めています。

Table 2. GDP growth, developing Asia (%)

諸般の事情により、以下は、というか、上のGDP2次QEもそうだったんですが、以下は特にグラフをお示しするだけになってしまいます。経済指標がいっぱい発表された一方で、帰宅が遅くなったせいです。悪しからず。まず、成長率と関係して、アジア開発銀行 (ADB) から「アジア開発見通し改定」 Asian Development Outlook 2012 Supplement が公表されています。リポートの p.3 Table 2. GDP growth, developing Asia を引用すると上の通りです。前回の見通しと大差ありませんが、アジア新興国・途上国の成長率見通しはやや上方改定されているように見受けられます。

法人企業景気予測調査

続いて、上のグラフは財務省が本日発表した法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業全産業のBSIをプロットしています。月次データと同じで、今年1-3月期が景気の山だったと仮置きしています。足元の10-12月期までは下降超なんですが、来年1-3月期からは上昇超に転じます。10-12月期までマイナス成長の後、来年の年明けから景気が緩やかに持ち直すとの大方のエコノミストのコンセンサスに合致していると受け止めています。

経常収支の推移

続いて、上のグラフは財務省が本日発表した経常収支の推移をプロットしています。季節調整済みの系列です。先月9月の季節調整済みの経常収支が赤字に陥ったものですから、ややびっくりしたんですが、今月は黒字に復帰しています。しかし、大雑把な傾向として、ジワジワと経常収支の黒字幅が縮小しているのは上のグラフからも読み取れると思います。主因は貿易収支です。

景気ウォッチャー調査と消費者態度指数の推移

最後のグラフはマインド調査の結果です。本日、内閣府から景気ウォッチャー調査と消費者態度指数が発表されています。上のパネルは景気ウォッチャー調査、下は消費者態度指数をそれぞれプロットしています。景気ウォッチャーは供給側の、消費者態度指数は需要側の、それぞれマインドを表しています。景気が後退局面に入っている中、法人企業景気予測調査のBSIも同じですが、需要サイドのマインド指標、すなわち、消費者態度指数はやや悪化を示していますが、供給サイドの景気ウォッチャーは現状判断DIも先行き判断DIも改善しました。季節らしく気温が下がった気候条件とともに、衆議院解散以降の円安が効いているんだろうと受け止めています。

長々と書き進めましたが、実は、中身はありません。忘年会シーズンに経済指標が一気に発表されると、私のブログは希釈されてしまいます。悪しからず。

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