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2012年12月21日 (金)

2次QE後の経済見通しやいかに?

先週月曜日の12月10日にGDP統計の2次QEが公表されて、シンクタンクや金融機関などでは2次QE後の経済見通しを続々と発表しています。早いところでは2次QE公表の即日や翌日から始まって、先週末から今週初にかけて経済見通しがほぼ出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。表に盛り込んだ年度のGDP成長率だけでなく、シンクタンクによっては四半期別の計数や成長率以外の物価上昇率や失業率なども発表している場合もあります。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名201220132014ヘッドライン
日本総研+1.0+1.3+0.32012年10-12月期はエコカー補助金終了による自動車販売の反動減で引き続き個人消費が減少するほか、日中摩擦の影響による輸出の下振れから、引き続きマイナス成長となる見込み。もっとも、2013年入り後は自動車の反動減が薄れるほか、海外景気も回復に向かうとみられることからプラス成長に復帰し、4月以降に入ったとみられる景気後退局面は、比較的短期で脱する見通し。2013年度後半は消費税率の引き上げを控えて耐久財消費や住宅投資が増加する見込み。
ニッセイ基礎研+0.9+1.7▲0.52012 年10-12月期もマイナス成長となるが、景気はすでに底入れの兆しが見られる。2013年1-3月期には海外経済の持ち直しを背景とした輸出の増加を起点としてプラス成長に復帰し、2012年春をピークとした今回の景気後退は短期間で終了することが見込まれる。
2013年度は個人消費、住宅投資で消費税率引き上げ前の駆け込み需要が発生し、高めの成長が続くだろう。ただし、2014年度は駆け込み需要の反動減に物価上昇に伴う実質所得低下の影響が加わることから、マイナス成長となる可能性が高い。
大和総研+1.0+1.1n.a.今後の日本経済は、様々な景気下振れリスクを抱えつつも、メインシナリオとして、①米国・中国経済の持ち直し、②震災発生に伴う「復興需要」、③日銀の追加金融緩和、という「三本の矢」に支えられて、2013年以降、緩やかな回復軌道を辿る公算である。
みずほ総研+1.0+1.1n.a.今回の景気後退局面は短期間で終了し、2013年に入ってからの日本経済は緩やかに回復、2013年度後半は消費税率引き上げ前の駆け込み需要によって成長率が高まるというのが現時点での見通しである。
第一生命経済研+1.1+1.5▲0.1四半期で見れば10-12月期のGDP成長率は小幅マイナスが予想されるが、月次統計で見れば下げ止まり・底打ちの動きが確認されるだろう。12年4月から始まったとみられる景気後退局面は、年内にも終了することが見込まれる。
景気刺激策の効果から中国経済に持ち直しの動きが出ている点も好材料だ。輸出は依然減少が続いているが、日中関係悪化の追加的な押し下げ寄与がなくなる1-3月期には、中国経済の好転が輸出を押し上げるだろう。1-3月期の成長率は、輸出主導でプラスに転じると予想している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+1.1+2.7+1.1世界経済の持ち直し、12年度補正予算(10兆円規模を想定)などが景気を押し上げ、さらに金融緩和強化を受けた円安進行や設備投資の中期循環の上昇も見込まれる。消費税率引き上げ(14年4月)後は、駆け込み需要の反動、増税効果で弱含むが、世界経済の堅調な推移や設備投資の中期循環の上昇は変わらず、弱めの動きも一時的なものにとどまり、景気拡張局面が途切れることはないとみている。
三菱総研+1.0+1.5n.a.海外経済の低迷や政策効果の剥落などを背景に、年内は内外需とも弱い状態が続くであろう。13年入り後は、海外情勢の改善から輸出が持ち直し、さらに来春以降は生産や内需にも波及するかたちで徐々に回復軌道に戻っていくと予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.8+1.1n.a.2013年度は、景気回復の動きが次第に確かなものになってくると予想される。年度末にかけては消費税率引き上げ前の駆け込み需要が加わるため、勢いに弾みがつくことになろう。公共投資がマイナス寄与に転じるものの、輸出の持ち直しが続くことに加え、民需も底堅さを維持すると考えられる。ただし、回復力は弱く、期待される輸出の回復が遅れると、景気の底打ちのタイミングが後ずれする懸念がある。
みずほ証券リサーチ&コンサルティング+1.0+1.2n.a.13年度にかけての日本経済に対する見方については、概ね前回予測時点の判断を維持している。すなわち、①海外経済の持ち直しに支えられて輸出が持ち直すとともに、自動車販売・生産の反動減も一巡してくるなかで、日本経済の悪化に歯止めが掛かり、持ち直しに転じていく、②一方、復旧・復興需要による下支えが次第に薄れていくとみられるなか、海外経済の回復が力強さには欠けると見込まれるとともに、民間需要の回復も緩慢なものに留まるとみられるため、2013年度後半にかけては、消費税率の引き上げを控えた駆け込み需要が一時的に日本経済を押し上げることになるものの、基調として回復ペースは緩やかなものに留まる可能性が高い―というものである。
伊藤忠経済研+1.0+1.6▲0.82012年10-12月期は、日中間のトラブル等により海外経済回復の恩恵が遮断され、輸出の減少が続く一方、輸出減少などを映じた設備投資の抑制やエコカー補助金終了を受けた自動車販売の減少などにより民間需要も低調が見込まれるため、7-9月期の前期比年率▲3.5%に続くマイナス成長を予想している。年明け2013年1-3月期には輸出回復とエコカー補助金の反動減一巡などを受けて、プラス成長へ復帰する見込みである。
2013年度に予想している成長加速は、輸出回復と2014年4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要によるものである。2014年度は、輸出が回復ペースを速め、生産面や投資面に好影響を及ぼすものの、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により個人消費や住宅投資が大きく落ち込むため、GDP成長率は3年ぶりのマイナスに転落すると予想している。
農林中金総研+1.0+1.3+0.712年内はマイナス成長が残ってしまうが、13年に入ればプラス成長に戻ると思われる。ただし、当面は輸出の勢いは弱く、低成長に甘んじるだろう。13年度下期には消費税増税前の駆け込み需要が発生し、景気の勢いは一時的に強まると思われる。しかし、14年4月の増税後には反動減も見込まれ、一本調子に景気の再加速が実現するわけではないだろう。

1次QEから2次QEにかけての修正は小さかったんですが、SNA統計の確報が公表されていますので、それに合わせる形で今年度から来年度にかけて成長率はやや上方修正されています。ゲタなどの発射台の違いであり、大きな修正ではないと私は受け止めています。また、すべてではありませんが、総選挙結果を受けて補正予算等の経済対策を盛り込んでいる見通しもあります。これも上方修正に寄与している可能性が高いと考えられます。四半期の成長率パターンとしては、7-9月期の大きなマイナス成長の後、今年の10-12月期までわずかながらマイナス成長が続き、来年が明ければ1-3月期にはプラス成長に戻って、2014年4月の消費税率引き上げの直前の2014年1-3月期には駆込み需要が発生すると想定されています。この駆込み需要の大きさにより、その次の2014年度の成長がプラスかマイナスかが影響され、大雑把に、駆け込み需要が大きくて2013年度の成長率が+1.5%に達すると2014年度はマイナス成長、達しないと2014年度はプラス成長と見通されているような気がします。例外は三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所であり、設備投資の中期的なサイクルが上向くことによる高成長を見込んでいます。この設備投資の中期循環も含めて、先月11月19日のエントリーで取り上げた1次QE後の経済見通しと重複しますので詳細は省略します。なお、あくまで一例ということで、第一生命経済研究所のリポートの最終ページから【実質GDP成長率の予測 (前期比年率、寄与度) 】を引用すると以下の通りです。

実質GDP成長率の予測

これまた、先月11月19日付けのエントリーの主張と同じですが、私は消費税率引上げ前の駆込み需要はかなり大きいと予想しており、上の表でいえば、2014年度がマイナス成長になると見込んでいるニッセイ基礎研究所、第一生命経済研究所、伊藤忠経済研究所の見方に近いといえます。

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