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2012年12月28日 (金)

御用納めに公表された経済指標から景気を考える!

今日は役所の御用納め、月末どころか年末最後の閣議日で、経済統計もいっせいに発表されました。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数商業販売統計、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率毎月勤労統計などの雇用統計、さらに、総務省統計局の消費者物価指数などです。特に、消費者物価指数(CPI)は安倍内閣がインフレ目標を日銀に求めていますので、従来よりも注目度が上がったかもしれません。まず、いくつかの指標のヘッドラインなど本日発表された指標を総合的に報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

鉱工業生産、先行き持ち直しも 11月は2カ月ぶり低下
経済産業省が28日発表した11月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)は86.4となり、前月比1.7%低下した。2カ月ぶりにマイナスとなったが、各社の生産計画に基づく予測調査では12月、13年1月ともに増産を見込んでいる。景気は後退局面に入っている可能性が濃厚だが、年明けにかけて底入れを探る展開になりそうだ。
11月の生産指数は市場予測(0.5%低下)を下回った。半導体製造装置の海外向け生産が減るなど一般機械が5.3%低下。橋梁やビル向けアルミサッシなどの金属製品も5.1%下がった。
電子部品・デバイスは1.3%上昇し、3カ月連続で増産だった。台湾向けのデジタルカメラや、中国で生産するスマートフォン(スマホ)向けの部品生産が好調だった。
業種別にみると、全16業種中11業種で低下しており、経産省は「生産は低下傾向にある」との基調判断を前月から据え置いた。ただ同時に発表した製造工業生産予測調査では12月が前月比6.7%、来年1月も同2.4%の上昇を見込み、先行きには持ち直しの兆しが出ている。
予測通りになれば、エコカー補助金終了後に落ち込んでいた自動車などの輸送機械のほか、情報通信機械、鉄鋼、金属製品などが増産に転じる。
一方で個人消費と雇用の先行きは不透明だ。総務省が発表した11月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり27万3772円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.2%増えた。2カ月ぶりのプラスだが、月末にかけて寒くなり冬物衣料への支出が伸びた要因が大きく、同省は消費の基調判断を「弱含み」と据え置いた。
季節調整済みの前月比でみると実質0.1%減。総務省は消費が持ち直しつつあるかは「しばらく様子をみる必要がある」としている。
11月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の4.1%となり、3カ月ぶりに改善した。女性の失業率が3.8%と0.1ポイント改善したのに対し、男性は4.3%で横ばい。医療・介護やサービス分野での就労が進んで女性の完全失業者は5万人減ったが、男性の失業者は2万人増えた。
厚労省が同日発表した11月の有効求人倍率(季節調整値)は0.80倍で前月と横ばいだった。11月の毎月勤労統計調査(速報)によると、製造業の所定外労働時間(残業)は1人あたり平均で前年同月比6.2%減った。製造業の減産やリストラで男性の雇用・賃金環境が厳しくなり、働きに出る女性が増えている可能性がある。

続いて、いつもの鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。上のパネルは2005年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。なお、このブログだけのローカル・ルールですが、直近の景気循環の山は2012年3月であったと仮置きしています。この点については、以下のいくつかのグラフでも同じです。

鉱工業生産指数の推移

鉱工業生産は足元の12月こそ▲1.7%の前月比減産となりましたが、製造工業生産予測指数で見て、先行きの12月は前月比+6.7%増、来年1月は+2.4%増と増産が見込まれています。足元11月の減産は先月の統計発表時点で予想されていたことであり、先月から減産幅が大きくなったのは一般機械の蒸気タービン部品の下振れによると聞き及んでいます。ですから、年末から来年初めの1月2月にかけて、生産が反転して景気が底を打つ可能性があると考えています。また、産業別の予測指数から見て、年内いっぱいはスマホ関連需要が、年明け以降はエコカー補助金終了後の調整を終えた輸送機械が生産を牽引するものと考えられます。もちろん、円安の進展による輸出増も一定のラグを伴って生産増加に寄与するものと期待してよさそうです。

商業販売統計の推移

商業販売統計のうち、個人消費に直結する小売販売のグラフは上のグラフの通りです。上のパネルは季節調整していない原系列の販売額の前年同月比、下は季節調整指数をそれぞれプロットしています。従来から消費は底堅いと考えていましたが、引用した記事にもある通り、需要サイドの統計である家計調査も11月は3か月振りに前年同月比でプラスを記録したようですし、上のグラフの季節調整指数に見る通り、そろそろ反転する兆しを見るエコノミストもいそうな気がします。

雇用統計の推移


雇用統計のうち、遅行指標の失業率、一致指標の有効求人倍率、先行指標の新規求人数は上のグラフの通りです。いずれも季節調整済みの系列です。失業率が今年に入ってから一貫して低下し、11月統計でも0.1%ポイント改善したのはかなり疑わしいと受け止めていますが、新規求人数や有効求人倍率は11月の統計で下げ止まりつつあると見ることも出来ます。

毎月勤労統計の推移

雇用統計のうちの毎月勤労統計における所定外労働時間と賃金のグラフは上の通りです。上のパネルは所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下は賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。11月の所定内給与が跳ね上がったのは給与総額が低下していることからやや疑わしい結果なんですが、景気に敏感な所定外労働時間が下げ止まった気がしないでもありません。

消費者物価上昇率の推移

最後のグラフで、上のグラフは消費者物価指数上昇率をプロットしています。青い折れ線が全国の生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率となっており、積上げ棒グラフがその寄与度を表しています。赤い折れ線グラフは食料とエネルギーを除く全国の総合であるコアコアCPIの、グレーの折れ線は東京都区部のコアCPIの、それぞれ前年同月比上昇率です。ここ数か月の特徴として、青い折れ線の全国コアCPI上昇率は黄色で示されたエネルギー価格の影響をかなり強く受けているのが読み取れます。このエネルギー価格次第ですが、景気が後退局面を脱してもデフレが今しばらく続く可能性があります。しかし、新政権の発足に伴って、日銀が大きく金融政策スタンスを変更すれば、デフレ脱却は可能であると私は理解していますし、そのような政策運営がなされることを期待しています。

いくつかの指標を見る限り、かなり希望的な観測も含めて、年明け早々には後退局面にある景気は底を打ち回復に向かうと見込んでいます。デフレ脱却に向けた強力な金融政策のサポートがあれば、さらに景気回復は確実なものとなるものと期待しています。ただし、金融政策の効果はそれなりのラグを伴うものと考えるべきです。

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