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2013年1月28日 (月)

企業向けサービス価格指数 (CSPI) と来年度物価見通し

本日、日銀から昨年12月の企業向けサービス価格指数 (CSPI) が発表されました。12月統計では前年同月比で▲0.4%の下落、2012年通年平均では前年比▲0.3%の下落となり、引き続き物価は安定を欠いています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格、12年は3年連続最低 12月は0.4%下落
日銀が28日発表した2012年の企業向けサービス価格指数(CSPI、2005年平均=100)は95.9と、前年比0.3%下落した。4年連続の下落となり、1985年の統計開始以来の最低水準を3年連続で更新した。不動産や情報通信、リース・レンタルの価格下落が足を引っ張った。ただ、宿泊サービスの価格が上昇するなど東日本大震災後の落ち込みからの回復もあって、下落幅は11年(0.7%)より縮小した。
企業向けサービス価格は企業間で取引するサービスの価格動向を示す。
同時に発表した12年12月の指数は95.8となり、前年同月に比べ0.4%下落した。前年比の下落は7カ月連続。オフィス賃貸などの不動産や、ソフトウエア開発といった情報通信の価格下落が響いた。ただ、円安の影響や衆院選に関連した特需が寄与し、下落幅は2カ月連続で縮小した。12月は前月比で0.2%上昇し、前月比では2カ月連続でプラスとなった。
業種別でみると、運輸が前年比0.3%上昇となり、7カ月ぶりにプラスに転じた。外国為替市場で円安が進み、国際運賃を円換算した価格が押し上げられた。広告は0.8%下落と、下落幅を縮小。衆院選挙の特別番組が下支えした。一方、土木建築サービスなど諸サービスが上昇幅を縮めた。

次に、企業向けサービス価格指数 (CSPI) の前年同月比上昇率の推移のグラフは以下の通りです。月次統計で取っています。

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引用した報道にある通り、運輸業サービス価格が上昇しているんですが、外航タンカーや不定期船といった外航貨物輸送は、円安が直接的に影響している可能性があると私も見ています。運輸サービス以外も含めて、為替の円高是正が物価の安定に寄与しつつあるのは明らかです。また、テレビ広告や新聞広告といった4媒体広告もマイナス幅を着実に縮小させており、寄与度差ではプラスに転じていますが、国内の広告業の動向は先行指標の面もあり、今後の国内経済の先行きを占う上でも期待できる材料と受け止めています。

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また、本日、「平成25年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議了解されています。上のグラフは最終の p.7 から物価関係指数の変化率を引用しています。今日発表の企業向けサービス価格指数の見通しはありませんが、円高是正の進行と需給ギャップの縮小から、GDPデフレータ、消費者物価、国内企業物価のすべてが来年度はプラスに転ずると見込まれています。ただし、消費者物価上昇率はわずかに+0.5%であり、インフレ目標の+2%に遠く及びません。デフレ脱却とインフレ目標達成のためには強力な金融政策の後押しが必要です。

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