10-12月期GDP統計2次QEは1次QEから上方修正されプラス成長を記録するか?
明後日の3月8日に2012年10-12月期GDP速報2次QEが内閣府より発表されます。必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で景気の谷の時期や先行きについて言及した部分を中心に取っているつもりですが、何せ2次QEですので、アッサリしたリポートが多かったです。先行きを明記しているのは、みずほ総研と伊藤忠経済研だけでした。それ以外のアッサリしたヘッドラインは1行で収まるようにしてあります。いずれにせよ、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
内閣府1次QE | ▲0.1% (▲0.4%) | n.a. |
日本総研 | +0.1% (+0.5%) | 設備投資、公共投資がともに上方修正となる見込み。 |
大和総研 | +0.0% (+0.2%) | 1次速報から上方修正される見通しである。 |
みずほ総研 | ▲0.1% (▲0.3%) | 2013年1-3月期は中国など海外経済の持ち直しを背景に輸出が増加に転じると予想される。復興需要の執行による公共投資の増加が続くほか、エコカー補助金の反動による落ち込みから脱しつつある自動車販売が前期比プラスに転じる中で、個人消費も拡大を維持するとみられる。1-3月期は1年ぶりにプラス成長に転じると予想している。 |
ニッセイ基礎研 | +0.0% (+0.1%) | 小幅ながらもプラス成長に転じると予測する。 |
第一生命経済研 | ▲0.0% (▲0.0%) | 小幅上方修正されると予想する。 |
伊藤忠経済研 | +0.0% (+0.2%) | 昨年12月に短期の景気後退局面から脱した日本経済は、足元で回復の動きを強めつつある。当社では、輸出の回復を受けて2013年1-3月期にプラス成長へ転じた後、4-6月期以降の日本経済が①輸出の増勢継続と②2012年度補正予算による公共投資増加、③消費税率引き上げ前の駆け込み需要を主因に、成長ペースを高めていくと予想している。 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | ▲0.1% (▲0.3%) | ほとんど変化がないと見込まれる。 |
三菱総研 | +0.0% (+0.1%) | 小幅の上方修正を予想する。 |
2次QE予想の一例として、私の実感にかなり近いみずほ総研のリポートからグラフを引用すると以下の通りです。プラス成長かマイナス成長かは意見の分かれるところですが、ほぼゼロ近傍の成長率であることは確度が高いと考えるべきです。そして、グラフに示されたように、「消費+住宅」という意味で家計部門は堅調で、公的需要もプラスの寄与を示すが、外需と企業部門がまだ弱いといえます。もちろん、昨年10-12月期までのお話しです。
GDP成長率がゼロ近傍であることに加え、景気動向は山谷をつけるかどうかは別にして昨年2012年11-12月ころを底に拡大局面にあり、来年4月の消費税率引上げの直前の駆込み需要まで徐々に成長率を高める可能性が高い、というのが大方のエコノミストのコンセンサスとなっています。このまま順調なパスをたどることを私は期待しています。問題は消費税率引上げ後なのかもしれません。
今日の午前中、3つある私の所属学会のひとつがアベノミクスに関する定例研究会を開催しましたので拝聴して来ました。私は原則遅刻する人間ですので、少し遅れ気味で会場に着いて最前列の席しか残っておらず、私のような態度の悪い年配者が発表者正面の真ん前の席にふんぞり返って座ってしまい、迷惑だったと思います。いつも反省して、次からは時間に余裕を持って行動しようと思うんですが、今まで出来たためしがありません。
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