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2013年4月30日 (火)

14安打の猛打と相手守備の乱れで広島に大勝!

  HE
広  島000003000 393
阪  神02104220x 11141

先発のスタンリッジ投手が7回を3失点に抑え、打っては14安打の猛打に相手守備の乱れにも乗じて広島に大勝でした。終盤には主力を次々とベンチに下げ、余裕の勝利でしたが、実は、阪神守備陣も必ずしも万全ではなかった気もします。GAORAでのテレビ観戦でしたが、解説者も「不要な失点」といった趣旨の解説でした。

明日はカード勝越し目指して、
がんばれタイガース!

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一気に発表された政府統計から景気の現状を考える!

本日、4月最終日の閣議日で政府統計がいくつか公表されています。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数商業販売統計が、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、それぞれ発表されています。いずれも3月の統計です。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

3月の鉱工業生産指数、0.2%上昇 スマホ向け部品など増産
経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整済み)速報値は89.8だった。前月比で0.2%上昇した。プラスは4カ月連続。合成ゴムやスマートフォン(スマホ)関連の部品が伸びた。QUICKが26日時点で集計した民間の予測中央値は0.4%上昇だった。
経産省は生産の基調判断を「下げ止まり、一部に持ち直しの動きがみられる」から「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に引き上げた。基調判断を上方修正するのは13年1月以来2カ月ぶり。経産省は背景について「円高是正で輸出が持ち直している」と指摘した。
業種別でみると、16業種のうち8業種が上昇。中でも化学工業(医薬品を除く)は自動車タイヤなどに使う合成ゴム、電子部品・デバイス工業はスマホ向けの半導体などの生産が伸びた。
出荷指数は0.3%上昇の91.6。在庫指数は0.2%低下の102.4と11年12月(101.5)以来1年3カ月ぶりの低水準だった。在庫率指数は1.2%低下の119.7だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、先行きは4月が0.8%上昇する見込み。一方、5月は4月に輸送機械工業が伸びる反動で0.3%低下を見込む。
1-3月期の四半期ベースは前期比1.9%上昇の89.5だった。四半期ベースのプラスは4期ぶり。国内に加えて北米やアジアの需要が持ち直したことが寄与した。
12年度の鉱工業生産指数は90.0で、前年度比で3.4%低下した。欧州の債務問題に伴う需要減が影響した。
3月小売販売額、3カ月連続減少 エコカー補助金の反動大きく
経済産業省が30日発表した3月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は12兆3710億円で、前年同月に比べ0.3%減った。マイナスは3カ月連続。前年にエコカー補助金の効果で自動車販売が大きく増えた反動が出ており、衣料品販売などの伸びで補いきれなかった。
自動車小売業は14.5%減で、7カ月連続のマイナス。機械器具小売業はテレビやレコーダーの価格下落や販売不振が続き、2.1%減と20カ月連続で減少した。
一方、織物・衣服・身の回り品小売業は気温が高めに推移し春物衣料が伸び、5.8%増えた。医薬品・化粧品小売業は花粉症対策商品の売れ行きが好調で5.0%増だった。
百貨店とスーパーを含む大型小売店は3.5%増の1兆6592億円。既存店ベースの販売額は2.4%増で、共に3カ月ぶりにプラスに転じた。うち百貨店は主力の衣料品に加え、時計や宝飾品など高額商品の販売に勢いがあり4.0%増。スーパーは日曜日が前年より1日多かったことが寄与し、1.5%増だった。
コンビニエンスストアは5.1%増の8108億円。行楽用の弁当やイベントチケットの販売が伸びた。ただ、既存店ベースではタバコ購入者の減少が響き、0.4%減だった。
併せて発表した2012年度の小売業販売額は137兆1870億円で、前年度に比べ0.3%増えた。プラスは3年連続。
失業率4.1%に改善、4年4カ月ぶり低水準
雇用も改善している。総務省が30日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は、前月比0.2ポイント低い4.1%で、2カ月ぶりに低下した。2008年11月以来、4年4カ月ぶりの低水準。厚生労働省が発表した3月の有効求人倍率(同)も0.01ポイント上昇の0.86倍となり、リーマン・ショック直前の08年8月(0.86倍)以来の高水準となった。
3月の男女別の失業率は、男性が0.1ポイント改善の4.5%、女性が0.4ポイント改善の3.5%。就業者数(季節調整値)は前月比1万人減の6297万人、完全失業者数(同)は17万人減の267万人だった。
宿泊・飲食サービス業や卸小売業、建設業など幅広い業種で求人の増加が続き、失業率も改善した。ただ総務省は「女性を中心に職探しを諦めて、労働市場から退出した人が増えた」と指摘。職探しをやめると完全失業者には該当しないため、これが失業率の低下につながったと分析している。
12年度平均の完全失業率は前年度比0.2ポイント低下の4.3%となった。12年度平均の有効求人倍率は0.14ポイント上昇の0.82倍。景気の緩やかな持ち直しを受け、いずれも3年連続で改善した。

いつもの通り、いずれもよくまとまった記事でした。記事の引用だけでおなかいっぱい、という感じがしないでもないんですが、次に、鉱工業のグラフは以下の通りです。一番上のパネルは2005年=100となる鉱工業生産指数そのもの、真ん中は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷、一番下は製造工業全体と電子部品・デバイス工業の在庫率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。ただし、毎度のお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の山は2012年3月、さらに、景気の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

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引用した記事にもある通り、統計作成官庁である経済産業省では基調判断を上方修正しています。一番上のパネルにある通り、生産は着実に増産基調を取り戻していますから、それはそれでいいと思うんですが、景気回復期にしては最近数か月のグラフの傾きが以前に比べて明らかに緩やかだということが読み取れると思います。3月統計では市場の事前コンセンサスも下回ったようですし、「持ち直し」は「持ち直し」でいいんですが、その前に「緩やかな」がつくことを忘れるべきではありません。そして、真ん中のパネルのグラフから、その「緩やかな」原因は家計部門ではなく、主として企業部門にあることが読み取るべきです。輸送機械を除く資本財と耐久消費財の出荷をプロットしていますが、足元の3月は別にして、それまでの上昇の勢いは明らかに耐久消費財の方が大きかったと考えられます。

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続いて、四半期ごとに書いている在庫循環図のグラフは上の通りです。緑色の矢印の2005年1-3月期から始まって、オレンジ色の矢印の今年2013年1-3月期まで進みました。教科書的には、在庫調整局面を終えようとしているように見えます。先ほどの3枚連結グラフの最後のパネルを見ても、典型的な在庫循環を見せる電子部品・デバイス工業など、在庫調整は着実に進展しているように見受けられます。

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次に、商業販売統計のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整指数、下は季節調整していない原系列の小売販売額の前年同月比をそれぞれプロットしています。2月統計までは順調に増加していたんですが、3月になって少し停滞を示しています。引用した記事にもある通り、テレビなどの電機製品の減少は耐久消費財出荷と足並みをそろえているように見えます。なお、新聞記事やグラフは示しませんでしたが、総務省統計局から発表された3月の家計調査結果は、前年同月比でも前月比でもかなり大きな伸びを示しました。引用した記事にもある通り、商業販売統計でも百貨店の高額商品の売行きの増加が見て取れますが、家計調査ではこういった高額商品や家屋の工事などの大きな額の支出が占める比率が高い、といった統計のクセがあるのだろうと私は想像しています。そして、この支出額の大きな買い物や工事が日常的な消費よりもアベノミクスからより大きな刺激を受けている面は否定できないと考えています。いずれにせよ、消費はまずまず底堅いと見てよさそうです。

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上のグラフは上から失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。失業率は0.2ポイントとやや大きな低下を示しましたが、どこまで信用できるか少し疑問が残らないでもありません。もしも、労働市場からの退出により非労働人口が増加しているのであれば、ひとつは65歳に達した団塊の世代の本格的なリタイア、もうひとつは男性世帯主のお給料アップの期待に基づく女性配偶者の専業主婦化が考えられないでもありません。でも、後者は極めて怪しいと思います。失業率を含む雇用情勢について、総務省統計局では「足踏み」と指摘したと別の日経新聞のサイトで報じられていますが、私はそこまで悪く見る必要はない気もします。というのは、失業者数が直近のピークだった2009年7月の364万人から2013年3月の267万人まで約100万人近く減少しているのは素直に評価すべきです。振れの大きい新規求人数が減少したものの、雇用統計は引き続き量的には順調に拡大していると考えるべきです。

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足元で非労働力人口の増加よりも憂慮されるのは、雇用が量的に拡大している一方で、質的に decent work が供給されているかどうかです。上のグラフは総務省統計局が今年1月から月次統計として発表し始めた正規・非正規雇用者の比率を、昨年までの四半期統計とつなげてプロットしています。今年1月に64.7%だった正規雇用比率は、2月と3月にはともに63.3%に低下しました。現時点ではサンプル数不足のために季節調整できないんだろうと思いますので、年度末の季節的な動きなのかどうか判断できませんが、アベノミクスで新しく創出される雇用は非正規ばかり、なんてことのないよう願っています。

最初の鉱工業生産に戻って、製造工業生産予測は4月が前月比+0.8%の増産の後、5月が▲0.3%の減産となっています。景気回復のペースがかなり緩やかであり、加えて、当然ながら、決して一様でもありません。グラフにすればギクシャクした動きになる可能性があります。本格的にアベノミクスの政策効果が現れるまであと少し、といいたいところなんですが、実は、かなり長いタイムラグを覚悟する必要がありそうです。

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2013年4月29日 (月)

ゴールデンウィークの読書目標

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このゴールデンウィークは泊まりがけでは出かける予定もなく、ジャレド・ダイアモンドの読書にいそしもうと考えています。遠くの図書館で『昨日までの世界』の予約の順番が回ってきたようなので、憲法記念日にでも自転車を飛ばして借りに行き、近場の図書館ですでに借りてあった『銃・病原菌・鉄』と『文明崩壊』から始め、すでに上の画像の『銃・病原菌・鉄』上下は読み終わり、今日から『文明崩壊』上巻に入りました。後、溜めに溜めてある芥川賞受賞作、すなわち、「冥土めぐり」と「abさんご」も読んでおきたいと思っています。

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2013年4月28日 (日)

先発藤浪投手とリリーフAFKが粘り強く投げ切って僅差でDeNAを下す!

  HE
阪  神030001001 590
D e N A021000000 390

競った試合を阪神がものにしました。またも三浦投手に投げ勝って、先発藤浪投手は4月に3勝です。リリーフのAFKも粘り強いピッチングで終盤をゼロに抑えます。特に、8回に福原投手が力でブランコ選手を三振に切って取ったのが圧巻でした。打撃陣も6回藤井捕手の勝越し犠飛や9回大和外野手のたたきつけたタイムリーのダメ押し打など、派手さはないものの地味に加点しました。

明日はルーキー藤浪投手を守り立てて、
がんばれタイガース!

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2013年4月27日 (土)

序盤に先発小島投手が崩れ打撃陣はチャンスを潰しまくりでDeNAにボロ負け!

  HE
阪  神000000010 160
D e N A33000201x 9120

昨日は横浜に乗り込んでボロ勝ちし、敵地ながら3タテの可能性もあるかと思ったんですが、あにはからんや、DeNAにボロ負けでした。先発小島投手が早々に崩れてノックアウトされ、打つ方も序盤にチャンスはあったんですが、ことごとく潰してしまい、8回の1点で完封負けを逃れるのがやっとでした。アホらし。

明日はルーキー藤浪投手を守り立てて、
がんばれタイガース!

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ゴールデンウィーク初日に下の子の学校の文化祭に行く!

ゴールデンウィーク初日は少し風が強かったものの、よく晴れていいお天気になり気温も上がり、過ごしやすい気候の1日でした。今日から我が家の下の子が通う中学・高校の文化祭が始まり、私は朝から出かけて、ひと通り見て回りました。なかなか力の入ったブースが並び、いつもは男ばっかりの学校にも女子中学生や女子高校生の姿がチラホラ見え、年に1度のイベントの文化祭らしい華やかな雰囲気でした。写真は、上から文化祭のステージ、どこの学校でもあるような気がします。次に、算数教室、やっぱりモンティ・ホール問題の解説がありました。3番めは我が家の下の子が属するクラブのブースの黒板を写して来ました。倅はここにいました。

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文化祭の定番は、鉄道研究会のNゲージ、物理部・化学部・生物部といった自然科学系のクラブの実験、ブラスバンドなどの音楽系のクラブの名曲喫茶、などが上げられますが、やや驚いたのはかなり伝統的なボードゲームがいっぱいあったことです。将棋、囲碁、チェス、オセロ、バックギャモンとひと通りそろっていました。加えて、美術部や書道部の展示も見事な作品が並んでいました。書道の楷書なんぞ、私にはとてもかなわないと感じてしまいました。

2時間ほどでひと通り見て回り、そんなに長く滞在したわけではありませんが、ゴールデンウィーク初日にまずまず有意義な時間を過ごすことが出来ました。

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2013年4月26日 (金)

今日発表された消費者物価と日銀「展望リポート」から物価の先行きを考える!

本日、総務省統計局から消費者物価指数 (CPI) が発表されています。3月の全国と4月の東京都区部の統計です。もっとも注目されている生鮮食品を除く総合、いわゆるコアCPI全国3月の前年同月比上昇率は▲0.5%となり、前月からマイナス幅を拡大させています。まず、日経新聞のサイトからCPIを取り上げた記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価、3月0.5%下落 テレビなど落ち込む
総務省が26日朝発表した3月の全国の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合が前年同月比0.5%下落の99.5と5カ月連続でマイナスだった。テレビやルームエアコンの価格が引き続き下がったことが響いた。
テレビを含む教養娯楽が2.7%下落し、特にテレビは18.7%と大きく落ち込んだ。家具・家事用品も3.3%の下落で、ルームエアコンは17.8%下がった。一方で電気代やガソリンといったエネルギーの物価は原油価格の高騰や円安を受けて2.2%上昇した。
12年度平均は前年度比0.2%下落の99.6だった。特に電気冷蔵庫の価格が25.2%下落したほか、ノート型パソコンの14.1%下落などが目立った。
同時に発表した4月の東京都区部の消費者物価指数(中旬の速報値、10年=100)は電気代が上昇したもののテレビの大幅下落が響き、生鮮食品を除く総合が0.3%下落の99.0だった。
総務省は先行きについて「電気代の上昇などエネルギーは値上がりの要素があるので注視したい」としている。

続いて、消費者物価上昇率のグラフは下の通りです。青い折れ線が全国の生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率となっており、積上げ棒グラフがその寄与度を表しています。色分けは凡例の通りです。赤い折れ線グラフは食料とエネルギーを除く全国の総合で定義されるコアコアCPIの、グレーの折れ線は東京都区部のコアCPIの、それぞれ前年同月比上昇率です。なお、上昇率や寄与度は公表されている端数のない指数から当方で算出しており。端数を持った指数から計算される統計局公表値と異なる場合があります。私には端数を持った指数はアベイラブルではありませんのでご容赦下さい。

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昨年1月にエアコン、2月にテレビで、それぞれ新機種への変更があって、価格がジャンプした影響で今年はその反動をモロに受けてCPIの前年同月比上昇率はマイナス幅を拡大しています。黒田総裁の下で日銀が量的緩和に踏み出し、「異次元」の金融政策を実行しているところですが、統計に現れるまでにはかなりのタイムラグが伴います。ただし、全国CPIの先行指標である東京都区部は3月4月とジワジワとマイナス幅を縮小しており、また、全国CPIのうちでも食料とエネルギーを除くコアコアCPIは3月統計でマイナス幅が縮小していますので、大雑把に、今年年央から年後半にかけてコアCPIの前年同月比はゼロからプラスの領域を望めるんではないかと私は考えています。ただし、年内にCPI上昇率が+1%に達するとは想定しがたく、当面は緩やかな物価上昇にとどまると考えるべきです。来年4月から消費税率が現行の5%から8%に予定通り引き上げられると仮定すれば、GDPギャップは一時的にマイナス幅を拡大させる可能性が高いことから、この消費税率引上げの影響を除いた物価上昇率は低下すると考えられますが、金融政策運営とその後の景気拡大に従って、物価は目標の2%に向けて徐々に上げ幅を拡大するものと私は予想しています。

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ということで、今日発表された日銀「展望リポート」の p.8 を引用すれば、日銀政策委員の経済見通し、すなわち、成長率とインフレ率の見通し分布チャートは上の通りです。取りあえず、下のパネルの消費者物価上昇率に着目すれば、リスク・バランス・チャートはインフレ率のやや低い方の分布が厚いものの、2年後の2015年度にインフレ目標である+2%近傍に達するまで、順調に上昇率を高めると見込まれています。このパスに沿って金融政策を実施しているわけですから当然です。責任ある政策運営の態度だと私は受け止めています。なお、これも当然ですが、物価上昇率が目標の+2%を大きく超えるとことはまったく予想されていません。

経済の堅い話題を離れると、私のようにカレンダー通りに勤務するならば、明日からいわゆるゴールデンウィークに入り、3連休の後、3日勤務し、またまた4連休ということになります。
よい週末をお過ごし下さい。

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2013年4月25日 (木)

ナゴヤドームで打てない打線が榎田投手を見殺し!

  HE
阪  神000000000 070
中  日00001000x 120

相変わらず、ナゴヤドームではホームが遠いことを思い知らされました。榎田投手は荒れていましたが、好投だったと私は思います。開幕から4試合に先発して、もしもジャイアンツの投手であれば4連勝していたと思います。阪神の縦縞ユニフォームでは2勝2敗です。アホらし

明日からのDeNA戦は、
がんばれタイガース!

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最近邦訳出版された社会科学の教養書を読む

今週月曜日の読書感想文は小説、しかも、日米の人気ミステリ作家のシリーズ最新作だったんですが、今夜は社会科学分野の教養書です。経済史とマックス・ウェーバーに関する本で、いずれもオリジナルの原書が刊行・出版されたのは決して最近ではないものの、邦訳は最近出たばかり2冊です。2冊とも図書館で借りましたが、学術書だからなのかどうか、ご参考まで、買えば2冊で税込み1万円を超えます。薄給の公務員をしていてはなかなか手が出なかったりします。

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まず、ダグラス C. ノース『経済史の構造と変化』(日経BPクラシックス) です。著者のノース教授は、経済史の分野での貢献を理由にフォーゲル教授とともに1993年のノーベル経済学賞を受賞しています。オリジナルの出版は1980年なんですが、現時点でも決して「古い」という感じはしません。決してノース教授の代表作とはいえませんが、経済史の大家の手になる学部レベルか、教養部レベルのテキストのようなものとなっています。学部レベルか教養部レベルかは、大学のレベルに依存します。どうでもいいことですが、私が地方大学に出向していたころ、「経済財政白書」について、私は学部レベルだと考えていた一方で、大学院レベルと主張する同僚がいたりしました。それはさておき、第1部が理論編、第2部が歴史編、そして、結論となる第3部が短く全体を取りまとめた理論と歴史編になります。第1部では、経済史の中核をなすべき制度構造の変化についての基本的な分析の枠組みを提供しています。すなわち、コース教授らの提唱した取引コストをノース教授が経済史に援用し、制度構造の変化を説明しようと試みています。しかし、いつも感じるんですが、何も限定を付さずに「経済史」といえば、西洋経済史を指します。基本的には、中国や日本は分析の枠外に置かれています。せいぜいが西洋との何らかの経済関係を持つ周辺諸国の一部としかみなされていないような気がします。

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次に、ヴォルフガング・シュヴェントカー『マックス・ウェーバーの日本』(みすず書房) です。コチラは1996-96年の冬学期にデュッセルドルフ大学へ提出されたシュベントカー教授の教授資格審査論文の邦訳です。シュヴェントカー教授の著書としては初めての邦訳だそうです。教授資格審査論文だけあって完全な学術書であり、一定のレベルに達していないと読み進むことすら難しいかもしれませんが、完全な理解に至らないまでも雰囲気を感じ取ることは可能であろうという気がします。副題は「受容史の研究 1905-1995」となっています。日本のアカデミズムにおいて、欧米以上にいかにウェーバー研究が盛んであるかを延々と記述していますが、どうしてそうなのかを分析しているわけではありません。基礎知識がないと難しい可能性はありますが、マックス・ウェーバーの業績に関して理解が深まりますし、明治末年から戦後までの我が国社会科学の発展にも触れることができます。もっとも、1970年代の東大では丸山教授の政治論、大塚教授の経済史、福武教授の社会学などの人気授業でマックス・ウェーバーが取り上げられていましたが、21世紀に入った現時点で近代というものを理解するウェーバーの理論や学識がどこまで必要とされるかは少し疑問が残る可能性はあります。でも、欧米以上に盛んな我が国の「ウェーバー業界」の歴史について、とてもよく取りまとめられています。

少しメインストリームの経済学からは距離を置いた教養書ですが、私もこういった本を読んで教養を高めようとする努力をしているんだということを示すために、また、この2冊とも図書館で借りて読んでおり、我が家の本棚に残らないので覚書的なものを残すために、今夜の記事では簡単に紹介を兼ねて取り上げてみました。なお、来年2014年はマックス・ウェーバー生誕150年ではないかと記憶しています。何かイベントがあるかもしれません。

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2013年4月24日 (水)

森内名人が名人戦7番勝負で羽生三冠に連勝!

昨日から静岡県富士市の文化会館で指されていた第71期将棋名人戦7番勝負の第2局が今夜終局し、森内名人が109手で挑戦者の羽生三冠を下しました。第1局に続いて連勝です。
誠におめでとうございます。
下の画像は朝日新聞のサイトから引用した終了図です。

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先発スタンリッジ投手とリリーフのAFKが抑えてナゴヤドームで完勝!

  HE
阪  神100101000 3120
中  日000000000 0110

昨夜と打って変わって完勝でした。ナゴヤドームであろうと、相手がどこであろうと、今日の先発のスタンリッジ投手やAFKのリリーフ陣のように、投手が抑えて少ない得点を守って勝つのが阪神の野球であろうという気がします。ただ、私の希望としては、もっとダイナマイト打線がガンガン打って、打ち勝つ野球が面白い気もします。

明日も、
がんばれタイガース!

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為替要因による上昇品目はあるものの企業向けサービス価格は下落に転じる!

本日、日銀から3月の企業向けサービス価格指数 (CSPI) が発表されました。2月は前年同月比でゼロだったんですが、3月は▲0.2%の下落となり、デフレのしつこさが浮彫りにされた形です。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格、3月は0.2%下落 12年度は過去最低に
日銀が24日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2005年=100)は96.4と、前年同月比0.2%下落した。下落は2カ月ぶり。ソフトウエア開発など情報通信の需要が伸び悩んだことなどが響いた。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引する価格水準を示す。前月比ではプラス0.7%となり、2カ月連続で上昇した。主にドル建てで取引する国際運輸の運賃が円安で押し上げられた。スポーツイベントなどに関連したテレビ広告の増加も全体の押し上げに寄与した。
12年度の価格指数は95.8と前年度比0.3%下落した。下落は5年連続で、統計データのある1985年度以降では3年連続で最低を更新した。不動産や情報通信、リースなどの下落が響いた。

続いて、いつものグラフは以下の通りです。物価指数の伝統に従って、季節調整していない原系列の統計の前年同月比をプロットしています。リーマン・ショックの前までは長期に渡る景気拡大と商品市況の高騰にも支えられて、前年同月比で見てプラス領域まで上昇率を高めましたが、その後、大きく落ち込み、最近時点までマイナスを続けて来ました。

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品目別にもう少し詳しく見ると、昨年11月からの円高是正の影響で円建ての外航貨物輸送や国際航空貨物輸送が上昇しています。ですから、参考系列として公表されている国際運輸を除く総合では前年同月比で▲0.4%のマイナスと下落幅が大きくなります。ただし、円建てではなく契約通貨建てでは外航貨物輸送と国際航空貨物輸送はともに下落していたりします。中国をはじめ資源集約型の新興国経済の減速により国際貨物輸送はそれほど値上がりしているという実感はありませんので、為替要因による価格上昇といえます。しかし、さすがに為替要因だけで一般物価の上昇率をプラス圏内にもって行くのは難しそうです。ほかに上昇した品目はテレビなどの広告です。上に引用した記事では「スポーツイベント」に起因する広告とされていますが、詳細は私には不明です。また、土木建築サービスや宿泊サービスなども上昇しています。前者は復興需要にも支えられているようです。他方、下落したのは、これも引用した記事にある通り、ソフトウェア開発などの情報通信です。事務所賃貸などの不動産やリース・レンタルもこのところずっと下がり続けています。

企業向けサービス価格は賃金動向や需給ギャップに敏感な指標ですので、今後のゆくえが大いに注目されます。

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2013年4月23日 (火)

ナゴヤドーム今季第1戦はボロ負け!

  HE
阪  神000002100 3111
中  日21018030x 15130

何ともだらしないボロ負けでした。諸事情あって、テレビ観戦を始めたのは8時ころから。すでに先発能見投手はマウンドにおらず、久保田投手がせっせとバッティング投手をしているところでした。まったく試合を諦めて入浴し、お風呂から上がると、案の定、大差で負けていました。アホらし

明日こそ、
がんばれタイガース!

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今年の新入社員の初任給は増えたのか?

昨日、労務行政研究所から「2013年度 新入社員の初任給調査」が発表されています。東証第1部上場かつ回答のあった238社の集計ですから、かなりバイアスは大きいと思いますが、毎年の調査のようなので時系列的に比較することは可能だという気がします。調査結果によれば「据え置き」が95.4%と圧倒的多数を占めます。まず、リポートから調査結果のポイントを箇条書きで引用すると以下の通りです。

調査結果のポイント
  1. 初任給の据え置き状況
    「据え置き」が95.4%で、内訳は「全学歴据え置き」がほとんど。「全学歴引き上げ」は4.2%にとどまる
  2. 過去10年間における据え置き率の推移
    2003年度から3年連続で95%を超えていたが、06年度以降は企業業績の回復や団塊世代の大量退職などを背景とした企業の採用意欲の高まりを反映し、低下傾向にあった。しかし、世界的不況に陥った09年度は一転、再び9割を超え、以降その状況が続いている
  3. 初任給の水準
    大学卒(一律設定)20万5647円、大学院卒修士22万2300円、短大卒17万2546円、高校卒(一律設定)16万1084円
  4. 主な学歴別に見た上昇額の分布
    いずれの学歴でも、「据え置き」が9割以上を占める。平均上昇額は、大学卒で73円、高校卒で107円

まず、今年の新入社員の諸君の初任給は据置きが圧倒的だったということです。繰返しになりますが、東証1部上場でしかも回答のあったわずか238社の結果ですから、他の中小企業などは状況が異なる可能性は否定出来ません。バイアスがあることを承知の上で、簡単に、リポートから引用した図表を見ておきたいと思います。

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まず、上のグラフはここ10年ほどの初任給の据置き率の推移をプロットしています。上に引用した「調査結果のポイント」にもある通り、ほとんどの年で90%を超える高率を示していますが、2006-09年については景気の回復や団塊世代の大量退職などから、据置き率がかなり下がっており、賃金の下方硬直性を考慮すれば、初任給が増額されたことを示唆しています。今年については、足元でアベノミクスなどに起因する景気回復が始まっている可能性は高いものの、当然ながら、賃金や初任給に波及するに至っていません。

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初任給の額は昨年からほとんど変化ありませんが、大卒の総合職などの基幹職で20万円を少し上回るくらい、というのが相場なのかもしれません。もちろん、高卒はこれよりかなり少ないですし、院卒は修学年数に応じて大卒よりも高くなっています。当然です。平均上昇額は100円未満ですから、ついつい「雀の涙」という言葉を思い出してしまいました。なお、企業規模別には「平成24年賃金構造基本統計調査結果」のうちの「企業規模別にみた初任給」では、微妙に差が出ていることが読み取れます。

最後に、新入社員の初任給を離れると、経済協力開発機構 (OECD) から今年の「対日経済審査報告」が発表されています。以下の5点が Key recommendations として明らかにされています。

  1. Restore fiscal sustainability
  2. End deflation through aggressive monetary policy aimed at the 2% inflation target
  3. Following the Great East Japan Earthquake, step up efforts to revitalise Japan
    Reform agriculture and promote Japan's integration in the world economy
    Promote green growth and restructure the electricity sector
  4. Promote growth by increasing labour force participation and raising productivity through education reforms
  5. Promote social cohesion by reducing income inequality and relative poverty

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2013年4月22日 (月)

日米の流行ミステリ作家ジェフリー・ディーヴァーと高村薫のシリーズ最新作を読む!

日米流行ミステリ作家の最新作を読みました。ジェフリー・ディーヴァー『バーニング・ワイヤー』(文藝春秋) と高村薫『冷血』上下巻 (毎日新聞社) です。

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ジェフリー・ディーヴァー『バーニング・ワイヤー』は四肢麻痺の犯罪科学者にして、NY市警の元科学捜査本部長だか元鑑識部長か何かだったリンカーン・ライムのシリーズです。私はシリーズを全部読んでいると思うんですが、『ボーン・コレクター』、『コフィン・ダンサー』、『エンプティ・チェア』、『石の猿』、『魔術師 (イリュージョニスト)』、『12番目のカード』、『ウォッチメイカー』、『ソウル・コレクター』に続いて最新作の『バーニング・ワイヤー』は9作目です。本作でも『ウォッチメイカー』ほど出番はありませんが、この作者のもうひとつの人気シリーズの主人公であるキャサリン・ダンスがチラリと登場します。このブログで取り上げるのは初めての気もしますので、簡単にこのシリーズを解説しておくと、主人公が四肢麻痺ですから、典型的なアームチェア・ディテクティブ、安楽椅子探偵のミステリです。派手な撃合いやカーチェイスはライムの第1の弟子に当たるサックスにお任せです。犯人や関係者の供述はあまり信用せず、もっぱら物的証拠の収集と分析から事件の解決を目指します。なお、シリーズ第1作の『ボーン・コレクター』が映画化された際に、デンゼル・ワシントンがライム役を演じ、ファンの間でライムは黒人なのかという疑問が上がりましたが、作品中ではライムが白人なのかアフリカ系なのかについては何の言及もありません。しかし、前作『ソウル・コレクター』でいとこのアーサー・ライムが逮捕された際に、アーサーは白人である旨の記述がありましたから、リンカーン・ライムも白人と解釈するのが妥当と多くのファンは考えています。私は過去のシリーズの中では『ウォッチメイカー』が最高傑作だと考えていたんですが、やっぱり、本作『バーニング・ワイヤー』が最高です。このシリーズも世間の流れに沿って前作でデジタルな世界に踏み出したんですが、再びアナログの世界に戻り、本作では電気を使った犯罪を取り扱います。『ウォッチメイカー』以来の宿題のような課題も解決し、ライムは犯人逮捕後の本作最終パートで新たな境地に達します。おそらく、次回作以降はまったく違ったライムの姿が見られそうです。そもそもミステリとして5ツ星の第1級の作品ですし、その上、私のようなディーヴァーのファンなら必ず読んでおくべきです。

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ディーヴァーのリンカー・ライムのシリーズに対向するわけでもないんですが、高村薫の合田雄一郎のシリーズ最新刊が『冷血』上下巻です。合田雄一郎は警視庁の刑事で、本作ではほとんど登場しませんが、前妻の兄は検察官をしています。前妻は米国において2001年9月11日のテロで死亡しています。私はコチラも『マークスの山』から始まって、『照柿』、『レディ・ジョーカー』、『太陽を曳く馬』と本作と、シリーズすべてを読んでいたりします。『レディ・ジョーカー』がシリーズ最高傑作だと考えており、最新作である本作を読んだ後もその考えは変わりありません。なお、高村薫の作品はあまり読んでいませんが、現時点でもデビュー作の『黄金を抱いて翔べ』が私の読んだ高村作品の中では最高傑作だと思っていたりします。シリーズ前作の『太陽を曳く馬』では元オウム信者でてんかん患者の僧が禅寺から抜け出して交通事故で死亡するという事件で、仏教用語がふんだんに盛り込まれましたが、本作では歯科医一家4人皆殺しの強盗殺人事件で、単なる空き巣狙いの犯人の意図から、どうして4人もの殺人まで至ったか、30過ぎのいい年齢に達した大人が恨みもない一家4人を場当たり的に殺したのか、を解明しようと合田刑事が取り組みます。従って、通常のミステリは犯人が明らかにされるところで終了する作品も少なくないんですが、本作では犯行と犯人逮捕は上巻で終わってしまい、下巻では延々と殺人まで犯行が進んだ謎を合田刑事が問い詰めます。その謎の解明が成功しているかどうかは読者の判断に委ねられているんだと思います。なお、追加情報を2つだけ簡単に記しておきます。まず、トルーマン・カポーティが同名のノンフィクション・ノベルを書いていますが、まさに彷彿とさせるものがあります。次に、私はそこまでは思わなかったのですが、一部に、この作品は生と死を見つめるという意味でとても高い評価を得ており、「週刊朝日」の書評では「日本語で書かれ2012年に刊行された書物のなかで最高の作品」と絶賛されていたりします。

今週はゴールデンウィーク前半の3連休を前に、いくつかの図書館からいろいろと本を借り出す予定です。ジェフリー・ディーヴァーのもうひとつの人気シリーズであるキャサリン・ダンスを主人公にした最新作『ロードサイド・クロス』もすでに手元にあったりします。もっとも、買ってあって積読になっている本も何冊かあります。

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2013年4月21日 (日)

藤浪投手が7回2安打無失点の2勝目でタイガース4連勝!

  HE
ヤクルト000000000 030
阪  神00001202x 5110

黄金ルーキー藤浪投手が2勝目を上げました。「江夏以来」の怪物です。7回を2安打無失点で乗り切り、藤浪投手の後を継いだ安藤投手と筒井投手も危なげなく投げ切って、昨日に続いて完封リレーの完成でした。タイガースはスワローズを3タテして4連勝です。打っては11安打で5得点、特に新井兄が3打点でルーキー投手を強力にバックアップです。甲子園球場のスタンドを埋め尽くした阪神ファンにも申し分のない大満足の快勝だったのではないでしょうか。

ナゴヤドームでも、
がんばれタイガース!

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2013年4月20日 (土)

今季初先発の小島投手が好投しリリーフ陣が虎の子の1点を守り切って3連勝!

  HE
ヤクルト000000000 020
阪  神10000000x 160

2軍に落とされた岩田投手に代わって先発した小島投手の快投が冴え渡りました。フォアボールはあったものの、6回まで無安打で7回まで東京ヤクルト打線をゼロで抑え切りましたから、先発として思いっ切りの合格点といえます。3試合とも初回に失点して3連敗した岩田投手とは大違いです。打撃陣はイマイチでしたが、ようやく鳥谷遊撃手に打点、しかも、決勝点の打点がつきました。これを機に野手キャプテンの打棒が上向いて欲しいものです。

明日は先発の藤浪投手を守り立てて、
がんばれタイガース!

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Communiqué, G20 Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors

Communiqué
Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors
Washington, 18-19 April 2013

1. We, the G20 Finance Ministers and Central Bank Governors, met to discuss the current situation in the global economy and to bring forward the policy agenda for our Leaders' summit in September.

Global Economy and G20 Framework for Strong, Sustainable and Balanced Growth
2. We reaffirmed our determination to raise growth and create jobs.

3. The global economy has avoided some major tail risks and financial market conditions continue to improve. However, global growth has continued to be too weak and unemployment remains too high in many countries. The recovery remains uneven and is progressing at different speeds with emerging markets experiencing relatively strong growth, the United States demonstrating a gradual strengthening of private demand, and the recovery in the euro area as a whole yet to materialize. Policy uncertainty, private deleveraging, fiscal drag, impaired credit intermediation, and a still incomplete rebalancing of global demand continue to weigh on global growth prospects. Medium-term challenges are also present in many economies, including those related to fiscal sustainability and financial stability.

4. We have agreed that while progress has been made, further actions are required to make growth strong, sustainable and balanced. Some countries have taken steps to stimulate activity since we last met. In particular, Japan's recent policy actions are intended to stop deflation and support domestic demand. In addition, Korea announced an active macroeconomic policy package. However, much more is needed to fulfill our commitment to address the ongoing weakness in the global economy. Major policy priorities remain largely the same. In the euro area the foundations of economic and monetary union should be enhanced, including through an urgent movement towards banking union, further reducing financial fragmentation, and continued strengthening of banks' balance sheets. Further progress toward a balanced medium-term fiscal consolidation plan is necessary for the United States, although significant deficit reduction has already been achieved. Japan should define a credible medium-term fiscal plan. Large surplus economies should consider taking further steps to boost domestic sources of growth. We will continue to implement ambitious structural reforms to increase our growth potential and create jobs.

5. Maintaining fiscal sustainability in advanced economies remains essential. Advanced economies will develop medium-term fiscal strategies by the time of the St Petersburg Summit in line with the commitments made by our Leaders in Los Cabos. We will present and review our strategies at our next meeting.

6. We reiterate our commitments to move more rapidly toward more market-determined exchange rate systems and exchange rate flexibility to reflect underlying fundamentals, and avoid persistent exchange rate misalignments. We will refrain from competitive devaluation and will not target our exchange rates for competitive purposes, and we will resist all forms of protectionism and keep our markets open. We reiterate that excess volatility of financial flows and disorderly movements in exchange rates have adverse implications for economic and financial stability. Monetary policy should be directed toward domestic price stability and continuing to support economic recovery according to the respective mandates of central banks. We will be mindful of unintended negative side effects stemming from extended periods of monetary easing.

International Financial Architecture
7. Completing the ongoing reforms of IMF governance is indispensable for enhancing its credibility, legitimacy and effectiveness. For this reason the ratification of the 2010 IMF Quota and Governance Reform is urgently needed. We support the IMF Executive Board's decision to integrate the process of reaching a final agreement on a new quota formula with the 15th General Review of Quotas. We remain committed, together with the whole IMF membership, to agree on the quota formula and complete the 15th General Quota Review by January 2014 as agreed at the Seoul Summit and reiterated in Cannes and Los Cabos. We attach high importance to securing continued progress in meeting this objective, including on key elements at the September St Petersburg Summit and subsequently at the October 2013 G20 Ministerial and IMFC meetings. We reaffirm our previous commitment that the distribution of quotas based on the formula should better reflect the relative weights of IMF members in the world economy, which have changed substantially in view of strong GDP growth in dynamic emerging market and developing countries. We reaffirm the need to protect the voice and representation of the IMF poorest members as part of this General Review of Quotas.

8. In pursuit of our goal of strengthening the existing practices of public debt management, we ask the IMF and the World Bank to consult with their members regarding the implementation and a possible review of the "Guidelines for Public Debt Management". This will help ascertain if amendments are required to take into account, among other things, evolution in the issuance environment and the emergence of complex interactions between public debt management, monetary and fiscal policies. We look forward to an update on this work by our July meeting and a progress report to the Leaders' Summit in September. We also note the ongoing work of the OECD to review leading practices for raising, managing and retiring public debt. We welcome the ongoing efforts to strengthen the Fund's public debt sustainability analysis framework for market-access countries, which is focused on key risks from high debt burden and its profile, macro-fiscal developments, and contingent liabilities. We expect that this will complement our work on medium term fiscal strategies.

9. We reaffirm the important role that Regional Financing Arrangements (RFAs) can play in the global financial safety nets. Further facilitating the dialog among RFAs, as well as strengthening cooperation and increasing complementarities between the IMF and RFAs, while safeguarding the independence of the respective institutions, could support financial stability and thus help promote growth. We note the IMF work on stocktaking of its engagement with RFAs, as well as the recent G20/IMF seminar that reviewed developments in RFAs and explored options for enhancing their cooperation with the IMF. Starting from this basis, and building on the principles for IMF-RFA cooperation we agreed in Cannes, we will discuss possible ways to further enhance that cooperation at our next meeting, in order to assess possible options for further policy recommendations by the time of the Leaders' Summit in St Petersburg.

10. We will contribute to a successful International Development Association (IDA) 17 replenishment, as well as African Development Fund (AfDF) 13 replenishment.

Long-term Financing for Investment
11. We underscore the importance of long-term financing for investment, including in infrastructure, in enhancing economic growth and job creation. We are taking forward work on this issue, including through adoption of the Terms of Reference of the new G20 Study Group, with inputs envisaged from the World Bank Group, OECD, FSB, IMF, UN, UNCTAD, and from participating countries. These inputs will cover their experience and good practices in creating the necessary conditions for mobilizing long-term financing for investment and promoting a sound investment climate. We will consider the Study Group's work plan and any additional policy recommendations later this year. We welcome progress by the OECD on the High Level Principles for long-term investment financing by institutional investors and look forward for a report by our next meeting.

Financial Regulation
12. Half of G20 jurisdictions have now issued final regulations to implement Basel III, and the remainder commits to do so as soon as possible in 2013. We welcome the assessments, in some cases initial and ongoing, by the Basel Committee on Banking Supervision of consistency of these regulations with its framework and look forward to further progress on ensuring the conformity of the regulations with the Basel III text. We look forward to the July report on comparability of risk-weighted assets. We will undertake the necessary legislative steps to implement resolution powers and tools consistent with the FSB's Key Attributes of Effective Resolution Regimes, including the legal basis for cross-border cooperation and coordination. Our objective is to allow authorities to resolve financial institutions in an orderly manner. The FSB will report to the St Petersburg Summit on the progress made towards ending "too big to fail". We note the progress in implementation of OTC derivatives reforms and we are committed to complete the remaining legislative and regulatory frameworks for these reforms. We look forward to the macroeconomic impact study of OTC regulatory reforms, which is underway. We urge the key regulators to intensify their efforts to address cross-border derivatives issues and report by our July meeting specific and practical recommendations to resolve by the St Petersburg Summit remaining cross-border conflicts, inconsistencies, gaps and duplicative requirements. We also call for a feasibility study on how information from trade repositories can be aggregated and shared among authorities, so as to enable comprehensive monitoring of risks to financial stability. Jurisdictions should remove barriers to trade reporting by market participants, with particular attention to removing barriers to reporting of counterparty information and to information access by authorities. We look forward to further policy recommendations for the oversight and regulation of the shadow banking sector by the Leaders' Summit. We support the Regulatory Oversight Committee of the Legal Entity Identifier (LEI) initiative in their efforts to launch the Global LEI Foundation as soon as possible. We reiterate our call on the IASB and FASB to finalize by the end of 2013 their work on key outstanding projects for achieving a single set of high-quality standards.

13. We welcome the work of the BIS and IOSCO to improve the oversight and governance frameworks for financial benchmarks, and call on the FSB to coordinate and guide work on the necessary reforms to short-term interest rate benchmarks and to report in July on progress towards oversight and governance frameworks for financial benchmark reform for consideration at the Summit. We support the launch of the FSB's peer review on national authorities' steps to reduce reliance on credit rating agencies' ratings, and ask for a status report including the work by standard setting bodies to be presented to the Leaders at the St Petersburg Summit. We take note of the IOSCO Report on Transparency and Competition Among Credit Rating Agencies. We ask the FSB to examine the need for further work in this area in the light of current domestic and regional regulatory initiatives.

14. More needs to be done to address the issues of international tax avoidance and evasion, in particular through tax havens, as well as non-cooperative jurisdictions. We welcome the Global Forum's report on the effectiveness of information exchange. We commend the progress made by many jurisdictions, but urge all jurisdictions to quickly implement the recommendations made, in particular the 14 jurisdictions, where the legal framework fails to comply with the standard. Moreover, we are looking forward to overall ratings to be allocated by year end to jurisdictions reviewed on their effective practice of information exchange and monitoring to be made on a continuous basis. In view of the next G20 Summit, we also strongly encourage all jurisdictions to sign or express interest in signing the Multilateral Convention on Mutual Administrative Assistance in Tax Matters and call on the OECD to report on progress. We welcome progress made towards automatic exchange of information which is expected to be the standard and urge all jurisdictions to move towards exchanging information automatically with their treaty partners, as appropriate. We look forward to the OECD working with G20 countries to report back on the progress in developing of a new multilateral standard on automatic exchange of information, taking into account country-specific characteristics. The Global Forum will be in charge of monitoring. We welcome the progress made in the development of an action plan on tax base erosion and profit shifting by the OECD and look forward to a comprehensive proposal and a substantial discussion at our next meeting in July.

15. We reiterate our support for FATF work, notably the identification and monitoring of high-risk jurisdictions with strategic AML/CFT deficiencies. We must tackle the risks raised by opacity of legal persons and legal arrangements, and encourage all countries to take measures to ensure they meet the FATF standards regarding the identification of the beneficial owners of legal persons, other corporate vehicles and trusts, that is also relevant for tax purposes.

Financial Inclusion
16. We welcome the launch of the Financial Inclusion Support Framework. We welcome the upcoming Seminar on "Women and Finance" and the launch of the Women's Finance Hub hosted by the SME Finance Forum, which will provide best practices and knowledge sharing. We call on the Global Partnership for Financial Inclusion to report on the gaps and challenges in the global environment for SME finance, as well as potential policy responses, by our July meeting. We welcome the Financial Action Task Force's revised Guidance on Financial Inclusion as an important step in helping to create an enabling regulatory environment for innovative financial inclusion.

出展はG20のサイトです。

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2013年4月19日 (金)

最後の最後に福留のサヨナラ満塁ホームランで決める!

 十一十二 HE
ヤクルト000003000000 370
阪  神000000300004x 7140

10時半を超える長い試合でしたが、福留選手の2ホーマーで追いつき、サヨナラでした。昨夜は4番マートン外野手が大爆発の5打点だったんですが、今夜は5番福留選手が6打点と、あとは3番鳥谷選手の奮起を待つばかりです。もちろん、リリーフ陣の好投も光りました。特に、安藤投手のピッチングが安定感バツグンでした。

明日も、
がんばれタイガース!

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今年のゴールデンウィークの旅行動向やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、4月4日にJTBから今年の「ゴールデンウィークの旅行動向」の見通しが発表されています。海外旅行は昨年比で▲0.5%減の56.6万人と見込まれているものの、国内旅行が+1.0%増加して2223.0万人となり、合計の総旅行人数は+0.8%増加し過去最高の2,79.6万人に達すると見込まれています。まず、リポートから今年の旅行動向のサマリーを引用すると以下の通りです。

足元の景況感が改善し、旅行消費に前向き
・国内旅行が牽引し、総旅行人数は過去最高の2,79.6万人
・海外旅行人数は昨年比▲5.0%の56.6万人
2012年に次いで過去2番目の水準 ハワイ好調、欧州堅調

ということで、このJTBのリポートからデータを引用して2000年以降のゴールデンウィークの旅行動向について、国内旅行と海外旅行の合計である総旅行者数とその総消費総額をプロットすると以下のグラフの通りです。

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今年のゴールデンウィークの旅行の特徴は、上の引用やグラフから明らかな通り、総旅行者数としては過去最高で、私のようなエコノミストの表現ではなく一般的ないい方として、まずまず景気はいいことが伺えます。しかし、海外旅行が減少して国内旅行がそれを補って余りある増加を示したのは、為替が円安に振れているということもありますが、カレンダー要因が大きいんではないかと私は想像しています。すなわち、休日の並びがよくないんではないかと思います。下の画像は総合旅行情報サイト「トラベルコちゃん」のサイトからの引用です。

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旅行情報サイトらしく、「有給3日で10連休!」というのがウリなんでしょうが、逆にいえば、3日も休暇を取る必要があるともいえます。このあたりは、"Half Full, Half Empty." の世界ですから、何ともいえませんが、海外旅行するためにそんなに休暇は取れない、あるいは、カレンダー通りに登校する子供がいる、というのはカレンダー要因が海外旅行にはマイナスとなる可能性があることを示しているといえます。その点、一泊二日でも行ける国内旅行はカレンダーに左右される影響度合いは小さいといえます。

我が家はもう5-6年の間、ゴールデンウィークには旅行していないような気がします。一時期、私が地方大学に単身赴任していたのも一因ですが、子供達が高校生や中学生になって、一家で旅行する機会がめっきり減る時期に差しかかっているんではないかと思っています。

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2013年4月18日 (木)

4番マートン選手の大爆発と先発榎田投手の好投で何とか巨人から1勝を上げる!

  HE
阪  神202013000 8121
読  売000000010 160

昨夜のジャイアンツ打線を見て奮起したのか、4番マートン外野手が大爆発の5打点で巨人に大勝でした。コンラッド内野手に代わってサードを守った坂選手もまずまずの活躍でした。そして、何といっても8回途中までゼロに抑えた先発榎田投手の踏ん張りが光ります。テンポがいいです。2軍に落とされた岩田投手との最大の違いです。次こそ完投、いや、完封を目指してがんばって下さい。

甲子園に戻ってのヤクルト戦は、
がんばれタイガース!

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赤字の続く貿易統計からTPPを考える!

本日、財務省から3月の貿易統計が発表されています。ヘッドラインとなる輸出が6兆2714億円、輸入は6兆6338億円、差引き貿易収支は▲2624億円の赤字となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易赤字、12年度は最大の8.1兆円
3月は3624億円、燃料輸入が高水準

財務省が18日発表した2012年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8兆1699億円の赤字だった。年度ベースの赤字は2年連続で、第2次オイルショックの影響を受けた1979、80年度以来。赤字額は単年度で比較可能な79年度以降で過去最大を更新した。
輸入は前年度比3.4%増の72兆1108億円。火力発電用の液化天然ガス(LNG)や原粗油など燃料輸入が高水準で推移したうえ、中国からのスマートフォン(スマホ)など携帯電話の輸入が増えたことが影響した。
一方で輸出は2.1%減の63兆9409億円だった。輸出低迷は中国や欧州連合(EU)向けの減少が主因。中国経済の減速に加え尖閣諸島を巡る日中摩擦の影響で、自動車など中国向けの輸出は9.1%減の11兆3440億円と2年度連続で減った。EU向けも金融危機の影響などで14.1%減の6兆3910億円と、94年度以来の低水準だった。
この結果、対EUの貿易収支は4240億円の赤字で、初の赤字に転落。対中国の貿易収支も3兆9990億円の赤字と、過去最大を更新した。
同時に発表した3月の貿易収支は3624億円の赤字だった。赤字は9カ月連続で、3月としては過去最大となった。
輸入額は前年同月比で5.5%増の6兆6338億円となり、5カ月連続で増えた。為替相場の平均値が対米ドルで前年同月比16.1%の円安で、LNGや原粗油など燃料や半導体など電子部品の輸入額が増えたことが影響した。
輸出額は1.1%増の6兆2714億円で2カ月ぶりの増加。デジタルカメラなど映像機器や自動車などが減少したものの、中国向けプロピレンなど有機化合物などの伸びが補った。
貿易収支の先行きについて財務省は「円安の傾向が見られる一方、海外景気の下振れリスクや燃料価格の動向もある。様々な要因があるので今後の動向を注目していきたい」(関税局)としている。

いつもながら、とてもよく取りまとめられた記事ですが、私がこのブログで重視している月次データではなく、年度の計数を中心にした記述となっていたりします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフでプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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輸出入とも昨年10-12月期あたりから上向きとなっており、我が国の経済活動が諸外国とともに活発化しているのが見て取れます。その輸出入の差引きで定義される貿易収支は、下のパネルの季節調整済みの系列で見て、とうとう25か月連続の赤字を記録しています。少なくとも足元の昨年末以降は為替の円高是正に伴うJカーブ効果だと考えるべきですが、先月の貿易統計を取り上げたエントリーでも主張した通り、自動車のエコカー補助金や家電エコポイントなどの個別の財に割り当てられた補助金政策が、国際的な比較優位構造に基づく産業構造へのスムーズな転換を阻害した可能性があります。もう終わった政策は置いておいても、この先の不安として、TPP参加の折に同様の歪みを生じさせかねないカギカッコ付きの「政策対応」や「国境措置」により、TPPの経済効果が相殺されかねない危惧が残ります。

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上のグラフは輸出の推移を見るため、上のパネルでは季節調整していない原系列の輸出の金額指数の前年同月比を価格指数と数量指数で寄与度分解し、下のパネルは輸出数量指数の前年同月比と1か月だけリードを取ったOECD先行指数の前年同月比を重ねてプロットしています。昨年下半期からの乖離はOECD非加盟国、すなわち、中国の影響と為替だと私は考えています。その後、中国経済もやや持ち直しつつあり、為替の円高是正も進んでいますので、Jカーブ効果が終了するとともに輸出も増加に転じると私は楽観しています。むしろ、貿易赤字を大きくする要因は輸入サイドに見られます。円高修正で円建ての輸出額が膨らんでいる可能性は否定出来ませんが、昨夜のIMF「世界経済見通し」の第1章の特集 Special Feature における商品市況のレビューにもある通り、我が国はヤケに値の張る燃料を購入している可能性があります。輸出を上回って輸入が増えれば貿易赤字は拡大します。当然です。

政府予算案が衆議院で可決されましたので、政策論議の中心はTPPをはじめとする成長戦略に移行しつつあります。ホントにTPPを成長戦略の中心に据えて我が国経済の成長に役立てようと考えるのであれば、TPPによるダメージを減じる措置は必要ですが、TPPの経済効果をいかに最大化するか、といった観点からの議論も重要になると私は考えています。

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2013年4月17日 (水)

東京ドーム特有のホームランでジャイアンツにボロ負け!

  HE
阪  神000000010 171
読  売01111220x 891

ホームゲームの地の利を生かされて、東京ドーム特有のホームランに泣きました。まともなホームランは阿部選手のライトへの一発くらいのもので、村田選手の最初のホームランなんか、打った本人もびっくりの一打だったんではないでしょうか。打線は杉内投手に沈黙しました。なすすべなくボロ負けといったところで、逆に、後に残らない負け方といえるかもしれません。

明日は何とか、
がんばれタイガース!

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国際通貨基金 (IMF) 「世界経済見通し」 World Economic Outlook 見通し編を読む

春のIMF世銀総会に合わせて、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook: Hopes, Realities, and Risks の見通し編である第1章と第2章が、4月9日の分析編に続いて昨日4月16日に予定通り公表されています。もちろん、今どきのことですから pdf の全文リポートもアップロードされています。よく知られている通り、第2章は地域編ですので、今夜のエントリーでは第1章を中心に簡単に見ておきたいと思います。まず、IMF のサイトから成長率見通しの総括表を引用すると以下の通りです。なお、下の画像をクリックすると別タブで詳細な見通し総括表、すなわち、リポート p.2 Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections だけを取り出した pdf ファイルが開きます。

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見れば明らかなんですが、上の表に取り上げられた主要国の中で、昨年10月時点での「IMF 世界経済見通し」から成長率見通しがもっとも大きく上方修正されているのは我が日本となっています。すなわち、今回2013年4月時点の見通しでは今年2013年は+1.6%、来年2014年は+1.4%成長が見込まれており、昨年10月時点の見通しから2013年+0.4%ポイント、2014年+0.7%ポイント、それぞれ上方修正されています。IMF のチーフエコノミストであるブランシャール教授による序文の総括部分の p.xiii から引用すると、"Japan is forging a path of its own. After many years of deflation, and little or no growth, the new government has announced a new policy, based on aggressive quantitative easing, a positive inflation target, fiscal stimulus, and structural reforms. This policy will boost growth in the short term" ということになります。ただし、最後のセンテンスに見られるように、あくまで「短期的に成長率を押し上げる」だけであって、続けて、中期的な財政再建計画 "medium-term fiscal consolidation plan" の必要性が強調されていることは忘れるべきではありません。

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続いて、上のグラフは、リポート p.8 Figure 1.8. GDP Growth を引用しています。成長率見通しを四半期別にグラフで示しています。我が国の成長率は左上のパネルの赤い折れ線で示されています。今年2013年中に瞬間風速で約+5%の高成長を記録した後、来年2014年4-6月期にはマイナス成長に落ち込むと予想されています。いわずと知れた消費税率の引上げの影響です。しかし、その後はすぐに+2%近い通常の潜在成長率近傍に復帰すると見込まれています。米国は今年末から来年年初にかけて+3%くらいの成長率を取り戻すと見通されています。ユーロ圏諸国は今年の年央くらいから+1%前後の成長率に落ち着くものの、低い成長率から脱することは難しいと予想されています。

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続いて、上のグラフは、リポート p.11 Figure 1.10. Global Inflation を引用しています。すでに、分析編第3章で現在の景気回復局面におけるインフレの落ち着きを取り上げていますが、予測期間内においてはかなり落ち着いたヘッドラインCPIの上昇を見込んでいます。真ん中の2つ目と3つ目のパネルで我が国のヘッドラインCPIやGDPデフレータが来年になって急上昇しているのは、これまた消費税率引上げの影響です。我が国の消費者物価上昇率は、今年2013年+0.1%、来年2014年+3.0%が見込まれています。2014年4月からの消費税率引き上げを考慮すると、来年はまだ物価上昇率目標である+2%には達しないと予想されているわけです。また、2つ目のパネルで我が国のインフレ期待は正ながら欧米と比較してかなり低いことも読み取れます。

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続いて、上のグラフは、リポート p.14 Figure 1.13. Recession and Deflation Risks を引用しています。まず、一番上のパネル、今年2013年中に景気後退に陥るリスクについて、昨年2012年10月時点では我が国の確率は欧米の中間の30%くらいだったんですが、現時点では欧米のいずれよりも低く、ほぼ5%くらいに低下しています。なお、アジア新興国は依然としてゼロだったりします。他方、真ん中のパネル、今年2013年10-12月期においてデフレに陥る確率を見ると、昨年10月時点からはかなり低下したものの、依然として日本は欧米よりかなり高く、ほぼ30%に達しています。デフレ脱却の政策努力は引き続き大いに必要といえます。
そして、先進国の政策対応として財政政策と金融政策について、リポートの pp.19-21 にかけて以下のような政策の必要性を強調しています。財政政策については中期的な財政再建を目指して引締め気味に、金融政策については伝統的な政策も非伝統的な政策もともに緩和基調を維持する、といった内容であることは明らかです。

  • Fiscal tightening must continue at a pace the recovery can bear
    • Strong medium-term plans
    • Entitlement reform
    • Calibrating short-term fiscal adjustment
  • Monetary policy needs to stay easy
    • Conventional easing
    • Better communications
    • Changes to monetary policy frameworks
    • Unconventional easing
    • Recalibrating supervisory policy stances
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そして、第1章の特集 Special Feature では商品市況をレビューしています。上のグラフは、エネルギー価格に焦点を当てたリポート p.26 Figure 1.SF.4. Energy Prices, Oil Price Prospects を引用しています。上のパネルを見れば、我が国が2011年の震災の頃から妙に割高なガスを買っていることが伺えます。下のパネルから、北海ブレントを指標として石油価格は2015年年央にかけてバレル当たり100ドルにゆっくりと低下して行くと見込まれているようです。また、グラフの引用はしませんが、p.30 Figure 1.SF.9. Food Prices and Inventories からは小麦などの食料価格は上昇すると見込まれ、また、p.31 Figure 1.SF.10. Metals: Prices, Demand, and Prospects からは銅価格がポンド当たり3.5ドル近辺でほぼ横ばいで推移すると見込まれているようです。

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ついでながら、我が国の国内指標に目を転じると、本日、内閣府から3月の消費者態度指数が発表されています。上のグラフの通り、消費者マインドは上昇を続けており、統計作成官庁の内閣府では基調判断を「改善に向けた動きがみられる」と前月の「持ち直している」から上方修正しています。

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2013年4月16日 (火)

今年の夏季ボーナスは増えるか?

昨夜のアベノミクスの読書感想文にもあった通り、今後、デフレからの脱却とともに、お給料のアップが期待できると私は考えていますが、取り急ぎ、今夏のボーナスはどうなるのかという問題があります。ということで、いくつかのシンクタンクから今夏のボーナス予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因ですので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、日本総研と三菱UFJリサーチ&コンサルティングについては国家公務員を取っています。

機関名民間企業
(伸び率)
公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研36.0万円
(+0.4%)
52.8万円
(+2.9%)
今夏の賞与を展望すると民間企業の一人当たり支給額は前年比+0.4%と夏季賞与としては3年ぶりのプラスに転じる見込み。背景には、円高修正の動きなどを受けた2012年度下期の企業収益の持ち直し。加えて、政府による賃上げ要請、個人の購買力強化をめざす小売企業等の賃金戦略の変化が賞与押し上げに作用。もっとも、内外需ともに緩やかな回復にとどまるなかで、収益改善による賞与引き上げ余力には、産業・企業によるばらつきが大きく、全体としての改善幅は小幅。このため賞与水準は、引き続きリーマンショック前の2008年を1割以上下回る水準にとどまる見込み。
みずほ総研36.1万円
(+0.8%)
64.9万円
(+0.2%)
今夏のボーナスを取り巻く環境は改善している。日銀短観(2013年3月調査)によると、2013年度上期の経常利益は増益(前年比+3.9%、全規模・全産業)の見通しとなっているほか、個人消費の堅調や経済対策による公共投資の積み増しなどから非製造業でも増益が見込まれている。さらに、安倍政権の賃上げ要請もボーナスの増額を後押しするとみられる。
第一生命経済研36.1万円
(+0.7%)
n.a.
(+2.0%)
民間企業の2013年夏のボーナス支給額を前年比+0.7%(支給額: 36万1千円)と予測する。2012年冬のボーナスは前年比▲1.5%と減少したが、今夏には増加に転じる見込みである。ボーナスの増加は、2010年夏以来6季振りのことになる。昨年末以降の景気回復や円安効果により企業収益が持ち直しつつあることや、企業の景況感が改善していることなどが背景にある。政府による賃上げ要請が一部影響した可能性もあるだろう。もっとも、ボーナスの増加率は小幅なものにとどまる見込みである。増加は大企業が中心になるとみられ、中小企業では目立った改善が期待できないことがその理由だ。中小企業は内需に依存する度合いが大きいため、大企業と比べて円安の恩恵を受けにくい。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング35.7万円
(▲0.3%)
51.4万円
(+0.1%)
2013年夏のボーナスは3年連続で減少すると予測する。民間企業(パートタイム労働者を含む)の一人当たり平均支給額は357,400円(前年比-0.3%)と、過去最低水準を更新する見込みだ。もっとも、2012年夏のボーナスと比較して減少幅は縮小するだろう。製造業では増加が見込まれる一方、非製造業では減少するとみられる。

上の表を見れば明らかな通り、最後の三菱UFJリサーチ&コンサルティングを除いて、1人当りの夏季ボーナス支給額はわずかながらも増加すると予想されています。減少を見込む三菱UFJリサーチ&コンサルティングの予想でも、リポートの p.5/8 で「これまでボーナスを支払っていなかった企業が少額ながらも支払うようになることで、全体の水準が押し下げられる可能性がある。とくに、非製造業では雇用の非正規化が進んでおり、ボーナスの水準が低い労働者のウエイトが増すことでも、全体でみた水準が下がることになる。」と結論しており、ポジティブに捉えるべき前者のボーナス支給対象の拡大とネガティブな後者の非正規化の進展、の両者の要因で支給額減少を見込んでおり、決してネガティブ一辺倒というわけでもありません。従って、三菱UFJリサーチ&コンサルティングも含めて、上の表で取り上げた予想各機関すべてが、1人当り支給額と支給対象人数の積で求められるボーナス支給総額は前年比でプラスになると見込んでいます。公務員を含まない厚生労働省の毎月勤労統計と同じ5人以上事業所のベースの前年比で、日本総研が+2.6%増、みずほ総研が+1.9%増、第一生命経済研が+1.7%増、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが+0.7%増と予想しています。支給総額は各機関とも13兆円を超える水準を見込んでおり、昨夏より2000-3000億円増加することになります。それなりの消費拡大効果を持つ可能性があると受け止めています。

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最後に、今夜のエントリーに取り上げた予想の一例ということで、私の実感にかなりよくマッチする日本総研のリポートから (図表4) 賞与支給総額(前年比) を引用すると上の画像の通りです。先に引用した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの主張の通り、最近のボーナスは夏季も年末も支給対象が拡大する一方でパート・アルバイトも含めて加重平均された1人当り支給額は伸び悩んでいたんですが、今夏のボーナスは1人当り支給額も明るい展望が開けるかもしれません。しかし、ボーナス支給総額が前年比で増加する可能性が高いとはいえ、1人当り支給額でも支給総額でも、水準としてはまだまだ低いといわざるを得ません。本格的にデフレから脱却し、お給料の上がる世界を取り戻したい気がします。

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2013年4月15日 (月)

片岡剛士『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書) を読みアベノミクスに関する理解を深める

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片岡剛士『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書) を読みました。上の画像に見える通り、副題は「現在・過去・未来の視点から考える」となっています。実は、明後日の4月17日の発売らしいんですが、ご著者からご寄贈いただいて早めに入手しました。私はこういったご寄贈があった場合はつねに義理堅く対応することにしています。すなわち、極めて貧弱なメディアではありますが、我がブログに読書感想文を掲載することにしています。ひょっとしたら、別の方から別の著書もご寄贈いただけることを期待しているわけです。なお、この本は出版社のサイトにはまだ現れていないので、ご著者のお勤め先のシンクタンクのパブリシティのサイトから内容紹介を引用すると以下の通りです。なお、本のカバーの見返しにある内容紹介と基本的には同じです。「ですます」調と「である」調の違いだけだったりします。

アベノミクスのゆくえ
アベノミクスとも言われる「大胆な」金融政策、「機動的な」財政政策、「民間投資を喚起する」成長戦略の3つの経済政策への期待感は、現在、将来の予想が重要な材料となる株式市場や為替市場の活況という形で表れています。
一方で、例えば「大胆な」金融政策は長期金利の急騰や行き過ぎたインフレをもたらすのではないか、結局賃金上昇という形で国民に恩恵が行き渡らないのではないかといった不安の声も聞こえます。
このような期待と不安が入り混じる現状において、アベノミクスをどう評価すれば良いのでしょうか?
本書は、アベノミクスを支える"3本の矢"の現状評価と今後のゆくえを、精緻な分析によって論じています。

さらに、本書の章別の構成は以下の通りです。

はじめに
アベノミクスの衝撃
第1章
日本経済の現状
第2章
日本経済を考えるための視点
第3章
過去から考える日本経済
第4章
未来から考える日本経済
おわりに
アベノミクスのゆくえ

アベノミクスの中核をなすリフレ派の経済学を解き明かし、非常によくまとまった好著です。過去を振り返って、いかにデフレが日本経済の成長や国民生活の改善を阻害して来たか、日本銀行がいかに誤った金融政策を実行してデフレ・レジームを強化する結果につながったか、ほかにもいろんな論点がありますが、とても分かりやすく解説を加えています。しかし、アベノミクスの単なる提灯持ちになっているわけでは決してなく、いかにも慶応ボーイらしくというか、辻村教授の説を引きつつ、現時点までのアベノミクスでは格差是正の観点が弱いと批判も忘れていません。また、p.201 で明らかにされている通り、アベノミクスの「3本の矢」は、実は、「1本の矢」であり、アベノミクスの本質は大胆な金融政策であると喝破しています。この点については、100パーセント私も同意します。しかし、本書では金融政策以外の「2本の矢」である財政政策については消費税率引上げの時期について議論し、成長戦略でもTPPを分析するなど、タイトルに即した目配りを忘れていません。
私自身は割りと消去法的に、というか、安倍総理の所信表明演説の「これまでの延長線上にある対応では、デフレや円高から抜け出すことはできません。」との考え方を出発点にしているに近いんですが、地方大学に出向して就職に苦しむ学生諸君を見たりするにつけ、少し前までの日銀の金融政策では展望が開けないとの思いを強くし、日銀のトラック・レコードの悪さをここまでかばい立てする政府やメディアの論調に違和感を覚えており、残された政策はリフレ策しかないと考えていたところ、本書は実に体系的にリフレ政策を解き明かしてくれています。
「おわりに」では、pp.322-28 で行き過ぎたインフレ、金利上昇による財政圧迫、バブルの懸念、資金需要は活性化するか、賃金が上昇しない懸念、円安による貿易赤字の拡大、といった一般に懸念されている6つの疑問に答えています。これら6点のうち、少なくとも、私でも直感的に金利上昇による財政圧迫は起きないことは理解できます。金利上昇とは国債価格の下落であり、国債価格が下落すれば日銀が買支えを行うでしょうから、そんなことは起こり得ません。「黒田プット」という言葉も見かけるくらいです。それから、賃金と物価の因果関係というか、経済学ではホントの科学的な因果関係というよりも、時系列的な先行性をもってグレンジャー因果と呼ばれる関係を計測したりするんですが、少なくとも、1970年台前半の第1次石油危機の時は、外生的なショックにより物価が大きく上昇し、それに続いて、すなわち、物価上昇を後追いする形で賃金が上昇してホームメード・インフレになったのは、エコノミストでなくても記憶している人は、年配者であれば少なくないと思います。
なお、少しは私も勉強しているところを見せると、p.223 から「異なる政策決定主体が固有の認識に基づいて行動を行うと、連携強化を図ったはずが、逆の方向に政策を動かしていく可能性」について論じられており、結論としては、政府が目標を決定し、日銀が手段の決定において政府から独立する、ということになっています。私の専門にやや近い分野で、多国間のマクロ経済政策協調においても、同様に、認識の差が逆の結果をもたらす現象が生じることがあります。おそらく、著者はご存じなんでしょうが、前提とするモデルに関する認識の差があれば、政策協調によりまったく逆の結果が生じる可能性があることは、以下のフランケル教授らの古典的な論文により常識とされています。ご参考まで。

最初に書いた通り、リフレ政策を理解し、アベノミクスに関する認識を深めるための好著です。表現や解説も平易で、経済学に関する深い知識があるに越したことはありませんが、多くのビジネスに関わる人々にも取り組みやすい内容となっています。私はこの週末に一気に読み切りました。新書版という手軽なサイズとお手ごろ価格ですし、もちろん、図書館にも所蔵されることと思いますので、多くの方が手に取って読むことを願っています。

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2013年4月14日 (日)

あっぱれルーキー藤浪投手、初勝利と初打点おめでとう!

  HE
D e N A000000000 082
阪  神00013000x 470

何といっても黄金ルーキー藤浪投手に尽きます。ピッチングは6回を5安打無失点に抑えて、5回ウラの打席ではセーフティ・スクイズまで決めました。今後もローテーションをしっかり守り、日曜日の顔になってほしいものです。欲を言えば7回まで投げてほしかった気はしますが、黄金ルーキーの初勝利に向けてチームとしても万全のリレーで石橋を叩いた、といったところなんでしょう。7安打で4得点というのも阪神打線にしてはルーキーをよく守り立てたと評価すべきです。守備もまずまずでした。初勝利の関門を抜けたんですから、これから先は「江夏以来」の枕詞が並ぶんではないでしょうか。阪神黄金時代の幕開けを担うピッチャーに育って下さい。

東京ドームのジャイアンツ戦も、
がんばれタイガース!

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冬の間にジワジワ増えた体重を管理する!

昨日までのやや肌寒いお天気から今日は一転していい陽気になり、いかにも春を実感できる気候でした。少し南風が強かったとは思いますが、陽射しが初夏のようで気温も上がりました。

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上のグラフは見れば分かると思いますが、今年に入ってからのボディマス指数(BMI)の推移をプロットしています。なお、私はお風呂上りに体重測定をする習慣ですので昨夜までのデータです。明らかな季節変動として、夏場に体重が落ちて冬には増える、というのがありますが、日次データでもあり季節調整はしていません。この冬もやや体重が増えた気がしていたんですが、黄色い直線で1次の近似線を書き入れてみました。ここ3か月半の短い期間ながら、トレンドは明らかに右肩上がりを示しているようです。そろそろ、ゴールデンウィークを前に、真剣に体重管理に取り組む季節を迎えた気がします。

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2013年4月13日 (土)

魚住和晃『書聖 王羲之』(岩波書店) を読む

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魚住和晃『書聖 王羲之』(岩波書店) を読みました。著者の魚住教授は石川九楊教授などとともに、私がもっとも尊敬する関西書道界の大先生のおひとりです。
よく知られた通り、王羲之はすでに真蹟が散逸しており、何らかの方法で取った摸本しか残されていません。ですから、先生の趣味にもよりますが、私が習っていた際には欧陽詢の「九成宮醴泉銘」をお手本にしていました。王羲之をお手本にしていた人は少ないかもしれません。
私はほのかにしか知りませんでしたが、郭沫若が仕掛けた「蘭亭序」論争については勉強になりました。魚住教授ですらこの説が発表された当時は「蘭亭序」贋作説を支持していたとはしりませんでした。この論争を回顧する中で、書道についての常識ながら知る人の少ない事実として、草書をよりきちんと書いて行書となり、行書をさらに正書化して楷書が成立した、という説明が p.142 以下にあります。多くの人が誤解しているような、楷書を崩して行書ができ、行書をさらに崩して草書ができた、という歴史の流れはまったく逆だということです。
また、p.184 以下の王鐸による王羲之の書法観も極めて勉強になりました。彼の時代あたりから条幅と呼ばれる縦に長い用紙を用いた書法表現が今の展覧会に多く出品されている形式だということは知りませんでした。第6章では我が国の書法に関する考察が加えられ、4世紀初頭に活躍した王羲之の書法を、本当の意味で理解した日本人は8-9世紀の空海まで待たねばならなかった、という説にも感心させられました。そうかもしれません。我が国独自の流儀と考えられる小野道風の仮名書道にも王羲之の流れが連綿と続いていることがよく理解できます。

ハッキリいって、かなり難しくて学術書に近い内容です。さすがに岩波書店、といったところかもしれませんが、その意味で、万人にオススメ出来る本ではありません。それなりの基礎知識と一定の目的意識を持って取り組もうとする人には大いに参考になるいい本です。

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2013年4月12日 (金)

先発メッセンジャー投手のみごとなピッチングでまたまた完封勝ち!

  HE
D e N A000000000 040
阪  神02000000x 280

何といっても先発メッセンジャー投手の見事なピッチングが光りました。打撃陣は2回の2点にとどまりましたが、高校野球を終えた甲子園で阪神は失点しません。
サラリーマンをしていては2回の先制機に間に合うように帰宅するのは難しく、何と、得点機はまったく見られず、ビデオのリプレイを鑑賞するだけでした。余りにも淡々と試合が進み、8時半過ぎには終わってしまいました。もっと得点して欲しいんですが、でも、これが阪神の勝ちパターンなんだという気がします。気にかかるのはどの投手が最初に甲子園で失点するかです。少し楽しみだったりします。

明日も連勝を続けるべく、
がんばれタイガース!

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国際通貨基金 (IMF) 「世界経済見通し」 World Economic Outlook 分析編を読む

やや旧聞に属する話題ですが、一昨日のエントリーの最後で触れた通り、春のIMF世銀総会に合わせて、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook の分析編である第3章と第4章が公表されています。もちろん、分析編だけのpdf ファイルの全文リポートもアップされています。まず、やや長くなりますが、分析編の両章のタイトルとサマリーを IMF のサイトから引用すると以下の通りです。

Chapter 3: The Dog That Didn't Bark: Has Inflation Been Muzzled or Was It Just Sleeping?
This chapter finds that inflation expectations have remained strongly anchored to inflation targets during the Great Recession and the sluggish recovery. Long-term inflation expectations in advanced economies remain close to targets despite wide variation in actual inflation rates. Even in Japan, expectations remain close to the 1 percent target announced in February 2012 despite a prolonged period of deflation. Furthermore, coincident with greater central bank credibility, this anchoring is found to have increased over time.
Chapter 4: Breaking through the Frontier: Can Today's Dynamic Low-Income Countries Make It?
The chapter compares this recent wave of dynamic LICs with the previous wave, primarily dynamic LICs in the 1960s and 1970s, and finds: Important similarities: Both achieved stronger investment rates and export growth than LICs that were unable to takeoff. Striking differences: Today's dynamic LICs sustained growth with much lower economic vulnerabilities than dynamic LICs in the past. This reflects in part greater reliance on foreign direct investment than on debt-financed investment, as well as faster implementation of structural reforms.

私自身は第4章の低所得国の経済開発の議論もとても興味あるんですが、今夜のエントリーでは黒田総裁を迎えた日銀による異次元の金融緩和とも大いに関連しますので、インフレに焦点を当てた第3章を中心に見て行きたいと思います。まず、リポートから第3章冒頭の Figure 3.1. The Behavior of Inflation Has Changed を引用すると以下の通りです。

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上のパネルは先進国のインフレ率の推移です。読み取るべきポイントは2つあり、第1に景気循環が何循環かしたにもかかわらず、インフレ率は景気循環に影響されず横ばい状態で大きな変化はありません。第2に日本だけマイナスのデフレを続けており、物価安定を達成できていません。下のパネルも同じ意味であり、Great Recession 期に失業率がかなり上昇したにもかかわらず、物価上昇率は従来の景気後退期に比べて落ちませんでした。しかも、物価上昇率は金融政策当局が明示的あるいは暗黙のうちに目標にしているインフレ率周辺で落ち着いています。要するに、縦軸を賃金ではなくインフレ率とする拡大フィリップス曲線の傾きが緩やかになった可能性が示唆されていると理解すべきです。

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次に、上のグラフはリポートから第3章の Figure 3.3. Current Headline Inflation Compared with Expectations を引用しています。今度は横軸に実際のインフレ率、縦軸に期待インフレ率を取ってプロットしています。45度線よりもフラットになっているのが見て取れます。普通は暗黙のうちにx軸が原因で、y軸が結果であると関数 y=f(x) のような因果を想定するので、そのような見方をすれば、実際にインフレ率が変動しても期待インフレ率が実績インフレほどの変動をしない、ということに解釈できます。日本のように物価上昇率を高める努力をしている国から逆に見れば、期待インフレ率をかなり大きく動かさなければ実際の物価上昇が生じない、という可能性も示唆されています。結論として、長期的なインフレ期待がアンカーされていれば、通貨当局は思い切った金融緩和をしても構わない、インフレを懸念する必要は小さい、ということになります。黒田日銀の異次元の金融緩和をサポートしているといえます。もっとも、ドイツ連銀のケース・スタディの結果などから中央銀行の独立性を重視する姿勢を打ち出しています。なお、この分析を基に、The Economist の最新号では "The death of inflation: Central banks in the rich world may have been too successful in subduing price pressures" と題する記事を掲載しています。ご参考まで。

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第4章に入って、リポートから Figure 4.2. Frequency of New and Ongoing Takeoffs in Low-Income Countries を引用すると上の通りです。特に真ん中のパネルが見やすいんですが、2000年のミレニアムの少し前から低所得国の「離陸」 "takeoff" が活発になっていることが読み取れます。戦後の歴史を振り返って、1960-70年台の第1波で成長率の離陸を果たした低所得国と違って、1990年代なかば以降の第2波で離陸した低所得国について、高成長が長い期間にわたって持続していること、1次産品に依存した高成長ではなく製造業の役割が高まっていること、などが特徴として上げられています。必ずしも手放しで楽観できるわけではありませんが、低所得国が離陸を果たしたとしても、インフレが高進したり、対外債務が積み上がったりするリスクは以前に比べて小さいと指摘しています。

IMF の「世界経済見通し」のコアとなる第1章と第2章の見通し編は4月16日発表とアナウンスされています。公表された後、このブログでも取り上げたいと思います。

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2013年4月11日 (木)

先発榎田投手がゼロに抑え、クリンナップが3打点でジャイアンツにカード勝越し!

  HE
読  売000000000 020
阪  神10100001x 380

何といっても先発榎田投手の見事なピッチングとクリンナップの3打点が圧巻でした。もちろん、クリンナップの前に効果的に出塁した1-2番打者の働きも素晴らしかったです。ダメ押しだの福留選手は外野守備でも華麗なダイビング・キャッチを見せてくれました。
さすがにサラリーマンをしていては6時に帰宅するのは難しく、1回の鳥谷選手の先制打こそ見逃したものの、3回のマートン選手のタイムリー、5回守備での福留選手のダイビング・キャッチ、8回の同じく福留選手のダメ押しタイムリー、と得点は少ないながらも打線と守備陣はまずまずの働きですが、何といっても、この巨人戦3連戦は30イニングスをゼロに抑え切った投手陣の踏ん張りが大きかった気がします。当たり前のことですが、昨日の試合も含めて、投手陣がゼロに抑えてくれれば負けることはありません。新戦力が多いとはいえ、得点力のないのが阪神の泣きどころです。投手陣への負担は大きくなりますが、この3連戦のような試合でシーズンを乗り切って下さい。

明日からのDeNA戦は3連勝目指して、
がんばれタイガース!

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本日発表された機械受注統計調査の結果から何を読み取るべきか?

本日、内閣府から2月の機械受注統計が発表されました。統計のヘッドラインとなるコア機械受注、すなわち、船舶と電力を除く民需は季節調整済みの系列で見て前月比+7.5%増の7038億円となりました。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注、前月比7.5%増 1年8カ月ぶり伸び率
内閣府が11日発表した2月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比7.5%増の7038億円となった。増加は2カ月ぶりで、増加率は2011年6月以来1年8カ月ぶりの大きな伸び。ただ、前月比13.1%の大幅減だった1月からの反動増としては小幅な伸びにとどまった。
2月実績は日経グループのQUICKが10日に集計した民間エコノミストの予想(7.4%増)にほぼ沿う結果だった。内閣府は昨年12月に「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に引き上げた基調判断を2カ月連続で据え置いた。
民需の内訳を見ると、製造業が8.6%増の2788億円と2カ月ぶりのプラス。非製造業(船舶・電力を除く)は0.6%増の4125億円と3カ月ぶりのプラスだった。100億円を超える大型案件は官公需や外需など合わせて7件となり、前月のゼロ件からは持ち直した。
業種別にみると「その他製造業」や電気機械、非鉄金属などが伸び全体の数字を押し上げた。火水力原動機などの大型案件があったことが影響した。一方、非製造業では12業種中9業種で前月比マイナスになるなど、受注が減った業種が多かった。
昨年12月時点での今年1-3月期の船舶・電力を除く民需の見通しは前期比0.8%増と、2四半期連続の増加予想となっている。見通しを達成するには3月単月で20.7%、前期比プラス圏になるにも前月比18.1%という過去にない高い伸びが必要で、「達成は難しい」(内閣府景気統計部)。
これまでの株高や円高修正の流れを受けて企業の景況感は上向いているが、現実に企業が設備投資などを増やすには、なお時間がかかりそうだ。

いつもながら、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその後方6か月移動平均を、下のパネルは需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。いつものお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の山は2012年3月、谷は2012年11月であったと、それぞれ仮置きしています。

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船舶と電力を除く民需のコア機械受注は季節調整済み前月比でほぼ市場の事前コンセンサスにミートしました。大きなサプライズはなかったといえます。統計作成官庁の内閣府も基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」で据え置いています。しかし、昨年10-12月期のGDP統計などで示された企業活動の弱さを払拭するには至らなかったと私は受け止めています。すなわち、企業活動はまだ弱いままだということです。コア機械受注も後方6か月移動平均で見てまだ下向きのトレンドを示しており、昨年のミニ景気後退から脱却したとは言い切れません。従って、引用した記事にもある通り、昨年12月調査の時点では、今年2013年1-3月期は前期比でプラスが予想されていたんですが、現状では達成が難しいようです。アベノミクスによるマインドの改善が実体経済のハードデータに現れるにはまだ時間がかかりそうです。気がかりなのは賃金と夏季ボーナスの動向です。

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ついでながら、日銀から発表された企業物価 (CGPI) の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。最新値は3月の統計です。国内物価はまだマイナスが続いていますが、季節調整していない原系列の統計ながら、国内物価の前月比は円高修正の進展などにより昨年12月から4か月連続でプラスとなっています。現時点では原材料価格の上昇が中心です。

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2013年4月10日 (水)

アジア開発銀行の「アジア開発見通し」 Asian Development Outlook 2013 のポイントやいかに?

昨日、アジア開発銀行 (ADB) から「アジア開発見通し」 Asian Development Outlook 2013: Asia's Energy Challenge が発表されています。もちろん、pdf の全文リポートもアップロードされています。今夜はリポートの中心となる第1章 Asia builds momentum amid global doldrums から図表を中心にいくつかピックアップして、簡単にリポートの経済見通しのさわりだけ振り返っておきたいと思います。

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まず、ヘッドラインとなるアジア新興国・途上国の成長率は今年2013年+6.6%、来年2014年+6.7%と見込まれています。リポートから p.4 の 1.1.2 GDP growth and inflation, developing Asia を引用すると上の通りです。なお、大雑把に過ぎる気がしますので、上の画像をクリックするとリポート p.289 Table A1 Growth rate of GDP (% per year) だけを抜き出した pdf ファイルが別タブで開きます。国別成長率の詳細を見ることが出来ます。欧州をはじめとする海外経済の鈍化を主たる要因としてアジアの新興国・途上国の成長は2012年にはやや減速していましたが、今年から来年にかけて成長率が持ち直すとともに、成長率の上昇につれてインフレ率も緩やかに上昇すると見込まれています。

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他方、アジア新興国・途上国は外需に依存した成長から消費などの内需に牽引された成長に移行する姿が予想されており、上のグラフの通り、経常黒字は徐々に縮小すると見込まれています。リポートから p.8 の 1.1.8 Current account balance, developing Asia を引用しています。ただし、引用はしませんが、その次のグラフ 1.1.9 World current account balance で示されている通り、中国や中国以外のアジア新興国・途上国も含めて経常黒字の世界シェアは、リーマン・ショック前に比べると低下しているものの、まだまだ高水準を維持しています。
適当なものがないのでグラフは引用しませんが、第1章で興味深いのは pp.18-24 の Managing capital flows under quantitative easing と題する節です。先進国の金融緩和、特に量的緩和がアジア新興国・途上国の経済や金融市場にどのような影響を及ぼすかについて、米国連邦準備制度理事会 (FED) による政策変更などのイベント・ダミーを用いたモデル分析を行なっています。例えば、2008年12月16日に連邦公開市場委員会終了後に量的緩和のステートメントが発表されると、日本を含むアジア諸国の通貨は中国と香港を除いて2-5%増価した、との結果が示されていますし、一般的に、米国の量的緩和策強化のイベントによる米国金利とVIX指数の低下はアジア諸国の金融市場の緩和につながった、と結論されています。常識的な結果だと思いますが、モデルで量的に確認した、といったところに意味があるのかもしれません。これらの分析を基に、先進国における金融の量的緩和に対して、以下の3点が政策対応として重要であると結論しています。

  • Strengthened macroprudential policies.
  • Improved monitoring of asset markets.
  • Reserves maintained in line with increasingly volatile financial flows.

リポートでは pp.27-28 にかけて、Risks to the outlook として以下の4点を上げています。3点目には尖閣諸島や竹島も含まているんでしょうか。

  • Unresolved fiscal drag in the US.
  • Austerity fatigue in the euro area.
  • Border disputes in Asia.
  • Potential spikes in oil prices.

見通し編の第1章ではこの他に、アジア新興国・途上国の成長が1次産品に依存するようになっている事実に目を向けるよう促したり、東南アジアの経済統合を分析したり、「中所得国の罠」に陥らないように教育を重視する方向を打ち出したり、補論で先進国経済や商品市況を論じたり、さらに、分析編の第2章ではエネルギー問題を取り上げ、加えて、地域編の第3章では各国経済見通しを詳細に展開したりと、いつもの通りの詳細な内容を含んでおり、300ページを超えるリポートをこのブログで網羅的に報告することはとても出来ません。特に今夜は帰宅が遅くなり、このあたりで力尽きました。

最後に、昨日、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook の分析編が公表されています。インフレと低所得国の成長のダイナミズムを取り上げています。国際機関のリポートを取り上げるのが少しずつ遅れ始めましたが、日を改めて取り上げたいと思います。

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2013年4月 9日 (火)

先発能見投手の見事なピッチングでジャイアンツに完封勝ち!

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読  売000000000 050
阪  神00000200x 270

何といっても先発能見投手の見事なピッチングにつきます。
7時前に帰宅すると、4回5回のチャンスを逃し、嫌なムードになりかけていたところに、マートン・福留の連続タイムリーで得点し、そのまま能見が完封でした。シーズン明けてから負けのなかったジャイアンツに土をつけたのは、やっぱりタイガース、中でも能見投手でした。当然です。なお、先ほどのエントリーで「勝率がすべてと言い切る自信もありません」と書きましたが、やっぱり勝負事は勝たないとダメです。明日も勝って欲しいものです。

ということで、
がんばれタイガース!

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西内啓『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社) を読む

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西内啓『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社) を読みました。まず、何はともあれ、出版社のサイトから本の内容紹介を引用すると以下の通りです。

内容紹介
統計学はどのような議論や理屈も関係なく、一定数のデータさえあれば最適な回答が出せる。そうした効能により旧来から自然科学で活用されてきたが、近年ではITの発達と結びつき、あらゆる学問、ビジネスへの影響力を強めている。こうした点から本書では統計学を「最強の学問」と位置付け、その魅力と可能性を伝えていく。

面白い本です。横断的な学問としての統計学を「最強の学問」と位置づけ、高給取りが延々と会議に費やして得た結論よりも統計的な推論の方が圧倒的に正確かつ安価であることを主張しています。その通りだと思います。マイケル・ルイスの原作がブラッド・ピットの主演で映画化された「マネーボール」についても本書で触れられていますが、基本的な思想はまったく同じと考えてよさそうです。もっとも、私は原作は読みましたが、映画は見ていません。ところで、私は官庁エコノミストらしく、というか、何というか、実は統計局に勤務していた経験があります。霞が関から遠く離れて新宿区の若松町に庁舎があったりします。悉皆調査の国勢調査は別にして、その他ほとんどのサンプル調査は国勢調査を基にしたランダム・サンプリングで作り上げたミニ・ジャパンをくまなく調査し、自動的にオール・ジャパンが推計されるという手法です。しかしながら、本書では、この政府統計や業界統計を活用するというよりも、自ら必要なランダム化した統計調査を行い、かつ、自ら評価することに主眼が置かれています。
統計的な調査と推論については、おそらく、本書はほぼ100パーセント正しいと私は受け止めています。そして、企業における利益の最大化や医療現場における致死率や罹患率の最小化など、明確に数字で規定できる目標に向かう上で統計学が「最強の学問」であることは疑いの余地はありません。困るのは数値化できない何らかの目標に対して統計学が必ずしも有効ではない可能性が残されていることです。「マネーボール」は実はその典型のひとつです。野球チームの勝率を目標変数にすれば統計学は「最強」かもしれませんが、野球としての面白さという数値化できない観点からは「マネーボール」的な野球は面白くない可能性が残されています。プロ野球チームの収益に対して勝率なのか、面白さに基づく観客動員数やグッズの売上げなのか、いずれが貢献するかは不明ですが、勝率が大きな要素であることは私も認めるものの、阪神ファンだからということも含めて、勝率がすべてと言い切る自信もありません。これは我々個々人の人生にも当てはまります。経済学では単純に生涯の消費流列の現在割引価値を最大化することを目標変数に据える場合が多いような気がしますが、それがすべてとも思えません。統計学の限界も知るべきかもしれません。他方、本書の最初の方でシニカルに取り上げられているビッグ・データはものすごく多くの変数をモデルに取り込んでものすごく多くのパラメータを推計することにより、この数値化できない目標という難題を解決してくれる可能性を秘めていると私は理解するんですが、著者のビッグデータに対する見方は冷ややかなようです。ということで、ビッグデータに関する著者の見方に同意できない点がいくつか残るものの、流行りの面白い本です。今年前半のビジネス書としては一番かもしれません。多くの図書館に所蔵されていることと思います。読んでおいて損はありません。

なお、アジア開発銀行 (ADB) から「アジア開発見通し」 Asian Development Outlook 2013: Asia's Energy Challenge が発表されています。早く目を通して近いうちに日を改めて取り上げたいと思います。

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2013年4月 8日 (月)

景気ウォッチャーはさらに上昇して過去最高を記録し、経常収支はまたしても赤字に転じる!

本日、内閣府から3月の景気ウォチャー調査の結果が、また、財務省から2月の経常収支が、それぞれ発表されました。景気ウォッチャーの現状判断DIは前月比+4.1ポイント改善の57.3となり5か月連続で上昇し、経常収支は季節調整済みの系列で見て▲1億円の小幅な赤字を記録しました。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

3月の街角景気、過去最高に並ぶ 5カ月連続で改善
先行きには懸念も

内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比4.1ポイント上昇の57.3で、2006年3月に付けた過去最高水準に並んだ。改善は5カ月連続。株高を背景に消費者の購買意欲が改善したほか、円安を追い風に製造業など企業のマインドが上向いた。
一方、2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は0.2ポイント低下の57.5と、5カ月ぶりに悪化した。急速に進んだ円安を受けて原材料や燃料の価格上昇によるコスト増を懸念する声が増えてきた。内閣府は基調判断を「持ち直している」で据え置いた。
現状判断指数は家計、企業、雇用の全ての分野で改善。家計動向については「株価の上昇に伴い、美術品や宝飾品などの高額商品が好調に売れている」(近畿の百貨店)、「株価上昇など景気浮揚が動機となった購入もみられた」(北陸の乗用車販売店)との指摘があった。企業動向に関しても「円安が値引きと同じ効果を生み、海外代理店や商社が積極的に販売活動するようになった」(東海の一般機械器具製造業)という。
先行き判断指数は企業動向関連が低下、家計動向関連が横ばいだった。「受注量にさほどの変化はないが、燃料コストアップが影響して、やや悪くなる」(四国の輸送業)、「鉄原材料価格は上昇傾向にあるため、コスト面では厳しくなる」(中国の金属製品製造業)などの声が聞かれた。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。今回の調査は3月25日から月末まで。
経常収支4カ月ぶり黒字 2月は6374億円
財務省が8日発表した2月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は6374億円の黒字だった。黒字は4カ月ぶり。円高是正などで所得収支の黒字幅が拡大し、液化天然ガス(LNG)など燃料輸入の増加による貿易収支の赤字を補った。
ただ、季節調整済みの経常収支は1億円の赤字で、統計として連続性のある1996年以降では、昨年9月以来の2度目の赤字となった。他の月より少ない2月の日数を他月同様に平準化した結果、貿易収支の輸入増分が増幅された。
貿易収支は、輸送の保険料や運賃を含まない国際収支べースで、6770億円の赤字。中国や欧州連合(EU)向けに輸出が減少した一方、LNGなど燃料を中心に輸入が増加したため、8カ月連続の赤字となった。
一方、所得収支は1兆4074億円の黒字で、黒字幅は前年同月に比べ13.1%増えた。海外企業による配当金・配分済み支店収益の支払いが減り直接投資収益が増えたうえ、円高是正で配当金や利子などの受け取りが増えた。
旅行や輸送動向を示すサービス収支は536億円の赤字で、赤字幅は縮小。中国の春節など訪日外国人旅行者が前年同月より増えて旅行収支が赤字幅を縮小したほか、特許使用料や仲介貿易の受け取りなどその他サービス収支が黒字幅を拡大した。
財務省国際局は経常収支の先行きについて「内外の経済情勢、為替、LNGや原油価格の動向等、特に貿易収支の影響が大きい。今後の動向等を注視する必要がある」としている。

いつもながら、どちらの記事もとてもよくまとまっているという気がします。続いて、景気ウォッチャーの現状判断DIと先行き判断DIのグラフは以下の通りです。影をつけた部分は景気後退期ですが、いつものお断りで、このブログのローカル・ルールとして直近の景気の山と谷は2012年3月と2012年11月と仮置きしています。

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現状ではアベノミクスの効果によるハードデータのエビデンスはそう多くないんですが、マインドの改善によるソフトデータは大いに改善を示しています。その典型が来週発表の消費者態度指数と上のグラフで示した景気ウォッチャーです。グラフを見て明らかな通り、現状判断DIはさらに大きくジャンプしています。家計にとって重要な収入源のひとつである雇用判断DIが改善し、それが消費者の購買意欲に結びつく形で全体的に景気判断DIが改善しています。もちろん、円高修正が企業収益の改善につながる効果がバックグラウンドにあります。他方、意外だったのは先行き判断DIが低下に転じた点です。仕入価格や電気料金の上昇等によるコスト増への懸念があって、家計動向部門では横ばいにとどまりましたが、企業動向部門では低下しました。

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続いて、経常収支は季節調整値で見てわずかに赤字で、特に貿易収支については上のグラフの黒い棒グラフで読み取れるように大きな赤字を記録しました。財の輸出が季節調整済み前月比▲2.7%減少した一方で、輸入は+5.6%の増加を示し、貿易赤字は▲1兆1,414億円に拡大しています。基本的には、円高修正に伴うJカーブ効果なんですが、商品市況の高止まりに伴う燃料価格による赤字圧力も依然として根強いものがあります。ただし、サービス収支の赤字は1月統計から半減しており、円高修正の赤字圧縮効果が出始めている可能性も否定できません。なお、経常収支はこのブログではいつも季節調整済みの系列で見ていますので、引用した記事とは少し印象が異なります。毎月の統計はどうしてもそうなりますが、下のグラフに示したように、大きな傾向として季節調整済みの系列と原数値は、当然ながら、同じ方向を向いています。すなわち、2010年年初を経常黒字のピークとして、ゆっくりと黒字幅を縮小させる方向にあります。

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このブログではいつも国際収支のうちの経常収支だけに着目しているんですが、資本収支のうちの株式投資収支は季節調整していない原系列の統計ながら、昨年10月から5か月連続の黒字、すなわち、海外からの資本流入を記録しています。外国人投資家の活発な買いが株高をサポートしているのかもしれません。

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2013年4月 7日 (日)

春休み終盤に「春の嵐」の荒れたお天気の日曜日をゆったりと過ごす

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今日は、東京では雨こそ降りませんでしたが、南風が強くて荒れたお天気でした。上の天気図は日本気象協会のサイトから拝借していますが、今日の午後3時時点の実況図なので、すでに新しいのに替わっているかもしれません。
日曜日で特にすることもないので、午前中は近くの図書館に行って本を借りて読み、午後からはプールでゆったりと泳いで来ました。ご近所のみなさんもすることがないのか、プールはいつもより人出が多く、私は気が乗れば2時間くらいいるんですが、今日は1時間余りで早々に帰宅しました。

明日から学校が始まるお子さんも多いと思います。我が家の子供達の春休みも終盤です。

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2013年4月 6日 (土)

やや弱めに出た米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国労働省から3月の米国雇用統計が発表されました。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数の前月差は季節調整済の系列で+88千人増にとどまった一方で、失業率は0.1%ポイント低下して7.6%になりました。まず、New York Times のサイトから記事をいつもよりかなり長めに最初の11パラを引用すると以下の通りです。

Hiring in U.S. Tapers Off as Economy Fails to Gain Speed
It looks as if the spring swoon is back.
American employers added an estimated 88,000 jobs to their payrolls last month, compared with 268,000 in February, according to a Labor Department report released Friday. It was the slowest pace of growth since last June, and less than half of what economists had expected.
It also was the start of a third consecutive spring in which employers tapered off their hiring after a healthy start to the year. Slowdowns in the previous two years could be attributed to flare-ups in the European debt crisis, but this time the cause is less obvious. The recent payroll tax increase or other fiscal tightening in Washington could be partly to blame for the sudden retreat in hiring, but neither seems to be showing up much yet in other relevant economic data.
"People were starting to believe the economy was really picking up steam, and desperately wanted this report to be better," said Joshua Shapiro, chief economist at MFR Inc. "But that didn't happen."
Economists like Mr. Shapiro cautioned that the numbers, which are adjusted for normal seasonal variations, are volatile from month to month and are still subject to revision.
Nonetheless, the closely watched monthly jobs report was discouraging.
The unemployment rate, which comes from a different survey, ticked down to 7.6 percent in March, from 7.7 percent, but for the wrong reason: because more people reported dropping out of the labor force (meaning they are neither working nor looking for work), not because more people were hired.
The labor force participation rate has not been this low - 63.3 percent - since 1979, a time when women were less likely to be working.
Baby boomer retirements may account for part of the slide, but pessimism about job prospects in a mediocre economy still seems to be playing a large role, economists say.
"The drop in the participation rate has been centered on younger workers," said Mr. Shapiro, "many of whom have given up hope of finding a decent job and are instead continuing in school and racking up enormous amounts of student debt, which has contributed to the recent surge in consumer credit outstanding."
Investors initially responded to the jobs report by sending the major stock market indexes down more than 1 percent. But as the day went on, strategists sent out reports noting that the economic slowdowns in previous years ended up being temporary. The Standard & Poor's 500-stock index climbed back to end the day down only 0.4 percent.

続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際に乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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米国雇用者数のプラス幅は昨年年央から先月まで月100千人をかなり上回って推移しており、特に、昨年12月から今年2月までの4か月は月平均200千人近くの増加を続けていましたが、3月統計では前月差+88千人増と急ブレーキがかかりました。大きくはないものの、連邦歳出の強制削減の影響も見られます。他方、失業率は0.1%ポイント低下しました。大雑把にいって、米国の雇用は堅調と私は考えていますが、手放しで安心できるわけでもありません。3月統計では教育やヘルスケアが引き続き順調に雇用を拡大している一方で、小売業や建設業や製造業がやや不振でした。

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非農業部門雇用者数がまずまず増加し失業率も低下している一方で、それでもなおかつ雇用の本格的な回復には至っていないと広く受け止められています。上のグラフはマンキュー教授やクルーグマン教授も着目していて、引用した記事でも触れられている雇用・人口比率をかなり長期にプロットしていますが、現在の景気回復局面でほとんど上昇していないのが見て取れます。

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最後に、デフレとの関係で私が気にしている時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見てほぼ底ばい状態が続いていて、サブプライム危機前の3%台の水準には復帰しそうもないんですが、底割れして日本のようにゼロやマイナスをつける可能性は小さそうに見えます。

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2013年4月 5日 (金)

景気動向指数に見る我が国景気の現状やいかに?

本日、内閣府から2月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなるCI一致指数は前月から+0.5ポイント上昇の92.1となりました。内閣府は基調判断を「悪化」から「下げ止まり」に上方修正しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

2月の景気先行指数、5年4カ月ぶり高水準
内閣府が5日発表した2月の景気動向指数(2005年=100、速報値)によると、数カ月先の景気動向を示す先行き指数は97.5となり、2007年10月以来5年4カ月ぶりの高水準となった。前月と比べて2.5ポイント上昇し、改善幅も過去4番目の大きさだった。円安・株高が進むにつれ、企業や家計の不安が和らぎ、景気回復への期待が高まりつつある。
先行指数の上昇は3カ月連続。先行指数を構成する9指標のうち7つが改善した。上昇への寄与度を見ると、中小企業の売り上げ増加に対する期待を示す項目が大きく改善した。株価上昇や、家計の消費者心理の改善も寄与した。
現状を示す一致指数も92.1となり前月から0.5ポイント改善した。一致指数から算出した景気の基調判断は「下げ止まり」となり、前月の「悪化」から改善した。基調判断が上方修正されるのは1年ぶり。一般機械や非鉄、自動車などの業種で軒並み出荷が改善したことが寄与した。一方、生産は回復基調にあるものの、1-2月はやや停滞した。
政府が3月の月例経済報告で示した景気の総合判断は「持ち直しの動き」。景気一致指数に基づき機械的に出す判断は「下げ止まり」でやや開きがある。足元の景気回復が円安・株高による期待先行を脱し、実体経済を底上げするには少し時間がかかるとの見方もある。

いつもの通り、よくまとまった記事だという気がします。続いて、景気動向指数の推移をプロットしたグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、直近の景気の山と谷は2012年3月と2012年11月とそれぞれ仮置きしています。

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CI一致指数よりも先行指数のほうが大きく上昇しています。2月速報では2.5ポイント上がって97.5に達しました。3か月連続の上昇です。上のグラフで見ても、先行指数の上昇幅のほうが一致指数よりも大きくて、アベノミクスに対する期待先行のようすがうかがえます。というのは、CI先行指数には中小企業売上げ見通しD.I.というマインドを取ったソフトデータが入っており、2月統計の速報段階ではこの寄与度がもっとも大きくなっていますが、CI一致指数にはマインドを表わすソフトデータは取り入れられていませんから、アベノミクスの期待が先行しているとの解釈が成り立ちます。CI一致指数のコンポーネントでプラスの寄与が大きいのは、製造業の中小企業出荷、鉱工業生産財出荷、輸送機械を除く投資財出荷となっています。現象面では直接的には在庫調整の進展なんでしょうが、昨年暮れ以降のアベノミクスによる円高修正の恩恵を受けているんだろうと私は考えています。ただし、アベノミクスがもたらしたもうひとつの株高については、日本の場合、株高は資産効果というよりもマインドの改善から消費拡大につながるように私は考えていて、CI一致指数に採用されている耐久消費財はそこそこプラスに寄与している一方で、商業販売統計の小売販売は増加していません。まだまだ、デフレに起因する価格の先安感の払拭が十分ではないのかもしれません。

景気動向指数では、マインドを示すソフトデータをコンポーネントに含めているのは先行指数だけであり、一致指数と遅行指数はハードデータだけで成り立っています。今後、マインド向上がハードデータにどのような波及を見せるかをチェックしたいと思います。

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2013年4月 4日 (木)

黒田総裁の率いる日銀金融政策決定会合をどう評価するか?

昨日から開催されていた注目の日銀金融政策決定会合が本日終了しました。黒田総裁以下、総裁と副総裁3人が3月に就任してから初めての会合で、「量的・質的金融緩和」を決定し、金融政策の指標をこれまでのオーバーナイト・コール金利からマネタリーベースにレジーム転換するとともに、政策指標のマネタリーベースを今後2年間でほぼ2倍に拡大するという野心的な目標を掲げました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

日銀、新たな緩和策決定 資金供給2年で2倍に
日銀は4日開いた金融政策決定会合で、2%の物価上昇率目標の達成へ新たな量的金融緩和策を決めた。金融緩和の指標をこれまでの翌日物金利からマネタリーベース(資金供給量)に変更し、2012年末に138兆円だった資金供給量を14年末には約2倍の270兆円に拡大する。長期国債の購入量も2年で190兆円と2倍強に増やす。上場投資信託(ETF)などリスク性資産の購入も増やす。
新たな緩和策は「量的・質的金融緩和」と名付けた。2%の物価目標は今後2年程度を念頭として実現を目指す。白川方明前総裁時に導入した「資産買い入れ基金」による緩和方式は廃止し、長期国債の買い入れは金融市場の調節に使う「通常の国債購入枠」と一本化して日銀のバランスシート上に明示する。国債の買い入れ増大に一定の歯止めをかけてきた「日銀券ルール」は一時停止する。
黒田東彦総裁にとっては初の決定会合となった。政府からは甘利明経済財政・再生相らが参加した。午後に黒田総裁が記者会見し、政策決定の背景や理由を説明する。
資金供給量を指標とした新たな緩和方式は「量的な金融緩和を推進する」として導入する。資金供給量を年60兆-70兆円ずつ増やす予定で、12年末に138兆円あった資金供給量を13年末に200兆円、14年末には270兆円に増やす。
長期国債の購入量は12年末の89兆円から13年末には140兆円、14年末には190兆円に増やす。ETFは保有残高が年1兆円ずつ増えるよう買い入れを進める。
国債の購入枠も統合する。従来の基金と通常枠による「二本立て」の資産購入では、日銀の緩和姿勢が伝わりにくく、緩和効果をそいでいるとの批判があった。統合で日銀の緩和姿勢を市場にわかりやすく示し、緩和効果を高める狙いがある。
金融緩和の継続時期については「安定的に持続するために必要な時点まで」とした。

黒田総裁就任後初めての金融政策決定会合ですから注目度も高かったんですが、いくつかのポイントがありました。第1に、レジーム転換です。金利から資金供給量に金融政策の指標を転換しましたので、これはクリアということになります。簡単に済ませておきます。第2に、補完当座預金制度、すなわち、超過当座預金への付利の撤廃です。準備預金=当座預金への需要関数を考慮すれば、政策金利のフロアとなります。しかし、これは見送られたようです。なお、1月21日付けのエントリーでも紹介しましたが、超過準備への付利と政策金利との関係については、当時の理事長だった深尾教授が解説した「深尾光洋の金融経済を読み解く」という日経センターのコラムが詳しいです。第3に、銀行券ルールは撤廃ではなく、一時的な停止とされました。実行上は差がないともいえますが、撤廃にしなかった理由が私には見当たりません。他にもいくつかの論点があり、例えば、物価だけではなく雇用と合わせた dual mandate については、日銀だけで決められるものではなく、政府との共同声明やアコードが必要でしょうから、今回は取り上げられなかったものと受け止めています。また、レジーム転換に伴って、国債買入れ額の増額や年限の長期化、さらに、ETFやJ-REITの買入れ拡大なども決定しています。まあ、当然といえます。

 2012年末
(実績)
2013年末
(見通し)
2014年末
(見通し)
マネタリーベース138200270
長期国債89140190
CP等2.12.22.2
社債等2.93.23.2
ETF1.52.53.5
J-REIT0.110.140.17
貸出支援基金3.31318
その他とも資産計158220290
銀行券878890
当座預金47107175
その他とも負債・純資産計158220290

ということで、上のテーブルは日銀金融政策決定会合で決定された「量的・質的金融緩和」の p.4 マネタリーベースの目標とバランスシートの見通しを引用しています。さらに、マネタリーベースだけを取り出して、最近10年ほどの実績とともにプロットしたのが下のグラフです。

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ということで、前置きが長くなりましたが、超過準備への付利撤廃を除いて、国債買入れなどの量的な面を見る限り、私の評価はほぼ満額回答と受け止めています。超過準備への付利利率が短期の政策金利のフロアとなっている懸念はありますが、実体経済により大きな影響を及ぼす中長期金利への影響はそれほど大きくないと考えられますし、今までのアベノミクスに対する期待を裏切らない次元の異なる金融緩和だと理解すべきです。ですからこそ、円安と株高と長期金利低下で市場は日銀決定を歓迎しているように見えます。ただし、年間で60-70兆円の国債購入は、中央政府の財政収支赤字約40-45兆円を大幅に超えますから、財政のマネタイゼーションというややピント外れな批判が起こる可能性があります。だからこそ、期限を明示する必要があるわけですが、場合によっては、金融政策はかなりラグが長いですから、気長に政策効果の発現を待つべきかもしれません。

3本の矢のひとつである金融緩和を含めたアベノミクスは、かなりハッキリと肉付けされつつあり、年央のTPPを含む成長戦略で仕上げがなされ、期待先行から実施の段階に入ります。実体経済の拡大と、何よりも雇用の量的かつ質的な改善が実現することを期待しています。

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2013年4月 3日 (水)

「オフィスおやつの実態調査 2013」に見る人気のおやつやいかに?

先週の金曜日3月29日にネットリサーチ大手のネオマーケティングから「オフィスおやつの実態調査 2013」と題する調査結果が発表されています。実は似たような調査結果があり、昨年8月にも同じ会社がオフィスおやつに関して調査していて、私のこのブログでは昨年2012年8月23日付けのエントリーで紹介しています。半年余りしか経過していませんが、私の好きなテーマですので再び取り上げます。まず、調査結果の概要をリポートから引用すると以下の通りです。

◆「オフィスおやつに関する調査」 主な質問と主な回答
【1】 オフィスおやつはアイデアの源!? 約4割の人が効果を実感。
【2】 新入社員は「おやつ待遇」が低い? 入社年次が上るにつれて、おやつを食べやすくなる傾向。

ということで、まず、リポートから「ビジネスタイムの中でおやつを食べる頻度」に関する質問に対する回答の結果が以下のグラフの通りです。

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実は、前回の8月調査の際には「毎日食べる」がわずかに24.5%だったんですが、何と35.8%に跳ね上がっています。グラフは引用しませんでしたが、社会人1年目の新入社員の中ではこの毎日比率が40%を超えて40.6%を占めます。なお、「入社年次が上がるにつれて、仕事中に堂々とお菓子を食べられるようになりましたか。」という質問に対して、「はい」と答えた比率が67%に達しているんですが、実は、もともと若い人のほうがオフィスおやつを食べる頻度が高いのかもしれません。私もガムやキャンディを入れてよければ「毎日」組みです。

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次に、「オフィスでは、どのような種類のおやつを食べますか。」という質問に対する回答の結果をグラフにしたのが上の通りです。やはり、チョコレートが圧倒的な強さを誇っています。それから、上のグラフには入っていないんですが、私は特に春先のこの季節には柑橘系の果物を食べます。長崎に単身赴任していたころ、経済学部の事務長がみかん農家の次男だか、三男だかで、豊富に無料のみかんの供給がありましたし、そうでなくても近くのスーパーなどで東京に比べてとても割安な柑橘系の果物を売っていました。今でも、私は近くの100円コンビニで輸入オレンジを買ってオフィスに持って行ったりしています。なお、グラフは省略しますが、リポートではおやつを買うのはコンビニ、スーパー、ドラッグストアの順と報告されています。

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続けて、「おやつを食べるメリット」に関する質問への回答は上のグラフの通りです。リフレッシュ、リラックス、ストレス解消、効率アップなどが並んでいます。私の場合は、難しい仕事に直面すると、とたんにおやつの消費量が増えましたから、多分、ストレス解消の役割が大きいんだろうと想像しています。もっとも、リポートから引用はしませんが、「Q.仕事中におやつを食べたおかげで、ブレストや会議で、アイディアやひらめきがスムーズに生まれたことはありますか。」との質問に対して「はい」という回答は40%ほどで、残りはアイデアやひらめきは生まれなかったようです。

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「おやつの効果」というか、生理的な効能について、以下の3つの効果を上げて認知度を問うています。すなわち、【冷たいものを摂ると、脳をクールダウンできる】と【糖分を摂ると、脳へのエネルギー補給になり脳の神経細胞を活発に働かせることができる】と【噛みごたえのあるものを摂ると、「前頭前野」を刺激できる】の3点で、そのうちの認知度がもっとも高かった糖分摂取の効果の結果が上のグラフです。特に甘党の間だけでなく、スイーツや甘いおやつが脳に与える効果はオフィスの中ですでにかなり浸透しているのかもしれません。

繰返しになりますが、私は基本的に毎日オフィスでおやつを食べるグループに属しているような気がします。ですから、もとが大柄なせいもありますが、月曜日から金曜日に向けて平日5日で2キロくらい体重が増加することもあります。週末に自転車で走ったり、プールで泳いだりして、体重管理に努めています。

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2013年4月 2日 (火)

毎月勤労統計に見る年末ボーナスの不思議?

本日、厚生労働省から2月の毎月勤労統計が発表されました。通常の賃金や労働時間のほかに、今月は昨年の年末賞与が産業別に集計されています。調査産業全体では年末ボーナスは4年連続の減少で▲1.5%減、36万5687円となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

12年冬のボーナス1.5%減、4年連続マイナス 過去最低を更新
厚生労働省が2日発表した毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、2012年の従業員1人当たり平均の年末賞与(冬のボーナス)は前年比1.5%減の36万5687円で、4年連続のマイナスだった。支給額は比較可能な1990年以降の最低を更新した。
年末賞与は12年11月-13年1月に支給したボーナスを集計したもの。製造業は3.2%減の46万5007円だった。東日本大震災や欧州債務問題、円高により電機など11年度の業績悪化が響き、3年ぶりにマイナスへ転じた。
併せて発表した2月の現金給与総額の平均(速報値)は前年同月比0.7%減の26万2523円で、2カ月ぶりのマイナスだった。相対的に賃金水準が低いパートタイム労働者の割合が増え、全体を押し下げた。
製造業の残業時間などの所定外労働時間は5.8%減の14.6時間と7カ月連続のマイナスだった。一方、季節調整して前月と比べると4.6%増えた。

というわけで、いつもの通り、よくまとまった記事なんですが、今夜のエントリーでは通常のこの統計のヘッドラインとなる賃金や労働時間に加えて、昨年の年末賞与にもスポットライトを当てたいと思います。まず、いつもと同じ毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下は賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。賃金は現金給与総額と所定内給与です。このブログのローカル・ルールで、昨年2012年3月を直近の景気の山、11月を谷と仮置きしています。

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景気に敏感な所定外労働時間については、上のグラフにプロットした5人以上事業所では前月比でかなり増加しましたが、30人以上事業所ではわずかに減少しています。しかし、引用した記事にもある通り、円高修正などのアベノミクスの影響を受けやすい製造業の所定外労働時間が季節調整済の系列の前月比で大きく増加していますので、今後、非製造業などに波及していくことが期待されます。賃金については、先月3月5日のエントリーでも、引用した記事でも、景気回復初期における低賃金の非正規雇用の増加の影響であることは明らかです。景気拡大が継続する中で正規雇用の増加や正規・非正規とも賃金の上昇が望める段階に達するべく金融緩和などの政策対応が必要です。

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次に、上のグラフは最近15年間の夏季と年末の賞与の前年比増減率をプロットしています。ほぼ毎年のように減少しているんですが、特に、2001年のITバブル崩壊の翌年200年と、2008年のリーマン・ショックの翌年の2009年に大きく下がっているのが見て取れます。逆に、2003-06年の長期景気拡大期には下げ止まっており、わずかながら上昇していたりします。ボーナスは前年の業績に大きな相関を持ちますので、昨年2012年のボーナスは2011年の震災や欧州ソブリン危機や円高の進行などで企業業績が悪化したため減少を強いられました。2012年11月の衆議院解散以来のアベノミクスの効果で企業業績が上向き、ボーナスの増加をもたらすことを願っています。

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ということで、上のグラフは昨年2012年の年末ボーナスの額と増減率を産業別にプロットしています。情報通信業や教育,学習支援業がそれなりに高額のボーナスを支給されているのは理解するんですが、電力・ガス業がかなり高額かつ前年より年末ボーナスが増加しているにもかかわらず、電力料金の大幅な値上げが許されるのが私には理解できません。

昨夜の日銀短観に関するエントリーを書き上げるのがやや遅くなり、今日ランチをごいっしょさせていただいた著名エコノミストから理由を追求されてしまいましたので、今夜は早めにアップしておきたいと思います。

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2013年4月 1日 (月)

日銀短観はアベノミクスによるマインド向上で改善したものの少し物足りないか?

本日、3月調査の日銀短観が発表されました。統計のヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは12月調査の▲12から+4ポイント改善して▲8となりました。さらに、先行きは▲1と大きく改善する見込みとなっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

日銀短観、景況感3期ぶり改善 円安・株高追い風
日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業の景況感が3四半期ぶりに改善した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でマイナス8と、12月の前回調査から4ポイント改善した。円高修正や海外経済の持ち直しを受けて自動車などの景況感が上向いた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待から株高も進んでおり、企業心理が好転している。
業況判断DIは景況感を「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。大企業製造業は先行きの業況見通しもマイナス1と上昇を見込む。ただ、3月は市場の事前予想(マイナス7)を下回り、改善幅は小幅にとどまった。設備投資の回復も遅れており、本格的な持ち直しには至っていない。
業種別に見ると、大企業製造業16業種中10業種で業況判断が改善した。自動車はプラス10で前回調査から19ポイントも上昇した。エコカー補助金終了による反動減から持ち直した。円安効果も追い風になっており、業務用機械なども改善した。
ただ円安に伴う原材料の輸入価格上昇を受けて、素材産業では鉄鋼がマイナス38と前回調査から10ポイントも大幅に悪化した。リーマン・ショック後の2009年12月以来の水準に落ち込んだ。
一方、中小企業の製造業では業況判断がマイナス19と、5四半期連続で悪化。円高修正の押し上げ効果は中小にはまだ届いていない。
大企業非製造業の景況感はプラス6と、3四半期ぶりに改善した。12業種中8業種で上向いた。息の長い復興需要や公共投資の拡大により建設はプラス5と1992年以来の高水準となった。金融緩和効果や住宅市場の改善を受けて、不動産も業況判断が4四半期連続で改善した。株価上昇に伴う個人消費の持ち直しを反映し、小売りや宿泊・飲食サービスも改善した。
3カ月先の先行きDIは製造業では大企業で2四半期連続、中小企業も7四半期ぶりの改善を予想する。非製造業では大企業が7四半期ぶりの改善を、中小企業では横ばいを見込む。
3月短観では企業の13年度の業績見通しを公表した。円高修正による収益押し上げ効果を反映し、大企業製造業は13年度の経常利益を前年度比10.9%増と見込む。ただ設備投資計画は前年度比0.7%減と慎重姿勢を崩していない。大企業非製造業の投資計画も2.6%減となった。
事業計画の前提となる想定為替レートは1ドル=85円台と、足元の実勢からは9円程度も円高方向を見込む。足元の円相場の水準が持続すれば、企業収益が上振れする可能性がある。

いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、産業別・規模別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。このブログのローカル・ルールで、昨年1-3月期を景気の山、昨年10-12月期を谷と仮置きしており、以下同文です。

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企業マインドの改善はアベノミクスによる円高修正と株高と公共事業の拡大は筆頭に上げるべきであるとしても、米国と中国をはじめとする世界経済の回復、エコカー補助金終了に伴う反動の緩和、将来に向けた賃金上昇の期待など、さまざまな要素が組み合わさって出た結果であるといえます。ただし、改善テンポは市場で予想されたほどではなく、企業マインドは慎重の域をそれほど出ていないように感じます。先週出た2月の鉱工業生産指数の統計が典型的なんでしょうが、生産の水準がまだまだ低いことに加え、円安に伴う原材料価格の上昇、そして何よりもアベノミクスに伴う円安と株高の持続性に対する疑問も、「高所恐怖症」的にジワジワと出始めている可能性が指摘できます。

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上のグラフは企業規模別に設備と雇用のそれぞれの判断DIをプロットしています。設備と雇用はいずれも要素需要であり、景気にいくぶん遅行すると考えるべきですが、この3月調査の日銀短観ではかなり企業の過剰感が和らいでいます。すなわち、設備についてはまだ水準は高いものの、大企業だけでなく中堅企業や中小企業でも設備過剰感が払拭されつつありますし、雇用については規模の小さい企業で過剰感の払拭どころか不足感が広がり始めています。上のグラフの下のパネルの通りです。大企業の人員過剰感がほぼ払拭された一方で、中堅企業と中小企業では人員不足感が強まり始めていまるのがグラフから見て取れます。

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先週3月26日付けの日銀短観予想を取り上げたエントリーで、私は設備投資計画の3月調査はマイナスでスタートする、と書きましたが、2012年度計画の実績見込の下方修正ととともに、こんなもんだろうと思います。「隣の芝生は青い」の逆ではないんですが、「貴社の景況判断」は「国内の景況判断」からかなり下振れして示され、世間一般で考えるよりも控えめな結果が出がちであることは、3月26日付けのエントリーですでに指摘した通りです。

3月調査の日銀短観が出る少し前に、エコノミストの間で軽いジョークが流行っていて、「日銀短観がどう出ようと金融緩和を強化する方向で解釈される」というものでした。すなわち、強めに出れば「この勢いを削ぐことなく金融緩和に務めるべき」といった論調になり、逆に弱めに出れば「いっそうの金融緩和が必要」といった議論に賛同が集まります。今回は後者の目が出た、といえるかもしれません。

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