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2013年4月 2日 (火)

毎月勤労統計に見る年末ボーナスの不思議?

本日、厚生労働省から2月の毎月勤労統計が発表されました。通常の賃金や労働時間のほかに、今月は昨年の年末賞与が産業別に集計されています。調査産業全体では年末ボーナスは4年連続の減少で▲1.5%減、36万5687円となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

12年冬のボーナス1.5%減、4年連続マイナス 過去最低を更新
厚生労働省が2日発表した毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、2012年の従業員1人当たり平均の年末賞与(冬のボーナス)は前年比1.5%減の36万5687円で、4年連続のマイナスだった。支給額は比較可能な1990年以降の最低を更新した。
年末賞与は12年11月-13年1月に支給したボーナスを集計したもの。製造業は3.2%減の46万5007円だった。東日本大震災や欧州債務問題、円高により電機など11年度の業績悪化が響き、3年ぶりにマイナスへ転じた。
併せて発表した2月の現金給与総額の平均(速報値)は前年同月比0.7%減の26万2523円で、2カ月ぶりのマイナスだった。相対的に賃金水準が低いパートタイム労働者の割合が増え、全体を押し下げた。
製造業の残業時間などの所定外労働時間は5.8%減の14.6時間と7カ月連続のマイナスだった。一方、季節調整して前月と比べると4.6%増えた。

というわけで、いつもの通り、よくまとまった記事なんですが、今夜のエントリーでは通常のこの統計のヘッドラインとなる賃金や労働時間に加えて、昨年の年末賞与にもスポットライトを当てたいと思います。まず、いつもと同じ毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下は賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。賃金は現金給与総額と所定内給与です。このブログのローカル・ルールで、昨年2012年3月を直近の景気の山、11月を谷と仮置きしています。

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景気に敏感な所定外労働時間については、上のグラフにプロットした5人以上事業所では前月比でかなり増加しましたが、30人以上事業所ではわずかに減少しています。しかし、引用した記事にもある通り、円高修正などのアベノミクスの影響を受けやすい製造業の所定外労働時間が季節調整済の系列の前月比で大きく増加していますので、今後、非製造業などに波及していくことが期待されます。賃金については、先月3月5日のエントリーでも、引用した記事でも、景気回復初期における低賃金の非正規雇用の増加の影響であることは明らかです。景気拡大が継続する中で正規雇用の増加や正規・非正規とも賃金の上昇が望める段階に達するべく金融緩和などの政策対応が必要です。

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次に、上のグラフは最近15年間の夏季と年末の賞与の前年比増減率をプロットしています。ほぼ毎年のように減少しているんですが、特に、2001年のITバブル崩壊の翌年200年と、2008年のリーマン・ショックの翌年の2009年に大きく下がっているのが見て取れます。逆に、2003-06年の長期景気拡大期には下げ止まっており、わずかながら上昇していたりします。ボーナスは前年の業績に大きな相関を持ちますので、昨年2012年のボーナスは2011年の震災や欧州ソブリン危機や円高の進行などで企業業績が悪化したため減少を強いられました。2012年11月の衆議院解散以来のアベノミクスの効果で企業業績が上向き、ボーナスの増加をもたらすことを願っています。

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ということで、上のグラフは昨年2012年の年末ボーナスの額と増減率を産業別にプロットしています。情報通信業や教育,学習支援業がそれなりに高額のボーナスを支給されているのは理解するんですが、電力・ガス業がかなり高額かつ前年より年末ボーナスが増加しているにもかかわらず、電力料金の大幅な値上げが許されるのが私には理解できません。

昨夜の日銀短観に関するエントリーを書き上げるのがやや遅くなり、今日ランチをごいっしょさせていただいた著名エコノミストから理由を追求されてしまいましたので、今夜は早めにアップしておきたいと思います。

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