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2013年7月23日 (火)

「経済財政白書」が閣議に提出される

本日、内閣府から今年の「年次経済財政報告 (経済財政白書)」が閣議に提出されました。副題は「経済の好循環の確立に向けて」とされています。日銀による金融緩和によりデフレに変化の兆しが見え始めたと指摘しています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

経済財政白書、デフレに「変化」と指摘 消費増税の必要性訴え
甘利明経済財政・再生相は23日の閣議に2013年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。日本経済について「緩やかなデフレ状況が継続しているものの、13年3月以降、変化がみられる」と指摘した。日銀による物価安定目標の設定や量的・質的金融緩和の導入などの経済政策を「レジーム転換」と評価した。
白書の副題は「経済の好循環の確立に向けて」。デフレに関しては、名目金利から物価上昇率を差し引いた実質金利が09年から11年まで高止まりしたことが実質国内総生産(GDP)を累積で約8.5兆円押し下げたと試算した。リーマン・ショック後に一方的に進んだ円高が、デフレを「相互作用的」に深刻化させたと分析した。
最近の日本経済については、金融緩和や緊急経済対策への期待で家計の低価格志向が弱まっていると指摘。輸入物価や企業物価を通じたデフレ圧力が円安で解消しつつあることにも触れ「デフレ状況に変化が見られ、産業空洞化の懸念が後退する動きも見られる」とした。足元では予想物価上昇率が高まるに伴って実質金利が低下。設備投資をはじめとした実体経済の改善にプラスに働く可能性があると指摘した。そのうえで「景気回復と企業収益の改善に伴って賃金が上昇するような環境を整備する必要がある」と訴えた。
12年秋からの円高是正に関しては「1円の円安で企業収益は年ベースで1.0%増加する」と試算。業種によって影響は異なると断ったうえで、外貨建ての資産や所得の為替評価差益の増加、輸出採算の好転を通じて企業の収益改善につながるとの見方を示した。輸出回復は設備投資の持ち直しに寄与するとした。
消費増税が経済成長の足かせになるとの懸念には、08年のリーマン・ショック後に付加価値税(日本の消費税に相当)増税が相次いだ欧州連合(EU)の例を挙げ「(増税で)必ずしもマイナス成長に陥るわけではなく、経済全体を低迷させるものとはならなかった例も多い」と説明。消費増税をしても国内景気の失速は避けられるとの見方を示唆した。
長期金利は今のところ国際比較では低位で安定しているとし「財政の持続可能性に対する市場からの信認は維持されている」と指摘した。一方で今後も信認を維持するためには、経済財政運営の基本指針である「骨太の方針」に沿って「中長期的に持続可能な財政構造を目指すことが必要」と強調。欧州債務危機に触れつつ「財政健全化は喫緊の課題」と理解を求めた。

ということで、いつもの通り、とてもよく取りまとめられた記事だという気がします。白書としてのボリューム的にも、すべてをブログで取り上げることはとても出来ませんので、私が重要と考える金融緩和とデフレ脱却にポイントを絞って、第1章第2節を中心に簡単に図表を引用して紹介しておきたいと思います。

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上の画像は、白書の p. 61 第1-2-1図 大胆な金融緩和と主な波及経路 を引用しています。日銀のいわゆる異次元緩和が実質金利の低下と為替の原価を通じて実体経済を改善し、デフレ脱却につながるルートが示されています。

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続いて、上の画像は、白書の p. 82 第1-2-13図 デフレの経済的コストの推計 を引用しています。家計も企業も、大きな経済的ロスをこうむり、2009-11年の累積でGDPは8兆円余り押し下げられたと試算しています。

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続いて、上の画像は、白書の p. 89 第1-2-18図 パート労働者比率と給与及び雇用調整速度の関係 を引用しています。デフレとデフレに起因する円高により景気が低迷して企業業績が悪化したため、労働コスト圧縮を目的として、特に非製造業でパート労働者の比率が高まっています。上のグラフに見る通り、非製造業における所定内賃金の低下に対してパート労働者比率の上昇が大きく寄与しています。

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最後に、第1章の第3節に入って、上の画像は、白書の p. 147 第1-3-22図 公的社会支出と社会保障負担の国際比較 を引用しています。上の2つのグラフでは我が国だけが5年単位でプロットされています。高齢化の進展や社会保障支出のボリュームに比較して、国際的に見て、余りにも負担が小さいのが見て取れます。金融市場における信任の維持とともに、高齢者の逃切りを許さないためにも、早期に負担を引き上げる必要があります。

付図・付表まで含めると500ページを超えるリポートを発表の当日にブログで紹介しようというんですからムリがあります。全部ちゃんと読んでいるハズもありません。取りあえず、とても大雑把に見た限りですので、引用に間違いがあるかもしれませんし、私が見逃しているポイントもたくさんありそうな気もしないでもありません。でも、閣議に提出された当日に取り上げておくのもそれなりに重要だと思います。

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