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2013年7月26日 (金)

エネルギー価格の上昇により消費者物価上昇率はプラスに転ずる!

本日、総務省統計局から6月の消費者物価指数 (CPI) が公表されました。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は+0.4%、食料とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPIは▲0.2%をそれぞれ記録しました。コアCPI上昇率がプラスを記録したのは2012年4月以来の1年2か月振りだそうです。まず、日経新聞のサイトから統計について報じた記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価14カ月ぶりプラス 6月0.4%上昇
電気代やガソリン代上がる

総務省が26日朝発表した6月の全国の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合が前年同月比0.4%上昇の100.0だった。プラスに転じたのは原油高などで伸びた12年4月以来、1年2カ月ぶり。ガソリン価格や電気代の上昇が寄与した。
0.4%の上昇率は原油価格や穀物価格の高騰が影響し、1.0%上昇を記録した08年11月以来、4年7カ月ぶりの水準。電力会社による値上げで電気代は9.8%上がった。ガソリン価格は原油高や円安で仕入れ価格が高くなり、6.4%上昇した。
価格変動の大きい生鮮食品を含む総合は0.2%上昇の99.8。12年5月以来、1年1カ月ぶりにプラスになった。食品やエネルギーを除いた総合は0.2%下落の98.3だったが、下落幅は3月以降、4カ月連続で縮小している。
総務省は全国のCPIがプラス転換した点を「エネルギー価格上昇の影響によるところが大きい」と説明した。足元でもガソリン価格は上昇傾向にあり、今後のCPIを押し上げる公算が大きい。「テレビやルームエアコンなど一部耐久消費財に価格の下落幅縮小の動きもみられる」とも指摘した。
同時に発表した7月の東京都区部のCPI(中旬の速報値、10年=100)は、生鮮食品を除く総合が0.3%上昇の99.2だった。全国と同様に電気代とガソリン価格が押し上げた。

いつもの通り、とてもよくまとまった記事でした。続いて、消費者物価上昇率のグラフは下の通りです。青い折れ線が生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率、これに対するエネルギー、食料、その他の寄与度が積み上げ棒グラフで示されています。赤い折れ線は食料とエネルギーを除くコアコアCPI、グレーは東京都区部のコアCPIのそれぞれ前年同月比上昇率です。

photo

多くのエコノミストの予想通りに6月のコアCPI上昇率はプラスでした。市場の事前コンセンサスである+0.3%よりもわずかに高く、+0.4%となりました。しかし、コアコアCPIは依然としてマイナスを続けています。昨年の総選挙の前の衆議院解散から実質的に開始されたアベノミクスの成果かというと、かなり疑問は残りますが、メディアやマーケットの関係者にとって、このコアCPI上昇率のプラスが象徴的な意味を持つ可能性は否定しません。少なくとも、アベノミクスに伴う円高是正が物価上昇に効果があったのは事実だろうと受け止めています。先行きについては、この先1年くらいかけて、すなわち、消費税率の引上げ前後にコアCPI上昇率で+1.0%くらいまでプラス幅を拡大する可能性が十分にあると私は考えています。為替でさらに円安が進むなど、場合によっては、+1.5%くらいに達する可能性もあると考えるべきです。ただし、その先、2年で+2.0%に達するかどうかは何とも分かりません。消費税率の引上げの影響が現時点では見極められないからです。おそらく、来年2014年4月の消費税率引上げがなければ、現在の金融政策を継続する限り、私は2年で+2%というのは十分に達成可能なターゲットだったろうと考えていますが、消費税率引上げの影響で需要が押し下げられる効果がこの目標達成にどのくらいネガティブな影響を及ぼすかが、現時点では見通せません。もっとも、昨夜のブログにも書きましたが、来年4月に消費税率引上げを実施しないとすれば、逆に、我が国の財政のサステイナビリティや日本国債が市場から信認を失いかねません。今となっては、消費税率を引き上げない方が経済に悪影響を及ぼす可能性が高いと私は受け止めています。

日銀に異次元緩和により物価が上昇する兆しがハッキリと見え始めています。次の段階は物価からラグを伴って、賃金が上がるかどうかが焦点です。現時点での消費ブームはマインドの改善に支えられている面が大きく、これから所得のサポートがどのくらいあるかが消費のサステイナビリティにつながります。

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