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2013年7月30日 (火)

鉱工業生産は低下したものの、失業率低下など雇用統計は堅調!

本日、経済産業省から鉱工業生産指数が、また、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が、それぞれ発表されています。いずれも6月の統計です。生産は6月にやや低下したものの7月のリバウンドを見込み、ならしてみれば堅調ですし、雇用統計は予想以上に順調な改善が見られました。まず、かなり長くなるものの、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月鉱工業生産、3.3%減少 7月は急回復見込む
経済産業省が30日発表した5月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整値)は前月と比べ3.3%減少と5カ月ぶりに低下した。輸出数量の伸び悩みが響いた。4-5月期の生産指数(速報値)は96.0と前期と比べて1.4%増えた。2四半期連続で改善するのは、11年7-8月期から12年1-3月期の3四半期連続以来となる。
5月の生産指数が低下したのは、国内の新車販売の落ち込みや欧州連合(EU)向け輸出の減少で輸送機械が落ち込んだためだ。ただ先行きを聞く生産予測調査は、7月が6.5%増と急回復を見込む。8月に0.9%減る見込みだが、8月は横ばいと仮定すると7-8月期は4%程度の増加となる見込み。経産省は生産の基調判断を「緩やかな持ち直しの動き」に据え置いた。
4-5月期の生産指数は15業種のうち13業種で前期を上回り、生産の持ち直しが鮮明になった。中国でつくるスマートフォン向けの部品を中心とする電子部品・デバイスが5.4%伸びたほか、自動車など輸送機械がけん引して1.0%増えた。タービン部品など業務用機械も2.9%伸びた。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は先行きについて「生産の上昇傾向はしばらく続く。米国経済の回復で輸出の持ち直しが進むほか、国内で消費増税前のかけ込み需要も期待できる」と話している。
失業率5月3.9%に改善 4年8カ月ぶり3%台
景気の持ち直しが雇用に波及してきた。総務省が30日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント低下の3.9%と4年8カ月ぶりの低い水準に改善した。これまで慎重だった製造業でも求人が回復し、雇用環境が明るくなっている。
失業率の改善は3カ月ぶり。3%台に下がるのは、リーマン・ショック当時の08年10月以来となる。厚生労働省が同日発表した5月の有効求人倍率(同)は前月より0.02ポイント上昇して0.92倍となり、08年5月以来、5年ぶりの高水準となった。製造業の新規求人数は前年同月比0.8%増となり、13カ月ぶりに前年同月を上回った。
厚労省は雇用情勢の判断を「緩やかに持ち直している」から「改善している」へと、2カ月ぶりに上方修正した。
5月の雇用者数は5555万人で、前月比で7万人増えた。安倍政権発足後の日銀の大規模な金融緩和策に伴う景気好転で「企業の採用意欲が増している」(総務省)。15-64歳の就業率も71.9%と0.1ポイント上昇し、過去最高を更新した。
5月は幅広い業種で新規求人数が改善した。製造業のなかでは電機や自動車産業で求人が大幅に増えている。外国人観光客の増加で、宿泊・飲食サービス業も前年同月比13.5%の大幅増になった。
5月の失業率の改善は、女性を中心に仕事を探していない「非労働力人口」が前月から16万人増えたことも影響した。夫の雇用環境が良くなってきたことで、求職活動を止める主婦が増えた可能性がある。
今後の焦点は求人の改善が賃金上昇に波及するかどうか。5月時点の一般労働者の所定内給与は前月比0.1%増とほぼ横ばいだった。パート労働者は0.3%増と増加率が一般労働者より高く、今のところ企業は人手不足をパート労働者で補おうとする傾向が強い。ただ、5月の家計調査を見ると、勤労者世帯は「臨時収入・賞与」が前年同月に比べて実質で6.3%増えた。景気の持ち直しは賞与や残業代の形で働く人にも恩恵が及びつつある。
今後の失業率について総務省は「新しい職を求めて自発的な離職が増えれば、失業率は足踏みするかもしれないが、悪い動きではない」と予想している。

いつもの通り、いずれもよくまとまった記事でした。記事の引用だけでおなかいっぱい、という感じがしないでもないんですが、次に、鉱工業のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。ただし、毎度のお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の山は2012年3月、さらに、景気の谷は2012年11月であったと仮置きしています。これについては雇用統計のグラフでも同じです。

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6月の生産は一服して前月比▲3.3%の減産となりました。もともと、日経 QUICK による市場の事前コンセンサスは▲1.7%減とマイナスを予想していたんですが、それにしても予想以上の低下幅でした。最大の要因は輸出が伸び悩んでいるためであると私は認識しています。ですから、輸送機械、電子部品・デバイス、はん用・生産用・業務用機械、電気機械などの輸出向けの比重が大きいセクターが軒並み減産しています。欧州とともに新興国の経済も停滞気味ですので、鉄鋼などの素材産業もマイナスとなっています。しかし、同時に公表された製造工業生産予測調査に従えば、7月は前月比+6.5%増と大幅にリバウンドすると見込まれています。先月統計の発表の段階でも7月は+3.3%増だったんですが、6月のマイナスを上乗せする形で7月にリバウンドするようで、ならして見れば生産は堅調と受け止めています。

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6月までの四半期のデータがそろいましたので、在庫循環図を書いてみました。上の通りです。リーマン・ショック直前の2008年1-3月期が緑色の矢印で示されており、第1象限の45度線の上から始まって、グルグルと時計回りして、2013年4-6月期は黄色の矢印で示している通り、第3象限の45度線の下に至っています。直感的には、もうすぐ、赤い破線で示した45度線を下から上に抜けそうです。景気局面としては、すでに昨年末くらいから回復ないし拡大局面に入っていると多くのエコノミストは考えているんですが、この在庫循環図では今年の年央くらいに景気転換点を迎える、という形が示されています。

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生産がまずまず堅調ですから、雇用は少なくとも量的には順調に拡大しています。上のグラフの通りです。一番上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。景気局面に対して、失業率は遅行系列、有効求人倍率は一致系列、新規求人数は先行系列とされています。いずれの指標も順調な雇用の改善を示しています。すなわち、日経 QUICK による市場の事前コンセンサスは、失業率 4.1%有効求人倍率 0.91 倍でしたから、これを上回る改善といえます。ただし、総務省統計局から発表されている非正規比率はやや上昇していますし、明日発表される毎月勤労統計から賃金がどのくらい上昇しているか、あるいは、上昇していないのか、をさらに確認したいと思います。直感的には、あくまで私の直感なんですが、アベノミクスの経済効果の現段階は生産の拡大から雇用の量的な改善につながったところであり、賃金はもう少し時間がかかる、という気がしないでもありません。しつこいようですが、あくまで私の直感です。

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最後のグラフは、非農業部門の産業別雇用者の増減です。青い折れ線グラフが非農業部門雇用者の前年同月比増減を示していて、積上げ棒グラフはその内訳です。色分けは凡例の通りとなっています。季節調整済みの系列が発表されていないので、季節調整していない原系列の統計の前年同月差をプロットしています。2008年以降はほぼ一貫してマイナスを記録していた水色の製造業が、今年2013年3月以来のプラスに転じています。緑色の医療・福祉は相変わらず順調に雇用者を伸ばしており、また、昨夜のブログにも書きましたが、今回の景気局面のひとつの特徴として、企業部門よりも家計部門が先行しているわけですが、好調な消費を反映して黄色の卸売・小売業がこの春あたりから雇用者数を増加させています。他方、まだまだ震災復興は続いているんですが、青の建設業は減少に転じました。

繰返しになりますが、あくまで私の直感ながら、アベノミクスの経済効果の現段階は生産の拡大から雇用の量的な改善につながったところであり、賃金はもう少し時間がかかる可能性があります。明日の毎月勤労統計で確認したいと思います。また、別の話なんですが、昨日、Yahoo! JAPAN ビッグデータから「ビッグデータ参院選議席予測を振り返る」と題するリポートが公表されています。私はとても気になっていますので、明日は毎月勤労統計としても、そのうちに日を改めて取り上げたいと思います。

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