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2013年8月13日 (火)

基調判断が上方改定された機械受注統計は先行き増加に向かうか?

本日、内閣府から6月の機械受注統計が発表されました。船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は季節調整済みの系列で7774億円、前月比▲2.7%減となりました。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

6月機械受注、2カ月ぶり減 4-6月はリーマン前以来の水準に
内閣府が13日発表した6月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比2.7%減の7774億円だった。マイナスは2カ月ぶり。前月に過去最高の伸び率だった非製造業からの受注が反動で大きく落ち込んだ。
主な機械メーカー280社が6月に非製造業から受注した金額は17.5%減の4623億円と2カ月ぶりのマイナスだった。システム改修を進めていた金融機関の投資が一服したことで反動減となった。統計が遡れる2005年4月以降で過去最高の下落率となり、5月から6月にかけて変動幅が大きくなった。
製造業からの受注金額は2.4%増の3042億円で、2カ月連続のプラス。電気機械から半導体製造装置やコンピューター、造船業から原動機などの受注が伸びた。
同時に発表した4-6月期の船舶・電力除く民需の受注額は6.8%増の2兆2999億円だった。5四半期ぶりのプラスで、リーマン・ショックの影響が広がる直前の08年7-9月期(2兆6117億円)以来の水準に回復し、四半期の伸び率も06年4-6月期の7.9%増に次ぐ過去2番目の高さだった。非製造業が12.5%増と四半期として過去最高の伸び率となったことが寄与した。
内閣府は6月の落ち込みを踏まえながらも回復基調に変化はないとみている。見通しが上方修正となる可能性も見込み、機械受注の判断は前月の「緩やかな持ち直しの動きがみられる」から「緩やかに持ち直している」へ6カ月ぶりに上方修正した。
7-9月期については5.3%減の見通し。製造業、非製造業の両方で主にパソコンやATM関連の電子通信機械が落ち込むとみている。

いつもながら、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその後方6か月移動平均を、下のパネルは需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。いつものお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の山は2012年3月、谷は2012年11月であったと、それぞれ仮置きしています。日経新聞の記事で見かけたんですが、内閣府は景気の山を2012年4月と非公式に認定している、というか、そのようにリークしているようですが、私のブログではあくまで景気の山は2012年3月だったと仮置きしておきます。

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従来から、機械受注については月次統計ながら毎月の振れの大きい指標として知られており、今年に入ってからもコア機械受注の季節調整済みの前月比で見て、1月▲7.5%減、2月+4.2%増、3月+14.2%増、4月▲8.8%減、5月+10.5%増、6月▲2.7%減というカンジで、プラスとマイナスがほとんど交互に並び、ならしてみればプラスの傾向があるか、ということは上のグラフの6か月移動平均でも直感的に理解できるんではないかと思います。四半期で見ても、昨年2012年4-6月期から4四半期連続で前期比マイナスを付け、今年2013年1-3月期には▲0.0%減を記録した後、足元の4-6月期には+6.8%増とプラスに転じています。ただし、7-9月期見通しは▲5.3%減に落ちると見込まれています。引用した記事にもある通り、そのあたりを総合的に勘案したんではないかと思うんですが、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」から「緩やかに持ち直している」に上方改定しています。日経QUICKによる市場の事前コンセンサスも前月比で▲7.1%減であったところ、実際の▲2.7%減は予想レンジのほぼ上限といえます。ですから、足元の機械受注は決して悪くなく、先行きについても、大雑把で直感的には、機械受注は緩やかながら増加の方向にあり、GDPベースの設備投資も機械受注からラグを伴いつつ持ち直すと私も考えています。ただし、先行き7-9月期の見通しがマイナスと出たので、それほど一直線に進むわけではないのかもしれません。

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景気動向とも関連して、緩やかながら機械受注が増加に向かうと私が期待するもうひとつの理由は上のグラフの達成率です。四半期で作成されるデータですので、この4-6月期分が公表されています。グラフを見ても明らかな通り、景気に敏感な指標であり、エコノミストの間では経験則として、90%を超えるかどうかで大雑把な景気局面が判断できると考えられています。当然ながら、昨年2012年11月でミニ・リセッションを終了し、4-6月期には96.1%まで跳ね上がっています。

明日から夏休みを取るので私の頭が「お休みモード」に入っている可能性はありますが、毎月のブレの大きい機械受注はどうも苦手な指標のひとつのような気がします。でも、日本経済が順調に景気回復・拡大の経路に乗る中で、今後ややギクシャクした動きを繰り返す可能性は残るものの、機械受注や設備投資も緩やかながら増加に向かうんではないかと期待しています。

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