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2013年8月30日 (金)

政府統計がいっせいに発表され順調な景気回復・拡大を確認する!

本日は月末最後の閣議日で、政府統計がいっせいに発表されました。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数が、総務省統計局からの失業率や厚生労働省からの有効求人倍率などの雇用統計が、また、総務省統計局から消費者物価などが、それぞれ発表されています。いずれも7月の統計です。まず、とても長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の鉱工業生産3.2%上昇 上昇幅2年1カ月ぶりの大きさ
経済産業省が30日発表した7月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は97.7で、前月に比べ3.2%上昇した。プラスは2カ月ぶりで、上昇幅は東日本大震災後に生産活動が持ち直した2011年6月(4.2%)以来の大きさだった。火力発電向け蒸気タービンに加え、化学プラント用タンクや通信向けデジタル伝送装置など設備投資が対象の生産が増加したことが寄与した。
QUICKが29日時点で集計した民間の予測中央値(3.7%上昇)は下回ったが、経産省は「設備投資に使われる資本財が伸びてきている」と指摘。生産の基調判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
業種別にみると、15業種のうち12業種が上昇した。火力発電用部品を含む「はん用・生産用・業務用機械工業」は5.5%上昇。化学プラント用タンク、ショベル系掘削機械も伸びた。電子部品・デバイス工業はタブレット(多機能携帯端末)向け液晶が好調で7.8%上昇。輸送機械工業は軽乗用車の国内販売や普通乗用車の輸出が増え、1.9%上昇した。
出荷指数は1.3%上昇の94.9。生産と同じく、化学プラント用タンクやタブレット向け部品を中心に伸びた。在庫指数は普通乗用車やショベル系掘削機械の輸出の船便待ちが増えたことなどで、1.5%上昇し108.6。在庫率指数は0.5%低下の110.5だった。
併せて発表した製造工業生産予測調査によると、先行きは8月が0.2%上昇する見込み。法人向けパソコンで米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」の更新需要が集中し、情報通信機械工業が伸びるもよう。9月は1.7%上昇を見込んでいる。その結果、7-9月期の鉱工業生産指数は前期に比べ2.4%上昇する見通し。
失業率3.8%に改善 7月、女性の雇用環境好転
総務省が30日発表した7月の完全失業率(季節調整値)は、前月比0.1ポイント低下の3.8%で、2カ月連続で改善した。女性だけでは3.3%で、1997年9月以来15年10カ月ぶりの低水準となった。厚生労働省が発表した有効求人倍率(同)も0.02ポイント改善し0.94倍となった。男性中心の製造業でも新規求人が急増し、雇用環境の改善の動きは強まっている。
厚労省は雇用情勢の判断を「改善が進んでいる」とし、2カ月連続で上方修正した。この表現を使うのは2007年8月以来となる。
失業率低下は2カ月連続で改善した女性がけん引した。女性の雇用者は医療・福祉や卸・小売業を中心に、前月から7万人増えた。
男性の失業率は0.1ポイント悪化し4.2%になったが、雇用者は2万人増えた。総務省は「企業の採用意欲は落ちていない」と分析した。6月に前年同月比で13カ月ぶりにプラスに転じた製造業の新規求人数は、7月に12.6%増と上げ幅を急拡大した。電機や自動車業界のほか、猛暑の影響で食料品製造業も求人を増やした。
正社員に限った有効求人倍率は0.54倍となり、前年同月を0.07ポイント上回った。厚労省は「今後は量の確保だけでなく、雇用の質を高めていくことが重要」とみている。
7月全国CPI、2カ月連続上昇 上昇率は4年8カ月ぶり水準
総務省が30日朝発表した7月の全国の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は生鮮食品を除く総合が前年同月比0.7%上昇の100.1で、2カ月連続のプラスだった。上昇率は原油価格や穀物価格が高騰した08年11月(1.0%上昇)以来、4年8カ月ぶりの水準。電気代やガソリン価格が引き続きけん引役となった。
目立って伸びた項目は電気代で10.1%上昇。上昇率は第2次石油危機の影響を受けた1981年3月(41.2%上昇)以来、32年4カ月ぶりの高さだった。原子力発電所の稼働停止を受け、電力会社が電気料金を引き上げたことが影響した。
ガソリン価格も円安を背景に仕入れ価格が上昇し、10.5%上がった。耐久財ではテレビ価格の下落幅縮小が続いたほか、パソコン価格が上昇したという。
生鮮食品を含む総合は、猛暑による生鮮野菜の相場高騰で0.7%上昇の100.0と2カ月連続で上昇した。
同時に発表した8月の東京都区部のCPI(中旬の速報値、10年=100)は、生鮮食品を除く総合が0.4%上昇の99.5だった。全国と同じく電気代とガソリン価格が押し上げたが、電気代の上昇率は13.9%と前月の15.4%から縮小した。
総務省は先行きについて「都区部はエネルギーの押し上げ寄与が弱まる可能性があるが、全国、都区部とも来月はプラスの傾向は大きく変わらない」とみている。

いつもの通り、いずれもよくまとまった記事でした。記事の引用だけでおなかいっぱい、という感じがしないでもないんですが、次に、鉱工業のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。ただし、毎度のお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の谷は2012年11月であったと仮置きしています。これについては雇用統計のグラフでも同じです。

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生産は市場の事前コンセンサスには届かなかったものの、震災からのリバウンド以来の大きな増産となり、順調に拡大しています。生産に関して品目別に見ると、モス型半導体集積回路(メモリ)、デジタル伝送装置、軽乗用車の順に増産に寄与しており、出荷の上昇に寄与した業種は、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業などでした。引用した記事にもある通り、目先の8-9月も製造工業生産予測調査に従えば、8月+0.2%増の後、9月+1.7%増と順調に生産拡大を続ける予定のように見受けられます。先月の段階の製造工業生産予測調査では7月が+6.5%増の後、8月は▲0.9%減となっていましたので、7-8月でやや平準化された形になっています。不安材料は中東情勢とそれに伴う石油価格の上昇なんですが、地政学的なリスクが真っ先に上がるのではエコノミストの私には見通しようもありません。

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生産が順調に拡大していますから、雇用も堅調に推移しています。上のグラフは上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。引用した記事にもある通り、雇用の先行指標である新規求人数こそ横ばいでしたが、遅行指標の失業率と一致指標の有効求人倍率は順調に改善しています。報じられている通り、女性の雇用改善が大きいようです。

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上のグラフは、季節調整していない原系列の産業別雇用者数の前年同月差をプロットしています。濃い緑色の医療・福祉は従来から雇用者増の大きい産業分野なんですが、これに加えて、今回の景気回復・拡大局面は日本ではめずらしく消費主導ですので、黄色い卸売・小売業における雇用者の拡大も目立っています。7月は生産の増産が大きかったので水色の製造業も雇用を増加させています。他方、青の建設業は、まだ公共投資がピークアウトしたとは思えないんですが、7月にはマイナスに転じています。製造業については見方が分かれるものの、統計的な裏付けは取っていませんが、医療・福祉や卸売・小売業などは女性の非正規を雇用しているような気がしてなりません。

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最後に、消費者物価も上昇幅を拡大しています。しかし、これはいわゆるアベノミクスや日銀の異次元緩和の効果かどうかはやや怪しいと私は受け止めています。上のグラフは生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの全国と東京都区部の前年同月比上昇率とエネルギーと食料を除く総合で定義されるコアコアCPI全国の上昇率を折れ線グラフでプロットし、全国コアCPIの上昇率に対する寄与度をエネルギーと食料とその他に分けて積上げ棒グラフで示してあります。たしかに、コアコアCPIの上昇率もかなりマイナス幅を縮小させたとはいえ、まだマイナスのままですし、明らかに黄色い棒グラフのエベルギーにけん引された物価上昇だということが出来ます。もちろん、エネルギー価格の上昇には円高がいくぶんなりとも寄与していますので、それがアベノミクスや日銀の異次元緩和の効果ということも出来なくはないんでしょうが、現段階では、需要拡大から波及したGDPギャップの縮小に基づく物価上昇ではない、と考えるべきです。もっとも、かつての「よいデフレ、悪いデフレ」ではありませんが、インフレについても「よいインフレと悪いインフレ」にはまったく差がないとまでは思わないものの、そんなに大きな違いはないものと私は考えています。

8月最後の政府統計はいずれも順調な景気回復・拡大を確認できる内容だったと私は受け止めています。足元から目先の秋口にかけてはもちろん、消費税率引上げ前の年度内いっぱいは順調な景気が続くものと期待しています。それにしても、シリア介入はどうなるのでしょうか?

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