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2013年9月20日 (金)

消費税率引上げを盛り込んだ2013-15年度経済見通しやいかに?

先週月曜日9月9日のGDP速報2次QEの発表を受けて、シンクタンクなどで今年度から2015年度くらいまでの経済見通しが公表されています。来年度見通しにつては2014年4月からの消費税率の引上げが標準シナリオとなった感があり、消費税率引上げ直前の駆込み需要の発生と税率引上げ直後の景気の落ち込みを合わせて評価されています。それでも、2014年度はプラス成長を見込む機関が多いとの結果です。以下のテーブルは、いつもの通り、パスワード付きのサイトやニューズレターなどのクローズな形で提供されている情報を除き、広くweb上で公開されている情報に限って取りまとめてあります。引用には十分に慎重を期したつもりですが、タイプミスもあり得ますのでデータの完全性は無保証です。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。なお、発表時期については、日本総研だけが2次QEの公表前ですが、それ以外はすべて9月9日の2次QE公表を踏まえた見通しとなっています。

機関名201320142015ヘッドライン
日本総研+2.6+0.3n.a.2014年度入り後は、消費税率引き上げ後の落ち込みと、公共投資の押し上げ効果はく落による「二重の反動減」が、景気下押しに作用。とりわけ下振れ圧力が集中する4-6月期は大幅マイナス成長に。その後は、米国景気が堅調に推移するほか、金融緩和などを通じた円安が引き続き輸出環境の改善に寄与し、成長率も持ち直しへ。
ニッセイ基礎研+2.50.0+0.8実質GDPは2013年7-9月期、10-12月期と前期比年率3%程度の伸びを続けた後、2014年1-3月期は個人消費の駆け込み需要を主因として前期比年率4.6%の高成長になるだろう。しかし、2014年4-6月期は駆け込み需要の反動減と物価上昇に伴う実質所得低下の影響が重なることで年率▲6.6%の大幅マイナス成長となることが予想される。反動減の影響は消費税率引き上げ直後が最も大きく、その後は押し下げ幅が縮小するが、実質所得減少による影響は年度を通して下押し圧力となる。マイナス成長は1四半期で終了するが、その後もあまり高い成長は期待できないだろう。
大和総研+3.0+1.2n.a.今回の予測では、消費税増税の是非を多面的に検証した。現時点で、当社は、「消費税増税を予定通り行うことが十分可能な経済環境が整った」と判断している。前回増税が実施された1997年当時と比較すると、内需は堅調な推移が見込まれる。ただし、中国など海外経済の下振れリスクについては慎重に見極める必要があろう。
みずほ総研+2.9+0.7n.a.駆け込み需要の反動で個人消費と住宅投資が落ち込む2014年4-6月期は、大幅なマイナス成長(前期比年率▲5.7%と予想)が避けられないだろう。その後については、円安・海外景気回復を背景とした輸出増、企業収益の改善に支えられた設備投資回復が続くことが支えとなり、景気後退に陥る可能性は低い。駆け込み需要の反動による落ち込みから個人消費・住宅投資が徐々に持ち直していく中で、7-9月期以降の日本経済は緩やかな景気回復軌道に戻ると予測している。
第一生命経済研+2.9+0.9+1.1消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が出ることに加え、税率引き上げに伴う実質可処分所得減少による消費の下押しが予想されるため、14年度の成長率は鈍化が避けられない。もっとも、①経済対策効果で公共投資が高水準を維持すること、②輸出の増加が見込めること、③景気回復の波及により設備投資が好調に推移、雇用・賃金も改善が見込まれることから、景気後退局面入りは避けられる。15年度についても、10月に予定されている再度の消費税率引き上げが下押し要因になるものの、均してみれば景気回復局面が続くと予想する。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+3.1+1.6n.a.14年度の実質GDP成長率見通しも1.6%に据え置いた。消費増税対策として国費3兆円規模の補正予算を想定しており、日本銀行も資産買い入れの拡充及び固定金利オペの長期化で景気下支えを図る見通し。
三菱総研+2.7+0.5n.a.先行きを展望すると、①輸出の緩やかな持ち直し、②更新需要等による設備投資増、③消費の堅調、④補正予算の執行を背景に、日本経済は回復を続けると予想する。とくに13年度後半は、消費税増税前の駆け込み需要も予想される。14年度は、前半に駆け込み需要の反動減を見込むが、各種税制措置もあり調整期間は短期で終了するとみられ、年度後半には再び回復軌道に戻ると予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+2.3+0.2n.a.2014年度は、消費税率引き上げ後の影響が、家計部門を中心に現れるため、実質GDP成長率は前年比+0.2%と小幅プラスにとどまる見込みである。また、2013年度中は景気押し上げに寄与した公共投資のプラス効果が剥落し、経済対策による押し上げ効果を勘案しても前年比マイナスになることも、成長率を押し下げる要因となる。企業部門は改善傾向を維持するものの、円安による収益の押し上げ効果が一巡する一方で、コスト上昇の負担が増してくるため、力強さには欠けるだろう。
一方、海外景気の持ち直しが続くことを背景に、輸出の増加が続くことが景気を下支えする要因となろう。製造業では、内需の不振を輸出で補うために、輸出価格の引き下げによって価格競争力を高め、輸出数量の増加を目指す動きが強まる可能性がある。内外需の寄与度をみると、内需が前年比-0.5%と2009年度以来5年ぶりにマイナスに転じるのに対し、外需は+0.7%にまで高まろう。消費税率の引き上げによる家計部門の落ち込みと、それに伴う企業部門の低迷を、外需で補うことになる。
伊藤忠経済研+2.9+0.2+1.22013年度の高成長から一転して、2014年度は低成長が予想される。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動から個人消費や住宅投資など家計部門が大きく落ち込むためである。家計部門の落ち込みは、遅ればせながら増勢を強める設備投資や輸出の拡大により、ある程度補われるものの、成長ペースの減速全てを回避は出来ない。なお、マイナス成長は2014年4-6月期の一四半期にとどまり、いわゆる2四半期連続のマイナス成長を意味するテクニカルリセッションには陥らず、また日本において、景気基準日付の決定権限を有する景気動向研究会がリセッション認定をすることもないと考えられる。
農林中金総研+2.8+1.2n.a.14年度は約8兆円の増税措置に伴うショックが加わることで前年度の反動減が発生、それに対する対抗措置が打たれることを想定しているとはいえ、少なくとも上期中は景気が足踏みするのは不可避であろう。下期に入れば、そうした調整が一巡し始め、アベノミクスによるデフレ脱却・成長促進政策による効果などから持ち直しが再開すると思われるが、持続的な成長経路を一旦外れてしまうことに伴う弊害は無視できないだろう。

ということで、ヘッドラインは2014年度の先行き見通しについて主としてピックアップしたんですが、ハイライトしてある大和総研だけは来年2014年4月からの消費税率引上げに関する判断を取っています。明示的に消費税率引上げについて言及していない機関もありますが、大和総研ほどで明確ではないものの、大雑把に、多くのエコノミストの間で「消費税率引上げの環境は整った」とのコンセンサスが出来上がりつつあるような気がします。そして、来年4月に消費税率が引き上げられても、一時的な駆込み需要の反動減が4-6月期に出るものの、景気後退に陥ることはなく年度を通じてプラス成長を確保する、というのも広範な合意を形成しつつあります。さらに、2015年度には年度半ばの2015年10月から消費財率がさらに10%まで引き上げられるんですが、この2段階目の消費税率引上げを実施する2015年度もプラス成長というコンセンサスになっています。私はここまで日本経済が堅調かどうかは懐疑的です。来年度の2014年度は年度を通じてマイナス成長の可能性が排除されないと私は考えています。ただし、2四半期連続のマイナス成長によるテクニカル・リセッションは何ともいえませんが、景気後退に陥る可能性は低いと見込んでいます。世間一般のエコノミストの大雑把なコンセンサスよりも、私の見方はやや悲観的かもしれません。

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最後に、上のテーブルのいくつかの経済見通しの一例として、ニッセイ基礎研のリポートから成長率の推移のグラフを引用すると以下の通りです。2014年度はゼロ成長を見込んでいます。何ら、ご参考まで。

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