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2013年9月 6日 (金)

7月の景気動向指数はリバウンドし景気は改善に向かう!

本日、内閣府から7月の景気動向指数が発表されました。統計のヘッドラインとなるCI一致指数は前月から+0.9ポイント上昇して106.4、また、CI先行指数も+0.6ポイント上昇して107.8を、それぞれ記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の景気一致指数、2カ月ぶり上昇 基調「改善」
内閣府が6日発表した7月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比0.9ポイント上昇の106.4と2カ月ぶりに上昇した。内閣府が8月、暫定的に前回の景気の「山」と認定した12年4月(107.0)の水準まで回復。輸送機械、半導体を含む電子部品・デバイスを中心に幅広い業種で生産が伸びたことや、それに伴い大口電力使用量が増えたことが寄与した。
内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を前月までの「上方への局面変化を示している」から「改善を示している」に上方修正した。判断を引き上げるのは2カ月ぶりで、「改善を示している」との表現を用いるのは12年5月以来1年2カ月ぶり。
数カ月後の先行きを示す先行指数は0.6ポイント上昇の107.8だった。東証株価指数(TOPIX)の上昇に加え、化学工業や非鉄金属業界の在庫率が低下したことで2カ月ぶりに上昇した。
景気に数カ月遅れる遅行指数は0.6ポイント上昇の111.2だった。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数が65.0、先行指数が66.7だった。

相変わらず、とてもよくまとまった記事だという気がします。続いて、景気動向指数の推移をプロットしたグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、このブログのローカル・ルールにより、直近の景気の谷は2012年11月であると仮置きしています。

photo

ということで、CI一致指数と先行指数ともに上方モメンタムを取り戻しており、引用した記事にもある通り、CI一致指数に基づく景気判断は先月までの「上方への局面変化」から「改善」に上方修正されています。CIへの採用系列を少し細かく見ると、小売業の商業販売額の前年同月比がマイナス寄与を示した他、耐久消費財出荷や所定外労働時間が寄与度として比較的大きなマイナスだったんですが、それを上回って、鉱工業生産財出荷、鉱工業生産、輸送機械を除く投資財出荷、有効求人倍率などが大きなプラスの寄与を記録し、CI一致指数は2か月ぶりの上昇となっています。基調判断は「改善」へ機械的に上方修正されましたが、景気実感ともかなり合致すると私は考えています。なお、9月3日火曜日に毎月勤労統計を取り上げた記事で、所定外労働時間の季節調整済みの系列が7月にマイナスを示したのは生産統計と整合的でないために「不可解」と私は表現しましたが、それ以外では、家計部門の耐久消費財出荷がマイナスになったものの、企業部門の鉱工業生産や投資財出荷などがプラス寄与を示しており、家計部門にけん引された今次景気拡大局面に企業部門も追いついて来た、という私の実感を裏付けています。そして、上のグラフを均して見れば、CI先行指数の傾きがやや緩やかになりつつ、CI一致指数に近い傾きに回帰しつつあります。ホントはCI一致指数が傾きを急にしてCI先行指数に並ぶのが、より望ましいのかもしれませんが、今次景気拡大局面のもうひとつの特徴であった期待先行の景気感も終了に向かっているような気がしないでもありません。

来週の冒頭月曜日には4-6月期のGDP統計2次QEが発表されます。昨日のエントリーでお示ししたように、多くのエコノミストの間では1次QEから上方修正されて消費税率の引上げに追い風であると考えられています。現在の景気局面を逃すと、次に消費税率を引き上げるハードルがさらに厳しくなり、財政のサステイナビリティが市場で信認されるかどうか疑問が生じかねません。今日の景気動向指数をはじめ、現時点までの経済指標を見る限り、消費税率は予定通りに引き上げるべきであるとの意見が大勢を占めるのも当然ではなかろうかと私は受け止めています。

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