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2013年9月25日 (水)

需給ギャップに敏感な企業向けサービス価格指数 (CSPI) も上昇が続く!

本日、日銀から8月の企業向けサービス価格指数 (CSPI) が発表されました。ヘッドラインである総平均の前年同月比上昇率は+0.6%を記録し、前月と同じ上昇幅でした。2月に一度プラスを記録した後、5月に再度プラスに転じて以来4か月連続のプラスということになります。変動の激しい国際運輸を除く総平均で定義されるコアCSPIの前年同月比は+0.1%と久し振りにプラスを記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の企業向けサービス価格、4カ月連続上昇
日銀が25日発表した8月の企業向けサービス価格指数(2005年平均=100)は96.1と、前年同月比0.6%上昇した。前年実績を上回るのは4カ月連続。テレビや新聞の広告に加え、リース・レンタルの単価上昇が寄与した。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引するサービスの価格水準を示す。為替相場や海外景気の影響を受けにくい「国際運輸を除く総平均」は前年同月比0.1%上昇した。前年実績を上回るのは12年5月以来、1年3カ月ぶり。
業種別にみると、広告が前年同月比1.0%上昇した。テレビでは特別番組の高単価な広告があったほか、幅広い業種からの出稿があったという。新聞では輸送機器や金融などが増えた。
リース・レンタルでは電子機器関連の単価が上昇した。仮設資材や建設機械のレンタル価格も上昇。首都圏の再開発事業やマンション建築、東北地方の建設関連の需要が増えていることが背景にあるという。
一方、外航貨物輸送はプラス幅が縮小した。外国為替相場が7月に比べ円高方向に振れたうえ、原油タンカーの運賃が下落したことが響いた。

というわけで、いつもの通り、よくまとまった記事だという気がします。企業向けサービス価格指数 (CSPI) と企業物価指数 (CGPI) の前年同月比上昇率グラフは下の通りです。折れ線グラフの色分けは凡例の通りとなっており、影をつけた景気後退期は毎度のお断りで、直近の景気の山は内閣府の認定通りに昨年2012年4月なんですが、このブログのローカル・ルールで、2012年11月を直近の景気の谷と仮置きしています。

photo

引用した記事にもある通り、国際運輸を除く総平均のコアCSPIの前年同月比上昇率がプラスに転じたのは2012年5月以来の15か月ぶりです。サービスは商品よりも人件費の割合が高いため、上のグラフでも左右で軸を分けてプロットしているように、サービス価格は商品価格よりもプラスもマイナスも変動幅が小さく、我が国のようなデフレ状態に陥った場合にはプラスに転ずるのに時間がかかるんですが、ようやく、総平均のヘッドラインもコアもCSPIの上昇率がプラスに転じつつあると私は受け止めています。企業物価 (CGPI) と明後日に発表される消費者物価 (CPI) はどちらもエネルギー価格にけん引された物価上昇を生じており、相対価格の変化なのか一般物価の上昇なのかを見分けにくいと私は感じていたんですが、需給ギャップにかなり敏感なCSPIが上昇に転じつつあるならホンモノの一般物価の上昇なのかもしれません。また、物価ではなく賃金なんですが、別のソースを見ても、先週9月20日に発表されたリクルート・ジョブズの「アルバイト・パート全国エリア別募集時平均時給調査」では、8月の首都圏・東海・関西の三大都市圏におけるアルバイト・パートの募集時平均時給は951円と前年同月より+4円、+0.4%の上昇となっていますから、実にゆっくりしたペースながら、一般物価とともに賃金の上昇も本格的に始まるのではないかと期待させる兆候も見られます。

2年後をめどに消費者物価の上昇率で+2%を目指す日銀のインフレ目標は、私は十分可能性があると予想していますが、この2年の間に消費税率の引上げなどの需給ギャップを悪化させるイベントもあり、必ずしも容易に達成できるとは考えられません。しかし、私と同じリフレ派のエコノミストでも、日銀の金融政策によって景気がよくなった上で、あくまで景気がよくなると前提した上なんですが、景気がよくなって物価が上がらないのであれば、もっと結構なことではないか、とうそぶく人もいたりします。そうなのかもしれません。

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