「スポーツマーケティング基礎調査」に見るスポーツ市場やいかに?
例年スポーツの秋のこの季節に注目している「スポーツマーケティング基礎調査」が今年もマクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングにより取りまとめられ、先週金曜日の10月25日に発表されています。何と、東京オリンピックが決まったにもかかわらず、観戦などの2013年のスポーツ市場は縮小していたりします。まず、マクロミルのサイトからリポートのトピックスを8点引用すると以下の通りです。
トピックス
- スポーツ参加市場規模は約2.6兆円に縮小。「観戦」「用品購入」「施設利用・会費」市場全てが減少。
- スタジアム観戦の支出額: 年間27,624円で、昨年より7%増。
- スポーツ関連メディア市場は2,297億円で、昨年より21%減。
- 最も好きなスポーツは野球。自分でするスポーツとして自転車の人気が上昇。
- スポーツブランドでは、ナイキ、アディダスの海外ブランドが人気。
- 好きなスポーツ選手は10年連続でイチロー選手が1位。東北楽天の田中選手が3位へ躍進。
- プロ野球ファン人口は3,448万人に増加。
東北楽天ゴールデンイーグルスのファンが増加し、12球団中4位に。
Jリーグファンは1,216万人で減少傾向続く。- 東京でのオリンピック開催に賛成が6割超。水泳、体操、マラソンに関心。
ということで、pdfの全文リポートからいくつか図表を引用して、簡単に紹介したいと思います。
まず、アンケート回答者に見るスポーツの位置づけで、「することが好き」か、「見ることが好き」か、どちらも好きか、の合計で80パーセント近くの人がスポーツに対して何らかの関心を持っているといえます。逆から見て、「することも見ることにも関心はない」人が21.6パーセントに上ります。上のグラフを見ても分かる通り、どちらかといえば見るのが好きな人が多いような印象を持ちます。そのスポーツ参加市場の規模は2013年で2兆5,861億円、詳細はスタジアム観戦市場5,257億円、用品購入市場8,664億円、施設利用・会費市場1兆1,840億円と推計されています。昨年2012年の合計規模が2兆9,514億円でしたから、昨年に比べてスポーツ参加市場はかなり大きく縮小したといえます。また、スポーツ関連の「書籍、雑誌、ハンドブック等」「CD、DVD」「有料放送」「インターネット有料配信」「ゲームソフト」の5 種類のメディアに対する支出状況を見ると、2,297億円と昨年から▲21パーセントの減少となっており、オリンピックのウラ年という悪条件が明らかに現れています。
見るスポーツについて、上のグラフに見られる通り、サッカー関係がジワジワと落ちている一方で、プロ野球人気は底堅く推移しており、特に、プロ野球ファン人口は3,448万人と昨年から増加しています。チーム別では、1位読売ジャイアンツ、2位阪神タイガースは例年通りなんですが、東北楽天ゴールデンイーグルスのファンが増加し12球団中4位に食い込んでいます。スポーツ選手の好感度調査でも、田中将大投手はイチロー選手と浅田真央選手に次いで3位に上げられており、昨夜の日本シリーズを見ていても、もはや負けない絶対的なエースとなった田中投手を中心に楽天人気が出ていることを実感しました。ドラフト会議でも、松井投手をくじで引き当てましたし、もしも、あくまで「もしも」の仮定ですが、日本シリーズでも勝って日本一になったりすれば、今年のプロ野球は楽天一色ということになる可能性もあります。そのうちに、球界の盟主の座も狙ったりするんでしょうか?
2020年の開催が決まった東京オリンピックについては回答者の64.3パーセントが賛成の一方、反対は12.5パーセントに上りました。東京オリンピックで関心にある競技は上のグラフの通りです。何となく分かる気がします。また、オリンピックとは関係がないんですが、子どもが行っているスポーツでも水泳がトップで、以下、サッカー、野球・ソフトボール、テニス、武道の順となっています。我が家もジャカルタにいたころ、子供達に水泳とテコンドーを習わせていた記憶があります。私も毎週のようにプールに通っていますので、見るのもやるのも水泳が人気なのかもしれません。
スポーツの秋の恒例で、毎年のように取り上げている「スポーツマーケティング基礎調査」なんですが、市場規模としては今年はオリンピックのウラ年という悪条件がありながら、プロ野球における楽天の躍進、水泳人気の高まりなどを確認することが出来ました。とても興味深いと受け止めています。一応、経済評論の日記に分類しておきます。
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