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2013年10月 2日 (水)

今年のノーベル経済学賞の栄冠や誰に?

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広く報じられている通り、10月7日の医学・生理学賞から始まって、来週はノーベル賞の発表ウィークとなります。もっとも、やや格落ちと見なされることのある経済学賞の発表はさ来週になります。発表予定は以下の通りです。ただし、ノーベル財団のサイトではまだ文学賞の発表日が明らかにされていません。通例に従って、空いている10月10日と想定しておきます。

10月7日
医学・生理学賞
10月8日
物理学賞
10月9日
化学賞
10月10日
文学賞 (仮置き)
10月11日
平和賞
10月14日
経済学賞

なお、例年通り、9月下旬の25日にトムソン・ロイターから「引用栄誉賞」が科学分野に限って発表されています。すなわち、平和賞と文学賞は除かれています。この「引用栄誉賞」はノーベル賞受賞者との相関も高いとされており、今年は医学生理学賞で東京工業大学の細野秀雄教授と東京大学の水島昇教授、物理学賞で東京工業大学の大隅良典教授がそれぞれ受賞しています。おのおのの先生方の専門分野は私には理解できませんのでパスします。なお、当然ながら、社会科学という科学分野の代表たる経済学賞については、以下の3分野の8氏が「引用栄誉賞」を受賞しています。

功績氏名所属
or their advancement of empirical microeconomics

実証的ミクロ経済学への貢献
Joshua D. AngristFord Professor of Economics, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA, USA
David E. CardClass of 1950 Professor of Economics, University of California, Berkeley, Berkeley, CA, USA
Alan B. KruegerBendheim Professor of Economics, Princeton University, Princeton, NJ, USA
for their contributions to economic time-series, including modeling, testing and forecasting

経済学におけるモデリング・計測・予測などに関する貢献
Sir David F. HendryProfessor of Economics, University of Oxford, Oxford, England, UK
M. Hashem PesaranJohn Elliot Distinguished Chair in Economics & Professor of Economics, and Emeritus Professor of Economics & Fellow of Trinity College, Cambridge, University of Southern California, Los Angeles, CA, USA and University of Cambridge, Cambridge, England, UK
Peter C.B. PhillipsSterling Professor of Economics and Professor of Statistics, Yale University, New Haven, CT, USA
for extending economic theories of regulation

規制に関する経済理論の拡張
Sam PeltzmanRalph and Dorothy Keller Distinguished Service Professor of Economics Emeritus, University of Chicago Booth School of Business, Chicago, IL, USA
Richard A. PosnerJudge, United States Seventh Circuit Court of Appeals, and Senior Lecturer, University of Chicago Law School, Chicago, IL, USA

私も地方大学から帰京して学術論文を読んだり書いたりしないサラリーマンに戻って3年余りが経過して、かなり知らない分野が増えました。上のテーブルにある3つの分野の中では真ん中の「経済学におけるモデリング・計測・予測などに関する貢献」がもっとも私の専門分野に近い気がしますが、この分野の中でも真ん中の Pesaran 教授のパネル単位根に関する論文を読んだだけで、後はすべて知らない先生方だったりします。私の予想する今年のノーベル経済学賞としては、リーマン・ショックから5年を経て金融論の分野から John B. Taylor 教授を上げておきたいと思います。

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