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2013年11月 1日 (金)

連合総研第26回「勤労者短観」に見る「ブラック企業」の認識やいかに?

最近話題の言葉に「ブラック企業」というのがあります。決していい意味ではなく、また、エコノミスト的に定義はハッキリしないんですが、ネットで検索をかけると山のようにヒットすると思います。私の感触では英語で sweatshop と呼ばれている企業や会社なんぞに近い表現ではなかろうかと受け止めているんですが、長らく公務員をしている私には余り実感はありません。それはともかく、昨日公表された連合総研の第26回「勤労者短観」では、いわゆる「ブラック企業」についての労働者から見た認識を問う質問が含まれており、年齢が若いほど「ブラック企業」の認識割合が高いなど、いくつか興味深い結果が示されています。まず、日経新聞のサイトからこの調査に関する記事を引用すると以下の通りです。

20代の24%、勤め先「ブラック企業」 連合総研
20代会社員の4人に1人は「うちの会社はブラック企業」と認識――。連合系の調査機関「連合総研」は31日、パワーハラスメントや長時間労働など労働環境が劣悪な「ブラック企業」に関するアンケート調査で、20代社員の24%が勤め先がブラック企業にあたると思っているとの結果を発表した。同総研は「若い社員ほど長時間労働などに厳しい目を向けている」とみている。
調査は10月上旬、首都圏と関西圏で20-64歳の民間企業に勤める会社員2千人を対象にアンケート形式で行われた。
調査によると、勤め先がブラック企業にあたると思うと答えた人の割合は全体の17%に上った。20代(24%)が最も高く、30代(21%)、40代(15%)と年代が高くなるほど低くなった。
「過去1年間に職場で違法状態があったか」との質問に対し、全体の29%が「ある」と回答。具体的には「残業代の未払い」(19%)が最も多く挙げられ、「有給休暇を取れない」(14%)などが続いた。

とてもよく取りまとめられた記事でしたが、今夜はこの第26回「勤労者短観」の調査結果に関する連合総研のリポートから、図表をいくつか引用して、どのような属性で「ブラック企業」と見なされているかを考えたいと思います。ただし、あくまで労働者が考える「ウチはブラック企業かどうか」というアンケート調査結果であり、何らかの客観的な指標があって「ブラック企業」かどうかが判定されているわけではありませんので、結果を見る際には注意が必要です。もっとも、この点については、セクハラやパワハラなどと同じで、受け手が「ハラスメント」であると感じるかがどうかが重要なわけですから、「ブラック企業」に関する客観的な基準もさることながら、労働者が「ブラック企業」のような働き方を強要ないし要求されていると感じるかどうかは大きなポイントだと考えるべきです。ですから、このような労働者側からの調査はもっと重視されて然るべきと私は受け止めています。

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まず、上のグラフは企業属性別です。リポート p.10 図表Ⅱ-9 を引用しています。それほど大きな差が見られませんが、製造業や建設業などよりも小売・卸売や飲食・宿泊などで「ブラック企業」と従業員から見られている比率が高いのは一般的な常識と整合的ではないでしょうか。また、従業員1000人以上の大企業ではややこの比率が低い気もしますが、従業員数で見た企業規模で大きく異なるとの印象はないように受け止めています。

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次に、リポート p.10 図表Ⅱ-10 を引用して個人属性別なんですが、一目瞭然で年齢層が若くなるほど自社を「ブラック企業」と見なしている割合が高くなっています。政府の社会保障政策だけでなく、企業の待遇も含めて、我が国では森羅万象について年齢が高くなるほど有利になる、という確立された真実の裏返しかもしれません。また、正規・非正規別では男性では差が大きくない一方で、女性では正社員の方が労働条件が過酷であることをうかがわせる結果となっています。

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上のグラフは、リポート p.11 図表Ⅱ-11 を引用しています。「所定労働時間を超えて働いた」と回答した人だけを対象とした集計ですが、大雑把に残業時間が長いほど自社を「ブラック企業」と見なす割合が高くなっています。これも常識的な結果だろうと受け止めています。参考集計で月に60時間以上の残業をすると約4割の人が「ブラック企業」認識を持つことが明らかにされています。

最後にどうでもいいことながら、今年の新語・流行語大賞は、この「ブラック企業」か「お・も・て・な・し」のいずれかではないか、と私は予想していたりします。昨年の「ワイルドだろぉ」よりは社会的なインパクトが強そうな気がするんですが、いかがでしょうか?

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