帝国データバンクによる景気動向調査では景気DIが調査開始以来の最高を記録!
本日、帝国データバンクからTDB景気動向調査の結果が公表されています。ヘッドラインとなる景気DIは前月から+1.2ポイント上昇して49.5となり、6か月連続の上昇で過去最高を2か月連続で更新しています。明日は内閣府から政府の景気動向指数が発表されますが、民間調査でも消費税率引上げ前の駆込み需要が浮彫りにされています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果のポイントを引用すると以下の通りです。
調査結果のポイント
- 「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全規模で過去最高を更新した。規模間格差が4カ月連続で縮小しており、アベノミクス効果が幅広い規模にまで波及してきた。
- 『小売』は2カ月連続で改善した。自動車や家電・情報機器などが1年前と比較して急激に改善した。しかし、繊維製品や専門商品は30台にとどまるなど、業種間での二極化がみられ、10業界中で最も低い水準となった。また、『農・林・水産』は「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本産水産物の輸出の好調や食品偽装表示問題が重なり養殖魚の価格も上昇したこともあり、大幅に改善した。
- 地域別では、『北海道』『北陸』『九州』など6地域が過去最高を更新した。他方、小売やサービスなどが高い『南関東』や『近畿』では、建設や不動産など公共工事関連が低く、全体を下回る状況となった。
ということで、帝国データバンクのサイトから全国の景気DIのグラフを引用すると以下の通りです。
調査対象の全10業種すべてが改善を示した上、企業規模別に見ても規模間格差が4か月連続で縮小視、また、地域別に見ても10地域中9地域で前月を上回り、うち6地域が過去最高を更新しています。帝国データバンクでは、アベノミクス効果が小規模企業まで波及した結果と分析しています。さらに、先行きについても恐ろしく強気で、1か月後の景気DIは12月から+0.6ポイント上昇して50.1に、3カ月後は+2.8ポイントの52.3にさらに上昇した後、消費税率引上げ後の6か月後でも51.9を維持し、1年後は53.2を見込んでいます。私はやや怪しいと受け止めています。当然、消費税率引上げ前の駆込み需要と引上げ後の反動の大きさは、符号こそ違え、相関があると考えるべきです。「山高ければ、谷深し」ともいいます。この駆込みとその後の反動はGDP比でそれぞれに1%近く、おそらく、それぞれに絶対値で0.5-0.8%くらいに達すると考えるべきです。あくまで、駆込みと反動がそれぞれにこれだけあるんですから、上下考え合わせて4-6月期にはGDP比で▲1.0-1.5%くらいの落ち込みが生じる可能性があります。そのための経済対策も準備されていますが、現在の景気に浮かれることは賢明ではない可能性があり、政策的なショックはそれなりに大きいと覚悟すべきです。
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