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2014年2月13日 (木)

+2%台半ばを続ける企業物価の上昇はホンモノか?

本日、日銀から今年1月の企業物価指数 (CGPI) が発表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+2.4%と、10か月連続でプラスを記録し、そのうち、昨年10月から4か月連続でほぼ+2%台半ばの上昇率水準を維持しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1月国内企業物価、10カ月連続プラス 円安で高水準続く
日銀が13日発表した1月の国内企業物価指数(2010年平均=100、速報値)は102.9と、前年同月比で2.4%上昇した。円安基調やエネルギー価格の高止まりを背景に、10カ月連続でプラスとなった。
企業物価指数は出荷や卸売りの段階など企業間で取引する製品の価格水準を示す。全820品目のうち、前年同月比で上昇した品目数は406、下落した品目は287と5カ月連続で上昇品目数が下落品目数を上回った。
内訳では製材・木製品や石油・石炭製品の価格が高水準を維持。住宅投資増に伴う旺盛な建材需要に支えられ鉄鋼が上げ幅を拡大した。自動車向けの部品が一部で値上げされたことに伴い、プラスチック製品も前年同月比で1.0%上昇した。
一方で、豚肉や牛肉などは年末の需要がなくなり、農林水産物は上昇幅を縮小した。鉄くずなどスクラップ類も上昇が一服した。
円ベースで輸入物価は12.7%上昇したほか、輸出物価も7.9%上昇した。

いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの企業物価上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルは国内と輸出入別の前年同月比上昇率を、下のパネルは需要段階別を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期です。いつものお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

photo

1月の企業物価で注目すべきは、輸出入物価の上昇率が低下したことではなかろうかと私は考えています。すなわち、12月のCGPIまでは円安が牽引した物価上昇であり、その代表が上のパネルの輸出入物価と下のパネルの素原材料物価の上昇だったんですが、1月になって為替の円安への動きが一服したことなどから、上昇率が低下しています。もちろん、まだ上昇率そのものは国内物価や最終財物価に比べて高いんですが、それでも、一例としてあげれば、輸出入物価や素原材料物価の前年同月比上昇率が昨年12月から今年の1月にかけて、ほぼ5%ポイントも低下したにも関わらず、国内物価や最終財物価への波及はそれほど大きくなく、いずれも前年同月比上昇率で+2%台の水準を維持しました。もちろん、輸入物価から国内物価へ、また、素原材料物価から中間財物価や最終財物価へ、一定の波及ラグはあり得るんでしょうが、最近ではIT技術の進歩などに従って在庫管理の適正化が進んでおり、波及ラグは一昔前ほど大きくないと私は考えており、いわゆる川上の物価上昇率が低下したにもかかわらず、川下の物価がさほど下がっていませんから、需給ギャップなどの実体経済に応じた物価上昇が実現されつつあると、私なんぞは期待を膨らませています。もっとも、実体経済の改善の一定の部分は、4月からの消費税率の引上げを前にした駆込み需要でしょうから、「実体経済」と表現しつつ、実は、ある程度の、私の目算ではGDP比で0.5%から1%近い仮需が発生しているという事実については認識しておくべきです。

最後に、物価については、企業物価にせよ、消費者物価にせよ、1月31日付けのエントリーで表明した通り、4月からの消費税率の引上げという撹乱要因はあるものの、日銀の想定するインフレ目標とそれに達するまでの物価上昇シナリオに沿った整合的な動きであることは忘れるべきではありません。

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