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2014年2月18日 (火)

スタティックな期待を示すESPフォーキャスト

やや旧聞に属する話題ですが、先週2月13日に日経センターからESPフォーキャスト2月調査結果が公表されています。1次QE発表直前に勇気を持った公表だと思いますが、時期的に、日経新聞の記事などでは経常収支の動向に注目されたところです。このブログでもグラフを引用して簡単に振り返っておきます。

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まず、成長率予想は上のグラフの通りです。1次QE公表の前ですから、かなり高めに出ています。このブログでも昨夜のエントリーで取り上げた10-12月期1次QEのひとつの特徴は、消費税率引上げ前の駆込み需要がそれほど大きくない、また、新興国経済が停滞して輸出が伸び悩んでいる、といったところですから、次の調査では下方改定される可能性もありえると私は受け止めています。ただし、「山高ければ、谷深し」の反対で、「山低ければ、谷浅し」かもしれませんので、消費税率引上げ直前の1-3月期の成長率が下方修正され、税率引上げ直後の4-6月期が上方修正される可能性があります。

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次に、消費者物価上昇率の予想は上のグラフの通りです。この年末年始、すなわち、消費税率引上げ前の段階では日銀の金融政策のシナリオであるデフレ脱却のパスに乗っているんですが、4月から消費税率が引き上げられGDPギャップのマイナス幅が拡大すれば、需給ギャップに応じて物価の上げ幅は小さくなる可能性が高いと考えられるのはその通りです。上のグラフはそういったエコノミストの期待物価上昇率を平均的に表現しているように思うんですが、他方、2月調査では日銀の物価目標が達成されると考えるエコノミストが1月の1人より倍増して2人になったりしています。スタティックに物価を現在の延長線上で予測するだけでなく、日銀が追加緩和のカードを持っている以上、追加緩和の政策効果を含めて、日銀の物価目標は達成可能と考えるべきです。

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最後に、失業率予想は上のグラフの通りです。さ来年度2015年度の末までかかっても3%台半ばにも達しないとの予想になっています。今年に入ってから、私は経済団体との会合で物価目標が達成されれば失業率は3%強くらいまで低下する、とフィリップス曲線から導かれる当然の帰結について発言したことがあります。しかし、多くのエコノミストの予想は現状をそのまま先延ばしするだけのスタティックな期待を体現しており、なかなか失業率が低下せず、従って、賃金も上がらないという日本経済に20年間染み付いた姿から逃れられないようです。

ESPフォーキャスト調査はカッコ付きの「有識者」であるエコノミストの平均的な見方を集計したものとしてとても有益なんですが、さすがのエコノミスト同業者も長らく続いた日本経済の停滞のために現在の延長線上で考えてしまうスタティックな暗めの将来経済像を抱き勝ちのようです。実際にどうなるかは統計を見てのお楽しみなのかもしれません。

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