価格.com リサーチ「消費税率アップ直前意識調査」にみる駆込み需要やいかに?
いよいよ消費税率引上げまであと半月ほどを残すばかりとなりましたが、今週月曜日の3月10日に、価格.com リサーチから「消費税率アップ直前意識調査」と題する調査結果が公表されています。期間や対象者などの調査の詳細は明らかではないんですが、それなりに興味深い結果が示されています。調査対象者に大きなバイアスを含むことを承知の上で簡単に紹介したいと思います。まず、価格.com のサイトから topics を5点だけ引用すると以下の通りです。
topics
- 消費税率アップの賛否: 「賛成」21.7%、「反対」54.7%。シニア層は税率アップに理解を示す
- 消費税率アップ「賛成」意見: 国の財政状況を考えると消費税率アップはやむを得ない
- 消費税率アップ「反対」意見: 税率アップのタイミングに異論あり。景気悪化懸念、税金の"無駄使い"削減の優先を訴える声も
- 家計見直しの意向: 「見直す」「すでに見直した」で合計60%超。家族が多い世帯ほど、家計見直しが切実に
- 消費税率アップを見越して購入したもの: 「車」や「住宅のリフォーム」など高額製品・サービスに高い需要
最初にお断りしておきますが、同様の消費税率引上げに関するアンケート調査はいっぱいあるんですが、例えば、大手調査会社のインテージの『消費税増税 影響分析プロジェクト』レポート第1弾なんぞは、スマートフォンのアプリを使った調査で、調査客体のバイアスがかなり激しい気がして取り上げていません。もちろん、この調査でも回答者のバイアスは当然に気にかかります。また、リサーチプラスの「増税に関する調査」なども参考になると思います。ただ、今日のエントリーで取り上げる価格.com リサーチの「消費税率アップ直前意識調査」は駆込み購入に関して、極めて詳細な商品分類で質問していますので、そのアドバンテージは大きいと考えています。見れば分かりますが、デジカメを「コンパクト」と「一眼レフ」に分けているほどの念の入れようだったりします。もちろん、タイトルにもある通り、直前のタイミングでの調査結果も興味深いと私は考えています。
ということで、今さらながら、消費税率の引上げの賛否を質問してもしょうがない気はするものの、まず最初、下のグラフは「消費税率アップの賛否」です。当然ながら、過半の回答者が反対を表明しています。特に、私からコメントする気にもなりません。
続いて、下のグラフは「家計見直しの意向」に関する回答結果です。何とも評価の難しいところですが、見直さないとする家計が 1/4 ある一方で、やっぱり、かなりの家計で見直し機運が高まっていることは確かであろうと思います。もちろん、このような調査に対する回答なんですから、見栄を張って回答している可能性があり、その分のバイアスは考慮すべきかもしれません。また、家計の見直しがいつまで続くのかも不明です。
続いて、「消費税率アップを見越して購入したもの」の回答結果が下のグラフの通りです。やっぱり、世間で報じられている通り、「自動車」がトップです。あとは、日用品と住宅リフォームを別にすれば、ほぼ家電の耐久消費財が並んでいるという形です。「時計・アクセサリー・ブランド品」がもっと多いかと私は想像していましたが、そうでもないようです。
最後に、「消費税率アップを見越してこれから購入したいと考えているもの」の回答結果は下のグラフの通りです。店頭に並んでいる商品と違って、「自動車」が上のグラフと比べてかなり落ちています。納車時期との見合いなんだろうと思います。また、目立たないんですが、「定期券、新幹線チケット、航空券」が上のグラフからジワリと増加しています。我が家でも、消費税率引上げに伴う運賃改定前に6か月定期券を購入しておこうと考えています。
すでに、一部で実施されているところですが、消費税率の引上げにともなって、かなりの店舗で価格表示が外税方式に変更されます。最初はやや戸惑うかもしれません。それにしても、サイフに1円玉が増えそうな予感がします。
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