2月の機械受注は1月の大幅増からの反動減を記録!
本日、内閣府から2月の機械受注統計の結果が発表されています。GDPベースの設備投資の先行指標となる船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は前月比▲8.8%減の7696億円でした。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。
2月の機械受注8.8%減 基調判断を下方修正
内閣府が10日発表した2月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)が7696億円と前月比で8.8%減った。減少は2カ月ぶりで、内閣府は基調判断を1月の「増加傾向にある」から「増加傾向に足踏みがある」に下方修正した。下方修正は2012年10月以来、1年4カ月ぶりとなる。
機械受注は国内総生産(GDP)の設備投資に3-6カ月先行するとされる。2月の動向は消費増税後の4-9月期の設備投資に影響する。
判断の修正について、内閣府は製造業、非製造業ともに前月から減少したことなどを理由に挙げた。「機械受注の単月の数字はばらつきが大きく、1-3月期の実績値などを見極める必要がある」とも説明した。
2月は比較可能な2005年以降で2番目に高い伸びだった1月の反動が出た形となった。
製造業からの受注額は2923億円で前月比11.9%減った。マイナスは2カ月ぶりで、全15業種のうち9業種で減少した。1月に大型案件の発注があった化学機械が減ったほか、工作機械の注文も少なかった。造船や自動車、鉄鋼メーカーからの発注は増えたが、製造業全体の落ち込みを補うには力不足だった。
船舶・電力を除く非製造業からの受注額は前月比8.4%減の4680億円だった。前月に多かった通信業や金融業、保険業からのコンピューターなどの発注が減った。運輸業・郵便業からの鉄道車両などの注文も前月から減少した。電力や船舶を含む全12業種のうち10業種で減少した。
2月に発表した1-3月の受注は前期比2.9%の減少を見込む。3月がマイナス2.6%以上であれば達成できる。
いつもの通り、いろんなことをとても適確に取りまとめた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期なんですが、毎度のお断りで、直近の景気の谷は2012年11月であると仮置きしています。
2月のコア機械受の前月比▲8.8%減について考えると、日経QUICKによる予測中央値に従えば、市場の事前コンセンサスは前月比で▲2.6%減、予測レンジでも▲6.7%減から+0.6%増でしたから、市場の予測レンジの下限を下回ったことになります。上のグラフを見ても、後方6か月移動平均の濃い色の太線が、決して下向きになったわけではありませんが、やや停滞感を示しているようにも見えます。短期的には増加基調がピークアウトしている可能性は否定できません。ですから、統計作成官庁の内閣府では基調判断を「増加傾向にある」から「増加傾向に足踏みがみられる」に下方修正しています。引用した記事にもある通り、機械受注が1-2四半期ほど設備投資に先行すると仮定すれば、2014年度前半の設備投資が停滞する可能性を示唆している可能性はありますが、もともと振れの激しい統計ですから単月での判断には限界があります。実際のところ、前月1月が+13.4%増と大幅な増加を示しましたから、今日発表された2月統計はその反動減という見方は否定できません。2月のコア機械受注7,696億円は昨年12月の7,441億円を軽く上回っていたりします。
12月統計が発表された時点から、今年2014年1-3月期は前期比で▲2.9%の減との見通しでしたから、ある意味では、従来の想定されたパターンに乗っているのかもしれません。なお、この1-3月期見通しは、引用した記事にもある通り、3月に前月比▲2.5%減以上でも達成可能となる一方で、1-3月期に前期比で増加するためには3月分は前月比+6.7%の増加が必要となります。なんとなく3月のレンジの中だという気もしますが、3月統計の発表時には季節調整が修正されますので、何かが起こる可能性があります。
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