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2014年4月 1日 (火)

日銀短観の景況判断は5期連続で改善した後、4月からは大きく低下の見込み!

本日、3月調査の日銀短観が公表されています。ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは、前回の12月調査から+1ポイント改善し、+17となりました。5四半期連続の改善となります。また、本年度2014年度の設備投資計画は大企業で前年比ほぼ横ばいの+0.1%増と見込まれています。まず、日銀短観について報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

3月日銀短観、景況感5期連続改善 大企業製造業
日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス17だった。前回の2013年12月調査(プラス16)から1ポイント改善した。DIの改善は5四半期連続。2007年12月(プラス19)以来6年3カ月ぶりの高い水準を維持した。消費税率引き上げ前の駆け込み需要や企業の生産活動の盛り上がりを受け、企業マインドが改善している。ただQUICKがまとめた民間の予測中央値(プラス18)は下回った。
3カ月先の6月については、大企業製造業がプラス8になる見通し。市場予想の中央値(プラス13)を大きく下回った。今後、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が見込まれることが落ち込みにつながった。
2014年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で、1ドル=99円48銭と、13年度見込みの98円37銭よりも円安方向の水準に設定された。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。調査期間は2月24日-3月31日で、回答基準日は3月10日だった。
一方、大企業非製造業のDIはプラス24と、前回から4ポイント改善した。改善は5四半期連続。1991年11月調査(プラス33)以来およそ22年ぶりの高い水準だった。駆け込み需要の恩恵を受けやすい小売りや不動産などで改善が目立った。3カ月先の6月のDIは11ポイント悪化し、プラス13を見込む。
全規模全産業のDIはプラス12と、前回から4ポイント改善。1991年11月調査(プラス12)以来22年ぶりの高い水準。ただ、先行きは悪化が見込まれる。
中小企業は製造業が3ポイント改善のプラス4、非製造業は4ポイント改善のプラス8だった。先行きはいずれも大幅な悪化を見通す。
大企業・全産業の設備投資、0.1%増 2014年度計画 日銀短観
日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、14年度の設備投資計画は大企業全産業が前年度実績見込み比0.1%増だった。QUICKがまとめた市場予想の中央値(横ばい)とほぼ同水準だった。景況感は上向くものの、海外経済の先行きへの不透明感が根強く、設備投資への慎重姿勢を残している。13年度実績見込みは3.9%増と、昨年12月の前回調査(4.6%増)から下方修正された。
14年度の収益計画は、大企業全産業の経常利益が前年実績見込み比2.3%減少。売上高は1.1%増える見通し。大企業製造業の輸出売上高は1.4%の増加を見込んでいる。

ということで、いつもながら、適確にいろんなことを取りまとめた記事だという気がします。続いて、規模別・産業別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。このブログのローカル・ルールで、昨年10-12月期を直近の景気の谷と仮置きしており、ほかの短観のグラフについても以下同文です。

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ヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIについては、日経QUICKによる市場の事前コンセンサスが最近あるいは現状で+18、先行きで+13でしたから、足元についてはほぼジャストミートだったと受け止めています。先行きについては実績が+8ですので、市場予想よりもかなり悪化するとの見込みであり、当然ながら消費税率引上げと経済対策の効果のうち前者を重視した見方といえます。消費税率引上げはかなりのネガティブなインパクトを及ぼすんでしょうが、問題は景気の伸び悩みやマインドの悪化が景気の腰折れにつながるかどうかです。現時点で、多くのエコノミストの間の緩やかなコンセンサスでは、消費増税の負のインパクトは景気の腰折れにはつながらないと見込まれています。しかし、このコンセンサスはあくまで他の条件が現状のまま推移するという前提であり、何らかの消費増税以外のネガティブなイベントが突発すれば、相乗効果により景気のさらなる悪化を招く可能性があることは忘れるべきではありません。その場合、極めて蓋然性は低いながら、景気の反転も可能性としては排除できません。

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生産要素である設備と雇用の過不足判断DIのグラフは上の通りです。設備・雇用とも先行きの3か月先の判断は足踏みを示しています。消費増税の帰結からして当然です。ただし、雇用については方向として過剰の方向に振れはするんですが、DIそのものは不足を意味するマイナス領域のままです。この雇用不足感が雇用の量的な増加とともに、質的な賃金上昇や正規職員求人の増加などに結実すれば、家計消費の増加につながる可能性が高く、景気をサポートするものと私は考えています。雇用者の増加はもちろん重要ですが、賃金の上昇は景気を下支えするためにも必要だと私は考えています。

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大企業の製造業と非製造業を合わせた全産業の2014年度設備投資計画は前年度比で+0.1%増となりました。私自身はわずかながらもマイナスでのスタートの可能性を考えていただけに、やや強気の判断という気もしなくもありませんが、取りあえず、年度初めの設備投資計画は前年度並みで仮置きした、という色彩が強そうな気もします。4月からの消費増税のインパクトを見極めて、企業マインドがどちらに振れるのかは、誠に残念ながら、現時点では私には情報がありません。

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ついでながら、日銀短観から離れて、本日、厚生労働省から2月の毎月勤労統計が発表されています。統計のヘッドラインとなる現金給与と所定外労働時間は上のグラフの通りです。上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下は製造業に限らず調査産業計の賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。賃金は凡例の通り現金給与総額と所定内給与です。影をつけた期間は景気後退期であり、毎度のお断りですが、このブログのローカル・ルールで、直近の景気の谷は2012年11月と仮置きしています。また、下のグラフは産業別の昨年2013年年末ボーナスです。上のパネルが実額を、下は前年比の伸び率を、それぞれプロットしています。調査対象の平均で年末ボーナスは前年度比+0.3%の増加となりました。

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