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2014年4月22日 (火)

派遣スタッフとパート・アルバイトの時給やいかに?

リクルートジョブズの調査による3月度の三大都市圏における派遣スタッフ募集時平均時給と同じくアルバイト・パート募集時平均時給の結果が、それぞれ、先週4月15日と18日に公表されています。まず、最近の動向をプロットしたグラフは以下の通りです。凡例などを見ての通りです。

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なお、本日のエントリーの情報源は日経新聞の以下の記事です。

アルバイト・パートについては、3月の募集時平均時給は前年同月に比べ+0.6%高く、平均時給は948円を記録しています。また、3月は大学生の卒業シーズンでもあり、人手不足に悩む外食各社が募集をかけた結果、特に、飲食業の求人件数は+49.9%増えています。また、新規出店の増えているコンビニも採用が厳しく、都心部のビジネス街ではスタッフの時給を昼間でも1000円台とするところも出て来ているようです。さらに、塾などの教育産業でも人で不足が広がっているという報道があります。新規採用を増やすため採用直後の時給を一時的に高めに設定する事例が報じられていますが、時給引上げとともに、就職支援などの時給以外でアルバイトを引き付けようという動きも広がっているようです。
派遣スタッフについても、3月の募集時平均時給は前年同月比+3.7%高い1529円と10か月連続で前年同月を上回っています。時給上昇の要因としては、景気の改善に伴って派遣社員が正社員採用を目指して転職活動をするなど派遣離れの動きが背景にあり、大手派遣会社などは必要な人数を集めるため、時給を高めに設定しているほか、消費増税で派遣社員の生活コストが膨らむとして、派遣会社が時給を引き上げる動きもあると報じられています。特に時給の上昇が大きいのはIT・技術系で、リクルートジョブズの調査結果では3月の募集時平均時給は1903円と前年同月比+4.2%増を記録しています。

アベノミクスによる景気の回復・拡大から1年余りが経過し、雇用も非正規の量的な拡大の段階から賃上げや非正規職員の正規化などの質的な待遇改善の局面に移行しつつあるように私は受け止めています。私は雇用を重視するエコノミストとして、この景気回復・拡大に伴って、多くの希望する国民が decent job に就くことを期待しています。

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