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2014年4月30日 (水)

今日発表の鉱工業生産指数と毎月勤労統計と日銀「展望リポート」から

本日、経済産業省から鉱工業生産指数 (IIP) が、また、厚生労働省から毎月勤労統計が、それぞれ公表されています。いずれも3月の統計で、鉱工業生産は季節調整済みの前月比で+0.3%増、毎月勤労統計のうち、現金給与指数は季節調整していない原系列の前年同月比で+0.7%増、製造業の所定外労働時間指数は季節調整済みの系列で前月比+2.7%と、月曜日に取り上げた商業販売統計と同じで、消費増税直前の駆込み需要で上振れし、景気判断には特段の情報はもたらしていません。と言いつつ、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産、3月0.3%上昇 5月予測は0.1%上昇
経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は101.8だった。前月比で0.3%上昇した。プラスは2カ月ぶり。2月に大雪の影響で落ち込んだ反動もあって小幅ながらプラスに転じた。
QUICKが28日時点で集計した民間の予測中央値(0.5%上昇)は下回った。経産省は生産の基調判断を「持ち直しの動きで推移している」で据え置いた。
業種別でみると、15業種のうち7業種が上昇した。2月に大雪の影響で工場が操業停止に追い込まれた輸送機械工業が回復。電子部品・デバイス工業で太陽電池セル、電気機械工業で太陽電池モジュール(複合部品)の生産がそれぞれ伸びた。ともに「太陽電池関連の製品で動きがみられた」(経産省)。
出荷指数は1.2%低下の102.2、在庫指数は1.8%上昇の106.1、在庫率指数は2.6%上昇の105.9だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、先行きは4月が消費増税前の駆け込み需要の反動もあって1.4%低下、5月は0.1%上昇する見込みだ。
1-3月期の四半期ベースは前期比2.8%上昇の102.4だった。四半期ベースのプラスは5期連続。自動車をはじめとした耐久消費財の輸出が堅調だったほか、非耐久消費財で日用品を中心に駆け込み需要が出たことが寄与した。13年度は前年度比3.2%上昇の98.9。13年後半から景気回復の流れが強まったため、3年ぶりに前年度を上回った。
現金給与総額、3月0.7%増 2年ぶり高い伸び 27万6740円
厚生労働省が30日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、従業員1人当たり平均の現金給与総額は27万6740円と前年同月比0.7%増え、2012年3月(0.9%増)以来2年ぶりの高い伸び率だった。増加は3カ月ぶり。景気の持ち直しを受けて企業業績が回復し、残業代が伸びたほか、期末手当を支給する企業が増えた。
期末手当やボーナスなど特別に支払われた給与は14.8%増えた。残業代などの所定外給与は4.8%増えた。所定外労働時間は7.4%増と10年9月(8.7%増)以来3年6カ月ぶりの高い伸びとなった。増加は10カ月連続。このうち製造業は12.7%増と9カ月連続で増えた。消費増税前の駆け込み需要などで生産活動が活発化したことを映した。
基本給や家族手当などの所定内給与は24万656円と0.4%減った。一方、常用雇用者数は4595万5000人と1.0%増えた。このうち一般労働者は1.2%増加、パートタイム労働者の増加率(0.8%)を上回った。厚労省は「企業業績の回復を背景に勤続年数の短い正規雇用者が増え、所定内給与の平均額を押し下げた。雇用情勢は改善しつつある」とみている。

いずれもとてもよく取りまとめられた記事だという気がします。次に、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。なお、毎度のお断りですが、このブログのローカル・ルールで、直近の景気の谷は2012年11月であったと仮置きしています。これは、毎月勤労統計の所定外労働時間指数のグラフも同じです。

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まず、鉱工業生産について、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは前月比で+0.5%増でしたから、これをやや下回ったとはいえ、2月の天候要因による減産からは微増し、ほぼ市場の予想通りの結果と受け止めています。製造工業生産予測調査に従えば、先行き生産は4月が▲1.4%減と消費増税直前の駆込み需要の反動減を経て、5月には+0.1%増の増産に転じるとの見通しですので、これも多くのエコノミスト見込み通りという気がします。1997年の当時と比較して、今回の消費増税前の駆込み需要とその後の反動について、少し話題になっているのが在庫の動きです。グラフはお示ししませんが、1997年当時では当然のように3月が在庫のボトムとなっていましたが、今回は2月の天候要因もあり、2月が在庫も在庫率もボトムをつけて3月は在庫も在庫率も2月からリバウンドしています。例えば、自動車が売れに売れた輸送機械、典型的な在庫変動が観察される電子部品・デバイス、さらに情報通信機械などは在庫率指数で見て3月は前月比で2桁増を示しています。これらの業界に限るわけではありませんが、1997年当時に比べて、企業が駆込み需要に対して慎重な生産計画を組み、いわゆる意図せざる在庫積上がりを避けようとしているように私には見えます。もちろん、在庫管理技術の進歩も大きいんでしょうが、結果的に、駆込み後の反動減に対して生産減の程度や期間を圧縮できる可能性が十分あると私は見込んでいます。一昨日の商業販売統計から、3月の駆込み需要な1997年に比べてさほぼ小さいわけではない可能性が示唆されましたが、駆込み需要に対する企業の生産・在庫の行動はかなり賢明であり、駆込み需要後の反動減ショックをいくぶんなりとも緩和する可能性があると期待してよさそうです。ただし、消費増税による物価上昇が1997年当時よりも価格転嫁が進んで大きい可能性があり、実質所得の減少については生産・在庫行動とは関係がありませんので、その面からの経済へのマイナス・ショックはそれなりの大きさになる可能性があります。いずれにせよ、製造工業生産予測調査で5月から生産が持ち直すとの見込みですので、かなり明るい見通しだという気はします。

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次に、毎月勤労統計のグラフは上の通りです。上のパネルは現金給与総額とその内の所定内給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、下のパネルは季節調整した製造業の所定外労働時間を、それぞれプロットしています。所定外労働時間は消費増税前の駆込み需要に従って増加を示しています。給与も期末手当やボーナスなど特別に支払われた給与と残業代などの所定外給与は増えた一方で、所定内給与は減少を続けています。もちろん、春闘におけるベースアップなどはまだまだ織り込まれていないんでしょうが、先行きの消費者の購買力を確保するためにはそれなりの賃上げが必要です。他方、売上げ単価でデフレートした実質賃金が低下するのであれば、労働市場の需要曲線が右下がりである限り雇用が増加します。もっとも、消費税率引上げ分を除いた売上げ単価の増加は便乗値上げがない限りは生じにくいことも確かです。いずれにせよ、4月以降の賃金動向、特に夏季ボーナスも含めて、単月よりは少し長い目で見た賃金動向が上向くことを願っています。

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最後に、日銀金融政策決定会合にて議論された「展望リポート」の p.10 で2013-2016年度の政策委員の大勢見通しは、上の通り明らかにされました。追加緩和は見送られたようですが、2015年度に消費者物価上昇率が2%に達するとの基本シナリオは維持されたと受け止めています。

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