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2014年5月15日 (木)

1-3月期1次QEは消費増税前の駆込み需要で大幅なプラス成長を記録

本日、内閣府から今年2014年1-3月期のGDP統計1次速報、いわゆる1次QEが公表されています。季節調整済みの系列による成長率は前期比で+1.5%、前期比年率で+5.9%を記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1-3月期GDP、年率5.9%増 内需がけん引
内閣府が15日発表した2014年1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比1.5%増、年率換算で5.9%増と6四半期連続のプラスとなった。4月の消費増税前の駆け込み消費が活発化したうえ、企業業績の回復を背景に設備投資が大幅に増加。13年10-12月期(年率0.3%増)から伸び率が急拡大した。QUICKが14日に集計した民間予測の中央値である年率4.3%増も上回り、東日本大震災後の回復期にあたる11年7-9月期(年率10.8%増)以来の高成長だった。生活実感に近い名目成長率は1.2%増、年率で5.1%増となった。
実質成長率への寄与度で見ると、国内需要が1.7ポイント押し上げた半面、輸出から輸入を差し引いた外需は0.3ポイントの押し下げ要因となった。
内需のうち個人消費は2.1%増と6四半期連続のプラス。消費増税を前に自動車や家電製品といった耐久財に加えて、日用品などでも駆け込み需要が出た。設備投資は4.9%増と4四半期連続のプラス。伸び率は11年10-12月期(8.2%増)以来の高さだった。好調な業績を受けて企業の投資マインドが改善。「ウィンドウズXP」のサポート終了による買い替え需要で、パソコン関連メーカーの設備投資も増えた。
住宅投資は3.1%増と8四半期連続で増えたが、伸び率は10-12月期の4.3%増から鈍化した。旧消費税率の適用条件が9月までの契約だったため駆け込み需要が一足早く発生していたため。公共投資は12年度の補正予算の効果が一巡し2.4%減と5四半期ぶりに減少に転じた。
外需は輸出が6.0%増。自動車や半導体製造装置が伸びた。一方、輸入は原油や天然ガスが伸びて6.3%増だった。その結果、成長率に対する外需寄与度は3四半期連続でマイナスだった。
総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比でプラス0.0%となり、09年7-9月期(0.0%増)以来18四半期ぶりにプラスに転じた。甘利明経済財政・再生相は15日午前の記者会見で「デフレ脱却に向けて着実に前進している」との認識を示した。国内の物価動向を表す国内需要デフレーターはプラス0.7%と3四半期連続のプラスだった。
実質季節調整系列の金額ベースで見ると535兆5245億円で、現行基準になった1994年1-3月期以降で最高になった。
同時に発表した13年度のGDPは実質で前年比2.3%増、生活実感に近い名目で1.9%増となった。

ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2013/1-32012/4-62013/7-92013/10-122014/1-3
国内総生産GDP+1.2+0.9+0.3+0.1+1.5
民間消費+1.0+0.7+0.2+0.4+2.1
民間住宅+1.8+0.8+3.3+4.3+3.1
民間設備▲2.0+1.0+0.7+1.4+4.9
民間在庫 *(+0.0)(▲0.3)(+0.1)(▲0.0)(▲0.2)
公的需要+1.4+1.8+1.5+0.5▲0.4
内需寄与度 *(+0.8)(+0.7)(+0.8)(+0.6)(+1.7)
外需寄与度 *(+0.4)(+0.1)(▲0.5)(▲0.6)(▲0.3)
輸出+4.3+2.9▲0.7+0.5+6.0
輸入+1.1+1.8+2.4+3.7+6.3
国内総所得 (GDI)+0.8+0.9+0.1▲0.1+1.0
国民総所得 (GNI)+0.7+1.6▲0.2▲0.1+0.7
名目GDP+0.8+0.9+0.2+0.2+1.2
雇用者報酬+0.9+0.2▲0.4▲0.1▲0.3
GDPデフレータ▲1.0▲0.6▲0.4▲0.4±0.0
内需デフレータ▲0.8▲0.3+0.3+0.5+0.7

テーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示した積上げ棒グラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対する寄与度であり、左軸の単位はパーセントです。グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された1-3月期の最新データでは、前期比成長率が大きなプラスであり、特に消費増税前の駆込み需要に伴う赤の民間消費と水色の設備投資のプラス寄与が大きく、逆に、黒の外需がマイナス寄与を示しているのが見て取れます。

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一昨日のエントリーでは、私自身の1次QE予想として、前期比年率で+5%に届くか届かないか、と言ったくらいの見込みを示しましたが、私の予想を超えた高い成長率でした。私の予想が下に外れた最大の要因は、消費税率引上げ前の駆込み需要の大きさが私の予想を超えたことに起因すると受け止めています。さらに、駆込み需要が私の予想を上回った原因は我が家で長らく自動車を持ちつけていないからではないかと、勝手に推測しています。もっとも、3月の家計調査結果の追加参考図表の3として、1997年当時と今年のそれぞれの3月の消費支出の伸び率を比べた「消費支出の増加に寄与した主な費目別対前年同月実質増減率」と題するリポートが総務省統計局から示されていますが、これを見る限りは自動車は1997年当時の方が大きく伸びています。他方、1997年当時は世の中に存在しなかった統計なので比べようもありませんが、家計消費状況調査の3月速報を見る限り、自動車(新車)は前年同月比で実質+43.0%の伸びですから、家計調査で把握しきれていない部分も少なくない可能性があります。いずれにせよ、自動車が駆込み需要で大きく売上げを伸ばしたことは明らかです。

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といことで、GDPベースの消費を耐久財・半耐久財・非耐久財・サービスの4財に分類して、季節調整済みの系列の前期比伸び率をプロットしたのが上のグラフです。1-3月期には耐久財消費が大きく伸びていて、次いで半耐久財、非耐久財が続き、サービス消費の伸びがもっとも低くなっています。耐久期限に応じて駆込み需要が発生したのが見て取れます。3月の家計調査結果に基づいて「消費税率引上げによる駆け込み需要が見られた主な品目等」と題する追加参考図表がやっぱり総務省統計局から公表されています。コメやめん類といった食料よりも、エアコンや冷蔵庫などの耐久財が大きな伸び率を示していることが明らかにされています。もちろん、駆込み需要で大きく伸びた品目は4月から反動減も大きくなります。「山高ければ、谷深し」ということです。さらに、注目すべきは雇用者報酬であると私は考えています。すなわち、最初にお示ししたテーブルにもある通り、実質の雇用者報酬はここ3期連続してマイナスをつけている一方で、消費増税前の駆込み需要に対する支出がかさみましたから、当面の間、消費は停滞を続ける可能性が高いと覚悟すべきです。すでに、4月28日付けのエントリーで商業販売統計を取り上げた際に、小売売上げは1997年4月から12か月連続で前年同月比マイナスとなったという歴史的事実を明らかにしましたが、先行きの消費が1997年と同様の動向を示す可能性は十分にあると私は考えています。

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ただし、先行き消費の明るいトピックはデフレ脱却です。上のグラフはGDPデフレータ、消費デフレータ、国内需要デフレータのそれぞれの前年同月比上昇率をプロットしています。消費デフレータと国内需要デフレータはすでにプラスに転換していますが、トータルのGDPデフレータも1-3月期には前年同月比でゼロに達し、マイナス領域を脱しました。いよいよ、物価が上がってお給料も上がる世界を取り戻しつつあるように期待しています。そして、消費に関するもうひとつの明るい兆しは、マインドがようやく下げ止まりつつあると見込まれることです。下のグラフは、今日内閣府から発表された消費者態度指数ですが、4月は前月よりも▲0.5ポイント低下して37.0を記録し、5か月連続で前月を下回って、依然として低迷しています。消費者態度指数を構成する4項目の意識指標を見ても、「耐久消費財の買い時判断」が上昇しているほかは、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」は低下しています。しかし、消費増税が実行された4月から年央くらいまでに、そろそろ消費者マインドは底を打つんではないかと私は期待しています。

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