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2014年5月20日 (火)

帝国データバンク「2014年度の業績見通しに関する企業の意識調査」に見る消費増税の影響やいかに?

昨日5月19日、帝国データバンクから特別企画として「2014年度の業績見通しに関する企業の意識調査」と題するリポートが公表され、4月1日に実施された消費税率引上げが企業業績に及ぼす影響も含めて、本年度の企業業績に関する見込みなどが明らかにされています。まず、帝国データバンクのリポートから調査結果(要旨)を3点引用すると以下の通りです。

調査結果(要旨)
  1. 2014年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は30.5%。2013年度実績からは5.4ポイント減少するものの、見通しとしては調査を開始した2008年度以降で最高となった。
  2. 企業の約6割で駆け込み需要が「あった」と回答。ただし、当初の想定よりも小さいとする企業も約3割。駆け込み需要による反動減を想定する企業のうち6割弱が3カ月以内に、9割弱が今秋までに反動減は終了すると見込んでいる。特に、駆け込み需要の大きかった『卸売』や『小売』『運輸・倉庫』においては、6割超が3カ月以内に終了すると予想。
  3. 2014年度業績見通しの下振れ材料は「個人消費の一段の低迷」が39.2%でトップとなった。次いで、「原油・素材価格の動向」が続いた。他方、上振れ材料は「個人消費の回復」が43.4%でトップ。次いで、「公共事業の増加」「所得の増加」が続いている。上振れ、下振れともに個人消費の動向が最大の焦点となっている。

ということで、リポートからグラフを引用しつつ、簡単に紹介しておきたいと思います。なお、調査対象は全国2万3,323社で、有効回答企業数は1万204社(回答率43.8%)だそうですから、かなりサンプルは大きいと受け止めています。

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まず、上のグラフは2014年度の企業の業績見通しに関する調査結果です。下のパネルは業種別に「増収増益」を見込む企業の割合を示してあります。2012年12月の総選挙で安倍内閣が成立し、いわゆるアベノミクスが始まって、その直後の2013年度については、為替の円安是正に伴う株価の上昇や年度末の一時的な現象ながら消費増税直前の駆込み需要が発生したりと、企業活動はかなり活発化し、増収増益の企業が多かったのは確かです。さらに足元の2014年度については、消費増税の駆込みに対する反動減もあって、2013年度ほどは企業活動活発化のモメンタムは大きくない可能性はあるものの、依然として売上げや収益の水準は高く、3割程度の企業は「増収増益」を見込んでいることが明らかにされています。この企業活動の成果が従業員の賃金・所得にトリクルダウンするかどうかも注目です。

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次に、上のグラフは消費増税の影響についての結果を取りまとめてあり、左が消費増税に伴う駆込み需要の有無を、右が反動減終了までの期間見通しを示しています。6割近くの企業が駆込み需要があったと回答したものの、、当初想定した規模と比較すると、想定より小さかったと感じている割合は28.7%、想定通りの規模だったとする企業は23.4%で、想定を上回る駆け込み需要があったとする企業は7.2%にとどまっています。もっとも、重要なのは駆込み需要後の反動減ですが、この駆込み需要に対応した反動減が生じると仮定すれば、反動減も想定内に収まる可能性が高いのかも知れません。また、反動減が終了するまでの期間もほぼ想定内で短く、3か月以内が56.3%、4-6か月以内が30.7%で、合わせて6か月以内を見込んでいる企業が87%に達する結果となっています。グラフは引用しませんが、特に駆込み需要後の反動減の影響が大きそうに見える業種、すなわち、運輸・倉庫、小売、卸売では3か月以内と想定している企業がいずれの業種でも60%を超えていて、正直なところ私は少し驚きました。総じて見れば、消費増税の影響は深さも期間もほぼ想定通りとの結果と受け止めました。でも、この「想定」がどの程度だったかは不明であり、やや不安が残らないでもありません。
また、これも図表は引用しませんが、今年度2014年度の業績見通しについては、上振れ・下振れ材料ともに個人消費の動向が最大の焦点となっているとの結果が示されています。すなわち、複数回答による上振れ・下振れ材料のうち、回答割合の高かった5項目を並べると以下の通りです。

  • 上振れ材料
    1. 個人消費の回復
    2. 公共事業の増加
    3. 所得の増加
    4. 外需の好調維持
    5. 消費税率引上げによる駆け込み需要・反動減の早期収束
  • 下振れ材料
    1. 個人消費の一段の低迷
    2. 原油・素材価格の動向
    3. 消費税率引上げによる駆け込み需要・反動減の長期化
    4. 外需の悪化
    5. 所得の減少

実は、下振れ材料の11番目に「賃金相場の上昇」が上げられています。アベノミクスによりデフレ脱却に成功すれば、物価とともにお給料が上がる世界が待っています。景気の拡大が続いたとしても、余りにデフレ経済に適応し過ぎた経営は成り立たない可能性もあります。あくまで一例ですが、質の高い労働力に対して、その質の高さや生産性に見合った賃金を払えない企業は、何らかの経営の改革が求められる可能性を覚悟しておくべきかもしれません。

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