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2014年6月28日 (土)

今週の読書は開発経済学を少し違った角度から見た『悪い奴ほど合理的』ほか

今週の読書は海外の翻訳教養書が中心で、レイモンド・フィスマン/エドワード・ミゲルの『悪い奴ほど合理的』ほか、以下の通りです。

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まず、レイモンド・フィスマン/エドワード・ミゲル『悪い奴ほど合理的』(NTT出版) です。表紙に見る通り、原題は Economic Gangsters であり、副題は「腐敗・暴力・貧困の経済に立脚しており、著者は2人とも開発経済学者です。ですから、冒頭から先進国の援助を重視するサックス教授と市場メカニズムの確立を重視するイースタリー教授の対立が解説されていたりします。そして、発展途上国が経済を開発し発展させて行く上で、本書の中に登場する経済的ギャングが経済学的にいかに合理的かを解き明かしていますが、決して、経済的インセンティブ一本槍ではなく、文化的な面を重視したコロンビアの首都ボゴタ市政策などにもスポットを当てています。過去の暗い歴史ながら、魔女狩りや我が国の姥捨て風習などは生産性の低い高齢女性を排除する試みであった可能性を示唆したり、最大の経済的な非合理性の塊と私が考えている戦争についても、内戦からの復興と外敵との戦争終了からの復興の違いを指摘したりしていて、とても興味深い内容を含んでいます。ただし、終章で述べられている経済的ギャングと戦う術については、それが出来ていないからまだ経済的ギャングがはびこる余地が残されているわけであり、さらに踏込みが必要な部分であろうという気がします。ひょっとしたら、永遠にそうなのかもしれません。

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次に、ペドロ G.フェレイラ『パーフェクト・セオリー』(NHK出版) です。これも表紙に見る通り、副題が「一般相対性理論に挑む天才たちの100年」となっていて、アインシュタインに始まる一般相対性理論に関する物理学の解説書・歴史書となっており、著者は物理学者です。私は専門外もはなはだしいんですが、著者が「相対性理論の黄金の10年」と呼ぶ1960年代から70年代にかけて、京都で小学生や中学生をしていたものですから、我が国でノーベル物理学賞を最初に授賞された湯川英樹先生の公演を何度か聞いたことがあり、何の専門知識もないながら物理学、特に宇宙に対する興味は尽きません。ついでながら、何かの面接などの折に「尊敬する人は?」との問いに対しては「湯川秀樹先生」と答えるのを常にしています。専門外の私からすれば、ダークマターやダークエネルギーは極めて疑わしいものとしか映りませんし、アインシュタインの宇宙項に至ってはインチキそのものなんですが、統一場理論など、何と言っても現時点では科学の中でももっとも美しい体系を有する分野のひとつである物理学の解説書として本書は最適と言えます。そして、本書で取り上げられている物理学とは何の関係もありませんが、エコノミストとしては物理学、宇宙論とともに、生物学の中の進化論は押さえておきたいところだと考えています。何ら、ご参考まで。

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最後に、エリック・シュミット/ジャレッド・コーエン『第五の権力』(ダイヤモンド) です。知っている人は知っていると思いますが、本書の著者の1人であるエリック・シュミットはグーグルの会長/元CEOです。もちろん、グーグルの有名人といえば現CEOのラリー・ペイジだと私は思っているんですが、シュミット会長もご活躍のようです。本書の原題は The New Degital Age であり、コネクティビティをひとつのキーワードとしています。私には日本語のボキャブラリが不足していて、どう表現していいのか分かりませんが、現在の Internet Society における天下国家の問題を正面から取り上げています。というのも、現在の Internet Society については、もっぱらマーケティングの面から取り上げられることが多く、いかにしてコネクティビティやICT技術をビジネスに活かすか、という観点からの本はいっぱい出ているような気がしますが、本書のように天下国家、革命、テロ、復興などから Internet Society やICT技術が語られている本は、私は不勉強にして初めて読みました。一例を上げると、専門外の私でもプライバシーとセキュリティはトレードオフの関係にありそうだということは理解しますし、どのように解決されるべきかにも大いに興味があることろで、例えば、伊藤計劃『ハーモニー』では健康というセキュリティが前面に出て、プライバシーはちょっと恥ずかしくて、ややエッチな色彩を帯びる話題という後景に退くものとして描かれていますし、本書でも明快な結論が得られるわけではありませんが、自分自身の考えを取りまとめる上でとても参考になります。

『パーフェクト・セオリー』を取り上げたパラグラフでチラリと書きましたが、私はエコノミストとして物理学、特に宇宙論、さらに、生物学の進化論、そして、人文科学からは歴史学を経済を語る上での教養として押さえておきたいと考えていますが、来週の読書は歴史に関する本を少し借りられそうに期待しています。

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