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2014年7月 8日 (火)

本日発表の景気ウォッチャーと経常収支をどう見るか?

本日、内閣府から6月の景気ウォッチャーが、また、財務省から5月の経常収支が、それぞれ発表されています。景気ウォッチャーの現状判断DIは前月から+2.6ポイント上昇して47.7となりました。経常収支は季節調整していない原系列の統計で+5228億円の黒字を記録しています。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

6月の街角景気、現状2カ月連続改善 「反動減薄れつつある」
内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比2.6ポイント上昇の47.7と2カ月連続で改善した。内閣府は基調判断を「緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響も薄れつつある」とし、2013年12月以来6カ月ぶりに上方修正した。
「4月時点では前年比70-80%だった化粧品の売り上げは6月には回復し、90-100%と前年並みに戻った店舗が出てきている。高額品のジュエリーなども回復し、買い控えも徐々になくなってきている」(近畿の百貨店)といった前向きなコメントが並んだ。
一方、2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は53.3と、前月比で0.5ポイント低下。小幅ながら3カ月ぶりに悪化した。今後は反動減からの回復テンポが緩やかになると見込まれるほか、電気料金やガソリン価格、人件費などの上昇が影響した。「主原料や副原料、燃料費、運送費で軒並み値上がりの兆しがある」(北陸の食料品製造業)との声が聞かれた。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象で、有効回答率は91.1%。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。
5月経常収支、4カ月連続で黒字 輸出の伸びは低水準
財務省が8日発表した5月の国際収支速報によると、モノやサービス、配当など海外との総合的な取引状況を表す経常収支は5228億円の黒字となった。黒字は4カ月連続。貿易赤字が減ったのが主因だが、企業が生産拠点を海外に移した影響などで、輸出の伸び率は1年2カ月ぶりの低水準だった。
5月の経常黒字は前年同月に比べると438億円(7.7%)減った。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6759億円の赤字だった。赤字額は前年同月比で1379億円(17%)少なくなったが、貿易赤字は11カ月連続だ。
輸出は5兆7188億円と前年同月比2%増えた。米国や欧州の景気持ち直しで15カ月連続の増加となった。ただ伸び率は2013年3月(0.6%)以来の低い水準にとどまる。今年2月までは8カ月連続で10%を超える伸び率だったが3月以降は1桁台と減速した。
自動車の海外生産が拡大しているほか、電機業界などで国内生産の縮小が相次いでいる影響が大きい。円安で価格競争力が強まって輸出数量が伸びる「Jカーブ効果」は限定的との見方が多い。
輸入は6兆3947億円と前年同月比0.4%少ない。減少は19カ月ぶり。消費増税による需要減を見越して、企業が一時的に生産財や消費財の調達を抑えているようだ。
旅行や輸送などのサービス収支は682億円の赤字となった。赤字額は前年同月に比べ437億円多い。ただ特許の貸し出しなどで収入を得る知的財産権の受取額は4810億円と単月で過去最大だった。収支でみても2754億円の黒字となり、過去最高だった12年3月に次ぐ高水準だった。
海外からの配当金などを示す第一次所得収支は1兆4779億円の黒字となった。黒字額は前年同月に比べ3.2%減少した。

いずれも長いながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気ウォッチャーの現状判断DI及び先行き判断DIのグラフは以下の通りです。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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景気の現状判断DIは、4月の消費増税でドンと落ちた後、5-6月は順調に改善を示しており、かなり50に近い水準まで戻って来ています。私が不可解なのは6月の先行き判断DIがわずかながら悪化した点です。家計動向関連のうちのサービス関連と小売関連で低下を示していて、4月の消費増税後の反動減からの回復テンポが緩やかになると見込まれるためとされています。特徴的な判断理由としてリポートに掲載されている中に、北陸のレストランで「6月は回復するどころか、かえって悪くなっているように感じる」とか、九州の商店街で「電気料金の値上げや消費税増税で、あまり良くならない」といった声はあるものの、やや私の理解ははかどりません。5月の景気ウォッチャーを見て、私は消費増税のショックについては短期に終了するような印象を受けたんですが、反動減からの回復テンポが緩やかであるといった見方は初めて目にしました。もっとも、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響も薄れつつある」に変更しています。どっちなんでしょうか。それとも、反動減は薄れつつあるが、回復テンポが緩やか、というムリにも両立する形なんでしょうか。よく分からないながら、非常に短い期間で大きな変動を繰り返す指標ですから、単月の統計だけで判断するのではなく、また、需要サイドの消費者態度指数などとも合わせて見る必要もあるのかもしれません。

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経常収支のグラフは上の通りです。季節調整済みの系列をプロットしており、青い折れ線グラフが経常収支を、積上げ棒グラフが貿易収支などの経常収支の内訳を示しています。色分けは凡例の通りです。この4-5月で経常収支が2011年の震災後のトレンドを外れて黒字となったのは、貿易赤字はが縮小したからであり、その貿易赤字縮小の主たる要因は輸出増ではなく、消費増税のマイナス・ショックに伴う輸入減であろうと私は考えています。健全な経常収支の黒字化かどうか、やや疑わしいと考えるべきです。このショックは7-9月期にはほぼ剥落するでしょうから、その時点で経常収支はトレンドとして元に戻る可能性が高く、あるいは、レベルとして戻る可能性すらあります。

経済外要因で、今週は超大型の台風8号ノグリー NEOGURI が沖縄付近を通過して九州に近づいています。予想進路を見ていると日本列島を縦断しそうな勢いです。まったく専門外で不案内ながら、消費や住宅建設などにどのような影響を及ぼすものか、我が家の防災とともに、経済へのダメージを含めてそれなりに注目しています。

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