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2014年8月29日 (金)

本日発表の鉱工業生産と雇用統計と商業販売統計などから見て消費増税後の景気のリバウンドはかなり鈍い!

本日は8月最後の閣議日で経済指標が多数公表されています。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計、経済産業省の商業販売統計、総務省統計局の消費者物価指数 (CPI)などです。いずれも7月の統計です。まず、各指標のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

鉱工業生産、7月は0.2%上昇 基調判断「弱含み」
経済産業省が29日発表した7月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比で0.2%上昇の96.8だった。前月比3.4%低下と大幅に落ち込んだ6月の反動から2カ月ぶりにプラスとなった。ただ生産の回復は弱く、QUICKが28日時点で集計した民間の予測中央値(1.0%上昇)は下回った。
経産省は生産の基調判断を「弱含みで推移している」に据え置いた。
業種別でみると、15業種のうち上昇が8業種、低下が6業種、横ばいが1業種だった。上昇業種では「はん用・生産用・業務用機械工業」が前月比6.3%上昇と大きく伸びた。コンベヤや半導体製造装置など輸出向けの受注生産が多く、経産省は「納期が重なった一時的な要因が強い」とみている。一方、低下業種では、自動車など輸送機械が2.5%低下、パソコンや携帯電話を含む情報通信機械も6.9%低下した。
出荷指数は0.7%上昇の95.9だった。在庫指数は0.8%上昇の111.5、在庫率指数は2.3%低下の108.9だった。自動車や家電などの耐久消費財の生産者在庫の水準は12年11月以来の高い水準にあり、「1997年の消費増税後の同時期と比べ生産と出荷の勢いが弱く、在庫が積み上がっている」(経産省)という。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、先行きは8月が1.3%上昇、9月は3.5%上昇する見込み。経産省は「7月の水準が低いため、8月の上昇幅が大きく見える」としている。
7月の求人倍率、横ばいの1.10倍 完全失業率は3.8%
厚生労働省が29日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍と前月から横ばいだった。20カ月ぶりに改善が止まったものの、22年ぶりの高い水準を保った。完全失業率は3.8%と0.1ポイント上がった。仕事探しに出る女性が増えたたためで、総務省は「(雇用情勢は)持ち直しの動きが続いている」との判断を維持した。
有効求人倍率は全国のハローワークで職を探す人1人に対して、企業から何件の求人があるかを示す。数字が高いほど働く人は仕事を見つけやすい一方、企業から見ると採用が難しくなる。
7月に受け付けた新規求人数(原数値)は4.5%伸びた。11業種のうち8業種で伸びた。医療・福祉と教育・学習支援がそれぞれ11.8%増えたほか、宿泊・飲食サービスが5.3%伸びた。一方、広告業など学術研究・専門技術サービスが5.4%減ったほか、情報通信業が4.4%減った。
これまでに比べると求人の回復ペースは弱まっている。6月までの受け付け分を含む有効求人数(季節調整値)を前月と比べると0.5%減った。減少率の大きさは3年2カ月ぶりだ。
総務省が同日まとめた7月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント高い3.8%だった。上昇は2カ月連続で8カ月ぶりの高い水準。新たに職を探したり、転職に備えて退職したりする女性が増え、失業者の数を押し上げた。「消費増税で家計の負担が増えていることの影響も考えられる」(総務省)という。
完全失業率は15歳以上の働きたい人のうち、仕事に就いておらず職を探している完全失業者の割合を示す。就業者(原数値)は6357万人と前年同月から0.7%増えた。増加は19カ月連続だ。
7月の小売販売額、増税後初のプラス 肉類・石油製品の値上がりで
経済産業省が29日発表した7月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は11兆8120億円と、前年同月比0.5%増えた。4月の消費増税以降、初めてプラスとなった。畜産品の相場高の影響で肉類の価格が上昇したほか、石油製品が値上がりしたことが販売額の押し上げにつながった。
小売業の内訳をみると、燃料が1.4%増。飲食料品が1.2%増。織物・衣服・身の回り品は2カ月ぶりにプラスとなった。一方、自動車や機械器具は減少が続いた。
大型小売店は0.3%増の1兆7172億円。4カ月ぶりのプラスとなった。台風など天候不順で客足が遠のき、既存店ベースでは0.6%減。このうち百貨店は0.4%減、スーパーは0.7%減となった。
コンビニエンスストアは5.7%増の9523億円。既存店ベースでは0.8%増えた。
同時に発表した専門量販店販売統計(速報)によると、7月の販売額は家電大型専門店は3945億円、ドラッグストアが4162億円、ホームセンターが2777億円となった。
7月の消費者物価、前年同月比3.3%上昇
総務省が29日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は値動きの激しい生鮮食品を除く指数が103.5と、前年同月比で3.3%上がった。電気やガソリンなどのエネルギーや菓子などの生鮮以外の食品、テレビなどの耐久財が上昇した。伸び率は前月と同じで、緩やかな上昇が続いている。
日銀は消費増税が物価を2.0ポイント押し上げているとみており、増税の影響を除くと上昇率は1.3%となる。
品目別にみると、ガソリンが10.4%、電気代が8.5%上がり、エネルギー全体では8.8%上昇した。ただ、6月の9.6%から伸び率は縮小した。ほかには家電が前年から上がっており、エアコンが11.9%、テレビが11.8%それぞれ上昇した。宿泊料も7.4%上がった。
原料高を受けた企業の値上げも物価を押し上げた。生鮮食品を除く食料は4.3%上昇。アイスクリームやチョコレートなどで「企業が内容量を減らす実質値上げを図った影響が出た」(総務省)。
物価は今後も緩やかな上昇が続きそうだ。東京都区部の8月中旬速報値は生鮮食品を除く指数が102.1と、前年同月比2.7%上昇した。伸び率は7月と同じだった。

いずれも網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。しかし、4つの統計を一度に並べると、これだけでおなかいっぱいというカンジです。次に、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。景気後退期の陰については、以下の雇用統計と商業販売統計にも共通です。

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日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは前月比で+1.2%の増産で、レンジは+0.5から+2.3%の増産だったんですが、実績は+0.2%増にとどまり、前月の▲3.4%の減産からのリカバリーすら届きませんでしたし、先月段階で発表された製造工業生産予測調査でも7月は+2.5%の増産計画が示されていましたので、生産はかなり低空飛行を続けている印象です。従って、統計作成官庁である経済産業省は基調判断を「弱含み」で据え置いています。もっとも、引き続き、製造工業生産予測調査では先行き堅調な伸びが計画されているようで、8月+1.3%、9月+3.5%の増産計画が示されています。これが実現されるかどうかは最近の実績からして定かではありません。なお、出荷については生産よりも伸びが高くなっていて、生産に波及することが見込まれるんですが、それでも季節調整済みの前月比で+0.7%の伸びですから、決して高い伸びではありません。上のグラフの下のパネルの輸送機械を除く資本財出荷は回復を示す兆しが見えますが、耐久消費財の方はまだ消費増税の反動減が続いているように受け止めています。生産は全体として消費増税のショックからのリバウンドが鈍いと私は受け止めています。

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次に、雇用統計のグラフは上の通りです。見れば分かると思いますが、一応、上のパネルから順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数のグラフです。いずれも季節調整済みの系列です。雇用もかなり改善したんですが、失業率や有効求人倍率などを見る限り、7月統計では改善が足踏みを示しているようです。失業率については、引用した記事にもある通り、消費増税の負担増に対応するため、家庭の主婦などの女性を中心に新たに求職する人が増えたことも一因ですから、決して景気の悪化による失業率の上昇ではないんですが、5月には3.5%にまで低下していたんですから、4月の消費増税に伴う需給ギャップの悪化に応じた失業率の上昇という面は否定しようがありません。有効求人倍率や先行指標の新規求人も停滞を示しており、生産が消費増税のショックからのリバウンドが鈍いため、生産からの派生需要である雇用についても足踏みを示していると私は受け止めています。ただし、ほとんど可能性はないと考えられるものの、人手不足から賃金上昇が一部に見られており、人件費アップに耐えられないために求人が減少している、という可能性もないとはいえません。来週発表予定の毎月勤労統計なども確認したいと思います。

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続いて、季節調整していない商業販売統計の小売業の前年同月比と季節調整した指数のグラフは上の通りです。4月に消費増税のショックで大きく落ち込んでから、5-7月は季節調整していない前年同月比で見て小幅のマイナスにまで戻し、季節調整済みの指数では3か月連続の前月比プラスを記録しています。消費増税に伴って、4月にドンと落ちた後、5-6月統計では季節調整済みの前月比ではジワジワと増加を示す一方で、季節調整していない原系列の統計の前年同月比ではマイナスが続く、という局面でしたが、7月は逆に、前年同月比で水面上に出てプラスを記録したものの、前月比では減少に転ずる、という形になりました。商品価格の上昇に伴う燃料や食料の価格上昇に起因する販売額の増加が主たる原因ですが、いずれにせよ、増加したとはいっても名目額の増加ですので消費増税に伴う物価上昇を考慮に入れた実質販売はマイナスのままであると考えるべきです。このブログで取り上げている商業販売統計は供給サイドのデータですが、需要サイドの指標であり、総務省統計局から公表されている家計調査では7月の実質消費の前年同月比は▲5.9%を記録しています。消費については従来から予想された通り、消費増税のショックを払しょくするのに時間がかかる可能性が高く、しかも、今回の消費増税に伴う駆込み需要と反動減は明らかに1997年当時から大きくなっていますので、従来の想定よりもさらに時間がかかる可能性があります。

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グラフとしては最後に、消費者物価上昇率の推移です。折れ線グラフが全国の生鮮食品を除くコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが8月中旬値です。これもいつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局の上昇率や寄与度とは微妙に異なっている可能性があります。物価については、かなりプラスが定着したと私は受け止めています。ただし、消費税の影響を除くベースで考えて、この先、消費増税の需給ギャップに及ぼす影響が現れ始め、目先の9-10月くらいには消費増税の影響を除くベースで+1%の上昇率くらいまでインフレ率が縮小する可能性があると覚悟すべきです。ただし、楽観的に見れば、その後は日銀のインフレ目標である+2%に近づくと私は期待しています。

本日発表のものを含めて政府統計を見る限り、日本経済は4月の消費増税のショックで大きく落ち込んだ後、年央まで緩やかに景気は回復しているように見えますが、あくまで私の実感ながら回復の足取りが物足りない、というか想定よりもさらに緩やかな気がします。足元というか、年央以降の7-9月期の成長率も気にかかるところです。

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