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2014年9月 1日 (月)

企業活動の停滞を示す4-6月期法人企業統計は消費税ショックに由来するのか!

本日、財務省から4-6月期の法人企業統計が発表されています。ヘッドラインとなる指標を季節調整していない原系列の統計の前年同期比で見ると、売上高については製造業・非製造業ともに増収、経常利益については製造業では減益、非製造業では増益となった一方で、設備投資については製造業では減少、非製造業では増加となりました。まず、日経新聞のサイトから設備投資に着目した記事を引用すると以下の通りです。

4-6月期の設備投資3.0%増 前期比は3四半期ぶりマイナス
財務省が1日発表した4-6月期の法人企業統計によると、金融業と保険業を除く全産業の設備投資は前年同期比3.0%増の8兆5617億円で、5四半期連続でプラスだった。プラス幅は1-3月期(7.4%)から縮小し、2013年7-9月期(1.5%)以来の小ささとなった。石油・石炭業や電気業などで前年に設備投資を増やした反動が出た。
設備投資の産業別の投資動向をみると、製造業は0.8%減。前年の給油所改修などの反動減で石油・石炭業が、新型車対応による反動減で輸送用機械が設備投資を減らした。非製造業は5.0%増えた。不動産業や卸売業、小売業で伸びた。
国内総生産(GDP)改定値を算出する基礎となり注目度が高いソフトウエアを除く全産業の設備投資は、季節調整して前期と比べると1.8%減と、13年7-9月期以来3四半期ぶりにマイナスとなった。
全産業の売上高は前年同期比1.1%増の315兆886億円。4四半期連続の増収となったものの、増加率は13年7-9月期(0.8%)以来の小ささ。製造業は0.2%増、非製造業は1.5%増だった。
経常利益は4.5%増の16兆3860億円。10四半期連続の増益だが、伸び率は2011年10-12月期(10.3%減)以来の小ささまで縮んだ。製造業が7.6%減る一方、非製造業は12.1%増えた。
財務省は今回の調査結果について、「駆け込み需要の反動の影響がみられるものの、景気は緩やかな回復基調が続いているという経済全体の傾向を反映している」とみている。
同統計は資本金1000万円以上の収益や投資動向を集計。今回の結果は内閣府が8日に発表する4-6月期のGDP改定値に反映される。

いつもの通り、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、法人企業統計のヘッドラインに当たる売上げと経常利益と設備投資をプロットしたのが下のグラフです。ただし、グラフは季節調整済みの系列をプロットしています。季節調整していない原系列で記述された引用記事と少し印象が異なるかもしれません。また、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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原系列の統計に基づく前年同月比では、全産業ベースで売上げも営業利益も経常利益も増収・増益の結果を示しているんですが、上のグラフに示した通り、季節調整済みの系列を見ると、売上げも経常利益も設備投資も前期比で減少しています。当然ながら、4月の消費税率引上げ前の駆込み需要とその後の反動減を反映しているわけです。ただし、グラフには示していませんが、季節調整済みのベースで見て、売上げ・経常利益・設備投資のすべてで、製造業の伸び率が非製造業を下回っています。為替相場の円高修正の局面が一巡したという要因や、Windows XPのサポート切れに対する駆込みの反動もなくはないんでしょうが、消費税ショックは消費をはじめとする内需に依存した非製造業に対してより大きなマイナス効果を発揮すると予想されただけに、私は大きな意外感を持って受け止めています。やはり、4-6月期の日本経済の大きなマイナス成長は消費増税ショックだけでなく、企業活動に関しては輸出の不振も影響が大きかったといえそうです。4-6月期の輸出入を合わせた外需全体については、消費増税ショックで輸入が大きく減少しましたので、外需の成長率への寄与度はかなり大きなプラスを記録したんですが、輸出についてはマイナス寄与でしたし、国内需要の不足を補い、設備や人員などの潜在能力に見合った生産を行うに足るだけの輸出ができていない可能性が高いと評価せざるを得ません。どうしても、身近な消費増税ショックに企業活動停滞の原因を求めがちですが、輸出動向についても注意が必要かもしれません。

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続いて、上のグラフは擬似的に私の方で試算した労働分配率及び設備投資とキャッシュフローの比率をプロットしています。労働分配率は分子が人件費、分母は経常利益と人件費と減価償却の和です。特別損益は無視しています。また、キャッシュフローは実効税率を50%と仮置きして経常利益の半分と減価償却の和でキャッシュフローを算出しています。このキャッシュフローを分母に、分子はいうまでもなく設備投資そのものです。いずれも、季節変動をならすために後方4四半期の移動平均を合わせて示しています。太線の移動平均のトレンドで見て、昨年10-12月期までは労働分配率も投資比率もともに低下を続けていましたが、設備投資比率は1-3月期に入って上昇した後、4-6月期には再び低下しました。労働分配率は現在の景気拡大局面に入ってから一貫して低下しています。従って、企業部門の資金余剰が急速に縮小するとは考えられませんし、この資金余剰を企業部門から設備投資や賃上げの形で広く日本経済に均霑させることが重要、との私の見方にも変化ありません。

タイトルにしたように、企業活動の停滞は基本的には消費増税ショックに起因すると私は考えていますが、それだけではなく、輸出にも原因がある可能性を考慮すべきです。また、今日発表の法人企業統計を受けて、来週9月8日には4-6月期のGDP統計2次QEが発表される予定となっており、設備投資は下方修正されると私は予想していますが、全体の成長率など詳細な2次QE予想は日を改めて取り上げたいと思います。

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