ハフィントン・ポストによる政策課題のアンケート調査結果をどう考えるか?
とても旧聞に属する話題ですが、9月15日にハフィントン・ポストにおいて「人口減少に関する住民意識」の結果が公表されています。このテーマ自体は私は特にハフィントン・ポストのお説を拝聴しようとは思わないんですが、優先すべき政策課題について年齢別のアンケート調査結果が目を引きました。ハフィントン・ポストのサイトから引用して少し画像を取りまとめると以下の通りです。
20代から60歳以上までのすべての年齢層に共通して、1番目が「雇用や賃金の確保など現役世代のための政策」、2番めが「教育など子ども世代のための政策」、3番めが「年金や介護など高齢者世代のための政策」となっています。しかし、実際の政策運営は圧倒的に高齢者を優遇して偏っているのが実情です。この差は何に由来するんでしょうか。第1に考えられるのは、いわゆるブラッドリー効果です。要するに、回答者が真実と異なる回答をしている可能性があります。第2に考えられるのは、間接民主主義における代議士の過剰反応です。有権者の選好を反映しない歪みの可能性です。
その昔に私が読んだ田原総一朗『頭のない鯨』だったと思うんですが、選挙によって示された国民の選好を、1990年代の当時の大蔵省が天下国家の観点から国益に添って歪めていた一方で、現在では有権者の選好がそのまま政策に反映されるために逆に好ましくない結果がもたらされる場合があり得る、それが「頭のない鯨」と表現されていたように記憶しています。別途、「国益」とは何かをきちんと議論する必要はあるかもしれませんが、それはともかく、今回のアンケート調査結果の第2の解釈は、この逆のケースと言えます。すなわち、有権者はそれほどの高齢者優遇を望んでいないにもかかわらず、政策では際立った高齢者優遇の結果が示されているわけです。
どちらの解釈が正しいのかは、私は専門外でもあり、よく分かりません。しかし、いずれにせよ、世代間の不平等や不公平を拡大するばかりの現在の高齢者優遇を何とかする必要があることは事実のようです。
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